大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

亡叔母の通帳を施設が返してくれない【Q&A №490】


【質問の要旨】
施設の顧問弁護士が通帳を渡してくれない

記載内容  介護施設 遺品 引き取り

【ご質問内容】
先日、叔母がなくなり相続権のある私含め兄弟とのやり取りの中で資産管理は先方の施設で行っていた関係から今回、死去に伴い身元引受人の私が交渉しているのですが、
ようやく私物の方は引き取れたのですが、
本日、施設の顧問をされている弁護士さんとお会いして私と叔母との血縁がわかる戸籍等を提示して通帳等は返して頂けると思った処、
確かに相続者ではあるが銀行に提出する書類等がそろったら一緒に銀行に行きそこで渡すとの事、
尚、その際に入院費で未払いを払って頂きたいとの申し出だったのですが、
私の認識ですとすぐに凍結した口座からの入出金は難しいと思います。
又、先方様には私にご請求書頂ければお支払いしますので入金の方、確認出来てからでいいので通帳等の返却を求めたのですが責任があるとのご回答にてそれも却下されてしまいました。
これが現実的な事なのか分からず今回、ご相談させて頂きました。
お手数ですが宜しくお願い致します。

(ひでと)


【施設の顧問弁護士が通帳を渡さない理由を考える】
施設の側の立場で考えると、相続人からの私物や通帳の引き渡しの申し出を拒む理由は次の2点でしょう。
① 申し出のあった相続人に返還した場合、後日、他の相続人からクレームが出てくる可能性がある。
② 施設の利用料金等に未払い分の回収をはかる口実として、通帳等の引き渡しを拒んでいる。

【他の相続人からのクレームが理由の場合】
あなたは施設に入っていた被相続人の身元引受人ということですが、この身元引受というのは入居者に問題があったときに責任を取るべき立場であっても、被相続人の財産全部を取得するという立場ではありません。
そのため、施設側としては、被相続人の財産に関することは、相続人全員の同意を取ってきてほしいと主張することが可能です。
これは施設が相続トラブルに巻き込まれないための配慮です。
今回は、あなたに私物を返還しているようですので、これが理由とは考えにくいですが、拒否の理由がそのようなものであるなら、あなたとしては相続人全員の同意を取り付けるしかないでしょう。

【未払分の回収を考え、通帳の引き渡しを拒否している場合】
本件では、施設の顧問弁護士は未払金の回収を考えているのかもしれません。
しかし、あなたとしては通帳をもらわなくとも被相続人の預貯金がどこの支店にあるという点さえ確認できれば、その金融機関に被相続人がなくなったことを伝えて、所定の手続きすることにより、預貯金の回収が可能です。
この場合、金融機関としては、相続人が誰であるかがわかる資料として戸籍謄本や除籍謄本等の書類を求め、また、相続人全員からの実印を押捺した解約同意書あるいは代表相続人の指定及び印鑑証明書の提出を求めますが、預金通帳の提出は必須ではありません。
もし、通帳がなければ紛失したとの欄に?を入れる程度で済みます。
そのため、施設が預貯金通帳を返還しないのなら、預貯金通帳なしで遺産である預貯金を解約して、金銭の払い戻しを受け、その後、施設に未払い分を確認し、その金額を持参して、預貯金通帳の返還を受けるといいでしょう

(弁護士 大澤龍司)

遺言無効判決に必要な証拠【Q&A №292】


 現在私は、公正証書遺言を無効とする判決を得たく努力しています。その公正証書遺言は以下のような手順で作成されたようです。90歳を越えたひとり暮らしの母に長男夫婦が自分たちに極めて有利な遺言を書かせるために母を公証役場に連れて行きました。証人2名は母の甥夫婦で安心させ予め権利書で主たる財産である母の土地建物を自分たちに相続させる内容となっています。

 さて本件公正証書遺言の母は要介護3に認定されたばかりで前記夫婦の力をかりなければ立ち上がることも歩くことも出来ない状だったと思います。このような状況で本当に自分の自由意思を以って遺言書を書いたかどうか非常に疑問に思っています。介護3の認定記録の他にどのような物的証拠があれば遺言無効の判決が得られるか教えてください。よろしくお願い致します。

記載内容  長谷川式認知スケール カルテ 看護記録 認知症 介護施設

(キータン)


【要介護3でも遺言できる】
 要介護3の人でも、それが身体的な理由であれば、遺言をすることが可能です。
 遺言で問題となるのは物事を認知し理解して判断を下す能力(意思能力といいます)であり、足腰が弱っていたこととは全く別物だからです。
 例えて言えば、車いすのお年寄りの方でも意識の明確な方は多数いらっしゃるということです。

【カルテの取り寄せを検討する】
 遺言を無効にするには、次の2つのうちのどちらかである場合が多いです。

① 遺言の偽造など、遺言が本人の意思に基づいていない。
② 遺言者に意思能力がなかった。

 今回の質問では公正証書遺言ということですので、②の問題となります。
 この意思能力の判断では、カルテなどが参考になります。
 お母さんが入院していたのなら、そのカルテを取り寄せして、その記載内容を確認しましょう。
 また、通院していたのなら、念のためにそのカルテを取り寄せしましょう。
 カルテにはお医者さんの所見や看護師の病状記録などがあり、当時のやりとりや健康状態を詳しく記載しており、当時の意思能力を知る上で大変重要な資料として裁判所も重視します。

【認知症の検査結果が重要です】
 最大の決め手となるのが認知症の検査結果です。
 この検査にはいくつかの方式があるようですが、著名なところでは長谷川式認知スケールという検査方法(参照:「相続コラム:意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介」)があり、この検査を当時行っていればその検査結果が重要な証拠として扱われるでしょう。
 この検査結果は、病院で行われ、カルテなどとともに保存されていることがあります。このほか、介護施設によっては、長谷川式認知スケールを定期的に行っているところもありますし、介護施設への入所の際の参考記録として実施しているところもあります。
 そのため、当時お母さんが入院・通院をしていた医療機関や介護施設などに問い合わせてそのような記録がないか調査してみることをお勧めいたします。

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