大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

相続 調停から審判【Q&A №596】 0596


【質問の要旨】
姉名義だが、父と姉が債務を負っている住宅の残ローンの半分は相続しなければならないのか。

記載内容  住宅ローン 光熱費

【ご質問内容】
 審判をするか悩んでおります。現在調停をしており先日担当裁判官と直接話をしましたが納得が行くものではありません。
 弁護士を入れて進めていますが、同じ結果になったとしても調停と審判では違うと審判を勧められています。
 ※特別受益と住宅ローン:家は姉名義で住宅ローンは二人で払っていたのでそれは特別受益ではないかと主張した。

 ボーナス払年二回11万ずつ現金で渡し、月々支払は光熱費と相殺していた。
 2世帯住宅だがメーターはひとつで父の口座から引落しで支払をしていた。
 裁判官の見解:ボーナス払いの現金を渡してたと言う証拠がない、光熱費が父の口座から引落としされてるのは明確だが姉が現金を渡してたかも知れないし相殺してたとは認められない従って特別受益は認められない。
 住宅ローンの債務についても半分の300万を負担する事、相続の分配に含んで行う。
 ※定期預金引出:生前父から電話があり、障害を持つ弟が入所している施設に寄付しないと居られなくなると言われ定期を渡した。

 姉に確認したら父に対して制裁だと話し返すよう話したが弟の保険に入ったと嘘を言い返済しなかった。
 裁判官の見解:定期解約をしたのは金融機関の書類で姉なのは事実だが、その後どうなったかは明白でない為、戻せとは言えず本件とは別に返還請求を別途するようにと。

(なつ)


 ※敬称略とさせていただきます

【父の支払を示す証拠が大前提】
 まず、今回は姉の単独名義で取得した自宅の住宅ローンについて、そのローン代金について父と姉がそれぞれ別個に、分割して借り入れをしたケースです。
 ところで質問では、ローンの返済は姉の口座から引き落されていたということであれば、父が姉の口座にお金を入れていなければ父は実質的に1円も負担していないことになります。そうすると、父が支払った証拠がない本件では、調停や審判の場ではなによりも証拠が重視されるため、特別受益とは認められないものと思われます。

【親子間では光熱費の無償使用もありうる(ローンとの相殺)】
 次に、あなたは、父と姉との間に「父が姉に渡す(父名義部分の)ローンの支払資金と姉が父に支払うべき光熱費を相殺する」という約束があったことを主張されているようです。
 しかし、今回は父が姉にお金を渡した証拠がないため、第三者の立場から見れば「父は姉の家に無償で住ませてもらっていた」という状況に見えてしまいます。そのため、父はそもそも姉に光熱費を請求するつもりがなかったと裁判所は考えるしかない状況かもしれません。
 ここはあなたの側で父と姉との間に相殺の約束があったことを立証する必要があるでしょう。
 要するに、結局のところポイントは「父が姉にお金を渡していた証拠をいかに見つけ出すか」という点にあります。
 この証拠が見つけられないためにあなたの主張が通らないという事態が生じているのです。

【父名義のローン残債務は分担】
 父名義の住宅ローン残債務については、父の金融機関に対する債務ですので、相続人であるあなたと姉が相続分に応じて分割された債務を支払いする義務があることは間違いなく、対金融機関の関係で返済せざるを得ないでしょう。

【姉の家は遺産分割の対象にならない】
 そうすると、父の遺産分割の結果、姉はローンを分割してあなたに半分負担させることができるが、姉は自宅を丸ごと自分のものにできるという利益を受けることになります。これはたしかに不公平感があることでしょう。
 この点の解決方法としては、父の債務である住宅ローンで融資された金銭はその全額が、売買代金の決済の時点で姉の代金の支払いに充てられているはずであり、この分は贈与として特別受益に該当する可能性があります。
 裁判所はその点の立証ができていないといっているのであれば、その点を立証するよう全力を尽くされるといいでしょう。
 現在、弁護士に依頼されているようですので、その立証方法としてどのようなものがあるかどうか、その弁護士と協議されるといいでしょう。

【不正な預金解約は調停・審判で判断しにくい】
 最後に別途訴訟提起が必要と言われている点ですが、調停や審判は遺産であることが明らかな(ほぼ争いのない)遺産だけを取り扱う手続です。そのため、不正な預金解約(損害賠償請求)のように事実関係に大きな争いがあるものは調停で判断ができないのが通常です。その場合、別途訴訟を提起して遺産であることを確認することが必要であり、この点は裁判所の見解が一般的といえるでしょう。

(弁護士 北野英彦)


不正出金と特別受益について【Q&A №573】 0573

【質問の要旨】

母の預金を使いこんだ弟から遺産を取り戻せるか?

【ご質問内容】

 先日、妻の母が亡くなりました。(父は既に他界)
 妻は兄と弟の3人兄弟で、母は13年程前から弟と同居していました(住宅購入)。
 母の遺産は定期預金など(推定6000万円程)で2年ほど前から弟が通帳管理し死亡前にはすべて弟の口座に移されていました。 贈与か不正出金か不明。
 弟は遺産総額を開示もしません。
 信託で契約を結び(金額不明)、死後、弟にお金が入るようにもしていました。
 信託会社に詳細を聞いたところ、財産と遺留分対象とのこと。
 住宅資金推定5000万円(弟名義)を、母が頭金援助(推定2000万円)、去年あたり母が(推定2000万円)を出してローン完済させたようです。
 弟はギャンブル好きで他にも不正出金が多々あると推測し、まだ現金2000万円程は隠していると思われます。
 お聞きしたいのですが、住宅資金援助は母の通帳開示請求から追及できるでしょうか
 また弟のローン支払いの通帳も開示請求して照合できるのでしょうか
 遺言書はないようですので、法定相続分の3分の1で請求した場合妻の相続分はどれくらいになるのでしょうか?
 また、兄は相続争いに参加したくないとの事で、妻への譲渡証明書を書いてもらうつもりですが、その場合、不正出金の返還請求も、特別受益があった場合も兄の分と2人分の請求ができるのでしょうか
 どうぞご教授よろしくお願いいたします。

(papepon)

 

【兄の相続分譲渡を受けた後の相続分】

あなた(相談者)の妻は兄から「譲渡証明書」をもらうというお話ですので、これを相続分の譲渡と理解して、相談者の妻が兄の相続分をすべて譲り受けたことを前提として、以下のとおり回答します。
 
相続分譲渡後の相続分は次のとおりになります。
 相談者の妻・・・3分の2(兄の分を合算)
 弟  ・・・・・3分の1
その結果、相談者の妻は兄の持分も含めて不正出金の返還請求や特別受益の主張が可能となります。

【住宅資金援助は登記簿謄本と取引履歴を確認する】

さて本題ですが、住宅資金の援助とローン返済を行ったのは母なのか、それとも弟なのか、確認するには次のような手順で調べるのがよいでしょう。
1)登記簿謄本を取り寄せする
法務局にて、弟名義の住宅の全部事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せし、不動産購入時期及びローン完済時期を調べます。
まず、購入時期は、登記名義が弟の所有名義に変更(売買)された時期です。
次にローン完済時期は、銀行の担保(抵当権)の抹消時期から判明します。
2)母の取引履歴と対比して調査する
次に、母が口座を開いていた金融機関から預金の取引履歴を取り寄せます(相続人であれば取り寄せは可能です)。
そして、登記簿謄本から調べた不動産の購入時期及びローン完済時期の取引履歴を確認し、同時期に、母の口座から多額の出金があるかどうかを確認します。
もし、購入時及び完済時の両方の時期に合致した出金があれば、その出金が頭金等の購入(あるいはローン完済)資金として使われた可能性があるといえるでしょう。

【さらに弟の口座宛の送金であることを確認】

出金が弟の口座宛の送金であったことが取引履歴の摘要欄や備考欄で確認できれば、弟に渡されたことが立証できます。
また、出金伝票の記載や筆跡を確認し、弟が出金手続きをとったことを立証すれば、裁判でも弟が出金を行ったことを追及できるでしょう(無断であれば不正出金になります)。
なお、(送金先となる)弟の預貯金口座の取引履歴を調べたいところですが、金融機関は「兄弟でも他人でありプライバシーがある」と言い、個人情報を盾にして、弟の同意がない限り取引履歴の開示に応じないでしょう。

【相続分の計算】

本件での相続分を計算するに当たり、今回の遺産分割で検討すべき遺産は
① 弟による母の口座からの不正出金 計6000万円
② 住宅資金贈与  計4000万円(頭金2000万円、ローン完済資金2000万円)
合計1億円
であるとして説明します。

① 不正出金6000万円は、母から弟に対する損害賠償請求権です。
② 生前贈与分4000万円は特別受益として遺産に持ち戻し、加算される分です。

① ②を合わせた遺産総額が遺産分割の計算上の金額になり、その額は(特別受益:4000万円)+(不正出金:6000万円)=1億円です。
この1億円を相談者の妻と弟の法定相続分に応じて配分します。
(今回は兄が相続分譲渡する結果、相談者の妻が3分の2の相続分を有します。)

(配分内容)
相談者の妻(相続分3分の2)・・・6666万円
弟(相続分3分の1)    ・・・3333万円 ― 生前贈与4000万円 ⇒ マイナス666万円
こう計算すると、弟はすでに生前贈与により4000万円を取得し、法定相続分の3333万円を超えて財産をもらっています。
そのため、弟は現存する遺産6000万円(上記①の母から弟に対する損害賠償請求権)から受け取るべき財産はありません。
6000万円はすべて相談者の妻が相続することになります。

ただ、相談者の妻としては、計算上、約666万円が不足します。
これは取得できないのでしょうか。
残念ながら、特別受益は生前贈与により超過額が生じた場合でもこれを返還させる制度ではないため、超過額を返還させることはできません。
その結果、相談者の妻は現存する遺産である6000万円(上記①の母から弟に対する損害賠償請求権)の限度で財産を受け取るしかない、というのが今回の結論になります。


亡父が連帯保証した姉の住宅ローンの相続【Q&A №551】 0551


【質問の要旨】
姉の家の住宅ローンを父が連帯、相続で自分も負担するのは納得できない

記載内容 住宅ローン 連帯保証

【ご質問内容】
姉が結婚したとき二世帯住宅に建て替えました
土地・建物は姉の名義です(母が亡くなり名義変更/父婿養子)。
住宅ローンは姉が組みましたが父も連帯になっていました
相続になりその負債が1200万あり父の分が600万で相続人で割ると私の負担が300万と言われました。
今まで父は月々5万と年2回:各11万(ローン半額)支払ってました。
家は全て姉の物になり負債だけ私が負担するのは納得できません
父が支払っていた分、特別利益とかにはなりませんか。

(チョコ)


【ローン債務の承継】
被相続人であるお父さんの住宅ローン残債務が600万円あり、お姉さんとあなたのみが法定相続人であれば、あなたは300万円の債務を負担することになり、その点ではお姉さんの話は間違っておりません。
ただ、住宅ローンについては、債務者が死亡した場合には保険会社から残額を一括支払いするという保険に入っていることが多いです。
そのため、念のために金融機関に債務残高及び保険の有無等を確認することをお勧めします。

【建物資金の半額を出した点が特別受益になります】
質問を整理します。
お母さんが土地を持っていたが、これはお姉さんが相続した。
その後、お父さんが死亡した。
上記土地の上にお姉さんが単独名義の建物を建築したが、住宅ローンについては半額がお父さんであり、ローンの支払いが未了である。
以上の前提で回答を記載していきます。
お父さんは住宅ローンでお金を借りましたが、そのお金はお姉さんの単独名義の家の建築資金になっています。
そのため、その借入額が、生計の資本としてのお姉さんへの贈与と考えられ、この生前贈与額は特別受益になります。

【特別受益とした後の遺産分割】
特別受益になるお姉さんの生前贈与を受けた額については、遺産に持ち戻します。
そのため、お父さんの遺産は、《生前受益分+死亡時の財産》の合計額になります。
この額を前提に法定相続分で各人の取り分を計算し、もし、お姉さんの生前贈与額がこの各人取り分を超えている場合には、死亡時にあった遺産はすべてあなたが相続するということになります。
(当ブログQ&A №506などもご参照ください。)

(弁護士 大澤龍司)


母の遺産であることの証明【Q&A №260】 0260


 母が亡くなり、父と、兄弟3人が相続人です。
 母はパートで9時から18時まで働いていました。
 死亡した年齢は満59歳です。

 父は、母の凍結された銀行口座があるとのことで、署名捺印を押すように言います。
 あまりにしつこいので、私はいくつかの銀行の中で1つはサインしましたが、その他はしていません。残り2、3の銀行口座があると思われます。
 最近も、いくらの預貯金があるのか、遺産はどのくらいあるのかと尋ねましたが、「母さんの預貯金はいくらもない」「親の金を当てにするなんて」などと言われ知らせません。私は法定相続分は欲しいと伝えましたが、その意志はないようです。
 ほかに、父の名義ですが、母も住宅ローンを一緒に支払っていました。この件については、母の遺産であることの証明は難しいのでしょうか。
 母の遺産の手がかりになるものは全て父が持っていて、見せてくれませんし、住宅ローンに関する書類も私は持っていません。

 私の二人の兄弟は、サインしているようです。

 弁護士の先生にお願いしたいところですが、母子家庭でお願いするだけのゆとりが無いのが現状です。

記載内容  住宅ローン 銀行 共有

(雅子)


【原則は名義で決定される】
 まず、住宅ローンを支払っていた自宅があるとのことですが、その名義がお父さんであれば通常はお父さんの遺産とされることになるでしょう。
 ただ、全てが名義だけで決まるわけではなく、息子名義だが住宅ローンは父親が全額支払っていたため、息子名義でも父の遺産であるとされたケースもあります。

【預貯金の履歴で調査する】
 そこで、住宅ローンをお母さんが支払っていたというのであれば、お母さん名義の預貯金口座から住宅ローンが引き落とされていなかったかを調べることが必要です。
 まずは、お父さんがサインを求めてきた、お母さんの銀行口座や、現在判明しているお母さんの預貯金口座の取引履歴を取寄せすることをお勧めします。
 その取引履歴の中で、お母さんが住宅ローンを出していることが判明すれば、お父さん名義でも、実質はお母さんの所有であると主張することになるでしょう。
 もし、お母さんが支払っていたのは、住宅ローンの全部ではなく一部の支払いというだけであれば、その分、共有であるという主張をすることになるでしょう。

【預貯金の履歴は相続人であれば入手が可能】
 相続人であるあなたの立場であれば、たとえお父さんが反対しても資料を銀行からもらうことができます(当ブログ Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」  の記事をご参照ください)。

【履歴から何を読み取るのか】
 取引履歴から何を読み取るのかが重要で、住宅ローンの支払いだけなのか、あるいは株式や証券の存在も判明することもあるでしょう。
 又、新たな金融機関口座が判明すれば、そこから相続人として住宅ローン借入先銀行に問い合わせることができるかもしれません。
 その意味でも、預貯金口座の履歴照会は必要不可欠ですので、是非、ご手配ください。


★相続放棄と引き換えに養育費を請求【Q&A №259】 0259


 離婚した父がなくなり、退職金等2000万弱は生計を共にしていた祖母がもらえるようです。私は養育費3万(月)だったので、対象から外れたそうです。そこで、法定相続人は私1人なのですが、祖母が住んでいるマンション(売却したら1400万くら い)の相続を放棄する代わりに、生前もらうべき養育費を祖母に請求しようと考えています。カードローンなど負債もあり、実質そのマイナスをカバーする余裕もなく、あとから消費者金融からとりたてられても困ります。(大学生で奨学金を月12万借りています。)そのようなことは可能でしょうか。よろしくお願いします。(マンションは団信でローンはなくなるそうです。)

記載内容  養育費 団信 住宅ローン

(ノラ黒)

【養育費支払義務は相続されない】
 お父さんはあなたに対して養育費の支払義務を負っておられましたが、それはお父さんの死亡で消滅します。
 相続人がこの義務を承継することはありません。

【本来は売買が望ましいが・・・】
 あなたは唯一の相続人であるとすれば、お父さんの遺産は全てあなたのものになります。
 お祖母さんの住んでいるマンションもあなたのものになります。
 そのため、あなたとしてはマンションの所有者として、そこに居住しているお祖母さんに居住の対価として家賃を請求したり、立ち退きを求めたりすることも不可能ではありません。
 ただ、現実にそこに居住しているお祖母さんを追いだすのも酷なことですので、金銭的に解決することも可能です。
 その方法としてお祖母さんに、お金を支払わせるという方法もあるでしょう。
 つまり、そのマンションはお祖母さんに譲渡し、その対価として譲渡代金を貰うということも可能です。
 又、お祖母さんと交渉して、賃料を支払ってもらうことも可能でしょう。

【相続放棄を利用するのも一方法かもしれない】
 さて、あなたとしては、相続放棄をしてお祖母さんにマンションを相続してもらう替わりに、お祖母さんから、あなたがお父さんからもらうはずであった養育費を支払ってもらおうとお考えのようです。
 お祖母さんがその支払いを納得するのであれば、ユニークな解決方法です。
 相続放棄を条件として、金銭をもらうということになりますので、若干問題がないわけではありません(相続放棄なら遺産から何ももらえないのに、実質的には金銭を貰っているのは違法ではないか、このような合意は公序良俗違反ではないか、ということが問題となります)。
 お祖母さんとしては売買ではなく、相続ということでマンションの所有権を取得し、あるいは居住を継続できるというメリットがあります。
 お祖母さんが問題なく支払ってくれるなら、特に法的なトラブルもなく終了する話ですので、がんばって交渉されるといいでしょう。
 なお、相続放棄の期間は原則として死亡を知ったとき(通常は死亡時)から3ケ月間ですので、お祖母さんとは早期に交渉するといいでしょう。
 もし、交渉に期間がかかるというのであれば、相続放棄期間の延長(伸長)願いを裁判所に提出しましょう。


両親の家を提供した子の寄与分【Q&A №242】 0242


 父と長男共有不動産に両親が20年住み母が死亡後父のみ一人で住んでいます。
 相続発生した際長男の寄与分は認められますか。

記載内容  住宅ローン

(じゅら)


【相続でいう寄与とは顕著で、財産的なもの】
 相続でいう寄与とは財産的なものです。
 だからお父さんやお母さんと同居して生活していたことだけであれば、それは何ら財産的なものではなく、親子関係の問題にすぎず、寄与には該当しません。
 又、財産的な寄与が全て寄与分とされるわけでもありません。
 相続人として社会通念上相当な範囲で行うべき寄与については、すでに相続分の範囲内で考慮済みと考えられ、通常の範囲を超える顕著な寄与があった場合にだけ寄与分が認められるという考えが一般です。
 具体的には、父親が経営していた事業(農業など自営業)をほとんど無報酬で手伝っていた場合や、父親名義の自宅物件の住宅ローンを全額息子が肩代わりして返済したような場合には寄与分がみとめられるでしょうが、給料をもらって家業を手伝った場合などは寄与分を認められることは少ないでしょう。

【半分は父親自身の建物】
 今回の相談では、両親の住居を長男が提供したため、両親は住居費の支出を免れています。その結果、両親は住居費に相当する資産の減少を防いだものとして、両親の遺産に対する一定の寄与が存在すると考えられます。
 しかし、子名義の物件を両親の居住に提供すること自体は通常よくあることであり、又、今回の物件は持ち分の半分が父親の名義であること、長男が住宅ローンを肩代わりしたような事情が見あたらないことなどから、寄与が顕著というのは難しいでしょう。
 なお、寄与分は一般に相続人の寄与行為によって形成された積極財産(不動産や預金など)が存在する場合に認められやすいものですが、今回のように、一定の支出を免れたというだけでは実務上、寄与が認められることは少ないことも理解しておいていいでしょう。

 


住宅ローン肩代わりと特別受益【Q&A №235】 0235


 住宅ローン残金

 父と息子の共有名義である土地・建物のローン残金を父親が支払いたい。引き落とし口座は息子です。この場合、生前贈与になるのでしょうか。

記載内容/strong>  共同所有 連帯債務 住宅ローン 一括返済

 

(DogJVC)


【息子負担分の限度で贈与・特別受益】
 息子さんの住宅ローンの残高をお父さんが支払えば、債務の弁済資金の提供として、その支払額が生前贈与になります。
 ただ、今回の質問ではお父さんと息子さんの共有名義ということですので、住宅ローンが息子さん名義であっても、お父さんの持分に相当する分は、実質的にお父さんの住宅ローンとも考えられます。
 このような場合、ローン支払額のうち、お父さんの持分割合に相当する分は除外して、息子さんの持分割合に相当する分のみが生前贈与となる考えていいでしょう。
 このため、将来、お父さんの相続が発生した際には、この生前贈与分が特別受益にあたるとされる可能性が高いでしょう。


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