大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

代償分割における不動産の評価【Q&A №127】


 父が亡くなり(母も他界)現在兄妹で遺産分割中です。
 建物は、三階建てで、一階は父(他界)、二階は、二軒となっていて一軒は妹、もう一軒は賃貸です。そして三階は、兄(相談者)になっています。
 分割方法としては、土地建物は、兄。金融資産は、妹の方向で進んでいますが、不動産に関して、双方の査定額に1千万以上の開きがあります。(今後は、アパート三軒を運営予定です。)こちらとしては、代償金は、安い方が良いのですが、どのように不動産額を決めたらいいですか?又、相手をどのように説得したらいいですか?
 一階は妹も住んでいたことがあり、現在は二階に住んでいます。ですから一階は、個人宅なので、賃貸にするには、リフォームも必須で四百万はかかります。その分を妹に考慮してもらうことは考えていますが?

記載内容  代償分割 価格査定 価格評価

(クウーチャン)


【査定額の差を埋める方法は?】
 不動産の査定額に1000万円以上の開きがあるということですが、このような査定が出るのは、双方が別々に査定したためです。
 この差を埋める方法としては、双方が信頼できる不動産業者あるいは不動産鑑定士に依頼し、その結論を前提として、遺産分割の話をするという方法があります。

【建物価額の評価が正しいかを確認する】
 次に評価に差がでる原因の一つとして、建物の評価が異なる場合があります。
 建築価額に減価償却率をかけて評価額を出して建物の評価をしているのをみかけることがあります。
 しかし、遺産分割調停では、ある程度の年数を経た建物では、建築価格ではなく、評価証明価額で建物価額を算定することが普通です(ただ、その評価額があまりに低い場合には、評価額にある程度の倍率をかけて修正する場合もあります)。

【不動産価額を下げさせる方法】
 仮に不動産の時価が5000万円だとした場合、それを換価(売却)した場合、不動産の取得価額がわからなければ、売却額の約20%である1000万円程度(取得金額がわかる場合は、売却額から取得金額を差し引いた金額の約20%)を税金として納める必要がありますし、これとは別に仲介手数料として156万円(売却額の3%+6万円)も必要です。
 売却は手間も時間もかかりますし、売り急げば、不動産価額は当然低くなるでしょう。
 このような点を考え、時価より20%から25%を減価して、代償金額を決定してもいいでしょう。
 これらの点を説明して、不動産価額の原価を交渉するといいでしょう。

【それでも減価を納得してくれない場合には調停で第三者の意見を聞く】
 不動産の評価額がまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てて、その調停手続の中で調停委員の意見を聞く、あるいは鑑定を行って不動産価額を決定するといいでしょう。
 裁判所の調停委員や裁判所の依頼する鑑定人という中立の第三者が評価するため、双方ともに納得せざるをえないという点で解決がしやすいですので、ご検討ください。

【リフォーム費用がかかる費用は評価に反映させにくい】
 遺産の評価は、現状のままでの評価です。
 賃貸にするためのリフォーム費用については、将来の不動産の使い方に関するものであり、現在の評価に反映させることは難しいでしょう。

★相続で取得した共有の不動産を単独取得したい場合【Q&A №106】


 父が亡くなり、家を兄弟で相続しました。今は長男の私が自分の家族と実母とその家に同居しています。家を売りたくないので、弟に相続分として現金を払うべきかと悩んでいます。こういった場合、家を査定してもらって現金を支払うならどの程度払えばよいのでしょうか。こちらは親の面倒を見ているので(あまりそういう意識は弟にも母にもないようですが)、査定額の半分を渡すのには抵抗があります。どうすればよいでしょうか。またお金は全額一括でないといけませんか?

記載内容  代償分割 介護費用 価格査定

(ハプキンス)


 【遺産分割協議は終わっているのか?】
 家を弟さんと2人で相続したとありますが、遺産分割協議書を作成するなど、既に相続の手続きは終わっているのでしょうか。
 もし終わっているなら、相続の問題ではなく、相続で共有となった家を単独にするための手続き―共有物分割請求―の問題であり、相続の問題ではありません。
 ただ、今後、兄弟で相続するのだというのであれば相続の問題です。

【解決の方向は2つです】
 もし、遺産分割が終わっていないのなら、問題の解決の方向としては、①あなたが家を単独で相続するというのと、②家は共有にするが、使用についてはお母さんの面倒を見ているので、あなたが相続するという合意をするという、2つの方向があります。
 ただ、②の方向は、いつか将来、弟さんの取得した持分を買い取るということになりますので、現時点で可能な①の方向を検討するといいでしょう。

【まず、お母さんを味方につける】
 まず、相続人は、お母さん《法定相続分2分の1》とあなた《法定相続分4分の1》と弟《法定相続分4分の1》です。
 そのため、まずお母さんを説得して、味方につけ、家をあなたの名義にするのに協力してもらいましょう。
 そうすると、あなたが家を自分の単独名義にする場合、弟さんに支払うべき金額は、弟さんの相続分である4分の1の金額で済みます。

【代償金を低くするためのテクニック】
 相続で家を単独取得する場合、弟さんに見返りとしてお金(代償金)を支払う必要があります。
 この場合、弟さんが相続で代償金を取得しますが、第三者に不動産を譲渡し、売却代金を分割した場合に課税される譲渡益課税(通常、代金額の約20%)の支払いの必要はありませんし、売却を仲介した業者に支払う手数料(代金の約3%)も不要です。
 このように、弟さんにとっては、売却代金の分割より代償金の方が有利になりますので、その点を説明し、査定額から20%程度、減額してもらうように交渉するといいでしょう。

【一括払いかどうかは弟さんとの話し合い次第です】
 代償金の支払い方法は決まっていません。
 しかし、通常は一括支払いをし、その時に同時に登記を移転してもらうことになります。
 ただ、あなたがお母さんの面倒を見るということで、弟さんに分割払いにしてもらうようお願いしてもいいでしょう(但し、了解するかどうかは弟さんの意向次第ですが)。

【お母さんの介護は、今回の相続とは別の問題です】
 お母さんの介護費用や手間の問題があるとしても、それはお父さんの遺産分割とは別個の話です。
 ただ、母親の介護をする義務(扶養義務と言います)は、兄弟全員に平等にありますので、代償金支払いの交渉の際、あなたが介護をする(ということはお弟さんは扶養義務を免れるという利益がある)ということを減額のための説得理由とすることも、交渉テクニックとして考えていいでしょう。

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