大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

母の弟の妻が持ち去った土地売却代金【Q&A №397】


 さかのぼること7年前の事です。
 私の母の実家の土地を売ることになり(当時3人兄弟で合意の上で売却)遺産分割する予定でした。
 ところが、売買が成立したその後、実家を守っていた弟が急死。その事を知らされないまま、嫁が売却費を持ち逃げしました。
 2014年7月、その嫁が他界したこと知りました。
 その事は一通の手紙で弁護士事務所からのものです。
 嫁の実子が、嫁の実姉が嫁の遺産を握っているとの事。
 私の母からしてみたら実家の売却費を持ち逃げされ連絡すら取れなかった状態。とても悔しい思いをしていたのに。2度程弁護士の方へ連絡するも『利害関係』との事で手紙での返答でした。当時売却費は9千万。母の為にも明確にしたいです。そして売却費の一部でも渡してあげたいと想っています。どうしたら、母の手に渡して上げられるのでしょうか。

記載内容  売却代金 債務の相続

(masa)


【事実関係を次のとおり整理します】
 質問の事実関係を以下のとおり整理して、その前提で回答します。
 ① お母さんの実家の誰か(おそらくはあなたの母方のお祖父さん)が死亡した。
 ② その方の遺産である土地を売却して、法定相続人であるあなたのお母さんを含む兄弟3人で分割することの合意ができていた。
 ③ 手続きはお母さんの弟さん(あなたにとっては叔父さん。以下、叔父さんといいます)がすることになり、売買が完了し、叔父さんが代金を受け取った。
 ④ 叔父さんが代金を分配する前に死亡した後、叔父さんの嫁がその代金を着服したが、その嫁も死亡した。
 ⑤ お母さんの立場として、分配されるはずであった売却代金を取り戻しできる方法はないか。

【叔父さんに対する請求とその相続の関係】
 叔父さんは売却した不動産の代金額を、お母さんと他の兄弟に分配する義務があるのに、その履行をしていません。
 そのため、お母さんとしては、叔父さんに分配金の支払い請求が可能です。
 ただ、その義務者である叔父さんが死亡していますので、その相続人が相続でその支払債務を引き継ぎます。
 ただ、債務は法定相続分に応じて分割されますので、各法定相続人にその持ち分に応じた債務を請求することになります。
 例えば、叔父さんに配偶者(嫁)と子供が2人、存在していたとすると、債務は嫁が2分の1、子供たちが各4分の1ずつ負担することになります。

【叔父さんの嫁に対する請求とその相続との関係】
 叔父さんの持っていた売買代金をその嫁が着服したということであれば、お母さんはその嫁に対しても分配額相当額を、不法行為を理由として賠償請求することも可能です。
 ただ、嫁が死亡していますので、その相続人が法定相続分に応じて債務を引き継ぎます。
 結局、嫁に子供たちがおり、相続放棄をしない場合には、お母さんとしては、叔父さんと嫁の子供たちにそれぞれの法定相続額に応じた分配額を請求するしかありません。

【まず、財産があるかどうかを確認するとともに弁護士に相談する】
 あなたが連絡したところ、相手方の弁護士から「利害関係(がない)」と言われたということですが、あなたのお母さんは叔父さんの嫁の債権者ですので、あなたのお母さんとしては「利害関係があります」。
 現時点では叔父さんもその嫁も死亡しており、結局、叔父さんの子供たちに請求するしかありませんが、叔父さんの子の方は、叔父さんやその嫁の債務を簡単に認めないように思います。
 例えば、叔父さんやその嫁からそのような分配の話は一切聞いていないという回答をする可能性も高いです。
 そのため、裁判になる可能性も高いことを考慮して、早い段階で弁護士に相談し、細かく事情を説明し、訴訟の勝訴見込みをお聞きになるとともに、子に財産があるのかどうかも確認しておくといいでしょう。
 質問では「嫁の実子が、嫁の実姉が嫁の遺産を握っている」と記載されています。
 もし、嫁の遺産が第3者の手元にあるというのなら、それが使われないような方法(仮差押)を考える必要があります。
 「嫁の実子が、嫁の実姉が嫁の遺産を握っている」のが真実かどうかを早期に確認し、財産がこれらの者の手元にあるなら、早い段階で仮差押をすることも、弁護士と相談されるといいでしょう。

経年による不動産評価が遺産額にどう反映するか【Q&A №221】


 特別受益の評価

 父は10年前に他界し、今年母が亡くなり、相続が発生しました。 問題は、20数年前に贈与された特別受益です。 「援助してあげるからマンションを購入するように」と父からすすめられ、購入しました。 贈与税のことを考慮し、共同名義にしました。 将来的には、全て私の名義にしてくれることになっていました。以前に、父が事業で失敗した経験から、父は母の名前を借りて、父の持ち分(3割)を母の名義にしました。母は専業主婦で働いたことはありません。
 その後、買い替えのため、そのマンションを売却し、父の持ち分(母の名義)を贈与されました。 投資目的ではありませんでしたが、バブル時でしたので、購入時の3倍近くで売却し、売却金をそのまま現在住んでいる家の頭金にしました。 名義は私です。 バブル時に購入したため、現在よりもかなり高く、相続時の価格は約半分に下がっています。
 以前のマンションは実質、お金を出したのは父(母の遺言書にも父が出費したと記されています)ですが、形式上は母の名義でした。 この場合、両親どちらからの特別受益と考えられますか? (実際、負担してくれたのは父なので、父からの特別受益であると私は主張したいのですが。) 売却して贈与された分(売却額の3割)が特別受益となってしまうのでしょうか? 相続時の評価額が、買い替えたバブル時の半分に下がっていますが、考慮してもらえないのでしょうか?

記載内容  特別受益 基準価格 売却代金 贈与

(期待87)


【共有名義と特別受益】
 あなたがマンションを購入するに際して、お父さんが売買代金の3割を出したが、その3割の代金に相当する分はお父さん名義ではなく、お母さん名義にしたという前提で考えれば、この点については特別受益の問題はまったく発生しません。
 お父さんが援助した代金の分に相当する分をあなたがもらったわけではないからです。

【売買代金の贈与が特別受益になる】
 その後、マンションが売却され、その代金のうち、お母さん名義の3割に相当する代金があなたに贈与されたという点では、あなたは金銭の贈与という利益を受けているのですから、特別受益の問題が発生します。
 問題は、ご指摘のとおり、誰からの特別受益かという点です。

【売買代金の贈与はだれからの特別受益か?】
 もし、お父さんがお母さん名義にした理由が、お母さんに贈与する意思でしたのであれば、その持分はお母さんのものであり、その売却代金はお母さんからの相続において特別受益として問題になります。
 しかし、お父さんとしては、何らかの理由で名目上お母さん名義にしただけであって、贈与する意思はなかったというのであれば、この共有持分は実質的にはお父さんのものであることになり、その売却代金もお母さんのものではなく、お父さんのものになります。そのため。お母さんの相続としては、特別受益の問題は発生しないことになります。

【特別受益の価額の変動】
 仮に特別受益とした場合に、不動産や金銭の価額の変動をどう考えるのかという問題があります。
 バブル時に特別受益として、不動産をもらったのなら、その後の不動産の価額の下落をどう評価するのかという問題ですが、これについてはいろんな考え方があります。
 しかし、今回は不動産をもらったのではなく、持分の売却代金という金銭をもらっただけですので、原則として貨幣価値の変動でもない限り、贈与額をそのまま特別受益額として評価することになります。

相続した土地の売却代金は誰のものか【Q&A №156】


 10年程前、売却した土地の代金を兄が要求

 10年程前、父が亡くなり土地を売りました。私には母と兄がいます。
 主人の借金の担保になっていたため、兄は自分名義にせず、母に名義を渡しました。そして売却した土地の代金860万程を借金に充てさせてくれました。最近になり、自営の仕事もうまくいかないようで、私達の住んでいる家を売ってまとまったお金を渡すようにと言ってきます。私達も余裕のある生活は、送ってませんし、家もまだ支払中です。この2、3日中に返事をしなくてなりません。どんなにお金を頼み込んで集めても、100万にもならないと、思います。いったい幾ら渡せばいいのか。家を売却して、お金を渡したほうがいいのでしょうか。 

記載内容  売却代金 相続登記

(悩みばかりの人生)


【ポイントは、お母さん名義にしたときの合意内容です】
 お父様の遺産である土地をお母さん名義にしたときに、相続人間でどんな合意があったのでしょうか。
 お母さんがその土地を単独で取得するということで相続人が合意していたのであれば、少なくとも不動産の遺産分割は終了しています。
 その後の不動産の売却はお母さんが単独で行ったものであり、その売却代金は全部がお母さんのものです。そのため、お母さんが売却代金でご主人の借金を返してくれたとしても、お兄さんとしては法律的には何も文句を言う権利がありません。
 したがって、あなたがお兄さんから請求を受けても支払う義務はありません。

【別段の合意がある場合は・・・】
 もし、お母さんの単独名義にするが、その売却代金については相続人間で相続分に応じて分割するというような合意があれば、その合意の効力として、お兄さんにも売却代金を相続分に応じて請求する権利が出てきます。
 しかし、仮にその合意があったとしても、お兄さんが請求できるのは、売買をし、その売買の受取人であるお母さんに対してです。借金を支払ってもらったあなたのご主人に対して、直接請求できることではないです。

 結局、あなた方が家を売る必要はないでしょう。

質問する

当ブログでは、相続に関するご質問に弁護士がお答えします。ベテラン弁護士の長年にわたる経験に基づく回答です。無料・匿名でご質問いただけますのでお気軽にご利用下さい。

事務所での有料相談はこちら

直接、お聞きして、的確に回答します。今、何が問題で、どう解決すべきかをわかりやすく説明します。

最近の相続ブログ

アーカイブ

カテゴリー

大澤龍司法律事務所

〒530-0047
大阪市北区西天満4-3-25
梅田プラザビル別館7階A703号

お気軽にご相談ください!(電話要予約)
お気軽にご相談ください!(電話要予約)
FAX:06-6361-6043 メールでのお問い合わせはこちら 月〜金曜日(祝日を除く)
    • 大阪メトロ堺筋線・谷町線「南森町」駅
      ...徒歩約7分
    • 大阪メトロ堺筋線・京阪電車「北浜」駅
      ...徒歩約10分
    • 大阪メトロ御堂筋線・京阪電車「淀屋橋」駅
      ...徒歩約15分
事務所ブログ 大原訴訟ホームページ

ページの先頭へ