大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

相続権に時効は無いのですか。【Q&A №558】


【質問の要旨】
面倒をみなかった相続人が今になって権利を主張してきたが、相続権に時効はないのか?

記載内容 介護 相続権 時効

【ご質問内容】
私の祖父(昭和42年4月に死亡)の件で叔母(9人キョウダイの末っ子、唯一、生存している祖父の子供)が調停を申し立て、現在、審判
父は長男ではありませんが、親と同居し、祖母(昭和62年2月死亡)の介護を母と二人で全面的に担って来ました
祖母が生きている間、叔母たち父のキョウダイは、常に「親を、ちゃんと見い。よう任さん(父に相続させようとしない)」と言い続け、父にすると、隣近所や姉妹の嫁。

ところが、父のキョウダイたちは、叔母が死んでから、「田圃を売って分けろ」と主張し出して、父は「話が違う」と、田圃の1筆でも売って分けるという案を受け入れようとせず、平成8年4月に死亡してしまいました。
私も、調停が始まって以来の相続人の態度を見ていると、権利ばかり主張してと色んな意味で怒りが出ます。
もし、祖母が生きている間に「田圃を売ってまで分けろ」と叔母たちが主張していたら、祖母の介護を当然に引き受ける事になったでしょう。そういう負担を一切したくなかったから、「分けろ」とは、一言も主張しなかったのです。
 「よう任さん」と言いながら、母親の介護を一人のキョウダイに任せ切りにした揚げ句、延々50年も粘り続けて。

私が、先生にお尋ねしたい事は、「相続権に時効は無いのですか?」という事です。

(コバヤシ)


【相続分を主張する権利に時効はなく、介護をしていなかったとしても相続権はある】
祖母の介護が必要な間は相続分の主張をせずに、介護をすべてあなたのお父さんらに任せておきながら、祖母が亡くなり、介護の必要がなくなった後になって、祖父の相続分を主張されたという事案であり、あなたとしてはとても腹立たしいことでしょう。
しかし、祖父の子である叔母さんは祖父の相続人ですので、相続の発生(祖父の死亡)とともに、叔母さんは相続分に応じた権利を取得します
遺産分割協議をしなかったからと言って、この取得した権利が時効で消滅することはありません
また、介護を一切しなかったからといって、それで叔母さんの相続権がなくなるというものでもありません
そのため、たとえ相続開始から50年もの長期間が経過していても、祖父の相続人である叔母さんには自らの法定相続分に従った相続権を主張できるということになります。

【今後「寄与分を定める処分の申立て」をする】
祖父が亡くなった当時に遺産分割協議書を作成していなければ、あなたが「父が祖母の介護をする代わりに他の兄弟は相続分を主張しないという暗黙の合意があったはずだ」と主張したとしても、叔母さんには「そんな約束はしていない」と言われてしまうでしょう。
あなたのお話では調停から審判に移行しているようなので、これまでに遺産分割協議はしておらず、今、遺産分割の審判をしているのだと思われます。
その場合には、遺産分割とは別に、遺産分割の審判をしている裁判所に対して「寄与分を定める処分の申立て」をするという方法が考えられます。
そうすると、寄与分についても遺産分割の審判の中で一緒に判断することになりますので、その中で、お父さんが祖母の介護を全面的に引き受けていたことをお父さんの《特別の寄与》として主張し、お父さんの相続分を増やすことにより、叔母さんに支払う額を減らすということです。
ただ、寄与分とは、単に被相続人のために貢献したというだけではなく、財産の維持または増加のために《特別の寄与》をしたことが必要であるとされています。
介護したことにより、入院費やヘルパー代が助かったというような点を証明する必要があり、証明できた分だけが特別寄与として認められますので中々ハードルが高く、主張すれば簡単に認めてもらえるというものではありません。
お父さんが祖母の介護を全面的に引き受け、その結果、遺産が減少するのを防止できたということがわかる資料を用意され、寄与分の審判に出されるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)

父親の介護と遺産に関する約束【Q&A №535】


【質問の要旨】
父親の施設の入所代、病院代などについては半分が長男、亡くなったら全額長男と言われて困っている

記載内容 介護 扶養 約束

【ご質問内容】
静岡に住んでいる主人の父親(81)の話ですが、私達は結婚してから横浜住まいです。
夏に子どもを連れて遊びに行くぐらいでした。
主人は長男なのですが、母親の連れ子で姉2人父親の連れ子で、主人と妹(音信不通)今の両親で一男一女(一男は死亡)の家族構成なのです。
今まで両親は2人でアパートに住んでいましたが、何年か前だと思いますが、2人共介護が必要になったみたいです。
2人の仲も悪くなったようで、父親は年金で施設、母親は姉の家に連れていきました。
今になって父親とは他人なので、通帳も印鑑も渡すので、こちらで面倒をみろというのです。
私達も近くて、金銭的な余裕があれば見てあげたいですが、とても見てあげられない状況です。
施設の入所代、病院代、などは半分が長男。
何かあって父親が亡くなったら、全額長男。
父親は退職金も入っていたと思うし、わが家も経済的に無理だし、いままでの生活がまるでわからないので、どうしたらいいかわかりません

助けて下さい。

(なな)


【相続については相続放棄も考えておく】
本件で相続に関するのは《施設の入所代、病院代、などは半分が長男。何かあって父親が亡くなったら、全額長男。》とある点です。
お父さんの死亡時点で施設費の未払料金や借金等の債務等が存在する場合、遺産と債務を比較し、債務が多いようであれば、相続放棄ができます。
相続放棄すると、遺産を受け取ることはできませんが、債務の支払いもする必要が無くなります。
相続放棄はお父さんが亡くなり、相続が開始したことを知った日から3ケ月以内に家庭裁判所に申立する必要があります(詳しくは当ブログQ&A №455などをご参照ください)。

【今、するべきことについて・・ご主人には扶養義務がある】
それ以外の質問に書かれていることは相続問題ではありません。
ただ、お困りのようですので、簡単にコメントを付しておきます。
まず、ご主人はお父さんの子であるので、お父さんを扶養する義務があります。
ただ、ご主人が経済的なゆとりがないというのであれば、如何ともしがたいので、義務を尽くすことができないと回答するしかないでしょう。
もし、私が今回の相談を受ければ次のようなアドバイスをするでしょう。

①《お父さん》の心身の状態を確認する。
最初に《お父さん》が自分で物事を判断できるような状態なのかどうか、身体的にどのような状態なのかという、心身の状態を確認する必要があります。
判断能力がないのであれば、成年後見人を選任するということも考える必要があります。
この点は、施設に入っているということですので、施設に事情を説明して、教えてもらうことができると思います。

②《お父さん》の財産を確認する。
次に、《お父さん》の財産を次の3つの面から確認する必要があります。
・現在の月々の年金分などの入金分と施設の使用料との出金分の収支の内容、差額を確認する。
・次に《お父さん》の財産(不動産や預貯金、借金)として何があるかを確認する。
・更に過去にどれだけの金銭が動いているのか(退職金がどうなったのか、預貯金からの引き出しはどうなっているのか)を確認する。
これらの確認は、これまで財産を管理していた人に対して教えてもらうことになります。

③判断をする。
以上の確認をした上で、ご主人が扶養義務を尽くすことができるのか、できるとしてどのような形でしていくのかを判断する。

上記①~③の調査をしていけば、どうしてもお父さんの面倒を見るという方向になってしまいますが、その時でもできないことはできないとはっきりと述べる勇気が必要でしょう。

(弁護士 大澤龍司)

在宅介護費用と特別寄与【Q&A №507】


【質問の要旨】
看護を負担した相続人が他の相続人に費用請求できるか

記載内容  介護 扶養 不公平

【ご質問内容】
私が、仕事を休んで、平成22年7月から平成25年1月まで自宅で看護(導尿行為、バイタルチェック、塩分1日8グラムの食事作り)を行ってきました。
相手(姉2人)は近所に住んでいながら、一切協力せずに遊びまわり、扶養義務調停にも出廷せず、扶養義務調停が終わる前に父親は亡くなりました。
一番上の姉は生前贈与(住宅購入資金の一部として現金300万円)を昭和48年頃に貰い、高校と短大も我儘を言って私立に通っていました。
私と下の姉は公立高校で終わっております。
短大卒業後すぐに結婚しましたので嫁入り道具と、結婚資金等は、両親が出しています。
なお、私は平成22年2月に腰に金属を入れる手術を行っておりその後絶対安静時に看護が始まり現在は酷い後遺症が出ております。
財産は私たちが住んでいる土地建物しかありません。
土地は路線化で2800万円位(約82坪)建物の名義は13分の11は、私の名義になっております。父親名義の分の建物の評価は53万円程です。

(くま)


【介護費用は請求できないが、特別寄与の可能性がある】
親子間では互いに扶養義務があります。
そのため、子であるあなたが約2年半もの間、自宅でお父さんの介護をしたとしても、これは扶養義務を履行しただけであり、これをしなかった他の扶養義務者(今回は2人のお姉さん)に請求することはできません。
親子間に扶養義務が定められている以上、子として介護等をするのは当然のことであり、他の扶養義務者に介護のための労力等の費用を請求することはできないというのが、今の法律です。
しかし、あなたが介護をしたことにより、ヘルパー代や看護師料、老人ホーム入居費用等が減り、その分、遺産の減少が食い止められたというような事情があれば、その減額分を《特別寄与》として請求すれば、遺産から支払ってもらえる可能性があります。
(なお、介護の努力がどのように遺産分割に反映されるかという点は、当ブログQ&A №386Q&A №254などにも同様の話が出ておりますのでご参照下さい。)

【住宅購入資金の生前贈与は特別受益になる】
一番上のお姉さんが住宅購入資金の一部として金300万円をお父さんからもらったというのであれば、特別受益になりますので、遺産に持ち戻した上で遺産分割をすることになります。

【短大への進学に関する費用は原則として特別受益にならない】
一番上のお姉さんが短大に行かせてもらった点ですが、教育については子の能力の問題もあり、又、親の子に対する扶養の問題であり、遺産の前渡しという意味は持たないという判例もあることから、原則として特別受益にならない可能性が高いです。
ただ、私の担当した案件ですが、私立の医大に行った場合には、その授業料額が莫大であることや医師という社会的に重要な資格を取得することから、特別受益として対応したことがあります(なお、当ブログQ&A №375を参照ください)。

【参考判例】
大阪高裁決定平成19年12月6日
「被相続人の子供らが、大学や師範学校等、当時としては高等教育と評価できる教育を受けていく中で、子供の個人差その他の事情により、公立・私立等が分かれ、その費用に差が生じることがあるとしても、通常、親の子に対する扶養の一内容として支出されるもので、遺産の先渡しとしての趣旨を含まないものと認識するのが一般であり、仮に、特別受益と評価しうるとしても、特段の事情のない限り、被相続人の持戻し免除の意思が推定されるものというべきである。」

【結婚資金について裁判例は分かれるが・・】
結婚資金については、裁判例がわかれていますが、私は挙式費用などは、特別受益には当たらないと考えています。
その理由は、挙式費用は、結婚式という一過性の支出であり、後に残るものではないことや、結婚式が結婚する当事者のみならず、その両親や親戚のためにするという側面を有すること、更に親としても相続分の前渡しとして挙式費用を出すのだという意識はなく、持ち戻し免除が推測されること、更に通常の場合、すべての子が多かれ少なかれ親の援助で結婚式をしていると思われることなどからです。
なお、嫁入り道具や持参金などは金額が高額であれば特別受益に該当するでしょう。

【参考判例】
① 名古屋地裁平成16年11月5日
「嫁入り道具や持参金等がこれ(弁護士注:特別受益)にあたることはいうまでもない。しかしながら、結婚式や結納の式典そのものに生じた費用については、婚姻する者のみならずその両親ないし親戚一同にとって重要な儀式であることに鑑みると、両親が子の結婚式や結納の式典に生じた費用を支出したとしても、それを両親から子に対する「婚姻のため」の贈与と評価すべきではなく、特別受益にあたらない。」
② 仙台地裁平成5年9月7日
「右程度の援助(弁護士注:結婚披露宴費用のうち祝儀代を引いた残額二〇万円の援助)は、本来通常必要なものであるが、他の妹弟が結婚に伴う援助を受けていないことを考えると、特別受益に該当するものといわざるを得ない。」
③ 盛岡家裁昭和42年4月12日
「相続人が婚姻に際し、被相続人より挙式費用等を負担してもらっているが、その金額も高額でないので、いずれも民法903条にいう贈与として相続分の算定につき斟酌すべきではな」く、特別受益に該当しない。」

【その他の問題点・・土地使用借権が特別受益の可能性あり】
あなたがお父さん名義の土地の上に建物の持ち分を有しておられるのであれば、その土地をあなたの建物のために無償使用している(使用借権)の贈与と主張される可能性もあり、あなたの方でも特別受益が問題になりかねませんので、その点はご留意ください。

(弁護士 大澤龍司)

形見分けの法定相続分【Q&A №386】


 私は姉と二人姉妹です。どちらも嫁いでいますが、私の所帯と自分の父母が同居をし一緒に生活をし介護をしています。
 先日に老人施設に入所していた母が亡くなりました。
 葬儀後に姉から母の宝石の形見分けをしてもらいたいとの話がありましたが、この場合姉に形見分けをしないといけないのでしょうか?

記載内容  同居 介護

(ウッキー)


【同居・介護は基本的に影響しません】
 「同居も介護もしていない姉には遺産をもらう権利があるのか?」という疑問をお持ちのようです。
 ご両親の介護の負担は決して軽いものではありませんが、残念ながら、介護をしたからといって、それほど相続で有利になることはありません。
 同居、介護の有無を問わず、兄弟姉妹であればその相続分は平等というのが現在の日本の法律です。

【特別寄与として認められ場合もあるが・・】
 ただ、あなたが介護をしたことにより、介護業者に支払うべき費用が軽減されたというのであれば、その金額が《特別寄与》として裁判所が認めてくれる場合があります。
 しかし、その金額はそれほど多くないというのが現状です。

【介護しても報われないのか・・】
 そんなことはありません。
 ご両親があなたの介護に感謝しているのなら、本来ならばお母さんに遺言書を作成してもらい、あなたの相続分を多くするというような方策を取るべきでした。遺留分の問題はありますが、これが介護の努力を認めてもらう最も有効な方法です。

【形見だけで解決するなら、それが一番の解決】
 お母さんの形見分けということですが、遺言書がない場合には、形見(動産)の法定相続分は2分の1ずつです。
 そのため、あなたとしては、お姉さんが形見分けを申し出た場合には、なんらかの形見を渡す必要があります。
 どれを形見として渡すかということは、お姉さんとあなたとの話し合いで決定することです。
 ただ、お姉さんが特定の品物を形見として欲しいというのであれば、その点は譲歩して、他の財産に関してはあなたに相続させることを了解してもらうといいでしょう。

★兄弟の口座に移した両親のお金【Q&A №382】


 両親が高齢のため施設に入るにあたり、これまで遠方にいた弟がそちらの施設に入れるという話になり、この度両親を転居させたのですが。その際今後両親がボケてお金を引き出せなくなるからと、弟は自分の口座に両親の貯蓄したお金と、母親を銀行の窓口に連れて行き定期を解約し1000万円を移しました。
 また実家も、今後の病気に備えるということで弟が売却の手続きをし、この度1400万円ほどで売れたのですが、こちらも自分の口座に入れる予定で、こちらには一切渡さないと明言しております。この場合、両親の名義ではなくなってしまったお金・財産の相続はどうなるのでしょうか? 相続そのものが発生しないのでしょうか?
 こちらの言い分は一切を認めないため、本人とまともな対話もできず困っています、彼は両親に出す生活費を切り詰めており、親族のことながらあまりよくない予想を抱かざるおえません。今後いずれくる時に介護で使いきったと言い切られれば追求も難しく、この場合はどうなるのか教えていただけたらと思います。

記載内容  介護 贈与 預かり金

(立川)


【介護費用の預託になる】
 弟さんとご両親との権利関係としては、ご両親が弟さんに《将来の介護費用》として《金銭を預けた》ということであり、少し難しく言えば《介護費用を預託》ということになります。
 そのため、弟さんとしては、両親の介護のためにのみ、預かった金銭を支出することができるはずです。
 しかし、現実の問題としては、介護のためだけではなく、弟さんの私的な目的に使用されるのではないか、あるいは介護のためと言っても本当に介護のためであることをどのように証明してくれるのか・・・等、いろんな疑問が浮かんできます。
 ただ、ご両親が生きている限り、あなたにはご両親の金銭問題について、なんらの意見をさしはさむ権利はありません。

【弟さんの管理している預託金の返還を求めることは・・】
 現時点では、ご両親は認知症等で物事の判断がつかないという状態ではなさそうですが、将来、認知症になり、その程度がひどくなった場合には、あなたとしては、ご両親につき成年後見人選任の申立を家庭裁判所に提出するという手段があります(その方法はQ&A №280Q&A №349Q&A №376をご参照ください。)。
 成年後見人がつけば、その時点でのご両親の財産は全て後見人が管理します。
 その段階で、ご両親が弟さんに預けていた金銭を、後見人が返還してもらい、その管理下に入れます。
 しかし、弟さんが既に私的に流用していた場合、その分の返還請求を成年後見人がしてくれるかというと、その可能性は必ずしも高くはないでしょう。
 成年後見人としては、とりあえず現在の財産の管理という点に重点があり、過去に散逸した財産の回復というところまでしない場合が多いようです。

【相続が開始したときにはどうなるか】
 お父さんあるいはお母さんが死亡したとき、相続が開始します。
 その時点で、預託していた金銭が残っているのであれば、その金銭の返還を求める権利(預託金返還請求権)は遺産になりますので、あなたは法定相続分に応じて返還請求ができます。
 又、預けた金銭のうち、弟さんが自分の必要に応じて使った金銭があれば、ご両親としては目的外使用として、損害賠償請求ができますので、この権利も遺産になり、法定相続分に応じてあなたが弟さんに賠償請求をすることができます。

【問題は証明できるかどうか】
 ただ、損害賠償を請求する側(あなた)としては、弟さんが私的に流用したという点を証明する必要があります。
 本来は生前からそのような証拠を集めるのが望ましいです。
 しかし、ご両親の死亡前には、法律的な意味では、あなたが弟さんに直接、預託金の使用状況を確認したり、裏付けとしての領収書等を請求することはできません。
 もちろん、あなたが請求して、弟さんがそれに応じてくれればいいのですが、そのような申入れは弟さんの反発を招くだけの結果に終わる可能性が高いと思われます。
 又、ご両親としては、法律上、使途や金額の報告を求め、あるいはその裏付けを請求できるので、あなたがご両親を説得して、そのような申入れをして頂くということも考えられますが、実現する可能性は低いでしょう。
 そうすると、ご両親が死亡した後に、早期に、弟さんにどれだけの金額を何に使ったのか、その裏付けはあるのかを確認されるといいでしょう。
 又、その一方で、ご両親のおられる介護施設等に支払った金額を確認されるといいでしょ。
 ただ、残存している金額が、介護した期間や介護内容を比較してあまりにも少額というのであれば、調停や訴訟で返還を請求することになります。
 そのような場合は、早期に相続に詳しいお近くの弁護士に相談され、その後の対処方法のアドバイスをもらうといいでしょう。

介護をした相続人と寄与分【Q&A №371】


 母と二人で在宅介護をしてきた父が家で亡くなりました。
 父には遺言書などなく相続人は母と兄姉と自分の4人です。
 兄の方は父の介護を二人に押し付けていたのに遺産を貰うなんて出来ないと、放棄すると言われましたが姉の方は介護なんて自分には関係ないと遺産を要求してきました。

 そこで寄与分についてですが、父は10年前に介護度3が認定され5年前からは5に上がり認知症まで加わった寝たきり生活になりました。そして4年前からは重度のパーキンソン病を患い、2年前からは肺炎を患って胃ろうになりました。介護の間、訪問看護やヘルパーなど頼まず二人だけでしてきました。(胃ろうになってからは訪問看護の人に週一で30分だけ来てもらっていました。)  介護度5になった辺りから痰が多く吸引機で取っていました、肺炎後からは肺炎防止の為に吸引回数も24時間体制で取っていました。床ずれも大きなポケットが3か所もあり床ずれの場所に圧を掛けない為に体の向きを2.3時間程度に一度は右に向けたり左に向けていました。
 訪問看護の方からはこんなに見てる家族は初めてとまで言われました、父には家族さんにこれだけ見てもらっこんな幸せな人はいないと皆さんから言われました。
 寄与分ですけど姉に対して主張が可能でしょうか、もし調停にまで行ったら寄与分は認められる可能性はあるでしょうか。
 駄文で申し訳ありませんけど、お願いします。

記載内容  介護 ヘルパー 相続分譲渡 相続放棄 特別寄与

(S-Ran)


【療養看護の寄与にあたる可能性があります】
 法定相続人が被相続人の療養介護に努めた場合、遺産の分割に際して特別寄与が認められることがあります。
 ただ、あなたについて言えば、父子関係にあったことから、療養介護は《親族間の扶養義務》の履行であり、《当然なすべき義務を履行しただけである》として、それほど多額の寄与分は認められないのが普通です。
 ただ、あなた方が介護したことにより、ヘルパー等の介護料金等を支払わなくてもよくなったと認められる場合には、その支払いが不要となった金額が特別寄与として認められる可能性があります。

【具体的には・・】
 質問を見ると、
《父は10年前に介護度3が認定され5年前からは5に上がり認知症まで加わった寝たきり生活になりました。》
《そして4年前からは重度のパーキンソン病を患い、2年前からは肺炎を患って遺漏になりました。》
《介護の間、訪問看護やヘルパーなど頼まず二人だけでしてきました。(胃ろうになってからは訪問看護の人に週一で30分だけ来てもらっていました。)》
《介護度5になった辺りから痰が多く吸引機で取っていました、肺炎後からは肺炎防止の為に吸引回数も24時間体制で取っていました。床ずれも大きなポケットが3か所もあり床ずれの場所に圧を掛けない為に体の向きを2.3時間程度に一度は右に向けたり左に向けていました。》
と記載されています。

① どの時期からヘルパーが必要になったのか?
② 週単位でどの程度ヘルパーが必要であったのか?
③ その時点でのヘルパーの料金はどの程度であったのか?

等を調査・確認した上で、その総額を特別寄与として請求されるといいでしょう。

【お兄さんには放棄ではなく、相続分の譲渡をしてもらう】
 お兄さんはあなたの努力を認めて、遺産を放棄すると言われているようです。
 この相続放棄が家庭裁判所に対する相続放棄の申述をするのか、あるいは遺産を請求しないのかがわかりませんが、いずれにせよ《相続放棄》だけでは不十分です。
 お兄さんには相続放棄ではなく、相続分をあなたに譲渡するようにお願いをしましょう。
 相続放棄をすると、お兄さんを除いて他の相続人で遺産分けをすることになり、妹さんの取り分が増えます。
 相続分の譲渡であると、お兄さんの取り分もあなたの取り分に加算されます。
 なお、お母さんも協力していただけるのであれば、その相続分をあなたに譲渡するといいでしょう。
 相続分譲渡については、相続分譲渡書に実印を押してもらい、印鑑証明書をもらっておくといいでしょう。

親の土地に家を建てた息子の特別受益【Q&A №278】


 父の土地に使用貸借で子が家を建て住んでました。
 父が死亡し、母がその土地を相続しました。
 子はそのまま使用貸借として引き続き住んでました。
 使用貸借は相続するとして認めてます。
 母が死亡しました。
 母が生存中の使用貸借は特別受益と当方は主張してます。
 先方は負担付使用貸借であるから特別受益に該当しないとしてます。
 どんなもんでしょうか。宜しくお願いします。

記載内容  使用貸借 賃料 介護 特別受益

(房総)


【特別受益はお父さんとの関係で問題となる】
 お父さんの土地に子供が家を建築し、居住した(使用貸借)というケースです。
 お父さんの相続の関係では、使用貸借契約をしたという点が子供の特別利益になります。通常、使用貸借は更地価額の1~3割を目途に特別受益額を算定するといいでしょう。

【お母さんの関係では特別受益の問題は発生しない】
 既にお父さんの遺産分割の段階で特別受益が発生しています。
 お母さんはそれを相続しただけです。
 お母さんが子供に使用貸借を新しく設定してはいませんので、お母さんの遺産分けの場面では特別受益の問題は発生しません。

【無償使用しているのは特別受益ではないのか?】
お母さんの遺産である土地を無償で使用している点は特別受益にならないのかという問題点があります。
この点については、使用貸借を特別受益とした段階でその後の無償使用分は既に評価されており、無償使用分は特別受益にあたらないというのが実務の扱いです。

【負担付使用貸借とは・・】
 負担付という意味がわかりにくいのですが、たとえばお父さんやお母さんと同居し、その介護をすることが条件で使用貸借を設定したのであれば、その同居介護と使用貸借が対価関係になり、特別受益はなかったものとする、という意味であると理解できます。
先方の主張はこのような趣旨だと思いますが、その言い分はそれなりに成り立つ余地があると思われます。

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