大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

生前贈与と相続時精算課税【Q&A №264】


 先日、父に援助のお願いをしました。

 姉(長女)家族にはこれまで数年に渡り、合計で700万超の援助をしている事は聞いていました。長女家族ばかりを可愛がる父と、「親が勝手にくれるんだから、ひがまないでね。」とほくそ笑み、節約とは縁のない生活をする姉家族に対して、ずっと沈黙しながら辛酸をなめてきました。

 が、私が病気になりこの先仕事を続ける事が難しくなってきました。住宅ローンや子ども達の教育費の事もあり、恐る恐るお願しました。
 本音は、「姉がして貰った分と同じくらいは…」と思うし気持ちと、これから父の財産はいずれ食いつぶされるのではないかという心配もあります。その前に、私も一度くらい恩恵を受けてもいいのではないかという思いと我慢が、病気を引き金に一気にバケツから溢れ出た感じです。

 そこで質問です。
 父から、仮に440万の援助を受けるとした場合、私と夫と子ども達二人にそれぞれ110万ずつであれば、贈与税はかからず申告の必要もないのでしょうか。それともこの際500万程もらえるのなら、相続時精算課税制度?というのを使えば良いのでしょうか。
 もしそれを利用したら、万が一父が亡くなった時に、援助を受けた事が姉夫婦に知られてしまいますか?

記載内容  相続時精算課税 生前贈与 援助 基礎控除

(辛酸なめ美)


【110万円までなら申告義務はありません】
 1年間に贈与を受けた財産の合計額が110万円以下の場合には贈与税は課税されません(基礎控除)し、その場合には申告義務もありません。
 今回の贈与の場合、あなたとあなたのご主人、子供2人にそれぞれ110万円ずつの贈与をするというのであれば、4人についていずれも贈与の基礎控除の範囲内ですので、贈与税の課税はありませんし、申告も不要です。

【相続時精算課税も考えられるが・・】
 お父様の年齢が65歳以上であるなど相続時精算課税の要件を満たすケースであれば、相続時精算課税も可能でしょう。
 この制度を利用すると、2500万円までは、贈与時に贈与税の支払いが不要です。
 ただ、前項のように4人に110万円ずつを贈与する場合には、そもそも贈与税が非課税ですので、相続時精算課税にする必要は全くありません。
 あなたが、440万円の全額を一人でもらう場合には、相続時精算課税を検討してもよいでしょう。
 但し、相続時精算課税は、贈与時点で税務署への申告が必要ですので、その分、手続きが面倒になります。
 また、将来、お父さんが死亡した場合、その遺産が多額であった場合(現状の税制ですと、総遺産額が≪5000万円+相続人数×1000万円≫を超える場合)には、お父さんの死亡時に相続税の申告が必要になりますが、その際、あなたが相続時精算課税の適用を受けたという事実が明らかになります。
 今後、相続税の基礎控除額が減少する可能性もあることも考えると、相続時精算課税ではなく、贈与税の基礎控除枠を活かして、贈与を受けるのが無難でしょう。
 なお、金額が多額になるのであれば、数年にわたって贈与税の基礎控除の枠内で贈与を受けるという選択肢も考えるといいでしょう。

相続税の基礎控除【Q&A №122】


 相続人が3人いますが、父が亡くなり、
 母が住んでいる家土地、田んぼを、長男が相続、
 現金になる株などと預金を、母が相続、
 妹は0円の時に、控除は3人分で良いのでしょうか、
 長男は同居していませんので、どの様にしたら、一番税金がかからないのか、相続額が、7000万円以内であれば、税金はかからないのでしょうか。

記載内容  基礎控除 相続人 配偶者特別控除

(静香)


【相続税の基礎控除額の計算式】
 相続税における基礎控除額は、次の計算式で算定されます。
 《計算式=基本5000万円+1000万円×相続人数》
 この場合の相続人数には、財産を受け取らない人の数も入ります。

【質問の場合には基礎控除額は8000万円】
 ご質問の場合には、相続人が3人ですので、上の式により基礎控除額は8000万円になります。
 もし総遺産額が7000万円程度であれば、相続税は支払う必要はありません。

【相続開始後に相続税額を少なくする方法】
 お母さんが住んでおられる建物の敷地は、相続税の申告では居住用資産の減額等、様々な相続税減額の特例があるのですが、同居していないご長男が相続される場合には、これらの控除は利用できません。
 これに対し、遺産相続により上限はありますが、お母さんの相続額が遺産の2分の1までなら、配偶者控除の特例があり、お母さんは相続税の支払いが不要です。
なお、いずれにせよ、遺産の額が8000万円を超えるのであれば、税の専門家である税理士さんに相談されるといいでしょう。相続税の減額を含め、有益なアドバイスがいただけるはずです。

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