大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★扶養義務も相続されるのか【Q&A №351】


 祖父の遺産相続調停条項で
①子A,Bらは連帯して子C(障害者)が生存中扶養する。
②土地はA,B,Cの共有とする。
③他の兄弟は遺留分も含め相続放棄する。

【ご質問】
①A,B,の子供らは将来、Cの扶養義務を負うのでしょうか?
②民法896条によって、扶養義務は遮断出来るのでしょうか?

記載内容  扶養義務の相続 一身専属権 民法896条 調停条項による扶養義務

(aussie)


【一般的には扶養義務は相続されない】
 扶養義務については、一般には、扶養義務者(今回で言えばA・B)が死亡した場合、扶養権利者(今回はC)の要扶養状態が依然として継続しているとしても、相続人がこれを承継するべき筋合いではない(扶養義務は一身専属権である)と考えられており、扶養義務が相続されることはありません。

【今回の質問の特殊な点は・・】
 ただ、今回の質問の特殊な点は、扶養義務が調停の結果である《調停条項で定められている》という点です。
 法定相続人である他の兄弟としては、《遺留分も含め相続放棄する》代りに、AさんとBさんが、障害者Cさんが死ぬまで面倒を見てもらうことにしたというのが実情でしょう。
 AさんとBさんは、法定相続分より多くの遺産をもらう(なぜなら、他の相続人の財産放棄があったから)という財産的利益を受ける見返りに、《調停条項による特別の債務》である扶養義務を負ったということのように思われます。
 言い換えれば、他の相続人としては、Aさん及びBさんの両名が死亡した場合、扶養義務が相続されないとすると、自分たちが《法律上》の扶養義務を負うことになります。

【結局は調停条項をどのように解釈するか】
 このようなケースについての明確な法律や判例はなく、問題は調停条項をどう解釈するかという点が問題となります。
 《調停条項による扶養義務》が相続されるとすると、AさんやBさんが死亡した後、その相続人である配偶者が(血のつながりがないという意味で)他人であるCさんの面倒を、又、相続人である子らが叔父さんであるCさんの面倒を見ることになります。
 相続人である配偶者や子に、そこまでの面倒を見させることは想定していなかったというのが、この調停条項の妥当な解釈ではないかと思います。
 扶養義務者を1名ではなく、2名にしているのも、どちらかが死亡してもその相続人に扶養義務を負わせず、AさんとBさんの残った方に扶養義務を負ってもらおうという趣旨だと思われます。
 以上の点を考えると、異論はあるでしょうが、この《調停条項上の扶養義務》も一身専属権として、相続されないというのが妥当なところでしょう。

★不正出金をした相続人を廃除できるか【Q&A №341】


 95歳の祖母には、弁護士の後見人がついています。

 それで、推定相続人のいとこと叔母が後見人がつく前に祖母のお金を勝手に700万近く使い込みし、また、勝手に定期預金700万~を解約していました。
 後見人により、定期預金分、700万は返金してきましたが、残りの700万は、言いがかりだけいい、反省もないうえに返す気もない様子です。

 祖母の面倒は、母、私と姉、叔母の四人で見ています。
 推定相続人の3人の孫は、介護に参加していません。

 この、行為は廃除に該当する「著しい行為」であると思います。
 推定相続人である孫を、後見人の弁護士が祖母の代理で裁判所に廃除の申し立てをすることは可能でしょうか?
 お忙しいと思いますが大変困っていますので、どうかお力とアドバイスをお願いいたします。

記載内容  不正出金 廃除 後見人 一身専属権

(けいこ)


【不正出金のみでは著しい非行とは言いがたい】
 《著しい非行》があった場合、被相続人は家庭裁判所に相続人の廃除の申立をすることができます。
 この廃除が認められるとその著しい非行をした推定相続人は相続資格を失います(但し、その子供の代襲相続は可能です)。
 問題は、《著しい非行》とはどのような行為を言うのかという点です。
 虐待や侮辱などの暴力的、精神的が廃除事由の典型ですが、不正出金や浪費などのように金銭的・経済的な打撃といった事情はそれほど重要視されていないという印象があります。
 親のお金を浪費したり、親の土地を勝手に借金の担保に入れたりしたケースで廃除を認める裁判例もないわけではありませんが、裁判所は単に不正出金があるというだけでは(たとえ700万円という多額といえども)そう簡単に廃除を認めないと考えた方がいいでしょう。

【後見人が廃除の申立をすることはできない・・一身専属権からの制限】
 廃除は被相続人の意思に基づいて請求するものです。
 難しい言葉でいえば、廃除の意思表示は《行使上の一身専属権》であると言われており、被相続人本人の意思表示が必要なものです。
 そのため、被相続人以外の他人は、被相続人のためとは言っても、代理行使ができないものです。
 後見人は被相続人の財産管理・維持について自ら権利行使をすることができますが、被相続人そのものではありませんので、被相続人の一身専属権である廃除の申立をする権利まではないと考えるべきでしょう。

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