大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

停止条件付権利の相続について【Q&A №84】

 過日質問いたしましたが、「停止条件付権利の相続」は、下記にある生命保険金が相続財産に含まれないのと同様に、相続財産とならないと判断されないのでしょうか?

 (生命保険金は、保険契約の成立により、相続人がその固有の停止条件付保険金請求権を取得したものとして、相続財産には含まれないという解釈がされている。)(最高裁昭和40年2月2日判決)。

よろしくお願いいたします。

(Pchan)


【再質問ですが・・】
 今回の質問は、前にあった質問(「停止条件付の権利の相続について」参照)の再質問です。
この【Q&A】では再質問にお答えしないのですが、死亡保険金と条件付権利の相続とはどう違うのかというむずかしい《学者さんがするような》議論ですので、例外として回答します。

【死亡保険金はなぜ、遺産ではないのか】
 相続とは《被相続人のもっていた財産》が相続人らに移動することですが、死亡保険金はそうではありません。
 死亡保険金は、相続のように被相続人が持っていた権利が移動するではなく、保険契約の効果として受取人が直接、取得する権利です((最高裁判例の言葉でいえば、受取人の「固有の」権利です)。
 被相続人が持っていた権利ではないので、死亡保険金は相続財産にはなりません。

【条件付権利は相続財産です】
 お母さんが持っていた条件付権利(今後、土地を売ったときに代金をもらえる権利)は、お母さんが持っている財産です。
 だからお母さんが死亡された場合には、相続財産として、あなたが相続で取得します(もし、この条件付権利が相続財産でないとすれば、あなたはその権利を取得できないということになります)。
 結局、死亡を条件として、権利が新たに受取人に発生するのが死亡保険金です。
 これに対して、今回の質問の場合は、死亡を原因として、被相続人であるお母さんが既に持っている条件付権利が、相続であなたに移動するというものであり、死亡保険金とは異なり相続財産にはならないというのが結論です。

将来受け取るお金にかかる税金【Q&A №62】


 母の他界により遺産相続が生じました。
 主な相続遺産は、母の実家の田畑(現在は母の兄の所有地)が売却された時に、母の兄弟で一定の割合に売却金を分配することを確約(公正証書契約書)した権利です。つまり停止条件付の権利を相続することになりました。
 現時点では将来売却される土地の売却金額を特定することもできないため、売却された時点で私の兄弟間(父も既に他界)の遺産分割協議書を再度作成しようと考えています。
 以上私見ですが、この場合、相続税の延滞金、贈与税とのみなし課税等危惧されることはないでしょうか。留意点等ご意見いただければ幸いです。よろしくお願いします。

記載内容  停止条件付権利 相続税 贈与税

(Pchan)


【なぜ、公正証書まで作成したのだろうか】
 おそらく、お母さんのお父さん(以下、お祖父さんといいます)が死亡されたとき、相続問題が発生したのでしょう。
 その解決として、田畑の全部をお母さんの兄(以下、叔父さんといいます)に相続登記するが、将来、田畑を売却する時には売買代金を分けるということで公正証書を作成したのでしょう。

【相続税の申告は必要です】
 公正証書を見ないとはっきりしたことはいえませんが、仮に代金が分配されるはずの土地が特定され、かつ、売買代金の配分率も決定されているような場合には、売買代金がもらえることが確実な権利ということができるでしょう。
 その場合には、その代金を請求する権利は財産的価値を持っていますから、遺産の一部として相続税の課税対象になります。

【将来の贈与税の支払いは不要です】
 お祖父さんの遺産分割の際に公正証書で取り決めをしたということになると、元々お祖父さんの相続に関して相続税が課税されるべきものであって、別途贈与税が課税されるものではないでしょう。このため、将来売却代金があなたに支払われたときにも、相続税と別に贈与税が課税されることはありません。

【遺産分割協議について】
 前項に記載したような財産的価値のある権利を取得したのだとすれば、今回の相続の際に、あなたの兄弟間で遺産分割しておく必要があります。
 売却されたときに相続が発生するのではなく、現在、既にその条件付権利の相続が発生していることになりますので、申告しないと不申告加算税、延滞税等の支払いが問題となります。

【条件付権利の価額はいくらか】
 申告をする場合に、条件付権利の価額をどのように評価するのかという点が問題になります。
 残念ながら、弁護士である私たちには、この点の回答はできません。
 税務のプロである税理士(できれが相続に詳しい方がいいでしょう)に税務相談されることをお勧めします。
 おそらくその税理士も即答できない可能性が高いと思いますが、税務署と協議して適正(税務署が妥当とする)価額を教えてくれるでしょう。

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