大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

何かをする時期について【Q&A №554】


【質問の要旨】
母が亡くなるまでにできることはないか

記載内容 公正証書 実家 請求

【ご質問内容】
私は姉妹の姉です。
父の死後、話し合いもなく、父の死後公正証書が送りつけられ、数か月後税理士の方からの書類が届いた時は、母に全部渡す預貯金は妹名義になっていました
数年前に母を施設に入れ、実家に移り一人で住み始めました
こういう場合母が亡くなる迄手立てがないのでしょうか
私は過分に欲しいと思っているわけではありませんが、
妹も不動産などを両家からたくさん相続していますので、裕福ですので私もきちんと請求したいと思っています。

(さくら)


【お父さんの相続に関しては遺留分減殺請求はできたが…】
お父さんの相続に関しては、預貯金はすべて妹さんに相続させるとの内容の公正証書遺言が作成されていたと理解しました。
このような遺言書があり、他の相続人になんらの遺産も来ないような場合でも、最低限の遺産(子であれば法定相続分の半分)を取り戻す権利があります(遺留分といいます)。
ただ、この権利は自分に遺産が来ないという遺言書があることを知ってから1年間以内に、遺言書で遺産をもらう人に請求(遺留分減殺請求といいます)する必要があり、この期間を過ぎると請求することができません(民法1042条)。
そのため、妹さんが預貯金をすべて相続したことにより、あなたやあなたのお母さんの遺留分が侵害されていた場合には、1年以内であれば、遺留分減殺請求をすることができました。
しかし、お父さんが亡くなってから既に9年経過しているということですので、お父さんの相続に関して、妹さんに何らかの請求をすることは難しいでしょう。

【実家に妹が住んでいても、あなたからは請求することはできない】
妹さんは両親も住んでいない実家に一人で住んでいるとのことで、あなたとしては妹さんに何らかの請求をしたいという気持ちでおられることと思います。
ただ、妹さんの住んでいる家の所有者はお母さんだと思われます。
そのため、妹さんに何らかの請求をするとしても、請求者はお母さんであり、今の段階では家の使用については、あなたが妹さんに対して何らかの請求をするということはできません

【お母さんが亡くなれば特別受益の問題になる可能性もあるが…】
将来的にお母さんが亡くなると相続が発生します。
その段階では、お母さんの家に妹さんが無償で使用・居住していたことにより受けた利益を、お母さんから妹さんへの特別受益だと主張できる可能性が出てきます。
ただ、建物の無償使用というのは、恩恵的要素が強く、一般的に持戻し免除の意思表示がある(お母さんが無償で使うことを認め、相続の際にもその賃料や使用料というものを考慮しなくてよいと考えている)ものと評価されることが多く、特別受益と判断されることは稀です。

【お母さんの状態によっては成年後見も検討すべき】
また、現在妹さんがお母さんの財産を管理しているのであれば、妹さんによってお母さんの預金が引き出されているという事態もありえます。
今後の遺産の目減りを少しでも防止する観点からは、お母さんが自分の財産を十分に管理できる判断能力がないというのであれば、家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選任し、お母さんの財産を管理してもらうことができます
ただ、この場合の財産管理は、原則として後見人選任後のみであり、又、今回のような質問のケースでは後見人は司法書士や弁護士になる可能性が高いため、その場合には、後見人の報酬として月額3万円程度の出費が必要になります。

(弁護士 岡井理紗)

公正証書遺言の効力はどこまで【Q&A №224】


 相続について

 義母の相続についての相談です。

 義母の母親が亡くなって、義母の母親名義の土地を相続するのにあたり公正証書を巻いてあった土地を長男が相続しました。 残りの土地は祖母が相続できる約束だったらしいのですが、兄弟達が権利を主張しだしました。

 兄弟は4人で一人は亡くなっています。
 亡くなった兄弟の親族は相続を放棄してくれるといっているのですが、残りの2人が欲しいといっています。

 公正証書を巻いてあっても、他の兄弟に相続の権利は有ったのでしょうか?
 もし権利があったら、さかのぼって相続はできるのでしょうか?

 義母の母親が亡くなったのは数年前の話で、長男は亡くなって直ぐに相続の手続きをしました。
 ちなみに義母は、その時の相続では判子は押していないと言っています。

記載内容  遺言に記載されていない財産 公正証書 被相続人との約束 印鑑の要否

(匿名希望)


【遺言の効力は記載された財産のみ】
 義母の母親(被相続人)の遺産(土地)について、公正証書が巻いてあったという記載がありますので、公正証書遺言があったと理解して回答します。
 公正証書遺言であろうと、自筆遺言であろうと、遺言の効力はあくまで遺言に記載された財産についてしかありません。
 そのため、今回の公正証書遺言に、今回長男が相続した土地以外の財産が書いていなかったとすれば、その他の財産については、長男も、他の相続人も法定相続分どおりで、これらの遺産を相続します。

【祖母が残りの土地を取得する約束だった・・・】
 祖母が残りの土地を取得する約束があったようですが、それを証明できるようなものがあるのでしょうか。
 証明できるようなものであれば、生前贈与なり、死因贈与なりを主張し、他の相続人には相続でいかないと主張されるといいでしょう。
 なお、公正証書遺言にその記載があったというのなら、その遺言に基づき登記をされるといいでしょう。他の相続人は、法定相続として権利を主張することはできません。
 但し、参考までに言えば、祖母が相続で多くの不動産を取得するという場合には、他の相続人の遺留分を侵害することが多く、他の相続人としては遺留分減殺請求をすることが可能です。

【遺産分割に時効はない】
 義母の母親が亡くなったのは数年前とのことですが、遺産分割に時効はありませんので、死亡時(相続開始時)から何年経過した後でも、遺言等に基づき登記などをすることは可能です。

【遺言と印鑑の要否】
 公正証書遺言がある場合には、特に他の相続人の印鑑は不要です。
 したがって、長男は公正証書遺言のみで、祖母の印鑑をもらわずに登記をされたのでしょう。
 同様に、祖母が遺産をもらうことが公正証書遺言に記載されている場合には、義母は他の相続人の印鑑をもらうことなくその財産を取得することができます。

★家賃収入は遺産か?【Q&A №128】


 私は亡くなった父方(次男)の祖父母と私の子供3人と暮らしています。祖父の(子)長男さんは結婚されていますが子供さんはいないし、祖父母の面倒を見ないので私が一緒に暮らしています(一緒に暮らしていることを長男は良く思っていません)。長男さんは都会にマンションも買っているので祖父母は私か、私の子供たちに今住んでいる家の登記簿の名義を変えたいといいます。
 しかし、私の父親は亡くなっていますし、長男さんが健在なので今名義をかえると、もめる元だと思います。祖父は今変えないと、亡くなってからではややこしくなると心配しています。祖父は軽度のアルツハイマーですが今は薬を飲んでいるのであまりボケもありません。
 名義も変え遺言状も書きたいと言っています。どうゆう手順で何をしたらいいですか?

記載内容  公正証書 自筆証書 生前贈与

(3人の母)


【生前贈与は避けた方がよい】
 生前贈与にするのか遺言書にするかを判断するときには《紛争防止》と《税金対策》の2点を中心に考えるといいでしょう。
 ご指摘のように、生前贈与をした場合には、伯父さん(祖父の長男さん)が「あなたが遺産を取り込もうとしている」と強く反発する可能性が高いです。お祖父さんの生前から、伯父さんとの間で遺産を巡る激しい対立が生じるおそれがありますが、年長の伯父さんにあなたが対抗するのもなかなか難しいと思います。
 また、税金面でも贈与より相続の方がはるかに有利です。この他、贈与を受けると固定資産税も家の補修費も贈与を受けた人が支払うことになり、この負担の重さも考えると生前贈与は避けた方がよいでしょう。

【公正証書遺言を作成してもらうのがいいでしょう】
 お祖父さんの遺産をもらうには、遺言書を作成するといいでしょう。
 ただ、お祖父さんのアルツハイマー病がすすむと、意思能力がないと判断され、遺言の効力が認められません。
 現在は軽くても、アルツハイマー病が進むことを考え、できるだけ早く、お祖父さんに遺言書を書いてもらいましょう。
 なお、遺言書は自筆で作成することも可能ですが、確実なのは公証役場で作成する「公正証書遺言」です。費用はかかりますが、公証人という第三者が関与する分、後から無効を主張されるリスクも少なく、遺言書が紛失するリスクを避けることができます。
 ぜひ、公正証書で遺言されることをお勧めします。

【認知症のテストを受けておく必要があります】
 現在、お祖父さんは軽いアルツハイマー病ということですが、将来、伯父さんが遺言書の効力を争うときには《遺言書を作成した当時にはお祖父さんはアルツハイマー病で意思能力がなかった》ということを必ず主張します。
 そのため、遺言書作成の前に《長谷川式認知スケール》等の認知症の程度を調べるテストを受けておくといいでしょう(インターネットで検索すれば、どこの病院でしてもらえるかがわかります)。
 将来、裁判等になった場合、《長谷川式認知スケール》がお祖父さんの意思能力を示す重要な証拠として役立ちます。

贈与の撤回はできるのか【Q&A №115】


 義母(88)が生前贈与として子(主人と姉)に預貯金のみ、名義変更して2分割しました。
 その他不動産は姉が相続する公正証書あります。
 義母は現在 姉と同居しており、軽度認知症あります。
 主人に渡した預貯金を自分の名義にまた変えるため返してくれと連絡あり、主人は返すつもりはないと断り・・・・・・
 それなら裁判起こしてもいいのか?と姉から電話がかかってきました。
 主人は「全財産相続する上に、自分たちの物まで渡す必要もない。姉の差し金だから取り合うな」と話しまていますが、現実訴訟を起こされると、主人は銀行員と言うこともあり、気が気ではありません。
 どのように対処すればいいのでしょうか?

記載内容  生前贈与 公正証書 認知症

(たんたん)


【質問のポイント】
 どうやって裁判をせずに、お姉さんの請求を拒むのか、これが今回の質問です。
 そのためには、《どういう理由で返還せよというのか》を確認するのがいいでしょう。

【返還を求める理由はなんですか?】
 既に贈与された預貯金を返還せよという理由はなんでしょうか。
 「お母さんが返せと言っている」というだけでは回答になりません。
 裁判をするとまで言っておられるのですから、裁判所に認められるような「法律的な理由」が必要です。
 《ぜひ、法的な理由を教えてほしい》と反論しましょう。

【ただでもらったのだから返せ・・とは言えない】
 贈与は無償で財産をもらうことなので、預貯金をあげるという口約束だけの場合には、そのような贈与の約束は取消できます。
 しかし、現金を既に受け取っており、あるいは預貯金名義の変更が終わっているような場合には贈与の取消はできませんので、預貯金を返還する必要はありません。

【認知症を理由とした場合には】
 もし、お姉さんがお母さんの認知症を理由に、《お母さんは何もわからずにしたのだから》ということなら、贈与が無効となる可能性はありますが、他方、公正証書でしたお姉さんに有利な遺言の効力がなくなる可能性が出てきます。

【一番いいのは弁護士に依頼することでは・・】
 裁判をおそれていると、逆にそこが弱みだと思われて、裁判のことをしつこく言ってくる可能性があります。
 そこで、思い切って弁護士に相談して依頼することを考えてはどうでしょうか。
 弁護士なら、お姉さんの言い分が法律的に成り立つのかどうかがわかりますし、裁判なしに交渉で解決するという方法も知っています。
 ご検討ください。

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