大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

「預金を使い込まれてしまった。」そんな問題に特化した弁護士がいます。

【当事務所は遺産調査・発見を得意としています】

当事務所の弁護士大澤龍司は、裁判所から依頼されて破産管財人として多くの会社の財産整理をしてきました。

その中で破産した会社が隠した財産をどのように発見するかというノウハウを取得しました。

このノウハウを相続事件に応用して、現在、遺産調査に活用しています。

当事務所の遺産調査の特色は次のようにまとめることができます。

① 徹底した証拠集め

金融機関にどのような照会をするのか、その際、どの程度まで必要資料が出てくるのか、多くの経験と実績を積んできました。

その経験を遺産調査に活かして、取れる証拠はできるだけ取るという徹底的証拠集めをしています。

② パソコンなどを利用した詳細な分析

金融機関などから取引履歴を取り寄せしたところ、膨大なデータのため、どのように処理し、何を読み取っていくのがわからない人も多いのではないでしょうか。

当事務所では、パソコンを利用したデータ処理を行い、グラフ化して問題点を発見するなど、詳細な分析が得意です。

③ 弁護士や事務スタッフなどの多面的な検討

集められたデータから何を読み取るのか、弁護士だけで判断するのではなく、スタッフの見方も考慮に入れ、多面的な検討をして、隠された問題点の発見に努めています。

 

【当事務所の相続財産調査の実績】

 当事務所で扱った相続財産調査のケースで、どの程度の財産が判明・発見できたのかを一覧表にまとめてみました。

 事案がそれぞれ異なるために、新たに発見できた遺産の金額が億を超すものから、ほとんど新しい遺産が発見できず数万円であったものまであります。
 調査にかかった期間も記載しています。

 

預金口座の取引内容を確認したい!【Q&A №602】

【質問の要旨】

祖母が開設した娘名義の口座の取引内容を確認することはできるか?

記載内容  離婚 借金 取り引き内容

【ご質問内容】

離婚をして10年以上経ちます。娘が1人います。  

昨年、娘の父親が亡くなりました。元夫は母親と会社を経営してました。  

元夫の母からは借金しかなく娘には何も渡すものは無いと言われました。  

今まで父親からは養育費として少しは頂いてたので祖母は19歳まで生活費を渡すと言ってます。  

先日、祖母が生活費とは別に少しづつ貯金をしてあげるからと娘の銀行口座の開設に行きました。通帳と印鑑は祖母が持ってます。しかし周りからはその口座に遺産関係が入るからだと言われました。もしそうだとしたらどうなるのでしょうか?  通帳、印鑑が無くても娘は口座の取り引き内容は閲覧できるのでしょうか?  

私は全く関わりたく無いのですが娘が大学に行きたいと言ってるので学費だけでもと思っています。

 
(aloha)

 

 ※敬称略とさせていただきます

 

【元夫の相続人は娘】
① 元夫の相続人は、元夫があなたとの離婚後に再婚しておれば、現在の配偶者と元夫の子(あなたの娘。もし、他に子がいればその子も相続人になります)。
② 結婚してもおらず、他に子供がいないのであれば、娘のみが相続人になります。
なお、上記①及び②のいずれの場合でも、元夫の母親やあなた自身は相続人ではありません。

【相続するということは借金も引き継ぐということ】
 相続するということは、元夫の財産も借金などの負債もすべて引き継ぐということです。
 なお、相続人である娘が未成年であれば、親権者であるあなたが娘の代理人として相続手続をすることになります。

【元夫の遺産や借金については調査をすべき】
 元夫の母親の話では、元夫には借金しかなく、娘に渡すものはないとのことです。
 もし、元夫の母親の話が正しいとすれば、娘は元夫の借金を相続してしまうことになります。
 又、ひょっとすると財産があるかもしれません。
 今後の娘の行動を考えるには、元夫に借金があるのかどうか、又、財産があるのかどうかを調査する必要があります。
 調査の結果、借金が多ければ相続放棄の手続きをし。借金もあるが財産もあるというのであれば、双方を比較して財産が多いと判断すれば相続人として財産を取得する手続きをすることになります。
 いずれにせよ、亡夫の財産調査は必要不可欠です。

【相続放棄するなら3ケ月以内に】
 相続放棄は、相続があったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所に申し立てする必要があり、3か月の期限内に調査が終わりそうにないなら、放棄をする期間を延長(これを熟慮期間の伸長といいます)する必要があります。

<strong>【印鑑を預けてはいけない】</strong>
 祖母に娘の口座を作ってもらうために印鑑を預けたということですが、もし実印を預け、印鑑証明書を渡したというのであれば、それは極めて危険な行為です。
 娘の実印と印鑑証明書があれば、遺産分割協議書が勝手に作成されたり、亡夫の遺産である預貯金が勝手に解約されるかもしれません。
 娘さんが未成年のようなので、親権者であり、法定代理人であるあなたが娘さんの口座を作ることができます。
 もし娘の口座を作るので、あればあなたがその手続きをし、口座を祖母に連絡すればよく、印鑑まで預ける必要はありません。

<strong>【遺産が入るかも??】</strong>
 遺産を渡す気があるのなら、当然、祖母は、亡夫の遺産は借金だけというような話もしないはずです。
 もし、あなたが渡した印鑑が実印であり、かつ印鑑証明書なども渡したのであれば、祖母としては銀行等で亡夫の預貯金を解約取得する手続きができる場合があります(法定相続人である娘のもらうべき遺産を元夫の母が勝手に引き出すという最悪のケースも想定されます)。
 あなたとしては、そちらを心配するべきでしょう。
 もう、遅いかもしれませんが、預けている娘の印鑑などもすぐに取り返した方がいいでしょう。

【まず、するべきことは遺産調査と印鑑の回収】
 あなたが娘の学費をなんとかしたいというのであれば、亡夫の預貯金など、遺産の調査をするべきです。
 娘さんは相続人ですので、元夫の預貯金の取引履歴を取り寄せすることは可能です
 亡夫の預貯金などは、娘が亡夫の子であることを証明する戸籍や実印などがあれば、過去の取引内容を含めて、調査が可能です。

(調査方法についてはリンク参照)


《過去の参考ブログ》

相続放棄

借金の調べ方

預貯金等、遺産の調査

 

(弁護士 岡井理紗)

認知症の伯母の多額の預金が引出されたことが相続時に判明した【Q&A №582】


【質問の要旨】
窓口出金時の付添人を調べる方法はあるのか?

記載内容  認知症 引き出し 騙された

【ご質問内容】
 遠方の伯母が認知症になり、嫁ぎ先の地で数年の療養を経て、半年前に亡くなりました。
 相続にあたり銀行に確認したところ、療養中、自分で歩けないにも関わらず誰かが付き添って窓口へ行き預金を引き出していた(8年前)ことがわかりました。

 私は時々伯母の様子をみに行っていたのでわかるのですが伯母は多額の現金を使うことなく死亡しており、誰かに騙されて預金を引き出したこと、引き出した現金をその誰かに取られてしまったことを疑っております。
 相続人として問い合わせましたが銀行からは預金引出しの状況を教えてもらえず、事件性を考え警察に相談に行きましたが、
回答がありません。誰が現金引出しに付き添ったか知りたいのですが、銀行から書類等見せてもらう方法はないでしょうか?

 伯母の亡き夫の親族が伯母の近くに住んでいて入院や施設入所時保証人になっていたのでもしかして伯母は騙されたのではと思うと悔しくてなりません。以上宜しくお願い致します。

(太郎)


【あなたが伯母さんの相続人であれば、調査できます】
 あなたが伯母さんの相続人である場合には、他の相続人の同意などはなくても、あなた一人で、被相続人である伯母さんの預金の取引内容を調査することができます。
 かなり昔には、ほとんどの金融機関が相続人全員の同意がない限り、履歴の開示請求には応じませんでした。
 しかし、平成21年に最高裁判所で、相続人全員の同意がなくても、被相続人の預金の取引内容を開示しなければならないとの判断をしました。
 この裁判例以降、現在は、ほぼ全ての金融機関が単独請求の場合でも、履歴の開示をしています。

【取引内容調査の方法】
 まず、取引履歴(その金融機関での入出金、振替等の取引内容がすべて記載された履歴)の開示には、あなたが相続人であることを裏付ける資料(被相続人の除籍謄本、あなた自身の戸籍謄本)とあなたの本人確認資料(運転免許証など)が必要となります。
 ただ、金融機関によっては、そのほかに実印や印鑑証明書等がいる場合もありますので、取り寄せる前に必要書類を問合せておくとよいでしょう。
(なお、被相続人の預貯金履歴手続については(Q&A №98Q&A №205ほか参考カテゴリ:「遺産調査」に詳しく記載しているのでご参照ください)

【取引履歴を取得出来たら、使途不明金を絞りこむ】
 伯母さんの金融機関の取引履歴の取り寄せができたら、次に怪しい出金がないかどうかを検討します。
 履歴の摘要欄や支払時期などを見ても使途がわからず、他の金融機関に移された形跡もないような出金があれば、それは不正出金の可能性があります
 ただ、生活費の出金もあるかもしれませんから、ある程度、多額の出金に絞るといいでしょう。

【次に出金手続きの確認をする】
 取引履歴には、出金方法も記載されている場合が多いと思いますので、それを確認します。
 出金が窓口でなされていれば、払戻伝票を取り寄せて筆跡を確認するといいでしょう。
 また、ATM出金であればどこのATMが使われたか、伯母さんは当時ATMを使用できるような状態だったか等を検討していくことになります。
 これらの作業をしていく中で、使徒不明金を把握していきます。

【付き添いで来ている本件のような場合は・・】
 ただ、今回のケースでは、被相続人が金融機関に行ったが、その際、付添人がいたということです。
 そうすると、払戻手続きをしたのは、被相続人の伯母さん自身であり、払戻伝票の筆跡は伯母さんの可能性が高いということを考慮しておく必要があるでしょう。
 伝票だけでは付添の人が誰であったのか、又、その人が引き出したお金を使ったのかどうかは判明しないことが多いです
金融機関としては本人が来て、手続きをしている以上、そのお金が誰に渡ったのかなどは、手続き外のことであり、《関知しないこと》という態度をとります。
 これらの点を考えると、単なる履歴照会では問題は解決しないと思われます。

【弁護士の知恵を借りるのがいいでしょう】
 付添の人が誰であったのか、払戻された金銭は誰に渡ったのか、そのような点まで調査するのはかなりむずかしい作業です。
 できれば、早い段階で、相続に詳しい弁護士に相談されるといいと思います。
 弁護士は、法律に基づき金融機関等に対して調査することができます。
 本件ケースでは、詳細な事情を説明して、弁護士の知恵と能力を使うことを考えられるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)

生前財産調査【Q&A №581】


【質問の要旨】
存命中の祖父の財産調査はできるのか?

記載内容  存命中 財産調査

【ご質問内容】
 祖父が高齢で事情があり今何をしてるかわからずです。
 土地や通帳など大まかな事しかわからず細かく知りたいのですが調べて頂く事は可能でしょうか?
 費用は大体どれくらいになりますか?   ご相談に伺いたいと思っておりますのでご連絡宜しくお願いします。

(馬渕)


【生前の調査はできないのが原則】
 お祖父さんとあなたの関係がわかりませんが、仮にあなたの父方のお祖父さんとすれば、お父さんが将来の法定相続人になります。
 お父さんが死亡され、あなたがお父さんに変わって代襲相続人になり、お祖父さんの財産を確認したいのかもしれません。

 ただ、金融機関等の立場から見れば家族や将来の相続人といえども他人であり、個人情報管理に厳しい現代において、金融機関等が個人情報を他人に開示することは、まずありません。
 そのため、被相続人本人がご存命のうちに家族が財産調査をすることは、原則としてできません(この点は同種の質問が当ブログ№370№485にもありますので、ご参照下さい)。

ただ、例外的に家族が財産調査できる場合としては、
①本人から委任状をもらった場合
②本人の成年後見人になった場合

の2つの場面が考えられます。

【委任状をもらった場合・・・判断能力が「ある」場合】
 もちろん、体調が悪いなど銀行に出向くことが難しい方のため、各金融機関では本人の委任状を提出した場合に家族や専門家(弁護士など)が代理人として情報の開示請求や預金の出し入れを行うことを認めるケースがあります。
(この点については、どのような手続きが必要か、予め金融機関に確認されるといいでしょう)
 多くの場合は、預金口座のある銀行に対し、届出印を押印した委任状と本人確認証などを提出して代理人として認めてもらい、取引履歴や通帳の再発行などを行い、情報開示を受けることになるでしょう。

 もっとも、高齢者の方の場合は、ご本人に判断能力が「ある」ことが前提となります。本人が認知症などで物事を理解できない状態にあるにもかかわらず委任状を書かせても、委任が無効になる場合があります。このような場合は、次に述べる成年被後見人制度を利用することになります。

【成年後見人になった場合・・・判断能力が「ない」場合】
 他方で、本人に判断能力が「ない」場合には家庭裁判所に申立を行い、成年後見人を選任してもらうことで、本人の代わりにあらゆる財産管理・調査を行うことができる権限を持つことができます。
 成年後見人とは、家庭裁判所が選任した代理人であり、本人に代わって物事を判断するほか、本人に代わって預金の出し入れや不動産の管理処分も行う財産管理権限があるため、存命中のご本人の財産調査をすることが可能となります。
 ただ、親族間に(将来の相続などで)争いがある場合や不正出金の問題がある場合等は、成年後見人に第三者の専門家(弁護士や司法書士)が選任されることがあります。

 その場合は事情を説明して財産調査をお願いするしかありませんが、たとえ家族の希望でも調査を行うかどうかはあくまで選任された成年後見人が判断することですし、又、その調査結果については、後見人があなたに教えてくれることはないと考えておくといいでしょう。

【結局のところは・・・】
 以上のとおりであり、もし、お祖父さんに判断能力があるのなら、その委任状を得て、金融機関に調査するしかありません。
 又、お祖父さんに判断能力がないということなら、あなた自身が成年後見人になって、お祖父さんの財産を調査するしかないという結論になります。

(弁護士 北野英彦)

★名義貸し預金の調査はできるか【Q&A №548】


【質問の要旨】
名義貸しの預金は誰のものか

記載内容 名義貸し 借名預金 履歴

【ご質問内容】
母が子や孫の名前で定額貯金をし、満期が来たのでそれぞれの名義の者が勝手に払い戻してしまいました。
母は名義を借りていただけだとメモで残していたので、母の死後、相続人同士で話し合って等分に分けることになったのですが金額もバラバラのようだし、ウヤムヤにしたいようです。
母の預金の履歴を調べる方法はあるのでしょうか
やっぱりもう無理なのでしょうか。
名義貸しとか税金の払い方とかのこともよくわからず要領をえない質問ですみません。
よろしくお願いします。

(あきらめかけてる相続人1)


【名義人にしか開示しないのが原則】
本件のように、別人の名義で預金をする(例えば親が子供の名義で預金する)ことが、昔は多く行われており、「名義貸し預金」「借名預金」などと呼ばれていました。
このような名義貸し預金は、預金をした(=お金を出した)人物と口座の名義人が一致しないため、取引履歴の開示請求を受ける金融機関も慎重な対応をします。
実際には名義人である子どもさん自身が履歴照会を求めれば、金融機関は誰がお金を預けたかはわかりませんので、名義人の照会には問題なく応じます。
反面、お母さんが自らのお金を預けたとしても、名義が他人であれば、お母さん(その相続人であるあなた)が請求しても、他人名義であるというそれだけの理由で金融機関は取引履歴を開示しない可能性が高いです。
なお、本件のような名義貸し預金(借名預金)の払戻手続や一般論については当ブログQ&A №300に記載しておりますので、合わせてご参照ください。

【名義人の承諾をとるしかない】
もし、名義人(子どもさんら)の了解がとれるのであれば、金融機関としても名義人の了解があるのですから、履歴を開示することに同意するでしょう。
開示に際して、具体的にどのような同意手続きが必要かは金融機関により異なります。
そのため、同意が取れそうな場合には、予め、金融機関に必要書類等を確認されるといいでしょう。

【お母さんのいた場所で通帳を探す】
被相続人が他人名義で預金を作っていた場合、相手方からはその名義人に贈与をしたのだという主張が出されることが多いです。
そのようなケースでは、私は通帳や印鑑を名義人に渡していたのなら、贈与の可能性が高いが、これらが被相続人の手元にあれば名義を借りただけだと判断することにしています。
もし、お母さんが単に子供さんの名義を借りただけというのであれば、預金通帳やその取引印はお母さんの手元にあるはずですので、それを探して、履歴を確認されるといいでしょう。
もし、通帳も印鑑も子どもに渡していたというのであれば、それはお母さんから子供への生前贈与だったとされる可能性があり、その場合には特別受益の問題が発生します。
なお、お母さんの手元に通帳が見つかった、あるいは少なくともお母さんが死亡するまでは通帳がお母さんの手元にあったというのであれば、生前贈与ではなく、遺産の一部になり、相続の対象になります。
遺産分割協議をしても、話し合いが進まないような場合には、早めに法律相談され、遺産であるとして証拠を残す方法や、解約された預貯金についての保全措置の要否、今後の取るべき方策等も弁護士にお聞きになるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

★不正出金とその調査【Q&A №537】


【質問の要旨】
交通事故で長年寝たきりだった祖父の遺産は調査できるのか?

記載内容  不正出金 医療費 成年後見人

【ご質問内容】
初めまして。
突然ですが祖父の遺産についてご相談があります。
私の父方の祖父が最近亡くなりました。
父には妹が二人居て三人兄弟です。
祖父が12年ほど前に交通事故で植物人間状態になり、ずっと寝たきりで最近亡くなりました。
祖父が寝たきりの状態の管理は全て次女に任せていたみたいです。
そして遺産整理をしてたところ、年金を二ヶ月で45万円をずっともらっていたはずなのに祖父の口座には預金が全くなかったらしいです。
次女に聞いたところ医療費で消えたと言っていましたが寝たきりの状態なのにそこまで費用がかかったとは自分は思えないのです。
しかも交通事故で寝たきり状態になったので加害者からの保険金が4000万円ほど入ってきてたそうです。

そこで質問なんですが
①本当に医療費で消えたのかを調べられる手立てがあるのか
②調べるとしたら父はどうしたらいいのか
を簡単に教えて頂きたいです。
よろしくお願いします。

(ゼン)


【成年後見人に確かめるのが一番、早い】
お祖父さんが交通事故で植物人間状態になった、損害賠償で4000万円をもらったということですが、もし、その点が間違いないのであれば、お祖父さんには成年後見人がついているはずです。
賠償額が極めて多額ですので、4000万円は保険会社が支払ったものと思われます。
保険会社としては、当然、交通事故の被害者であるお祖父さんの状態―植物状態で意識がなく、判断能力(意思能力)がないことを知っていますので、お祖父さんに成年後見人がついていない限り決して示談はしませんし、また、賠償金も支払うこともありません。
成年後見人の選任される場合には、家庭裁判所は必ず法定相続人であるあなたのお父さんの意向を確認しますので、お父さんに聞いて見られるとご存知だと思います。
成年後見人がついているのであれば、その成年後見人が(少なくとも成年後見人に就任以降の)お祖父さんの財産管理をしていますので、その内容の開示を求めるといいでしょう。
なお、お祖父さんが死亡し、相続が開始したのであれば、成年後見人から法定相続人に対して、通常の場合、財産引継ぎ等に関する連絡が間違いなくあるはずだということも覚えておいていいでしょう。

【成年後見人がつく前の取り込みの可能性があった場合の対処】
成年後見人が就任する前に、お父さんの妹が預貯金を使いこんだ可能性があるのであれば、お祖父さんの金融機関の取引履歴を調べるといいでしょう(調べ方については本ブログの相続問題Q&A№98に詳細に記載しておりますのでご参照ください)。
金融機関がわからない場合には、まず郵便局、そして郊外であれば農協等はかならず調査の対象にする必要があります。
なお、金融機関の調査ではどこの支店かというところまで調べる必要があります(但し、金融機関によっては全国の支店での口座の有無を照会してくれるところがあるが、それはごく一部のみです)。
支店がわからないのであれば、年金を受け取っていたのであれば、その年金の受け入れ口座を社会保険庁に確認することから、被相続人の口座が判明する場合があります。
また、同様に電気やガス等の引落口座を調査することにより、口座が判明することがあります。

【医療費の確認方法】
《本当に医療費で消えたのか》を調べるのなら、お祖父さんの入通院していた医療機関に医療費がどれだけ支払いされていたのかを確認されるといいでしょう。
お父さんは被相続人であるお祖父さんの法定相続人ですので、病院は回答をしてくれます。
ただ、その際、法定相続人であることの証明を要求されますので、予め戸籍や除籍謄本を用意されておくといいでしょう。
なお、死亡時の病院はわかっているが、それ以前の病院がわからないというのであれば、死亡時の病院のカルテも取り寄せが可能ですので、そのカルテの中の病歴等の欄を確認すると、それまでに治療を受けた病院等が記載されていることが多いです。

(弁護士 大澤龍司)

★古い取引履歴を請求したい【Q&A №531】


【質問の要旨】
古い取引履歴の開示請求をしたが、拒否された

記載内容 取引履歴 不正出金 拒否

【ご質問内容】
金融機関に相続人(本人)は、取引履歴の開示請求を、平成21年2月16日に求めたが、時効と言われ拒否された
長男夫婦共犯者の窃盗です兄弟姉の3人は、相続してません。
なお、長女は、精神障害者で生活保護にされ…母親契約で受取人は長女、また年金も38年掛けていた。
経歴(被相続人名義の経歴の開示を見れば、一目瞭然です。
被相続人死亡は昭和57年4月17日 相続手続きせず、昭和60年3月23日まで動きあり
残高、76円です。と三井住友銀行が言った…平成21年1月22日の最高裁判決に矛盾を感じています。

(囲碁ばか)


【平成21年の最高裁判例の理解について】
今回の質問に記載されている平成21年1月22日の最高裁判決は、共同相続人の一人でも単独で取引履歴の開示を請求できることを認めたものであり、相続に関する極めて重要な判例です(詳細はコラム【相続判例散策】履歴照会に全員の同意不要参照)。
ただ、この判例は、何十年前の履歴であってもすべて開示せよと命じた判例ではなく、被相続人が無くなった直後(2ヶ月後)に開示を請求したものであり、請求した期間も死亡直前の6ヶ月程度にとどまるものです。
参考までに言えば、過去どこまで遡って照会に応じなければならないかという照会期間についての最高裁判例は当事務所の利用している判例検索で調べても見つけることができませんでした。

【一般には、履歴照会の回答は5年から10年以内の範囲である】
金融機関が履歴の照会に応じるのは、原則として申請日から5年ほどさかのぼった分であることが多く、特段の事情があるということであれば10年ほどはさかのぼるという扱いをする場合が多いです。
今回のあなたの請求では、昭和60年ころの取引履歴を平成21年になってから請求されたということであれば、すでに約25年が経過しており、金融機関としては関係資料及び取引履歴は廃棄済という対応をしています。
弁護士が、弁護士会を通じて金融機関に取引履歴の照会を出すことがありますが、その場合でも10年以上前の履歴が出ることは極めて少ないです(但し、この点は金融機関の扱いが一律ではなく、これまでの経験から言えば、三井住友銀行などは10年を超えて遡った分を提出してきたことがありました)。
あなたとしては、履歴がなければ長男の窃盗(不正出金)を暴くこともできず、納得しがたいところかもしれませんが、以上が取引履歴照会に関する実情です。

【なぜ銀行は古い取引履歴を出さないのか・・私の推測】
金融機関としては、最近はコンピューターで取引履歴を管理していますが、それとともに出金伝票などの文書を保管していますが、その情報あるいは文書の量は膨大なものになります。
そのため、一定の期間が経過した分については順次、削除あるいは廃棄している可能性があります。
金融機関がどの段階で削除しているのかは必ずしも明らかではありませんが、商法上の請求権は5年間、又、民法では10年間が消滅時効期間ですので、この長い方の10年間をめどに抹消及び廃棄している可能性があります
ただ、以下は私の推測ですが、不法行為の損害賠償請求権は最長、行為時点から20年間は消滅せず、金融機関としてはその間は請求されるリスクがあります。
そのため、金融機関は20年間は資料を保存している可能性があります(ただ、出金伝票などは電子ファイル化して保存している可能性が高いと思われます)。
ただ、10年を超える古いデータまで開示するという扱いをした場合、これに応じる金融機関の手間がかかりすぎるために、開示はあくまで10年を限度としているのではないかと思われます。
繰り返しますが、これはあくまで私の推測ですが、参考になれば幸いです。

(弁護士 大澤龍司)

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