大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★亡母の預金を使い込んだ兄の言い分【Q&A №495】


【質問の趣旨】
建築費用は貸金か贈与か?遺産を公平に分配するには?

記載内容 不正出金 親に貸付 寄与分

【ご質問内容】
家内の実父は、約30年前に他界しており、更に1年前に実母も他界しています。
法定相続人は4人です。
長男は、約35年前に実親の家の新築の折、数百万円を借用書も無しに工面したと言っています。
そのお金を今になって「返して欲しい、しかも年5.5%の35年間の複利運用」条件を提示しています。

長男が中心となって作成した父の遺産相続協議の際、そのような負債があることは明らかにしておりません し、返済請求書もありません。
従って、あたかも親への贈与と思われてもおかしくないものです。負債なら、膨れ上がる前に手の打ちようがあったはずです。
今やその金額は、母親の預金(5千万円)でも不足すると主張する始末です。
まさかと思って、他の兄弟が、銀行(3行)に確認したところ、案の定、母親の死亡1年前からATMから引出限度額で毎日下しており、残額はゼロと判明しております。
亡き母は認知症の為、介護施設に入っており、その支払い等のため銀行カードを長男に預けていたようです。
本件は、母親の預金額に目がくらみ、総取りのシナリオを後付で描いたように思えます。
公平に遺産相続する方法をご教示頂けませんか

(yuzu)


【まず、お金を渡したということを証明してもらう】
最初に、長男さんがお金を貸したかどうかの確認が必要になります
お金を貸したというのなら、当然お金の動きがあったはずです。
長男さんにまず、お金が動いたことの証明を求めましょう。
もし、長男さんがその点を証明できないのであれば、貸金の主張は無視して、遺産分割をすることになります

【贈与か貸金か】
もし、お金をご両親に渡していることが証明されるのであれば、次にどういう趣旨でお金を渡したのかが問題になります。
返還してもらうという前提ではなかったのであれば、長男さんから両親への贈与になりますし、返還してもらう前提なら貸金になります
建築資金ということですから、通常ならかなりの金額になります。
高額の金額にもかかわらず、借用書も作成していない、これまでの35年間返還されていない、という事実を考慮すると、貸金である可能性は極めて低いと思われます。

【複利はまずない】
長男さんは複利を主張されているようですが、そのように主張するのであれば、長男さんとしては貸金であることに加えて利息は複利であり、その利率は年5.5%で合意されていたということを証明する責任があります。
借用書も作らないようなとき、複利というような利息の合意が認められる可能性は皆無に近いと思います。

【貸金や贈与と特別寄与の関係】
仮に贈与があったとすれば、両親はもらった金銭は返還不要ですが、長男さんとしては、そのような金銭をあげたことで、長男さんが特別寄与をしたと主張することができます【コラム】寄与分とは?をご参照ください)。
もし、貸金を立証できた場合には、長男さんはご両親に返還を請求できるということになりますが、ただ35年も前の貸付であれば、特段の事由(例えば時効中断等)がない限り、時効で消滅している可能性が高いです(なお、貸金が時効で消滅していた場合でも、長男さんが特別寄与をしたと主張できる余地があります)。

【今後の取るべき対応について】
お母さんの判断能力がない段階で長男さんが預貯金を引き出していたのなら、お母さんは長男さんに不当利得の返還請求権を持つことになります
お母さんが死亡した場合、その返還請求権は各相続人がその法定相続分に応じて取得し、長男さんに請求することができます
長男さんの態度を見ていると、簡単に返還しそうな感じは受けませんので、遺産分割調停や訴訟等の法的手続きが必要だと思います。
ただ、訴訟して勝訴しても、財産がない場合には強制執行もできません
もし、長男さんの財産(例えば抵当権のついていない土地家屋など)があることが判明しているのであれば、長男さんがその財産を隠してしまう前に、財産の移動を禁止する仮差押え等の手続きを取る必要があります
この手続きはむずかしい点がありますので、弁護士に相談されるといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

遺産分割協議成立後の寄与分の請求【Q&A №433】


 長兄,次兄と遺産分割協議を行い、末弟の自分が土地建物を相続することで合意し、協議書を作成した。
 遺産分割協議成立後(土地建物の登記も完了済)2か月後、長兄から、生前両親へ仕送りをしていた金額が1000万円ほどあるから、長兄が遺産分割協議書成立前に有していた法定相続分相当の金銭を支払うよう請求された。
 遺産分割協議中長兄は両親への仕送り金額については口頭で、末弟へは請求しないと言っていた。
 法的に長兄の要求に応じる義務はあのでしょうか?
 要求に応じないと、私の会社に乗り込んで会社の上司に判断を仰ぐと言ってきます。
 会社の上司や私にとっても迷惑行為だし、なかば脅迫めいた言動で、半年ほど揉めています。

記載内容  遺産分割協議 成立後 寄与分 寄与分の放棄

 

(イトチュ)


【遺産分割協議がなされておれば、原則、寄与分は主張できない】
 遺産分割協議は法定相続人等の間でされる遺産の処分についての最終的な合意です。
 そのため、その協議に参加した者の中に、寄与分を主張する者があれば、その協議の中で寄与分の扱いが議論されているはすです。
 したがって、遺産分割協議後には、原則として寄与分は主張できないと考えていいでしょう。

【過去の裁判例を見ると・・】
 古い裁判例ですが、《遺産分割の協議に際しては、申立人の被相続人に対する送金その他による相続財産の維持増加についての一切の寄与貢献も、充分考慮検討されて結論が出されたものであるから、申立人の寄与分を定める協議も同時に成立しているものといつてよい》というもの(広島家庭裁判所:昭和61年5月15日決定)があります。
 この裁判例のケースでは、寄与分の話が遺産分割協議の中で出ていたことから遺産分割協議の効力を認め、別途寄与分を請求できないという結論になりました。

【本件でも寄与分の主張は認められない】
 本件でも「遺産分割協議中長兄は両親への仕送り金額については口頭で、末弟へは請求しないと言っていた」という前提ですので、遺産分割協議の際に寄与分の話があり、お兄さんとしては、積極的に寄与分を主張しないことを前提としていたことになります。
 このような事実経過であれば、お兄さんのいう寄与分の主張は認められないでしょう。

【お兄さんの行為を止めるには・・】
 お兄さんは「要求に応じないと、私の会社に乗り込んで会社の上司に判断を仰ぐと言ってきます。
 会社の上司や私にとっても迷惑行為だし、なかば脅迫めいた言動で、半年ほど揉めています」ということですが、そのような行為に対処するためには《面会強要禁止の仮処分》という手続きがあります。
 あなたに面会を強要するのではなく、第三者である上司の方に面会を強要するというケースですが、あまりにひどいという場合には、弁護士と相談され、仮処分ができるかどうかを相談されるといいでしょう。

遺言と寄与分はどちらが優先されるのか【Q&A №125】


 先日父が他界。父には子供がABCD(母は他界)と4人。
 10年前に「Bにすべてやる」という公正証書をBが作成。20年前にAと父で遺留分等を検討した公正証書がありましたがそれは無効という記述までありました。
 Bは父を取込、数年前から施設に預け(父の家賃収入で賄える範囲=Bは金銭的・体力的に世話はしていない)、「Aを信用するな!」等と言う張り紙を部屋に貼っていました。
 今回父が他界し、Dが「亡き母が自分名義の通帳があると言っていた」と思い出し、銀行に口座の確認をした所、昨年、全額預金引き出しされていました。
 また、父の家の玄関の鍵を勝手に交換し、Aだけが番号を知っており鍵も持っていた金庫をガスバーナーでこじ開けています。
 これらの行為は「全てBに」という公正証書があればやっても良いのでしょうか?何か法的に訴えることは可能ですか?
 というのは、寄与分(父の投機失敗により多額の借金を清算するためA名義の土地を売った)の証明がその金庫に入っていたはずなのですが、Bがこじ開けているため、証明不可能になってしまい、Aが40年以上住んでいる土地をBが相続すると言っているのです。困り果てています。ちなみにAは生活に困窮・Bはかなり裕福です。

記載内容  二つの遺言書 遺留分 寄与分

(絶望)

 「10年前に『Bにすべてやる』という公正証書をBが作成。」とありますが、これはお父様の公正証書遺言のことだと思いますので、その前提で回答します。

【お母さんの預金について】
《誰の財産か?》
 まず、お母さんが作成したDさん名義の預金通帳があったようですが、もし、お母様が自分の財産で蓄えていたのなら、その預金はDさんのものではなく、お母さんのものです。
《生前に引き出されたのか?それとも死後か?》
 お母さんの財産である場合には、お母さんの生前に引きだされたものか、それとも死後に引き出されたものかが問題となります。
《生前の引出なら》
 預金がお母さんに生前に引き出されたものであれば、その引出を誰がしたのか、お母さんがしたのならその引き出した金はどこに行ったのか?もし、お母さんの意志で特定の人に渡したのであれば特別受益の問題がでてきます。
《死後の引出なら》
 おそらく質問では、死後の引出を問題としているのでしょう。
 この場合には、お母さんの遺言書がないなら、各相続人が法定相続分に応じて取得しますので、仮にBさんが勝手に引き出したというのなら、他の相続人はBさんに対し、それぞれの相続分に該当する金額の返還を要求できます。

【2通の遺言書がある場合】 2通の遺言書がある場合、後に作成された分が有効になります。
なお、お父さんは遺言作成するときに、Bさんからいろいろ言われていた可能性が高いでしょうが、最終的にお父様が自分の意思で、『Bにすべてやる』と決めたのであれば、遺言は有効です。
また、Bさんが金庫などを壊したということですが、自分が取得した財産の処分は自由ですので、その点についていえばBさんに違法な点はありません。

【遺贈は寄与分に優先する】
 遺言(遺贈)は寄与分に優先します。
 遺言で『Bにすべてやる』というのが有効であれば、寄与分の問題は発生せず、遺産はすべてBさんに行きます。

【寄与分か貸付か?】
 ただ、Aさんがした行為が贈与《寄与分》ではなく、《貸付》であった場合には、Aさんはお父さんに対して返還請求ができます。本件ではお父さんが死亡していますが、その遺産を取得したBさんに対して、その貸金債権を請求することができます。

【遺留分減殺請求ができる】
 Bさんが遺言書でお父さんのすべての遺産を取得する場合には、他の相続人は8分の1の限度で遺留分減殺請求ができます。
 但し、その請求できる期間は、原則としてお父様が亡くなられてから1年間ですので、早期に弁護士と相談し、しかるべき手を打つべきでしょう。

★介護をしなかった弟の相続分【Q&A №94】


 遺産相続についてお尋ねします。
私の母が亡くなりました。父はもう他界しています。
私には弟が一人いて、兄弟は2人です。
母の遺産は土地だけです(約500万円)
母は、私の家族が面倒を見てきました。(要介護5級)認知症が酷い状態でした。5年間ほぼ寝たきりでした。
遺産分割で弟は土地の半分の250万円を欲しいと言っていますが、母の面倒は見ていません。
こういう場合法律では50:50で分けるべきなのでしょうか?
家では、母がいるため妻は働けずに収入もありませんでした。
母の面倒の費用は母の年金でほぼ賄えました。
面倒を見ていない弟に半分というのは、私は納得いきません。
よろしくお願いします。

記載内容  遺産分割 寄与分 介護

(フォトちゃん)


【介護は特別寄与分として主張する】
 親の面倒を見るのは子供の当然の義務であって、それだけで遺産の取り分が増えるわけではない、というのが現在の裁判所の考え方です。したがって、親の介護をした相続人も、他の相続人も同様の割合で遺産分割されるのが原則です。
 ただ、自力でお母さんの介護をしたことによって、お母さんの介護費用(たとえばヘルパー代等)が少なくなったというのであれば、お母さんの財産の減少を食い止めたということで、その減少額に相当する金額を遺産からもらうことを主張されるといいでしょう(このように遺産の減少を少なくし、あるいは遺産を増加させることに役立った分を請求するのを特別寄与分の主張といいます)。

【奥さんの介護もあなたと一心同体と主張するといいでしょう】
 お母さんの介護は主としてあなたの奥さんがされたということですが、その場合は夫婦が一心同体であるとして、あなたが特別寄与したのと同様に扱うように主張されるといいでしょう。
 なお、介護のために奥さんが働けなかった分を請求したいという気持ちがおありかもしれませんが、残念ながら、現在の扱いでは、遺産の減少を食い止めた額、あるいは増加させた額でしか評価されません。

【調停委員への働きかけは、感情的にならずに事実を述べる】
 実は、当事務所の弁護士間でも、介護をしても遺産のもらい分が増えないという点を議論したことがありますが、このような扱いはおかしいという結論でした。
 もし遺産分割調停をするなら、お母さんの介護がいかに大変であったかを調停委員に訴えるといいでしょう。私たちと同じ考え方の調停委員も当然おられるでしょうから、介護を評価して弟さんに譲歩するように話してくれる可能性があります。
 なお、弟さんを感情的に攻めるとかえって逆効果になる場合がありますので、事実で説明することを心がけるといいでしょう。

★介護のお礼に母がくれたお金【Q&A №86】


質問いたします。

行いの悪い姉は親の面倒を見ません。
親は私に、世話になっているから、とまとまったお金を渡しました。
親が過去払った姉の学費(私は学費をもらっていません)とほぼ同額の様です。

このお金の受け渡しについては、姉に口をはさむ権利はないと思うのですがいかがでしょうか。
私は贈与として申告をするつもりでおります(相続時清算課税制度を使います)
母は公正証書で、遺産は法定通りの分け方で分けろと記しています。
よろしくお願いします。

補足です。友人が言うには、
・親のお金は親がどう使おうと関係ない、
・姉が面倒見ないからという理由もはっきりしてるので、
 姉からは何も言う事は出来ないし訴える事も出来ない。
・お金は贈与というより、介護やお世話代という位置づけで受け取るのが妥当、
と言います。

記載内容  特別受益 寄与分 介護

(ダニエル)


【だれに贈与をするのかはお母さんの自由です】
 お母さんがそのお金を贈与するのは、お母さんが自分の意思で決めるべきことです。
 お母さんがあなたに贈与したいというのであれば、お母さんとあなたの問題ですから、他人が口をはさむ権利はありません。もちろん、お姉さんも同様です。

【友人のアドバイスの意味】
 あなたの友人が、「贈与というより、介護やお世話代という位置づけで受け取るのが妥当」といっているのは2つの意味が考えられます。

節税面からのアドバイス
  ・・・贈与なら、110万円を超すと贈与税が発生するが、介護等の対価なら税金が発生しない。
将来の遺産分けを考えてのアドバイス
  ・・・今回の生前贈与が特別受益としてカウントされないために、介護やお世話代であることをはっきりさせておく。

【友人のアドバイスに対する弁護士のコメント】
 前項の①の節税面からいえば、一時に多額の金銭を渡す場合に、それを介護やお世話代といっても、税務署にはとおりにくく、贈与とみなされる可能性があります。
 そのため、介護やお世話代というなら、介護等に見合うような金額を毎月、もらうのがいいでしょう。
 なお、税務面でのアドバイスは、専門である税理士さんに相談されるといいでしょう。
 前項②の遺産分けの面からいえば、あなたが介護等に尽力しても、それで特別受益ではなくなるものではありません。
 ただ、あなたの介護等は、寄与分になる可能性がありますので、いつからどのような介護をしていたのかを詳しくノートや日記に記載しておき、又、それを裏付ける資料も保存しておけばいいでしょう。
 あなたの介護により、お母さんが支払いを免れた分が、遺産分けに際して、あなたの寄与分として認められることがあります。

【さらに言えば・・】
 お母さんは、公正証書で、《遺産は法定通りの分け方で分けろ》と記しているようですが、あなたが介護までしているということであれば、その努力を遺言書に反映させてもらってもいいのではないでしょうか。
 もちろん、最終的にはお母さんがお決めになることですが。

母の土地を改良した長男の相続分【Q&A №58】


 母が所有していた土地及び建物が、道路拡張のため市に収用されることになりました。
 母は移設費用及び土地収用代金を受け取り、長男名義の家を新築する資金を長男に渡しています。(土地は母名義のままです)

 私は母が渡した資金の全てが、特別受益になると主張していますが、兄は「家を建てるため盛土を行った。その費用は母の土地の価値を上げたものであり、特別受益とは認められない、家の建築費用だけが、特別受益だ」と主張しています。

「生計の資本としての贈与」としては、どちらの主張が正しいでしょうか?

記載内容  特別受益 建築費用 寄与分

(まっちゃん)


【生前の建築資金贈与は特別受益にあたる】
 被相続人であるお母さんの生前に長男が住宅建築資金をもらったのですから、その住宅建築資金は特別受益になります。
 ただ、今回の質問では、その資金の一部がお母さんの土地の盛り土等の土地改良に利用され、土地の価額が増加しています。
 そのため、もらった金額全額を特別受益とするのではなく、特別受益から土地価額増加分を控除するべきではないかという議論が発生します。

【土地の価値増加をどう扱うか】
 生前に被相続人から贈与などを受けた場合には、特別受益として遺産にその受益額を加算して、相続人間の公平を図るというのが、特別受益制度です(いわば、生前の贈与を相続財産の前渡しとして考慮し、生前贈与を受けた人の相続分を一定程度減らすものです)。
 今回の質問では、お母さんの遺産である土地の価額は盛り土等をした状態で評価されます。これに建築資金の全額を特別受益として遺産に加算すると、その土地価額増加分だけ、遺産が増加することになります。
 しかし、これでは土地価額の増加分が二重計上されていることになり、長男にとって不公平すぎるようです。

【土地価額増加分は特別寄与で解決する】
 相続人間の公平という観点からは、何らかの形で土地価値が増加したことを考慮する必要がありそうです。
 これについては、特別受益から土地価格の増加に要した費用(=盛土の費用)を控除するという考え方もあるでしょうが、一旦は長男の手元にわたっているのですから、筋を通せば建築資金については全額を特別受益とするしかないでしょう。
 しかし、法律は、特別受益という制度を定める一方、寄与分という制度を設けて、相続人が遺産の増加に貢献した場合、遺産が増加した分は当該貢献をした相続人に優先的に分け与える事にしています。
典型的には、子どもが親の事業を手伝い大きく発展させた場合や、子どもが親に多額の贈与をした場合などがあります。
 今回の質問では、相続人である長男が(元手は贈与されたものとはいえ)自分のお金を土地改良に提供し、土地(遺産)の価値が増加したことになります。
 そうしますと、長男が遺産の増加に貢献したものとして、土地の価格増加分は長男の寄与分と考えるというのが公平な解決になると思われますので、兄弟間の協議で円満解決されるのがいいでしょう。

★兄は「全財産を私に」、と言い遺していたが・・・【Q&A №34】


 一人身の兄が亡くなり、兄弟間で遺産分割を行います。

生前、兄と一緒にお墓を作り(折半で)、兄の介護をしておりました。
遺産のについては私に相続させると口約束をしておりましたが、遺言がないことを理由に兄弟から均等分割を要求されています。

この場合、全額を相続できないまでも、お墓を一緒に作ったことによる兄の意思表示を兄弟へ主張することは可能でしょうか?
可能な場合、どれくらい(割合等)主張できるものなのでしょうか?

記載内容  寄与分 遺言 介護

(korigori)

 
遺言がないので、兄弟が法定相続分(例えば、兄弟が3人であれば各3分の1ずつ)で相続することになります。
 ただ、相続人全員の協議によって、法定相続分とは異なる割合で相続することも可能ですので、その協議の際に、お兄さんと折半でお墓をつくったこと、介護をしていたこと、お兄さんがあなたに全て相続させると約束していたことなど、これまでの経緯を他の兄弟に伝えた上で、相続分割合をあなたに有利にしてもらう努力をされるのがいいでしょう。

 なお、どれくらい主張できるかという点ですが、あなたがお墓の費用を出していなければ、お兄さんがその費用を支出していたはずであり、その金額分だけ遺産は少なくなっていたはずですし、又、あなたが介護していたのですから、その分、専門の介護者を雇わずにすみ、遺産が減少しなかったのですから、これを「寄与分」として主張して、その額に相当する金銭を遺産からもらうことができます。

 このほか、介護用品について立て替えた費用、あるいはその他にお兄さんのために支払った費用があるなら、これらの金額も併せて請求されたらいいでしょう。

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