大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

行方不明の相続人への対処【Q&A №262】


 夫が他界しました。息子は、さんざん親のお金を使ったあげく、行方知らずです。私と娘だけで夫の財産を相続したいのですが、息子を排除する方法はあるでしょうか。
 家庭裁判所に訴えれば、息子の財産権を無くすことができると、聞いたことがあります。本当でしょうか。

記載内容  行方不明 失踪宣告 廃除

(miko)


【行方不明者も相続人です】
 息子さんが音信不通ということですが、行方不明者であっても財産権はあります。
また、行方不明者であったとしても、相続人であることに変わりはありません。
 そのため、ご主人の相続手続を行う(例えば、預金を解約あるいは引きだしたり、自宅の登記を移転するような場合)には、息子さんの同意が必要不可欠です。

【失踪宣告の申立も可能だが・・】
 息子さんと、音信不通が7年間以上にもなり、死亡している可能性があるような場合には、《失踪宣告の申立》を家庭裁判所に対して申し立てるという手段があります。
 まずは戸籍で生存確認をされ、住民票を取り寄せて居場所をつかめないか確認する必要があります。
 それでもやはり連絡が取れず、集めた情報から死亡している可能性がある場合には、失踪宣告の申立をすることも考えていいでしょう。
 ただ、今回の質問のケースでは、単に居所がしれないというだけのようですので、失踪宣告ができるか疑問です。
 仮に失踪宣告がなされたとしても、息子さんはその住所地において死亡したものとして扱われ、息子さんの相続が開始します。戸籍を調べて息子さんに子供さん(ご主人からすれば孫にあたる人物など)がいれば、結局その相続人から同意をもらう必要があるので、本件ではあまり問題解決の役には立たないでしょう。

【本件で廃除は難しい】
 また、息子さんから相続人の立場を奪う方法として、《廃除》を裁判所に申し立てるという手段があります(廃除の制度説明については、当ブログ Q&A №102 などをご参照ください)。
 しかし、この制度は被相続人に対する虐待とか、重大な侮辱、その相続人の重大な非行行為などがある場合であり、そう簡単には認められるものではありません。
 そのため、結論としては、息子さんを可能な限り探しだし、息子さんが見つからなければ預金などはあなたと娘さんの持分だけの支払いを銀行に請求し、自宅の不動産などについてはあなた方の持分があることだけを相続登記するといった方法をとらざるを得ないでしょう。

兄弟の一人が浪費かで迷惑がかかる【Q&A №65】


 法定相続人のうち、65歳の長姉が生活保護受給者です。
 自堕落でギャンブル好きで、兄弟にも借金取りから脅しがあったり、実際肩代わりしたりした事もありました。
 縁を切って音信不通だったのですが、役所から「生活保護の申請があったので扶養してください」というような通知が来て、住んでいる自治体がわかり、皆扶養を断ってそれで済みました。
 「遺産は要らないが長姉と関わり合いになりたくないので、失踪扱いとかで勝手に手続きできないか、先ず弁護士等に相続した方が良い」という相続人もいます。それは無理ですよね?
 長姉が相続して、借金を返しても残れば、生活保護が切れて、使い果たしてまた生活保護を申請したら、再度扶養義務を問われると思います。生活費ぐらいは出せるとしても、自分たちも老いていき、医療費とか介護とかそういう事まで面倒みきれません。
 相続する人数によって長姉の相続額は1千万~3千万円程度になります。平均寿命までだと足りません。
 相続放棄してなるべく関わらない者が賢明なのか、浪費させない為、皆で相続してなるべく渡さなでおいた方が良いのか、責任を負わないで、火の粉がかからず、世間にも迷惑かけずに生活してもらうにはどうすれば良いでしょうか?
 行政に財産を管理してもらえれば理想的なのですが、遺産の供託とか、ギャンブル依存症で成年後見人を選任してもらうとか、何か方法があるでしょうか?

記載内容  失踪宣告 浪費 相続放棄

(関東人)


【失踪宣告はできない】
 「失踪扱い」というのは、おそらく家庭裁判所の失踪宣告のことだと思います。
 失踪宣告がでれば死亡したとみなされますが、そのためには長年にわたり生死が明らかでないことが必要です。本件の長姉の方のように生きていることがはっきりした人の場合は利用できません。

【遺産の供託等の方法もとれない】
 遺産の供託という制度はありませんし、行政に財産を管理してもらう制度もありません。
 又、他人に財産管理をしてもらうにしても、「ギャンブル依存症」というだけでは、成年後見人を選任することもできませんし、補佐人や補助人という制度の利用も難しいでしょう。

【相続放棄をするのも役にたたないでしょう】
 もし、長姉との係わりを避けるために、相談者やその他の相続人が相続放棄をすれば、遺産分割協議に参加する必要はなくなります。
 しかし、単独で財産を相続した長姉が、いずれ財産を浪費するように思われ、やはり、あなた方また、行政から扶養義務の関係での連絡があるでしょう。
 結局、相続放棄をしてもしなくとも、関わりを避けることはできないので、相続放棄をする意味はないでしょう。

【結局どうすればいいのか・・】
 兄弟姉妹である限り、扶養義務の関係で関わりをもつということはどうしようもありません。兄弟姉妹という縁は切れないのですから。
 ただ、借金をしてまで扶養する必要はないので、その旨申し出て、長姉には、生活保護などを受けて生活してもらうしかないでしょう。

行方不明の相続人がいる場合の遺産分割【Q&A №2】


先日、父が亡くなりました。
私は5人兄弟の長男で、母は既に亡くなっています。
ところが、兄弟のうち、次男は25年も前に家を飛び出してから、音信不通です。
次男の戸籍を取寄せると、戸籍では死亡は記載されていません。
そのため、親戚を始め、次男の昔の友人たちに聞いて回った結果、家を出た直後に住んでいたところが判明し、その場所を尋ねたのですが、次男はそこには住んでいませんでした。その近所の人も全く連絡がなかったようです。
結局、いろいろ手を尽くしたのですが、転居先がわからずじまいでした。
次男以外の兄弟とは、長男である私が父の住んでいた自宅を相続することで話がまとまっているのですが、次男を除いて相続手続をすすめることは可能でしょうか。

記載内容  相続人 失踪宣告 遺産分割協議

(長男)


あなたのおとうさんが残した財産を、法定の相続人間で話し合いしてどのように分配するのかを決める手続きを「遺産分割協議」と言います。
この協議によって、あなたのお父さんの自宅をあなたが相続することになれば、協議の結果を記載した遺産分割協議書とその他必要書類を用意して登記すれば、あなたの単独名義の相続登記ができます。

しかし、遺産分割協議には、法定の相続人が全員参加する必要があります。
質問の事案では、生存している兄弟5人に相続権があるため、行方不明の次男を参加させずに行った遺産分割協議書には効力がありません。

ただ、これでは、次男が見つからない限り永遠に遺産分割協議ができないことになります。
そこで、民法では、長期間にわたって生死が不明の人を「死亡した」とみなして、そこから生じる法律問題を解決しようとする制度があります。これを「失踪宣告」と言います。

本件では、失踪した次男の兄弟などの関係者が家庭裁判所に失踪宣告の申立てをし、「7年以上の生死不明」であることが認められれば、次男は法律上、死亡したことになり、残りの相続人だけで遺産分割協議をすることができます。

失踪宣告手続には、生死不明であることを裁判所に証明する必要があり、申立のときに裏付資料を揃え、裁判所と協議して足りない資料を追加で提出するなど、複雑な手続きになります。
そのため、このような手続は弁護士に依頼するのが望ましいですが、もし、ご自分でされたい場合にも、予め、相続問題に詳しい弁護士と相談された方がよいでしょう。

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