大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

後見人から相続人への引き継ぎトラブル【Q&A №651】

 

【質問の要旨】

後見人から相続人への引き継ぎについて

 

【ご質問内容】

相続人同士が不仲な為、現在控えている弁護士の後見人からの引継ぎに不安があります。
相続手続きを依頼する弁護士の先生(探し中)へ引継ぎの通帳等を後見人から弁護士先生への郵送は可能でしょうか。

 

(だいち)



 ※敬称略とさせていただきます。


【相続人の一方の弁護士に渡すことは、原則はしない】


亡くなった方(被相続人)に後見人が就いていた場合、ご相談にあるような通帳その他の財産引き継ぎの問題がいつも生じます。
後見人は速やかに財産を引き継ぐ義務を負っていますが、各相続人にとって中立な立場です。
特に後見人が弁護士であれば、うかつに通帳を返すと後見人自身が責任を問われるというリスクを当然、考えるでしょうから、相続人の一人に、たとえ弁護士がついても、通帳等を渡すことはしないでしょう。
ただ、相続人全員の同意で、代表受取人が決まれば、後見人はその代表に渡すということはあり得ます。

【遺言がある場合の注意】


遺言がある場合などは注意が必要です。
たとえば、公正証書遺言で「遺産はすべて○○に遺贈する」などと書かれている場合、後見人としては遺贈を受けた相続人から通帳を返すよう請求されると断る理由がありません。
(遺留分という問題は残りますが、あくまで後見人は速やかに引き継ぐ義務を負っている以上、後見人が引き継ぎを断る理由にはならないでしょう)


【保全手続を申し立てる手段もある】

なお、どうしても相手方に通帳に渡されることが不安、という方には、後見人のところから相続人に財産を引き継がないよう凍結させてしまう保全処分、という手段もあります。
当事務所では、過去に、遺言書があるケースで、その遺言書を無効であるとして、家庭裁判所に対して仮処分の申立てをし、預金通帳を渡すのをストップさせたことがあります。
この事件は遺言者が意思能力のない段階で作成された遺言の可能性も高かったために、裁判所が仮処分を認めたことから、通帳の引き渡しが法律的に停止されました。
結局、相手方が預貯金を引き出せなかったこと、もちろん遺言書に問題があったことも相まって、相手方は遺言書の無効を前提としての和解に応じました。
引き継がれる財産額が大きく、いったん相手方に渡ってしまった場合に不測の事態が考え得るのであれば、弁護士に依頼する費用がかかり、かつ裁判所の決定する保証金を納める必要がありますが、弁護士と相談され、この仮処分の有効活用を考えられてもいいでしょう。


葬儀費用の分担【Q&A №650】

 

【質問の要旨】

母の葬儀費用の負担分として相続割合に応じた額を香典という形で葬儀を取り仕切った兄に渡したが、別途、葬儀費用の負担分を請求された。

どう考えればよいか。

【ご質問内容】

先般、母が亡くなりました。以前、父が亡くなった時、長男が喪主を務め、葬儀費用も負担してくれました。

土地や一切の資産は、母も、他の兄弟も遺産放棄して、長男が相続しました。

今回、母の葬儀があり、前回同様、香典として、葬儀費用を兄弟の数で割った額を喪主の長男にわたしました。

葬儀も、喪主の家族が仕切りました。

今回の葬儀で、父の時と違っていたのは、兄弟以外からの香典は受け取っていません。

先日、葬儀費用の当分割の金額を、持ってくるように要求されました。

わたしとしては、その金額は香典で持参しております。

どう考えればよいものでしょうか。

よろしくお願いいたします。

 
(モモコ)



 ※敬称略とさせていただきます。


【香典と葬儀費用について】
葬儀費用や香典は法律上の制度ではなく、地域の慣習により行われているもので、裁判例などでも明確な判断を示したものが少ないです。
ただ、葬儀費用が相続債務でないことについては、ほぼ異論がないように思います。
葬儀は喪主が行うものであり、その費用は喪主が負担するのが原則です。
ただ、相続人で葬儀に出席したものがいれば、公平の観点から相続分に応じた程度の負担をさせるという解決が、遺産分割調停でよく行われます。
次に香典ですが、葬儀費用の分担するようなときは、かかった葬儀費用から香典分を差し引きすることで解決している例が多いです。
葬儀費用を分担させながら、香典は喪主が取るというのは公平の観点から認めがたいということです。
更に話を進めていけば、香典返しをする場合はその分はどうするのかという問題も出てきます。
遺産分割調停の現場では、香典返しの話が出ても結局、どこかで金額に折り合いをつけて、話をつけてしまうことが多いです。

【今回の質問者の対応】
今回の質問者の対応を考えてみましょう。
まず、質問者としては、葬儀費用は本来、喪主が負担するべきものだということを最初に主張しておく必要があります。
弁護士なら、葬儀費用の分担を求める根拠は何かを明らかにせよというところでしょうか。
次に、今回の葬儀では一般の人から香典を取っていないが、相談者の方たちが香典を支払い、かつ、その額が一般の香典の額より高額であったのは葬儀費用分担の意味合いがあったと主張するといいでしょう。
なお、葬儀費用という明確な形では渡しておらず、香典という形で渡している点がやや気にかかります。
この点については、兄から聞いた葬儀費用を相続分に応じて算出した額であること、もらった兄としては当然、葬儀費用分担の意味合いをわかっていたはずであると主張されるといいでしょう。


遺産分割協議に時効はないか?【Q&A №649】

 

【質問の要旨】

遺産分割協議に時効はないか?

 

【ご質問内容】

7年前に父が亡くなりました
その時に自分の出世の事始めて聞きました

父の父は
T弁護士だったようです
T氏は結婚していて父の母とは不倫で
私の父Sですが認知しました
その後Sの母は終戦後再婚し
貞夫は姉の養子になりました

T氏が亡くなった時にも連絡はなく
孫である私たちは
財産相続の請求できますか?

もう時効ですか?

※当事務所の判断により質問文中の一部をイニシャルに変えました。ご了解ください。

(おそすぎたかな?)



 ※敬称略とさせていただきます。

【遺産分割に時効はない】
法律上、遺産分割を行うのに時効はありません。
 そのため、土地や建物など不動産が遺産としてある場合、持ち主の死亡後、50年以上過ぎた後に相続人を集めて遺産分割を行い、登記名義を変更することも可能です(当事務所でも、このような案件はめずらしくありません)。
 時効で遺産分割ができない、という点は心配されなくともよいでしょう。

【現実に遺産分割する上で問題となるのは預貯金などが判明しないこと】
不動産であれば、遺産分割をしていないと、いつまでの被相続人のT氏の名義で残っています。
そのため、不動産については現時点でも遺産分割協議をする実益があります。
しかし、預貯金などは、一体どの金融機関のどの支店にあるのかもわからず、実際、その存在が判明しないことが多いです。
仮に金融機関が判明しても、10年以上前なら履歴がないということで、照会に応じてもらえない場合もありますし、消滅時効ということも主張される可能性もあります。
結局、預貯金については、まず、あきらめざるをえないというのが実情です。

【不動産を名寄帳で探し、遺産分割協議をする】
不動産を探すには、T氏が居住していた自宅などがある市町村に、同氏名義の不動産があるかどうかの問い合わせ(名寄帳の取り寄せ)をするといいでしょう。
もし、不動産が発見されたなら、T氏の相続人が誰なのか、戸籍や除籍謄本を取り寄せし、全相続人が判明すれば、その人たちとの間で遺産分割協議をしていくということになります。


相続放棄をしたはずが不当利得返還請求をされた【Q&A №648】

 

【質問の要旨】

相続放棄をしたはずが不当利得返還請求をされた

 

【ご質問内容】

遠戚の遺産相続放棄に同意する署名をして2年ほど前に弁護士事務所に送りました。
事情は前妻との間に生まれたAさんが父親の後妻と長年親子として暮らしたものの父親が他界、
後妻が家を相続、
そのあとAさんは長年後妻の義母を実の母としての他界するまでお世話した、
が、彼らが養子縁組してなかったことが判明、
Aさんが義母の遺産相続できないので遺産放棄してほしい、という内容。
そこまでは良かったのですが、このたび訴状が送られてきました。
どうやらAさんも他界したらしく、原告はAさん奥様で、被告はずらずらっと私たち親戚一同の名前が並べられています。
奥様が不当利益変換請求権を取得したとのこと。
弁護士事務所からは、別紙にて私たち遠戚の財産などに強制執行は一切致しません、とあります。
被告扱いされることがなんだか腑に落ちませんし同意した内容とも話が変わっているように思うのですが、よくある手立てなのでしょうか?
つまり、相続問題が帰結せず、このような手段を取ることってよくあることなのですか?
またこのことに関する私どものリスクについて教えていただきたいのですが。

 

(ぽんぽん)



 ※敬称略とさせていただきます。

 

【事案の整理】
今回の質問内容が、やや抽象的でわかりにくいので、以下のように理解して回答しています。
① あなたは、後妻の相続人である。
② Aは先妻の子である。
③ 後妻が、被相続人(後妻の夫)の財産を、例えば預貯金の不正引き出し等で不正に取得したと、Aは主張している。

【事案の想定・・後妻が父の預貯金などを取り込んだと思われる】
Aさんの妻が不当利得返還訴訟をしたようですが、誰が誰から不当利得したのかを考える必要があります。
後妻と先妻の子とは相続で激しく喧嘩をします。
先妻の子が「後妻が金を不正出金した」と言うようなケースがよくあります。
本件もその例だといえば、今回の事案は次のようなものであったという前提で回答します。

父が死亡し、その相続が発生した。
子であるAが遺産を調査したところ、後妻は生前に父に無断で預貯金を引き出していた。
したがって、Aは後妻に対して不当利得返還請求権を有する。
ところが、Aが死亡した。
そのため、Aの有する後妻に対する返還請求権をAの妻が相続した。
ところが、後妻も死亡したので、後妻の負う不当利得返還請求債務をあなたが相続で引き継いだ。

【相続放棄をしたというが、それは本当の相続放棄ではない】
あなたらが後妻の相続で、相続放棄をしたのなら、財産をもらえないけれども、債務も引き継ぐことはありません。
そのため、Aの妻から後妻の債務を支払えという訴訟を起こされても、あなた方は相続放棄を主張すれば、Aの妻の請求は認められません。
ただ、相続放棄は家庭裁判所にその旨の申請をする必要があります。
弁護士に対してしたというのは相続放棄ではないと思われます。
あなた方がした相続放棄とはどのようなものであったのか正確に確認する必要があります。

【強制執行などしないということの意味】
後妻が死んだとき、あなた方は《相続放棄》をしたといわれています。
すると、後妻の相続で誰かが、後妻の遺産をもらった人がいるはずです。
そのような人がおれば、その人が後妻の債務を全部、支払うべきでしょう。
ただ、法律的に言えば、後妻の債務は、あなた方が正式な相続放棄をしていない以上、あなた方は後妻の債務をその法定相続分に応じて支払いする義務があるという結論にならざるを得ません。
おそらく、あなた方の相続放棄で後妻の財産を独り占めにした人が《債務を全部私が負担します》ということを言ったとしても、それはあくまで、相続人間の内部の人間同士の関係であり、債権者としてはそのような相続人間の合意などを無視することができます。

【早期に弁護士に相談することをお勧めします】
今回の質問では、わからない点が多々あります。
ただ、訴訟を提起され、被告になっているのなら、早急に相続に詳しい弁護士に相談され、そのアドバイスを受け、必要なら代理人として訴訟を依頼される必要があるように思われます。

 


裁判所で、被後見人を除いて、死因贈与契約はできるか【Q&A №647】

 

【質問の要旨】

裁判所で、被後見人を除いて、死因贈与契約はできるか

 

【ご質問内容】

被後見人であり、相続人でかあるものを除いて、
死因贈与契約を、裁判官、調停委員、弁護士と被贈与者だけの契約は有効ですか。

 

(てつ)



 ※敬称略とさせていただきます。

 

【死因贈与とはなにか】
死因贈与とは、贈与者がその有する財産をある人に贈与するのですが、贈与者の死亡の時期にその効力が発生するという契約です。
遺言は法律で定められた要式で遺言者がその意思に基づいて作成する必要があります。
これに対して死因贈与は通常の契約と同じですので、要式は自由ですし、また、贈与者本人の依頼を受けた代理人の弁護士が契約書に署名し、あるいは調停で贈与者本人が出頭しない場合でも調停を成立させることができます。


【死因贈与の当事者】
死因贈与は贈与ですので、贈与を受ける者は相続人には限りません。
贈与する人と贈与を受ける人の2名の間で死因贈与契約が成立します。


【相続との関係】
相続との関係で言えば、死因贈与を受ける者は、法定相続人に限定されません。
相続とは全く関係のない第三者に死因贈与することも可能です。
調停がどのようなものか質問ではわかりにくいのですが、仮に財産を有する人がそれを受け取りたい人との間で調停が進行している場合、その両名間で死因贈与を内容とする調停が成立するということはあり得ます。
その場合、相続人が調停の当事者になっていなくとも、調停で死因贈与を成立させることは可能です。


【弁護士の関与について】
財産を贈与する側は本人が出ず、弁護士だけが出て、調停をまとめることはよくあります。
弁護士は、予め、裁判所に委任状を提出しており、代理権に基づいて調停を成立させるのですから、本人が出頭できなくても調停は成立します。


【被後見人である場合】
相続人が被後見人であっても、事情は同じです。
被後見人である相続人の同意や関与なしで、贈与者と受贈者との間で死因贈与契約をすることが可能ですし、そのような内容を調停で成立させることも可能です。

 


父の年金を弟のお嫁さんが使い込み【Q&A №646】

 

【質問の要旨】

弟の妻が、父の年金を使い込んだ

【ご質問内容】

先月弟が膵臓癌で亡くなりました。

弟には3年前に再婚した妻がいます。

弟夫婦と父は一緒に生活していましたが、癌になった事をきっかけに介護施設に短期入所しました。

弟が亡くなり姻族関係終了届を出したと父の私物が送られて来ました。

その中に預金通帳があり確認するとほとんど預金は無く年金受給日の度に全額引き出されています。

不審に思いお嫁さんに聞いてみると施設と医療費に使ったと、また父がお嫁さんと一緒に銀行に行き年金担保に30万円の融資も受けています。

父は1円も受け取っていないそうです。

父は肢体不自由と中度の認知症が有ります。

引き出した場所を調べるとお嫁さんの勤務先近くだったり、遠く離れた市外でした。

父も年金の残高がないことに大変驚いています。

父の為に使ったお金に対し領収証の提出を求めましたが逆ギレされ応じてもらえません。

高齢の父がそれ程お金が掛かるとは考え難いと思います。

父の為に使ったお金以外返金してもらいたいのですが。

お嫁さんには再婚前から消費者金融に多額の借金が有ります。

このような件はなかなか難しいと聞いています。

でもなんとか良い解決方法教えて下さい!

お願い致します。

(アオちゃん)



 ※敬称略とさせていただきます。

【父の財産なので、父だけが返還請求をできる】

あなたは父が死亡した際には相続人になり、父の遺産をもらえる立場です。

そのため、父の財産がなくなったことに怒りを感じておられることと思います。

ただ、父が生きている以上、弟の妻に対してお金を返すよう請求できるのは父本人のみです。

あなたではありません。

まず、この点をご理解ください。

 

【弟の嫁に使い込まれた分を取り戻す方法】

父が中程度の判断能力だということなら、まだ成年後見人をつけるまでもなく、判断能力が残っているのでしょう。

その場合、父が弟嫁に使われた返還請求をすることになります。ただ、父が一人で請求するのは到底困難のようですので、弁護士に相談され、場合によれば依頼することも考えていいでしょう。

ただ、父が一人で弁護士を見つけ、相談するようなことはできないのなら、あなたが付き添って、弁護士事務所に行き、弁護士との窓口になるといいでしょう。

もし、たとえあなたが付き添って行っても、父が弁護士に相談できるような状態ではないというのなら、医師の診断書をもらって、成年後見人の選任申立をするしかないでしょう。

ただ、後見人が選任されても、過去の使い込まれた財産の取り戻しまではしない人もいるので、あなたの方からその後見人に返還請求をするように働きかけるといいでしょう。

 

【弟の妻は預金の使い込みを認めているのなら・・】

仮に父が弟の嫁に対して着服した金銭の返還請求を行う場合、次の点に注意をするといいでしょう。

請求するのは父であり、裁判にでもなれば、使い込んだという証明をするのは父の側です。

そのため、現在、「弟の妻が預金の取得を認めている」のなら、父のために、あなたが弟の妻が預金を使い込んだと認めている発言を録音しておくといいでしょう。

弁護士が交渉や裁判をする際、そのような録音が役に立つこともあります。

 

【お金が残っているかどうかも心配】

弟の妻が財産を残しているかも心配です。

多額の借財があったというのなら、弟の妻はすべて借金返済に充ててしまっているかもしれません。

その場合には、たとえ裁判に勝っても、取り戻すことは困難です。

差し押さえる財産がない人からはお金を返してもらうことができません。

なお、現時点で弟の妻がお金を貯め込んでいる預金口座をご存じであれば、その口座を仮差押するという方法もあります。

ただ、仮差押えの手続きは難しいので、弁護士と相談し、残高が相当程度ある可能性が高いのなら、早期に手続きを依頼するといいでしょう。

なお、その場合でも父が決意して弁護士に依頼することであるということはお忘れないように。

 


認知症の祖母の預貯金をその息子(長男)が独断で自身の口座に入金【Q&A №645】

 

【質問の要旨】

認知症の祖母の預貯金をその息子(長男)が独断で自身の口座に入金

【ご質問内容】


数年前に祖母(88)が認知症になり、叔父(長男)が同居する事になったのですが、自分の口座に祖母の預貯金(数千万円)を全額移した、と同居直後に事後報告されました。

祖父は他界、子は5人です。(1人は他界)

認知症だとわかりながら全額を叔父の口座に移すことに協力した銀行にも問題があると思うのですが、相続税対策も銀行ぐるみで行われたようで、そこはうまくしたから、と言っています。

そして、不謹慎ですが、叔父は祖母が亡くなった場合の遺産分配について話すのですが、叔父は10数年間祖母におこづかいを送り続けたからという理由で、自分は半分(4桁の金額)、生存している兄弟姉妹(3)には100-200万は渡せるだろう、と言っています。

他界した兄弟の子にも権利はありますよね?

 

祖母は年金を貰っていますが、そのお金を自らの意思で使うこともできません。

毎日家でテレビを見ており、衣食住含め毎月の生活費も微々たるものです。

叔父の分配計算結果には誰も理解できません。

そして何よりも、もし叔父が先に亡くなった場合、祖母の預貯金は法的に返してもらえるのでしょうか。叔父の子が返金を拒否した場合は諦めるしかないのでしょうか。何か今すべき事等がありますでしょうか。

宜しくお願いします。

追記、叔父は癇癪を起こしやすい性格のため、兄弟姉妹は納得がいかないものの直接本人に意見をすることができないでいます。

新じゃが



 ※敬称略とさせていただきます。

【現在の権利関係の整理】

祖母が生きておられるようですので、現在の権利関係を整理しておきましょう。

まず叔父が無断で祖母の預貯金を引き出して、自分(叔父)の口座に預金したというのなら、祖母は叔父に不法行為による損害賠償請求や不当利得返還請求ができ、引き出された数千万円の金銭の返還を請求できます。

【現在、早急にとるべき対策はこれ!】

祖母より先に、叔父がなくなったときには、その叔父の遺産は叔父の相続人間で分割され、叔父が無断で引き出した預金はなくなります。

その後、祖母が死んだ時点では、叔父の遺産は既にどうなったのかわからず、叔父が使い込んだ証拠もなければ、肝心の叔父の預貯金はなくなっており、事実上、回収不能になってしまいます。

そのため、今の段階で早急に手を打つ必要があります。

祖母の認知症がひどく、判断能力がないという状態なら、祖母につき成年後見人の申立てをするといいでしょう。

その際、成年後見人は弁護士に就任してもらい、叔父に対する損害賠償請求権が存在することを確認してもらうといいでしょう。

可能なら、祖母の成年後見人になった弁護士より、叔父に引き出し財産の返還請求をしてもらうことができればベストです。

【叔父が小遣いを支払っていることと遺産分割の関係】

将来、祖母の相続の時点で叔父が祖母に小遣いをあげていたという主張をした場合には次のような対応をされるといいでしょう(叔父との力関係でそのような主張ができないというのであれば、弁護士に依頼をするしかないでしょう)。

1.小遣いをあげたという客観的証拠はあるのか。

2.小遣いをあげたというのは、子である叔父が親孝行であげたものであって、遺産分割とは別の問題である。

【叔父が先に亡くなった場合の返還の可能性】

祖母より先に叔父が死亡した場合、死んでいる叔父には訴訟はできず、叔父の損害賠償債務を引き継いだ叔父の相続人に対する訴訟をすることは法的には可能です。

今は、叔父は取り込みを認めているようですが、その叔父も死亡している場合、と取り込みを客観的に証明できるだけの資料が集まるか疑問です。

また、仮に裁判に勝訴しても、被告となる叔父の相続人が、叔父の遺産からもらった預貯金を使いきることも考えられ、返還すべき金銭がないということになります。

結局、冒頭に申し上げたように現段階で成年後見人などの力で、財産の移動状況を確認する証拠を残し、必要ならその返還を実現しておくのがベストということになります。

【他界した相続人の子にも相続権があるか】

被相続人より相続人が先に死亡した場合、相続人の子は代襲相続人として、死亡した相続人と同じ相続分で相続が可能です。

 

 

 


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