大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

電柱敷地料の相続【Q&A №543】


【質問の要旨】
登記名義が変更されていない土地にある電柱の敷地料について

記載内容 電柱 名義変更

【ご質問内容】
電柱敷地料を母が電力会社から受け取っていました
母が3月に死亡しました。4月に、結婚して遠方に住んでいる姉が勝手に電柱敷地料の承継届けを電力会社にだしました
6月に電柱敷地料が姉に支払われました
8月に母の遺言状で、すべての財産を私に相続させる、遺言執行者も私でした、との内容でした。(家裁検認済み)
それで、電力会社に電柱敷地料を私に払うよう請求したのですが、姉への支払いは停止する。しかし、電柱敷地料の土地の不動産登記名義が、私に変更されない限り、電柱敷地料の私への承継は認められない、との返事でした。
不動産登記名義は5年前、死んだ父の名義で母の名義ではありません。
しかし、父が死んでから5年間は、不動産登記名義を母に変更することなく、電柱敷地料の承継届けを出すだけで、電力会社は母に電柱敷地料を支払ってきてたのです。

1.電柱敷地料は不動産登記名義が変更されないと、支払われないのでしょうか?支払われないとすれば、父が死んでから5年間母に支払われてきたのと矛盾します。

2.母の遺言ですべての財産を私に相続させる、の中には、当然電柱敷地料も含まれると思うのですが、母に支払われた電柱敷地料は、相続で私にしはらわれなくてはならないのではないですか
私は相続人、遺言執行者として、どう法律的に対応すればいいのでしょうか?

(fhghfg)


【まず、電柱敷地料を受け取る権利(受給権)の内容を考える】
電力会社は、お父さんの所有していた土地について、お父さんとの間で電柱の敷地として使用する契約を結んでいました。
そのため、お父さんは、敷地使用契約の貸主であり、その契約の具体化として各時期に発生する使用料請求権を持っていたことになります。

【お父さんの死亡したときは相続人3人で権利を取得する】
お父さんが死亡したとき、特に遺言が無いのであれば、お父さんの敷地契約の貸主の地位は法定相続人全員が承継します。
次に使用料の支払いですが、敷地利用契約に特段の取り決めがされていない限り、各法定相続人が独自に法定相続分に応じて請求する権利を持つことになります。
今回の質問のケースではお母さんが2分の1、あなたとお姉さんが各4分の1です。
不動産の賃貸の場合、貸主が死亡したときには、その貸主の相続人がその法定相続分に応じて賃料を請求できるという最高裁の判決(参照最判平成17年9月8日民集59巻7号1931頁)がありますが、今回の敷地使用料もこれと同じように扱っていいでしょう。

【お母さんの遺言があっても、使用料全額を取得することはできない】
今回、お母さんが死亡し、遺言書であなたが遺産をもらうことになったというのであれば(遺留分減殺請求の問題はややこしくなるのでふれないこととします)、あなたの権利関係は次のとおりとなります。
まず、貸主の地位ですが、お母さんの持っている、お父さんから相続した2分の1はあなたのものになります。
これに、元々、あなたがお父さんから相続した4分の1を加算して、あなたは貸主の地位の4分の3を持つことになります。
残りの4分の1はお姉さんが持つことになります。
次に使用料についても、お母さんの死亡後は、あなたは使用料の4分の3を電力会社に請求することができますが、残りの4分の1はお姉さんが請求できることになります。

【お姉さんとの関係は生前の分と死後の分とを分けて考える】
なお、お母さんは生前、敷地使用料全額を取得していたようですが、あなたやお姉さんがこのような受け取りに同意していないのであれば、あなたもお姉さんも各4分の1の返還をお母さんに請求することができます
ただ、お母さんが死亡したので、その返還債務がどうなるかですが、今回の遺言ですべての遺産をあなたが相続するというのであれば、このお母さんの債務はあなたが全部引き受けることになります。
そのため、お姉さんのお母さんに対する返還請求があれば、あなたが支払いをする必要があります。
次に、お母さん死亡後にお姉さんが単独で全額を取得したようですので、あなたとしてはお姉さんが無断で受け取っていた分の4分の3に相当する金銭をお姉さんに返還請求することになります。

【電力会社に対して全額支払いを請求するには】
電力会社としては法定相続人であるあなたとお姉さんとの間で、あなたが《単独で使用料を取得する権利がある》ということを明確にする必要があります。
そのためには、お姉さんがお父さんから取得するはずの4分の1の土地名義があなたが取得するような方策を考える必要があり、そのためにお父さんの遺産分割協議等でお姉さんに代償金を支払って、あなたに単独相続にして登記するのが一番望ましいですが、仮にそのような登記ができない場合にはお姉さんとの間で《あなたが単独で使用料を取得してよい》という合意をするしかないでしょう。
なお、お姉さんの同意が得られないということであれば、少なくとも、あなたの取り分である4分の3についての支払いを電力会社に請求することも考えていいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

株式の名義を勝手に変更された【Q&A №421】


 私は被相続人の養子です、被相続人には子供はいません相続人は私と被相続人の妻だけです、(被相続人は平成26年9月に死亡)被相続人の妻が被相続人死亡後株は私の名義に変更したと言ってるのですが私の同意なしに株券の名義変更ができるのでしょうか、預貯金や有価証券は生前から妻が管理していました、名義変更したものは元に戻せないのでしょうか、戻せるとしたらどのようにすればよいのでしょうか?
 お尋ねいたします、よろしくお願いします。

記載内容  株式 遺言執行者 名義変更

(maakunn)


【公正証書遺言で遺言執行者が指定なら、同意なしで移転する・・上場株式の場合】
 「株式の名義が《私》に移転した」と質問に記載されています。
 この場合の《私》は妻のことを言っているのか、それとも《質問者のあなた》のことを言っているのかわかりにくので、場合を分けて回答します。
 なお、最初に上場株式について述べ、非上場株式については後に項を変えて述べます。

1)まず、妻の名義になっている場合  あなたの知らないうちに遺産である株式が、《妻》の名義に移るということですが、結論から言えば、
①公正証書で遺言されていること
②遺言執行者が指定されていること。
という前提であれば、あなたの知らないところで妻の名義に株式譲渡がなされている可能性があります。
 参考までに言えば、自筆証書遺言であれば、家庭裁判所での検認手続(相続Q&A №121を参照)が必要であり、その際、全法定相続人等に裁判所に出頭するようにとの通知がきます。
 今回、そのような通知が来ていないということであれば、検認手続きが不要な公正証書遺言に基づく手続きがなされたのだと思います。
 なお、遺言執行者は遺産目録を作成し、法定相続人等に交付する義務(民法1011条。末記に記載している条文を参照ください)がありますが、弁護士などの法律専門家が遺言執行者の場合は別として、目録を実行している人はあまり多くありません。

2)次に《質問者であるあなた》の名義にしたというのは可能性が低いでしょう。
 株式の名義を移転するにはあなたが証券会社に口座を持っている必要があります。
 あなたが持っている口座を妻が知っているのも考えにくく、また、口座がない場合にあなたの同意なしにあなたの口座が作ることは不可能です。
 いずれにせよ、あなたの関与なしに、あなたに株式が譲渡されている可能性はないでしょう。

【株式を取り戻すためには・・・上場株式の場合】
 実際に妻に株式の名義が変更がなされてしまった場合には法的手続きが必要になります。
 ただ、その前に、被相続人がどこの証券会社のどこの支店に株式を持っていたのかを知っておく必要があります。
 もし、被相続人の自宅にその証券会社からの手紙等が来ているのであれば、法定相続人としてその会社に照会をかけ、譲渡に関する事実を調査する必要があります。
 次に、株式の譲渡が判明した場合には、その株式の譲渡を無効や取り戻すことを考える必要があります。

 通常は、無効や取戻しになる理由としては次のものが考えられます。
①遺言書で遺産の大半が妻のものになっているのなら、遺留分減殺請求(「相続コラム:遺留分とは」参照)
)をし、本来の法定相続分の半額(遺留分)の限度で株式を取り戻す。
②被相続人が遺言書を作成した当時、判断能力(意志能力)がなかった。
 また、今後、妻が株式を譲渡したり、他の財産を処分したりすることもあり得ますので、必要に応じて株式譲渡をしないようにする仮処分申し立ても必要になる場合もあります。
 ただ、遺留分にせよ、意志能力にせよ、また、仮処分にしても、素人では対応が難しいので、相続に詳しい弁護士に早期に相談されるといいでしょう。

【上場株式ではない場合】
 前項では、上場株式を前提に記載しました。
 上場株式でない場合には、妻とあなたとの間で、遺言書や遺留分を反映させた遺産分割協議書を作成し、株式の帰属をはっきりさせるといいでしょう。
 もし、妻が遺産分割協議書の作成に応じず、《あなたの株式》にしたことが間違いないというのであれば、その旨の確認書を作成してもらうといいでしょうし、今後、その会社の株主としての権利を行使して、株主としての実績を作り、株主総会で役員に選任されて活動されるといいでしょう。
 また、《妻》の名義にしたというのであれば、遺留分減殺の手配や意思能力を見極めるため、必要に応じて弁護士と相談されるといいでしょう。

《参考条文》
民法 第1011条 (相続財産の目録の作成)
 第1項 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。

生前の不正出金を防ぐ方法【Q&A №415】


 私の父は、私たち子どもとは30年前から別居中で疎遠です。父は、5年程前に脳梗塞で倒れ、現在失語症と軽度の認知症を患っています。
 父が倒れて以降、父の家の近くに住む叔父と伯母が父の家を頻繁に訪れ、父に、父の預貯金、証券、財産を全部よこしてくれと迫っているようです。

 お金に対する執着心が強い父は、今は気丈に「誰が渡すか」と言って何とか断っているようですが、叔父も伯母も隙あらば奪ってやるという姿勢で、通帳や印鑑の場所を調べたり、家の鍵まで保管していて、いつ全財産を奪われるかわかりません。
 特にこれから父の認知も進んできますし、子どものときに別居している私達より、近くに住む叔父や叔母の方が事情に精通しているので心配です。
 私達は父の財産がどのくらいあるのか、どこにあるのかも一切知りません。でも、父は公務員でしたし、退職後は市会議員を20年もしていましたし、株でも大儲けもしたと聞きました。また、母と結婚してからも、家に生活費を一銭も入れたことがなく、大変お金に執着していたので、多額の財産があるはずです。この先どうしたら父の財産を叔父や叔母に奪われないようにできるでしょうか。そしてもし勝手もし勝手に預貯金や証券の名義を変えられたりした場合は、取り戻すことはできるのでしょうか?<・p>

記載内容  不正出金 無断 名義変更

(香住)


【結局、お父さんに財産管理を確実にするように説得するしかない】
 人間は誰でも、年齢とともに体力も頭脳も衰えていくものであり、あなた方が心配するのもわかります。
 しかし、お父さんの財産は、お父さんが生きている限りはお父さんのものです。
 お父さんが亡くなった場合には子供らの相続人の財産になりますが、お父さんが生きている限り、相続人(正確にいえば《推定相続人》)であるあなたたちには何らの権利もありません。
 そのため、現段階では、あなたたちがお父さんを説得し、死亡時まで財産確保されるようにお願いするしかないでしょう。
 当事務所が相談を受けたもので、お父さんに女性ができ、その女性がお父さんからお金を引き出そうとしているというケースがありましたが、現実に相続が発生していないということで、推定相続人の立場ではほとんど何も手出しができずに困った案件がありました。

【意思能力がかなり衰えた段階では後見人制度等の利用を考える】
 お父さんが認知症などになり、意思能力が衰えてきたときには、すぐさま保佐人や成年後見人の選任の申し立てをし、財産の散逸を防止する必要があります。
 成年後見人が選任された場合には、お父さんの財産は全て成年後見人が管理しますので、財産の散逸を確実に防ぐことができます。

【現時点ではできることは限られる】
 最初に言いましたように、現時点では、あなた方が法的にできることはほとんどありません。
 そのため、お父さんに主な通帳や印鑑を貸金庫などに入れて厳重に保管してもらう、 お父さんを説得して、《財産を取られないように注意してね》と注意するというようなことしかないでしょうが、長年、別居していたあなたたちが言ってもわかっていただけるかどうか、難しい問題があると思います。
 説得をするということであれば、あなた方より、プロの方が上手でしょう。
 例えば、お父さんが懇意にしていた弁護士がいるのであれば、その弁護士からお父さんを説得してもらうという方法もあります。
 弁護士との間での財産管理契約を締結して、プロに財産管理をしてもらい、その後、お父さんが認知症になった場合には、そのまま成年後見人に就任してもらうシステム(任意後見契約)を作るという方向での財産管理を考えれば、更に安心でしょう。
 もちろん、無料ではありませんが、お父さんとしては一種の保険みたいなものですので、その点を強調してお話をされればいいでしょう。

【預貯金や証券の名義を換えられてしまった場合はどうするか?】
 無断で名義を変更されてしまった場合には私文書偽造になり、警察問題になります。
 しかし、そもそも変更されたということがわからないと警察にも相談できないでしょう。
 仮に、そのような無断変更があったとしても、警察沙汰になるのは別として、お父さんが生きている限りは、あなた方のような推定相続人の立場では裁判をすることもできず、法律的にはほとんど何らの手段も講じることができません。
 ただ、お父さんが死亡した後には、法定相続人として、叔父さん等が無断で名義変更して出金したお金の返還請求をすることが可能ですが、それも叔父さん等の手元にお金が残っていなければ取り戻しようがありません。
 そうならないためにも、お早めにお父さんを説得し、なんらかの形で財産管理方法を整えられることをお勧めいたします。

遺産分割後の情報開示はできないのか【Q&A №344】


 父が亡くなり遺産分割は終了したのですが、ここに来て被相続人が2つの銀行に預金を持っており1つの銀行の預金を隠して遺産分割を終了した事がほぼ明るみになりました。

平成21年1月22日の最高裁判例では、遺産分割協議前の被相続人の預金開示は相続人1人でも開示可能との判例が出されたようですが、遺産分割後では被相続人から権利が移行しているのを理由に銀行は被相続人の預金開示を拒んでいます。

これからどのような戦いをしていけばよいのでしょうか?
遺産分割の無効を訴えて行けばおいのでしょうか?
御教授願います。

記載内容  名義変更 預金 情報開示 照会

(キューブ)


【取引履歴の開示は相続人一人でも請求できるのが判例だが・・】
 質問に引用されている判例(最高裁判決平成21年1月22日)により、相続人であれば、他の相続人の同意なしに預貯金口座の内容(履歴等)の開示を請求することができ、金融機関はこれを拒むことはできません。

【遺産分割後は事情が違う?・・・他の相続人が預貯金を取得する場合】
 ところが質問では、遺産分割が終了しているようであり、そのことを理由に金融機関があなたに対する履歴の開示を拒否しているようです。
 金融機関の立場に立ってどのような拒否理由があるかを考えてみましょう。
 まず、遺産分割協議により、開示を請求している預貯金口座があなた以外(たとえばAさん)が取得すると合意される場合があります。
 この場合にはその預金は既に被相続人のものではなく、Aさんという人の口座ともいうべきもの(要するに他人の口座)ですから、金融機関としては、その口座の履歴の開示を拒否することもできるという判断も可能かもしれません。

【遺産分割の対象となっていない預貯金は被相続人のもので開示が必要である】
 しかし、質問では遺産分割の対象となっていない預貯金の開示を拒否しているようです。
 被相続人の預貯金で遺産分割の対象となっていないのであれば、現在も被相続人のものですので、金融機関としては開示を拒否する理由はないと考えられます。
 あなたとしては、この点を根拠に金融機関に開示を請求するといいでしょう。

【それでも金融機関が開示に応じない場合には】
 あなたが頑張っても金融機関が開示に応じない場合には、一度、弁護士に相談されるといいでしょう。
 弁護士は弁護士会を通じて金融機関に照会をかけることができます。
 この照会は弁護士法という法律に基づく照会ですし、弁護士会から照会の書面が行きますので、金融機関が回答をする可能性もあると思います。
 なお、それでも、開示を渋るようであれば、弁護士が直接金融機関と交渉して、開示させるように働きかけることもできます(前記判例が出る前には当事務所でも、直接金融機関に開示するように説得し、これに応じて開示された場合もあります)。

 それでも開示しない場合には、弁護士から《開示しないと損害賠償請求をする》との内容証明を金融機関に出すという手も考えられます。
 遺産分割無効訴訟をするというのは最後の手段になりますが、無効を主張できるだけの根拠があるかどうか、弁護士と協議が必要でしょう。
 いずれにせよ、あなたとしてはできるだけの努力をし、その後は弁護士と相談して、対策を考えられるといいでしょう。

 なお、同種の問題を当ブログ、Q&A №342【遺産相続後のトラブル】でも取り上げていますので、ご参照ください。

遺産か否かはどうやって決めるのか。【Q&A №343】


 相続の調停を考えています。
 相続人のうちの一人(次回からAとします)がほかの相続人の同意なしに自分名義にしてしまった株式があり、現在弁護士会照会で株式の元の名義が被相続人であったことを確認中です。

 しかし、これが確認できても現在はAの名義なのでAが遺産分割を拒否すると遺産としてはみなされないのでしょうか?
 おそらく調停ではまとまらず審判による分割になると予想されます。
 審判の場合はこれを遺産として分割させる強制力があるのでしょうか? (本来被相続人の株式であることの証明は自分たちでするつもりです。)
 差し押さえにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?

記載内容  株式 名義変更 遺産確認の訴え

(すぎもと)


【遺産にはいるかどうかで争いがある場合には遺産確認請求訴訟を提起する】
 ご相談のように、ある財産が遺産かどうか争われるケースがあります。
 本件のように、本来、遺産であるはずのものが他人名義になっている場合、その財産が遺産に含まれるかどうかは、最終的には、遺産確認請求という訴訟を提起し、判決で遺産であるかどうかを確定してもらうことになります。
 なお、遺産については、家庭裁判所で分割の審判をすることができますが、その場合の対象は、遺産であることがはっきりしているものだけです。
 そのため、まず、遺産確認請求で遺産になる物件や権利を確定し、その結果、問題となる物件や権利が遺産に含まれるということになれば、それを含めて、遺産分割審判をすることになります。

【差し押さえの費用】
 判決が確定した場合、その判決に基づいて差し押さえができます。
 差し押さえには様々な種類があり、その費用は様々です。
 例えば、預金の差し押さえであれば、裁判所に納める手数料は数千円~数万円程度でしょう(弁護士費用は別)。
 これが、不動産を差し押さえて競売するということであれば、一般には100万円近い費用を裁判所に納めて手続きを進める必要があるでしょう。

【差押ではなく、仮処分手続が必要です】
 ただ、質問の趣旨からいえば、今するべきことは、その名義移転された株式が処分されないようにすることでしょう。
 その場合には、その株式の売却や質入れ等の処分をさせない手続―処分禁止の仮処分ができます。
 この手続きを取ると、株主の名義人としては株式の処分ができなくなります。
 株式が処分されないということで、訴訟で時間がかかっても安心ということになります。
 なお、この仮処分をする場合には、対象となる株式の4分の1程度の保証金を用意する必要があります(保証金なので将来、返還されますが)。
 又、そのような手続きは、弁護士でないと難しいので、その費用も考えておく必要があるでしょう。
 仮処分手続の詳細はお近くの弁護士に相談されるといいでしょう。

名義変更された預金は誰の遺産か?【Q&A №167】


 相続0。相続放棄・寄贈書面に署名捺印を強要  あげく今では有名な「児童虐待」

 私は21の時に風呂場で髪を掴まれ壁に顔面を叩き付けられ実家より逃げ出してから3年前に母が急死。
 警察よりTELで生前母より聞いていた父の携帯に電話した所「アンタに関係ないから帰って来ても迷惑や」と一蹴でした。
 一蹴されながらも葬儀には出席。
 その後、掌を返したように、自身が仕事の間はヘルパーを規定時間頼むより安い私が仕事を終えた後、唯一の妹(脳性マヒ)の食事、2人の朝・夕の食事を準備する生活を約1年間勤めました。
 また母名義の銀行通帳を凍結せず、印鑑等を持ってこさせ名義を私に変更。
 通帳は父に取り上げられ、暗証№も自身名義の口座と言えど父指定の数字。何をされるか分かりませんので一銭も入金せず父が入金してました。
 名目は実家の不意の出費用の預金としてたようです。
 先日、見慣れない機材がありもしや?とネットBで見ると引出してあり、相談なく73万もの大金。
 怖くなり暗証番号を変更しました。
 即日バレ「暗証№を戻し、通帳返却せよ」と催促され妹を使いTELでの催促も。F.バックと精神状態の異常が続いています。

 父の要求通り暗証番号を戻し通帳を返却しなければなりませんか?

記載内容  預金 名義変更

(あき)


【預金口座を他人に使わせることは問題】
 まず、預金の中身(現金)と通帳とは別に考える必要があります。
 現在は銀行口座の名義貸しに対する規制が厳しくなっておりますので、実際には預金を全額出金してお父さんに返還するだけにとどめ、今後はあなた名義の通帳(口座)をお父さんのために使わせることは控えていただくべきであろうと思います。
 ただ、今回のご相談は、問題の預金(中身)が誰のものか、という点に尽きますので、以下はその点について回答いたします。

【遺産である預金の扱いについて】
 お母さん名義の預金口座が、元々はお母様のお金が預金として積み立てられていたのであれば、お母様の遺産になります。
 この預金口座をどうするのかは相続人全員(今回のケースでは配偶者であるお父さんとあなたと妹さんと思われます)が協議(遺産分割協議)して決定することです。

【妹さんは意思を表示できたのでしょうか】   妹さんが脳性マヒとのことですが、妹さんがお母さんの預金の扱い(遺産分割)について意思表示ができなければ、法的に有効な遺産分割を行うことができません。

【遺産分割協議なく名義変更した口座は】
 遺産分割協議がないのなら、お母さんの遺産である預金口座をあなた名義の預金口座にしたり、あるいはお母さんの預金口座を解約して、その解約金をあなた名義の口座に入金したりしても、その預金されているお金はお母さんの遺産です。
 そのため、この口座の預金全額を、あなたであれ、お父さんであれ、使う権利はありません。
 早急に相続人全員で遺産分割協議をすることが必要です。
 妹さんに意思能力がないというなら、成年後見人をつけられるといいでしょう。

【お父さんが入金した金銭は・・】
 お母さんの預金から移した金銭以外の分については、お父さんの独自の財産です。
 ただ、お母さんの分とお父さんが入金した分が入り混じっており、わからない状態になっている可能性も強いでしょう。
 あるいは、お母さんの遺産分をはるかに下回っている預金残高しかない場合もあるかもしれません。
 質問からは、他の財産がないようですが、いずれにせよ預金については遺産分割の協議が必要であり、又、お父さんの暴力等の問題もありますので、専門家である弁護士と相談され、現在の事態に一番適切な方策についてのアドバイスをもらわれることをお勧めします。

長男に名義変更された生命保険は遺産か【Q&A №150】


 相続財産

前提:相続人は4人で母、長女(私)、次女、長男です。長男が亡父、母と同居。父は先月亡くなりました。
 質問:昨年、父が具合が悪くなった際に、貯蓄型の生命保険(加入時一括払い)の契約者名義を父から長男に、長男の勧めに従い、兄弟の同意なく変更している事が父の死後、父の手帳の写しにより判明しました。
 この名義変更は法的に有効なのでしょうか。逆に相続財産に生命保険の保険金を含めるためにはどういう方法が考えられるでしょうか。ご教示願います。

記載内容  生命保険 保険金 名義変更

(ようこ)


【生命保険の名義変更は有効か?】
 お父さんが契約された生命保険の名義を長男さんにすることは、お父さんだけでできることであり、他の兄弟の同意は必要ありません。
 なお、その名義変更の手続きがお父さんの意思に基づく限り、その名義変更は有効であり、保険契約の契約者は長男さんになり、その時点でお父さんの財産ではなくなります。

【特別受益になる可能性があります】
 死亡保険金はもともと遺産ではなく、相続とは別に受取人が取得する財産になりますので、遺産分割の対象にはなりません。
 しかし、お父さんが生前に保険契約者の地位を長男さん名義にした場合、その契約者の変更に伴い、解約返戻金や保険金をもらえる権利が長男さんに移転します。
 この点をとらえて、長男さんが特別受益を受けているという主張が可能です。
 これは生活費や住宅購入資金など生計の資本として贈与を受けた場合に、贈与財産は遺産の前渡しという意味合いをもちますので、これを遺産の中に組み入れて遺産分割しようというものであり、他の相続人との公平を図る制度です。
 なお、この場合、保険金額ではなく、一括払いされた保険料総額(または、これを前提とする解約返戻金額)相当額が遺産に組み入れられる可能性が高いでしょう。

 

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