大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★遺産を相手方に確保された状況での対応策【Q&A №368】

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 昨年10月に父が亡くなりました。相続人は父の再婚相手である後妻と特別養子である私の二人です。
後妻はすぐに弁護士と税理士に依頼したそうです。その弁護士から、「遺言書はなく法定相続分50%ずつです。」と連絡がありましたが、こちらで調べたところ、後妻が死亡後も毎日お金を引出ておりましたので、口座凍結をいたしましたところ、後妻よりクレームの電話(脅し文句もありました)その後、後妻の弁護士に今後どの様にしたいのか?確認しましたが、「もうちょっと待ってくれ!」の一点張り。
 また、現在共有財産である不動産収入も独り占めされてます。
 今後どの様にすれば、対抗できるのでしょうか?ご指南宜しくお願い申し上げます。

記載内容  引き出し 口座凍結 遺産の賃貸賃料 死後の預貯金引出

(孤高の旅人)


【被相続人の死亡と金融機関口座の凍結】
 被相続人(お父さん)が死亡した場合、金融機関の口座は凍結されるはずです。
 ただ、金融機関が被相続人の死亡を知らない場合には、従来どおり、預貯金の引き出しができることがあります。
 本件の場合は、後妻さんが、お父さんの死亡したことを金融機関に知らせずに、代理人ということで金銭を引き出したものと思われます。

【まずは金融機関の口座の凍結をする】
 被相続人であるお父さんの死後に、後妻さんが預貯金から出金していたのであれば、金融機関にお父さんの死亡を通知して、口座の凍結を求めるのはやむをえない処置です。
 その点でなんら非難されることではないでしょう。
 むしろ非難されるべきは、お父さんの死亡を隠して預貯金を引き出した後妻さんでしょう。

【不動産の賃貸収入について】
 被相続人が不動産を賃貸している場合、死後の賃料は法定相続分に応じて、相続人に分割されます。
 そのため、後妻さん(弁護士がついているのならその弁護士)に死後の賃料の半額を請求するとよいでしょう。
 それでも後妻さん側が賃料を支払わない場合には、賃借人に対して、《賃料の半分を当方に払いこんでください》と通知を出して、賃借人に賃料を供託させるという方法もあります。
 しかしこの方法は、賃借人に迷惑をかけることになります。
 ただ、賃借人が賃料の支払い先である後妻さんに連絡し、問題を解決するように申し入れ、そのことにより相続問題が解決に動き出す可能性がありますので、とるべき方策の一つとして考えてよいでしょう。
 それでも後妻さん側が動かない場合には、調停等の手段を考えるしかないでしょう。
 なお、相手方に弁護士がついているケースでは、当方も弁護士に依頼し、問題を解決することが迅速な解決につながることもあります。
 とりあえずは相続に詳しいお近くの弁護士に法律相談をされ、必要に応じて事件を依頼されることをお考えになるといいでしょう。

★死亡前後の他人による預金引出しに責任追及は可能か【Q&A №189】


相続権の無い叔父

 困っていますので、質問させて頂きます。先日私の父が亡くなったのですが、私が葬儀の段取りなどで、バタバタしているときに叔父(父の弟)が父の預金から300万円を引き出していました。私達、相続人に一言も言わず黙っていて3日後に判明、委任状も無しに引き出させる銀行に対して、叔父に対して法的手段は有るでしょうか?  300万は私達が窓口に来たため、慌てて叔父から返金して、口座凍結されました。特に叔父に対して立腹しています。父の愛車(軽トラ)は自分が乗るので、貰うと、勝手に言い張って、車検証、鍵も私に渡しません。どうかアドバイスをお願いします。

記載内容  預金 口座凍結 無断引出 責任追及

(HIRO)


【責任追及は刑事と民事とがある】
 責任追及には、刑事と民事の2つの方法があります。
 警察に被害届をだしたり、告訴したりと、警察や検察庁の捜査が始まり、裁判で懲役や罰金等の処罰があるのが刑事の責任追及です。
 これに対して、受けた損害の賠償を求めて裁判をするのが、民事の責任追及です。

【銀行に対しての責任追及は難しい】
 まず、銀行の刑事責任について考えましょう。
 刑事責任を追及するには、その前提として処罰する法律(殺人なら、刑法の殺人罪の条文)が存在することが必要です(これを法律用語で《罪刑法定主義》といいます)。
 しかし、少なくとも刑法には、過失で財産的損害を与えたときに、その加害者を処罰する条文はありません(ただ、銀行法等、金融関係の分野でも様々な法律があり、その中で罰則が定められていますが、《私の知る限り》では過失で払い戻しをした場合に刑事責任があるとした条文は知りません)。
 なお、銀行が引き出す者(本件では叔父さん)に何ら権限がないということを知っており、故意があったというなら詐欺罪等の幇助犯の可能性はあります。
 次に民事責任では、引き出された300万円が返還されているのですから、損害自体がないということになり、損害賠償は難しいでしょう。

【叔父さんに対する刑事責任追及はできなくはないが・・】
 叔父さんが、無断でお父さんの預金を引き出したというのであれば、刑事での詐欺罪や有印私文書偽造、同行使等の犯罪に該当する可能性があります。
 引き出した金銭は返還されていますが、既にお金が引き出されていますので、犯罪としては既遂になります。
 返還したからといって、成立した犯罪がなくなることはありません。
 ただ、被害届や告訴をしても、既に被害が回復されていることから、警察がすぐに動くことは少ないと考えておいた方がいいでしょう。
 民事では、現行の場合と同様に、引き出された預金分が返還されているので、損害がなく、賠償請求は困難です。

【車検証や鍵の返還問題】
 車検証や鍵はお父さんのものなのに叔父さんが返還しないということであれば、法的手続きを取らざるを得ないことになります。
 この場合には、民事で車検証や鍵の返還を請求するとともに、使用できなかったことの不利益を金銭に換算して損害賠償請求をすることになります。
 なお、裁判で請求する方法もありますが、素人でも簡単に申し立てができる民事調停という制度がありますので、お近くの簡易裁判所に行き、裁判所の調停担当の方と申立の方法などを相談されるといいでしょう。

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