大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

遺産となる車両の処分と相続放棄【Q&A №365】


 弟がなくなり、相続人は両親でしたが、母は相続放棄しています。
弟の車は、ローンが二か月分残っていた為、所有者がローン会社でした。しかし、ローンの一括返済額より、売却額が上回り、返済額を差し引いた額が父の手元に入りました。車の買取店をとおし処分したので、所有者を父には変更せずに、車売却に至っています。(買取店との書類を交わしたのは、父のみです。所有者がローン会社だった為、代表相続人のサインのみでよかったという事でした。)その場合、父は相続放棄できるでしょうか。

記載内容  遺産の処分 売却 法定単純承認 単純承認

(プーさん)


【遺産を処分した後には、相続放棄ができない】
 相続放棄前に遺産を処分した場合、遺産の相続をしたものとして扱われますので、相続放棄はできません(末記の参照条文:民法第921条1項をご参照ください)。
 なお、相続放棄は家庭裁判所へ簡単な書類を提出するだけで受け付けられ、家庭裁判所から相続放棄の申述の受理証明が出されます。
 しかし、家庭裁判所が相続放棄の申述を受理したとしても、遺産を処分しておれば、普通の相続をしたと扱われますので、相続の放棄の効果はありません。
 そのため、弟さんの債権者(貸金業者など)が、お父さんの相続放棄は無効だとして請求をしてくれば、相続放棄は無効となり、お父さんとしてはその借金を支払う必要があるということになります。

《第921条(法定単純承認)
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。(以下略)》

【コラム】単純承認

相続人が、被相続人(死んだ人)の権利義務を全て引き継ぐことを単純承認といいます。単純承認した場合、プラスの財産(権利)もマイナスの財産(義務や債務)もすべて引き継ぐことになります。

単純承認するためには、特別の手続きは不要です。相続人が自分に相続が開始したことを知ってから3ヶ月の間に相続放棄・限定承認の手続きを取らなかったときや遺産を処分したりしたときには、それで単純承認したことになります。

ただ、単純承認ということは、プラスの財産とともにマイナスの財産も引き継ぐわけですから、被相続人の財産を取得した後に、もし、貸金業者や取引先から、被相続人の多額の借金を請求された場合、「借金を知らなかったから」といって相続を撤回することは非常に困難になり、結局、借金の支払いをしなければならなくなります。
そのため、単純承認する前に、相続財産に借金などのマイナスの財産もあるかどうかを十分に調査し、財産より借金等の債務が多いような場合には、相続放棄の手続きをする必要があります。

もし、遺産に、財産がある一方で借金もあってそれがいくらかわからない場合には、弁護士に相談されることをお勧めします。弁護士なら調査時間が足りないような場合には、本来は3ケ月の相続放棄の申立期間を裁判所に申立てした延長することも可能ですし、債務があると思われる相手先に調査をかけ、相続放棄をするかどうかのアドバイスもしてくれます。

最後に、相続放棄した場合でも、あとで相続財産を取得したり隠したりしていたことが判明した場合には、相続を承認したものと見なされますので、この点もご注意下さい。

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