大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★不正出金とその調査【Q&A №537】


【質問の要旨】
交通事故で長年寝たきりだった祖父の遺産は調査できるのか?

記載内容  不正出金 医療費 成年後見人

【ご質問内容】
初めまして。
突然ですが祖父の遺産についてご相談があります。
私の父方の祖父が最近亡くなりました。
父には妹が二人居て三人兄弟です。
祖父が12年ほど前に交通事故で植物人間状態になり、ずっと寝たきりで最近亡くなりました。
祖父が寝たきりの状態の管理は全て次女に任せていたみたいです。
そして遺産整理をしてたところ、年金を二ヶ月で45万円をずっともらっていたはずなのに祖父の口座には預金が全くなかったらしいです。
次女に聞いたところ医療費で消えたと言っていましたが寝たきりの状態なのにそこまで費用がかかったとは自分は思えないのです。
しかも交通事故で寝たきり状態になったので加害者からの保険金が4000万円ほど入ってきてたそうです。

そこで質問なんですが
①本当に医療費で消えたのかを調べられる手立てがあるのか
②調べるとしたら父はどうしたらいいのか
を簡単に教えて頂きたいです。
よろしくお願いします。

(ゼン)


【成年後見人に確かめるのが一番、早い】
お祖父さんが交通事故で植物人間状態になった、損害賠償で4000万円をもらったということですが、もし、その点が間違いないのであれば、お祖父さんには成年後見人がついているはずです。
賠償額が極めて多額ですので、4000万円は保険会社が支払ったものと思われます。
保険会社としては、当然、交通事故の被害者であるお祖父さんの状態―植物状態で意識がなく、判断能力(意思能力)がないことを知っていますので、お祖父さんに成年後見人がついていない限り決して示談はしませんし、また、賠償金も支払うこともありません。
成年後見人の選任される場合には、家庭裁判所は必ず法定相続人であるあなたのお父さんの意向を確認しますので、お父さんに聞いて見られるとご存知だと思います。
成年後見人がついているのであれば、その成年後見人が(少なくとも成年後見人に就任以降の)お祖父さんの財産管理をしていますので、その内容の開示を求めるといいでしょう。
なお、お祖父さんが死亡し、相続が開始したのであれば、成年後見人から法定相続人に対して、通常の場合、財産引継ぎ等に関する連絡が間違いなくあるはずだということも覚えておいていいでしょう。

【成年後見人がつく前の取り込みの可能性があった場合の対処】
成年後見人が就任する前に、お父さんの妹が預貯金を使いこんだ可能性があるのであれば、お祖父さんの金融機関の取引履歴を調べるといいでしょう(調べ方については本ブログの相続問題Q&A№98に詳細に記載しておりますのでご参照ください)。
金融機関がわからない場合には、まず郵便局、そして郊外であれば農協等はかならず調査の対象にする必要があります。
なお、金融機関の調査ではどこの支店かというところまで調べる必要があります(但し、金融機関によっては全国の支店での口座の有無を照会してくれるところがあるが、それはごく一部のみです)。
支店がわからないのであれば、年金を受け取っていたのであれば、その年金の受け入れ口座を社会保険庁に確認することから、被相続人の口座が判明する場合があります。
また、同様に電気やガス等の引落口座を調査することにより、口座が判明することがあります。

【医療費の確認方法】
《本当に医療費で消えたのか》を調べるのなら、お祖父さんの入通院していた医療機関に医療費がどれだけ支払いされていたのかを確認されるといいでしょう。
お父さんは被相続人であるお祖父さんの法定相続人ですので、病院は回答をしてくれます。
ただ、その際、法定相続人であることの証明を要求されますので、予め戸籍や除籍謄本を用意されておくといいでしょう。
なお、死亡時の病院はわかっているが、それ以前の病院がわからないというのであれば、死亡時の病院のカルテも取り寄せが可能ですので、そのカルテの中の病歴等の欄を確認すると、それまでに治療を受けた病院等が記載されていることが多いです。

(弁護士 大澤龍司)

★母の生活費負担と特別受益・寄与分【Q&A №254】


 被相続人は父の母親であり、現在遺産相続争いが起こっています。
 法定相続人は父と、その妹です。

被相続人について
・私の父(相続人1)と同居
・収入は年金のみ
・遺産は銀行口座に計1360万円
・要介護認定「要介護1」

父の妹(相続人2)について
・嫁入りしている
・被相続人に対して金銭的なサポートなし
・相続人1から個人的に300万円借金

 被相続人が死亡するまで食事や医療費をすべて父が負担していたため、これが寄与分に当たるのではないかと思っています。
 ただ、被相続人の同意のもと、固定電話・ガス・水道・電気料金を被相続人の口座から支払っていました。これが特別受益とあたるのか疑問に思っています。
 医療費は、直近の5ヶ月平均で4万円/月くらいで、病院一往復につき1000円、すべて父が負担しています。
 また、被相続人は生前、不注意などから鍋を焦がしたり水道の出し放しなどが月に2,3回ありましたのでその面でも金銭的に寄与したとはならないのでしょうか。

長くなってしまいましたが、
・寄与分はどのくらいになるのか
・本人同意の下でのインフラ料金負担は特別受益にあたるのか
ご回答よろしくお願いいたします。

記載内容  医療費 生活費 同居


【通常の寄与を超えた寄与が必要】
 まず、寄与分とは《被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をした》場合に求められるものですので、通常期待される程度を超える貢献が必要とされています。
 そのため、なんらかの寄与をすればそれがすべて寄与分になるわけではなく、両親と同居したという程度だけでは、寄与分とは認められません。
 親子間であれば扶養義務(成人であっても)があり、通常の親子であればなんらかの寄与があるのが通常と考えられているからです。
 通常の寄与程度であれば相続分で評価されているものと考えてもよいでしょう。

【多額の医療費なら可能性はあるが・・】
 前記のような見解から言えば、同居していた高齢の母の食費負担程度であれば親子間の扶養義務の範囲内であり、寄与分とは認められない可能性が極めて高いと思われます。
 また、不注意で鍋を焦がしたり水道を出しっぱなしにしたりということについても、修理に数十万円や数百万円を要したなど、よほど高額でない限り、寄与分と認められる可能性はないでしょう。
 他方、医療費についても、風邪などで年に数回程度通院する費用程度であればこれも通常の寄与の範囲内と言えるでしょう。
 ただし、毎月数万円の医療費が継続的に数年間発生し、合計すれば数百万円にも上るというケースであれば、本来お母さんの年金収入から負担すべきものといえますので、通常の寄与を超えた特別な寄与として、お母さんの年金収入によって構成された預金の減少を食い止めたものと評価され、寄与分が認められる可能性があると思われます。

【水道光熱費負担は特別受益ではない】
 他方、特別受益は、そもそも贈与が対象ですし、遺産分割上、相続人間であまりに不公平になることを避ける制度です。
 そのため、多額の贈与や遺贈が特別受益とされることはあっても、月額数万円程度の生活費補助等については、特別受益の問題は発生しません。
 ましてや、光熱費については、お母さん自身も同居しているのなら、相当の光熱費を負担するべきものであり、特別受益と認められる可能性低いと考えるべきでしょう。

★保証人のサインをした父の医療費も相続されるか【Q&A №184】


 医療費の連帯保証人

 3人姉妹で私と姉は結婚し、妹が父と住んでいました。

 ある日父が倒れたと妹から電話があり、病院に駆けつけると私と妹が、『連帯保証人』のサインをさせられました。

 父は体が弱く仕事していません。
 入院は10ヶ月くらい経ち、ある日請求書が私に届きました。
 この場合私が全額支払いの義務があるのでしょうか?

 ゆくゆく父が亡くなったときに、債権放棄したら、支払い義務はなくなるのでしょうか?
 よろしくお願いいたします!!!

記載内容  医療費 相続放棄 保証債務

 

(よーぜふ)


【債務関係を整理すると・・】
 今回の質問の債権(債務)関係を整理すると、次のようになります。

①主債務
  債権者:病院
  債務者:お父さん
  債権(債務)内容:治療費支払債務

②連帯保証債務
  債権者:病院
  債務者:あなたと妹さん
  債権内容:上記①の債務についての連帯保証債務

【お父さんの債務は相続放棄で支払の必要がない】
 上記①の債務は、お父さんが支払うべきものです。
 お父さんが生きている限り、お父さんとその子とは他人ですので、この①の債務の支払い義務はありません。
 しかし、あなたと妹さんは連帯保証人のサインをしているため、連帯保証人としてそれぞれ治療費全額の支払い義務があります。

【相続放棄すればお父さんの債務はなくなるが・・】
 医療費も、借金などと同じように相続されます(但し、法定相続分の割合で相続されることになります)。
 相続放棄をすれば、このお父さんの債務の相続を免れます。
 相続放棄をするとお父さんの遺産ももらえないですが、債務を引き継ぐこともありません。

【あなたの保証人としての債務は消えない】
 しかし、前記②の債務は、あなた自身の保証人としての債務です。
 したがって、相続放棄したかどうかとは関係なく、あなたは連帯保証人として前記②の債務を全額支払う必要があります。

★相続放棄しても給付金は受け取れるか【Q&A №81】


 母が突然倒れ亡くなりました。
 ICUに入っていたため、医療費が高くなりました。
 入院の際に病院代の連帯保証人になったので支払い義務はあります。高額療養費で何とかなると思っていましたが、母に負債があることがわかり相続放棄することになりました。
 放棄をすると高額療養費は受け取れないこと。受け取ってしまうと相続放棄は認められないと言われています。
 限度額認定証が使えることがわかったのですがこの制度を使っても相続放棄になるのでしょうか。

記載内容  相続放棄 医療費

(あー)


【被保険者や所帯主が誰かによって結論が変わります】
 高額療養費の支給権者は、被保険者(健康保険の場合)ないし世帯主(国民健康保険の場合)であった方です。
 あなたが所帯主や被保険者であった場合、あなたが請求権を有していますので、高額医療の支給を受ける権利は遺産にはなりません。
 そのため、支給を受けても相続放棄はできますし、相続放棄をしても支給を受けることができます。
 しかし、お母さんが健康保険法上の被保険者(あるいは世帯主)となっていた場合には、支給を受ける権利はお母さんのものであり、遺産になります。このため、相続放棄すれば高額療養費ももらえないことになります。

【入院費用はあなた自身の債務です】
 今回の医療費については、お母さんが主債務を、又、あなたが連帯保証債務を負います。
 そのため、相続放棄をしても、未払い分がある限り、あなたは、結局は病院に対し支払う義務があります。このため、相続放棄するかどうかとは別に、入院費用の支払い及び高額療養費の支給申請を検討する必要があるでしょう。

【限度額認定証を使っても変わりません】
 限度額認定証は、給付を支払時に受けるか、支払後に還付してもらうか、という受給手続に影響があるだけのものですので、使っても使わなくても、相続放棄の可否には関係ないと思われます。
 明確な通達や判例があるわけではありませんが、一度役所や病院にご確認されることをお勧めします。
 なお、お母様の財産を使って入院費用を支払ったりすると、相続放棄ができなくなることがありますので、ご注意下さい。

質問する

当ブログでは、相続に関するご質問に弁護士がお答えします。ベテラン弁護士の長年にわたる経験に基づく回答です。無料・匿名でご質問いただけますのでお気軽にご利用下さい。

事務所での有料相談はこちら

直接、お聞きして、的確に回答します。今、何が問題で、どう解決すべきかをわかりやすく説明します。

最近の相続ブログ

アーカイブ

カテゴリー

大澤龍司法律事務所

〒530-0047
大阪市北区西天満4-3-25
梅田プラザビル別館7階A703号

お気軽にご相談ください!(電話要予約)
お気軽にご相談ください!(電話要予約)
FAX:06-6361-6043 メールでのお問い合わせはこちら 月〜金曜日(祝日を除く)
    • 大阪メトロ堺筋線・谷町線「南森町」駅
      ...徒歩約7分
    • 大阪メトロ堺筋線・京阪電車「北浜」駅
      ...徒歩約10分
    • 大阪メトロ御堂筋線・京阪電車「淀屋橋」駅
      ...徒歩約15分
事務所ブログ 大原訴訟ホームページ

ページの先頭へ