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経年による不動産評価が遺産額にどう反映するか【Q&A №221】


 特別受益の評価

 父は10年前に他界し、今年母が亡くなり、相続が発生しました。 問題は、20数年前に贈与された特別受益です。 「援助してあげるからマンションを購入するように」と父からすすめられ、購入しました。 贈与税のことを考慮し、共同名義にしました。 将来的には、全て私の名義にしてくれることになっていました。以前に、父が事業で失敗した経験から、父は母の名前を借りて、父の持ち分(3割)を母の名義にしました。母は専業主婦で働いたことはありません。
 その後、買い替えのため、そのマンションを売却し、父の持ち分(母の名義)を贈与されました。 投資目的ではありませんでしたが、バブル時でしたので、購入時の3倍近くで売却し、売却金をそのまま現在住んでいる家の頭金にしました。 名義は私です。 バブル時に購入したため、現在よりもかなり高く、相続時の価格は約半分に下がっています。
 以前のマンションは実質、お金を出したのは父(母の遺言書にも父が出費したと記されています)ですが、形式上は母の名義でした。 この場合、両親どちらからの特別受益と考えられますか? (実際、負担してくれたのは父なので、父からの特別受益であると私は主張したいのですが。) 売却して贈与された分(売却額の3割)が特別受益となってしまうのでしょうか? 相続時の評価額が、買い替えたバブル時の半分に下がっていますが、考慮してもらえないのでしょうか?

記載内容  特別受益 基準価格 売却代金 贈与

(期待87)


【共有名義と特別受益】
 あなたがマンションを購入するに際して、お父さんが売買代金の3割を出したが、その3割の代金に相当する分はお父さん名義ではなく、お母さん名義にしたという前提で考えれば、この点については特別受益の問題はまったく発生しません。
 お父さんが援助した代金の分に相当する分をあなたがもらったわけではないからです。

【売買代金の贈与が特別受益になる】
 その後、マンションが売却され、その代金のうち、お母さん名義の3割に相当する代金があなたに贈与されたという点では、あなたは金銭の贈与という利益を受けているのですから、特別受益の問題が発生します。
 問題は、ご指摘のとおり、誰からの特別受益かという点です。

【売買代金の贈与はだれからの特別受益か?】
 もし、お父さんがお母さん名義にした理由が、お母さんに贈与する意思でしたのであれば、その持分はお母さんのものであり、その売却代金はお母さんからの相続において特別受益として問題になります。
 しかし、お父さんとしては、何らかの理由で名目上お母さん名義にしただけであって、贈与する意思はなかったというのであれば、この共有持分は実質的にはお父さんのものであることになり、その売却代金もお母さんのものではなく、お父さんのものになります。そのため。お母さんの相続としては、特別受益の問題は発生しないことになります。

【特別受益の価額の変動】
 仮に特別受益とした場合に、不動産や金銭の価額の変動をどう考えるのかという問題があります。
 バブル時に特別受益として、不動産をもらったのなら、その後の不動産の価額の下落をどう評価するのかという問題ですが、これについてはいろんな考え方があります。
 しかし、今回は不動産をもらったのではなく、持分の売却代金という金銭をもらっただけですので、原則として貨幣価値の変動でもない限り、贈与額をそのまま特別受益額として評価することになります。

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