大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

認知症の義母宛の父の遺言【Q&A №571】


【質問の要旨】
再婚した父が遺言を書いていた場合の先妻の子の相続分

記載内容  再婚 義母 任せる  遺留分 先妻の子

【ご質問内容】
父と母は 再婚で、私は父の実の娘です。
幼い頃の離婚時に、実母方が弟を連れ、父が私を引き取りました。
現在は、私は結婚していて義母とは養子縁組はしてません
父は難病をかかえていますが数年前に母が認知症で、遠方の実の妹夫婦宅へ行きっぱなしで帰らず、今では 介護施設へ入居してます。
数ヶ月前に父が自宅で転び、一人暮らしが不可能となり今では療養型病院に入居してます。
もう自宅には帰れないので、私が自宅の片付け、売却を頼まれましたが片付けてたら、義母宛の銀行で作成した遺言書がでてきました。
現在、父名義の700万ほどの銀行預金通帳を私が預かり任されてます
他の預金は認知症の母がわかってるだけでも1000万円を持っていってしまいました
母の遺言書は見当たりません。
父が口頭では娘の私に全て任せると言うのですが、もしこのまま父が他界したらどうなるのでしょうか?又、義母が他界したらどうなるのでしょうか?

(mamis)


【事案の整理】
義母宛の遺言内容が明らかではないのですが、おそらくお父さんが「義母に全財産を相続させる」内容で作成したものと推測して回答いたします。
この状況でお父さんが死亡した場合、遺言に従って全遺産は義母が相続することになります(なお、あなたは遺留分の限度で権利がありますが、この点は後述します)。

【お父さんが死亡した場合・・遺言内容により異なるが、遺留分請求が必要になるかもしれない】
まず、お父さんが死亡した場合、お父さんには遺言書がありますので、その遺言書の内容で遺産を分けることになります。
ただ、その遺言書の内容が、義母に全部を相続させるという内容であれば、あなたはお父さんの遺産を相続できなくなります。
このような、遺言等で遺産が十分にもらえない場合には、法律で、遺産を多くもらう人から最低限度は返してもらえるようにする制度があります
遺留分減殺(いりゅうぶんげんさい)請求といい、遺言書の内容を知った日から1年以内に、遺産をくれと申し出る制度です。
あなたは被相続人であるお父さんの子ですので、減殺請求をすると法定相続分の4分の1の半分の、8分の1の遺産をもらうことができます。
なお、遺産としては義母が生前に貰った1000万円も遺産に組み入れて計算をしますので、あなたが遺留分としてお母さんに請求することができるのは次の計算式で算定される金額です。
遺留分=(義母が生前に貰った:1000万円+父名義の銀行預金+お父さんのその他の遺産)×8分の1
(なお、遺留分減殺請求については【コラム】遺留分とは参照)

【父より前に義母が亡くなった場合】
父より前に義母が亡くなったときは、あなたは義母の子ではありませんので、義母からは遺産を相続することができません
この場合、父の遺産がどうなるかですが、父の遺言書に《義母に遺産全部を相続させる》という記載があっても、既に義母が死亡しているのですから、遺言書は効力がなくなります
そのため、父が亡くなった時には、あなたと弟さんが父の遺産を2分の1ずつの割合で取得することになります。

【遺産が欲しいのなら遺言を書いてもらう】
最後に、お父さんが「口頭では娘の私に全て任せる」という発言されていますが、このような言葉は、葬儀の手配や自宅の整理、遺産分割完了までの通帳などの管理を任せるという趣旨として理解されるにすぎず、あなたに全遺産を贈与させる、あるいは相続(遺贈)させる意思を表示したものという理解をするには無理があります。
もし、あなたが父から財産をもらいたいというのであれば、新たに「全財産を相続させる」旨の遺言を作成してもらうことが必要でしょう。

(弁護士 大澤龍司)

★先妻の子が預金を取り込んだ【Q&A №209】


 叔母の遺産を相続人でない人が譲り受けたと主張しています。

 最近亡くなった叔母の遺産についてです。叔母は若い頃に結婚しましたが子どもはいませんでした。ご主人は数年前に亡くなり、その方には以前の結婚でのお子さんが一人いましたが、お子さんが小さいときにも一緒に暮らすことは一度もなく、養子縁組もしていなかったことが分かっています。ですが、叔母は夫のお墓に入るわけですから、そのお子さんが葬儀と納骨までを執り行いました。叔母の遺産はたくさんあったことを親族は皆知っています。時々出入りするそのお子さんに対して叔母は好ましく思っておらず、以前に入院したときにはその方が通帳を見つけないようにと預かったことのある兄弟もいます。今回、最後の入院ではそのような話にはなっていませんでしたが、入院中のある日、その前妻とのお子さんが、頼まれて全額引き出し譲り受けたと主張しています。金額は言いません。そもそも叔母が持っていた多額のお金は、亡くなったご主人とは関係がなく、正しく叔母の兄弟みんなの共同のお金でした。文書で取り交わしたものはありませんが、いろいろと証明する証拠は国に請求すれば得られるはずのものです。生前に叔母がその人に譲るいわれも全くないお金ですが、亡くなった人は証言できません。お尋ねしたいのは、このような相手の主張が通るのかと言うことです。今現在は叔母名義の解約済みの口座迄を含めて過去に遡って調べてもらっているところです。

(hahahan21)

記載内容  先妻の子 財産隠し 預金の取り込み 仮差押



【贈与を裏付ける証拠はあるのかがポイント】
 今回の質問では、預金を全額引き出したことははっきりとしていますので、引き出した先妻の子の方で、贈与でもらったのだ、ということを証明する必要があります。
 質問内容を前提にすると、叔母さんが先妻の子供さんに贈与をするような状況ではなさそうです。
 贈与の時期、贈与するに至った動機、贈与の遺産全体に占める割合なども考慮して判断されることですが、先妻の子供さん側としては贈与するという手紙とか贈与証書とかを出してこない限り、叔母さんから贈与を受けたということの証明は難しいでしょう。
 なお、叔母さんの死亡直前の贈与ということであれば、叔母さんの判断能力が十分であったのか、という点も確認する必要があるでしょう。

【取り返すには法的手段が必要となるでしょう】
 贈与を証明できない限り、預金の引き出し分は、叔母さんの意思に反した不当な引出であり、叔母さんには返還請求権がありました。
 ただ、叔母さんは亡くなっておりますので、本件では相続人が返還請求することが可能です。
 問題は、先妻の子がその引き出したお金を使ったり、隠したりしないかということです。
 そのような恐れがあるのであれば、訴訟などをする前に、先妻の子の預金口座などの財産を処分させないよう凍結させておく必要があります(このような手続きを仮差押えといいます)。
 もし贈与でないとしても、相手方はそう簡単にはお金を返還しないでしょうから、早期に弁護士と相談し、訴訟などの法的手続きを依頼するとともに、その前に仮差押えで財産がなくならないようにする必要があります。
 いずれにせよ、本件のような場合には、話し合いよりも前に仮差押え、というのが鉄則であるということは覚えておいていいでしょう。

★父の再婚相手との遺産分割【Q&A №195】


 遺産相続

 今年父が亡くなりました。父には再婚相手がいます。(子供なし)法廷相続人は再婚相手姉と私の3人ですが 姉と私は父とは遠く離れてすんでいます。 先日土地家屋と山の名義変更をしたいから委任状を送って と連絡がありました。
 話をした方がいいと思い行きましたが 再婚相手は私は分からないの言葉ばかり・・・自分の兄弟に兄弟名義で預貯金を預けてるらしいです。
 私たちは法的なものは欲しいとおもってますが、名義を変えられた今は難しいのでしょうか?
 父の亡くなる前から預貯金は動かしてたみたいです。
 2000万弱だと思いますが 150万入った通帳を見せてきて「これしかない。」と泣きながらいいます。

記載内容  預金が少ない 先妻の子 後妻 相続人以外の名義

(ポッキーちゃん)


【先妻の子と後妻との間が、一番、トラブルが多い】
 当事務所の経験から言えば、争いが一番、激しくなるのが先妻の子どもたちと後妻さんとの間の遺産問題です。
 本件は、まさにそのような条件に当てはまります。

【遺産が少ないと思うなら、まず遺産調査を!】
 遺産の内容を聞かされて、「こんなにも少ないのか」と思われるときは、なによりもまず遺産の調査が必要です。
 今回の質問の預金の場合には、金融機関に対して、死亡時の預金残高だけではなく、過去の入出金の履歴も確認する必要があります。
( 参考カテゴリ:「遺産調査」 ・・過去の回答参照 )。
 過去の履歴で使途不明金が存在しているというのが判明すれば、その出金を誰がしたのかを、次に確認することが必要です。

【相続調査の限界・・被相続人以外の預金調査はできない】
 次の問題は、お父さんの預金が後妻さんの兄弟の名義になっている可能性があるという点です。
 相続人は、被相続人(お父さん)の預金を調査することは可能ですが、他の相続人(たとえば後妻さん)名義の預金を調査できませんし、ましてや相続人ではない後妻さんの兄弟の預金調査は到底、できません。
 本件質問のような場合には、預金の払い戻し票が後妻さんの筆跡であれば、その出金は後妻さんがしたのでしょうから、その使途は後妻さんが明らかにする必要があります。
 キャッシュカードでの出金なら、そのカードの管理を後妻さんがしていたというなら、その使途も後妻さん側で証明する必要があるということになります。
 使途がお父さんのためでないということであれば、あなたは後妻さんに不当に出金した金額を返還せよということが可能になります。

【相続に詳しい弁護士に相談をする必要がある】
 今回のような人間関係の遺産問題はほとんどが話し合いで解決せず、訴訟になります(当事務所の扱った事件についていえば、1件残らず、全てが訴訟になりました)。
 そのため、是非、早期に相続に詳しい弁護士に相談し、まず、遺産調査を依頼することをお勧めします。
 その結果、使途不明金が出てきたということであれば、今度は事件の解決を新たに弁護士に依頼するといいでしょう。

   愛知県弁護士会 (URL:http://www.aiben.jp/)

★異母姉妹のいる場合の相続【Q&A №170】


 私と姉は父親は同じですが母親は違います。
 つまり父と姉は以前の母親と死別をした後に自分の母と再婚をして、私が生まれました。
 そして、今回その母が亡くなりました。
 以前より、父が亡くなっていた為に相続が凍結しており母が亡くなった為に相続がどうなるのでしょうか?
 父の財産は兄弟が半分ずつですが、母の財産は全て私になるのでしょうか?戸籍上では登録されてます。
 宜しくお願いします

記載内容  相続人 養子縁組 先妻の子

(kenta)


【お父さんの遺産の相続】
 お父さんが先に死亡し、その後、あなたのお母さんが死亡したということですので、相続についてはお父さん分とお母さんのそれぞれについて考える必要があります。
 まず、お父さんの分ですが、遺言書がないようですので、遺産は次のような割合で取得します。
・お母さん・・配偶者ですので、遺産の2分の1
・お姉さん・・子供であり、子供が2人いますので、4分の1
・あなた・・・子供であり、子供が2人いますので、4分の1

【お母さんの遺産の相続】
 あなたのお母さんが死亡した場合、配偶者であるお父さんは既に死亡しています。
 そのため、お母さんが遺言書を作っていないのなら、子供がお母さんの遺産を相続します。

 問題は子供の数ですが、
《お姉さんがお母さんの養子になっていない場合》・・お母さんの遺産は全てあなたが取得します(結局、あなたとしては、お父さんの遺産の4分の1+お母さんの遺産のすべてを相続することになります)。
《お姉さんがお母さんの養子になっている場合》・・お母さんの遺産はあなたとお姉さんが2分の1ずつの割合で相続します(結局、あなたとおねえさんは、お父さんの遺産の4分の1+お母さんの遺産の2分の1をそれぞれ相続することになります)。

【養子の確認】
 ご存じとは思いますが、念のために言えば、お父さんとあなたのお母さんが結婚しても、先妻の子供であったお姉さんはお母さんの養子になりません。
 お母さんとお姉さんとの間に養子縁組をして、初めてお母さんの子(養子)になります。
 養子になっているかどうかは、お母さんの戸籍を見れば記載されていますので、ご確認ください。

【コラム】実例で見る相続問題:義母(後妻)と(先妻の)子

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【もっとも激しいバトルが行われるのは】
相続は「争族」といわれています。
遺産をめぐって激しい争いが生じるからです。
その争いがもっとも熾烈になるのが義母とその子、言い換えれば後妻と先妻の子の争いです。
ただでさえ感情的な争いをする立場にある方たちですから、ここに財産争いがからめば、争いはホットにならざるをえません。

【後妻の気持ち・先妻の子の気持ち】
後妻としては、夫の介護をしており、自分が夫の面倒を最後まで見たという思いがありました。
「だんなのオムツまで替えたのはこの私だ」という自負がありました。
死んでから遺産目当てにノコノコと出てきてという反感もありました。

夫が死んでしまえば、頼りになるのは金しかないという気持ちもあったのでしょう。
しかし、先妻の子も黙っていません。後妻は遺産を絶対隠しているというのはよく出てくる言葉です。

【先妻が生きている場合は、更に激しく】
私の扱った事件でもっとも「激烈」なものが、後妻と先妻の子の相続争いで、しかも先妻と離婚し、生きている場合でした。先妻が後妻に対して持っている気持ちがこんなときに噴出します。

先妻の子が後妻の指して言った言葉で驚いたことがあります。
女狐」(めぎつね)。なんともクラシックです。
母親である先妻がいつもこのような言葉を使っていたのでしょう。

【こんな争いを防ぐために】
遺言書はこんなときに役に立ちます。
でも書き方を間違えれば、それが又、争いの種になります。

争いを避けるコツは次のとおりです。
間違っても、後妻または先妻の子のどちらか一人だけに遺産全部を渡すというような内容にしないことです。
少ししか相続させない者に対しても、慰留分(本来の相続分の半分程度)の財産を残すことです。

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