大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

合意できなかった遺産はどう分割されるのか。【Q&A №244】


 10年位前に亡くなった父が長男に土地・家屋を遺贈し、移転登記も済んでいます(地籍約70坪・商店街の道路に6間面している)。
 ところがその土地の後ろ3坪の土地が(間口6間の奥行き0.5間)の別番地の土地が父の名義で残っています。父の相続人は8人います。半年くらい前に遺贈を受けた長男が死亡しました。長男の妻が後ろにある土地を自分の名義にしたい旨の相談をしています。弁護士から話に応じない者がいるので、遺産分割協議の申し立てをする。課税評価額の8分の1の支払いで妻の名義にしたいので近日中裁判所から呼び出しがある旨の書類が来ました。
 次男は残して置きたいと言い張っています。他3人も協議で言いなりにはなりそうにありません。審判で強制的に買い取られる事もあるのでしょうか。また死んだ長男は特別受益者に当たると思いますが、その妻が小さな土地の遺産分割協議の申請人になれるのでしょうか。同意するような人には弁護士に一任すると言う用紙と・申述書の様なものに署名して送るように封筒が入っていたそうです。私の所には入っていません。
 ご回答よろしくお願い致します。

記載内容  審判 調停

(ガンジー)


【遺贈と遺留分、特別受益の関係】
 長男の遺贈分が多ければ、本来は遺留分の侵害として遺留分減殺請求をするべきものです。
 ただ、お父さんが死亡して既に約10年が経過しているというのであれば、遺留分減殺請求できる期間である1年間(遺留分侵害を知って1年間)を既に経過している可能性が高く、減殺請求はできません。
 しかし、遺贈漏れの土地があるようですので、これが遺産分割の対象になります。
 あなたとしては、その中で長男には遺贈という特別受益があると主張し、長男には今回の土地について相続分はないと主張するといいでしょう。

【長男の妻の遺産分割協議申し入れについて】
 長男が有しているお父さんの相続人の地位は、長男が死亡したことにより、長男の妻が相続で引き継ぐことになります。
 そのため、長男の妻が問題の土地について遺産分割協議の申し立てをしたり、遺産分割調停をすることができます。

【弁護士からの連絡について】
 今回の弁護士からの連絡は、遺産分割協議の提案と考えていいでしょう。
 したがって、今回の提案に同意するかどうかはあなたの自由であり、弁護士が言ってきたからといって、同意する必要はありません。

【協議がまとまらないと調停になる】
 弁護士から提案があったのですが、全員の同意がとれないようなら、弁護士としては遺産分割調停の申し立てをするでしょう。
 ここでは、問題の土地を長男の妻が取得し、その代り代償金を他の相続人に支払うという方向で話が進む可能性があります。
 もちろん、特別受益があるので、問題の土地は長男(妻)の取得分はなしとして計算したうえで、代償金額を算定することになるになる可能性もあるでしょう。

【調停がまとまらない場合には審判で・・】
 調停がまとまらない場合には、審判で強制的に(というのはあなたが同意しなくとも)、遺産が分割されます。
 審判では、土地を現物で分割したり、相続人の全員で共有にする場合もありますが、今回は土地の面積が少ないことや遺贈を受けた土地に隣接していること等を考慮すると、裁判所としては、問題の土地を長男の妻に取得させ、その代わり、その土地分として代償金を他の相続人に支払う、という判断をする可能性が高いと思われます。

預金だけでは納得しない妹【Q&A №151】


 相続の問題で悩んでいます。
 父が亡くなり母、長男(質問者)、長女間の相続でもめています。

 相続対象財産としては、

○路面価評価額が約7000万円の土地家屋(母と長男である私が住んでいます。)
 祖父の代からの家屋で80年くらいは代々住み続けています。

○預貯金が約2800万円になります。

 私と母は現在の家にしか住む所がなく、また家業の事務所としても使用しているために預貯金を姉に渡して土地家屋を私と母で相続するよう申しいれてあるのですが、姉の法的取り分の25%を超える現金を相続遺産として受け取る事を嫌がり土地・家屋に自分の権利をとつけたいと主張するだけで、そうでなければ裁判をするといきまいています。

 母は父からの相続分に該当する50%分を私に譲渡してでも土地・家屋を代々の資産として長男の私に残すと言ってくれています。
 私と母の法定相続分75%で土地・家屋の相続はできるはずですが、こういうケースの判例はどうなりますでしょうか。
 例えば最悪姉の25%分の土地・家屋の権利を裁判所が認めたとしても、長年住んでいる母と私には居住権があるわけですし、商売もしているわけなので立ち退きや売却の裁判所命令は出せないと考えています。
宜しくお願いをいたします。

記載内容  法定相続分 調停 審判

(中村)


【話し合いができないなら遺産分割調停をする】
 お父さんの遺言書がないようですので、法定相続分としては、お母さんが2分の1、あなたと長女の方が各4分の1になります。
 お姉さんとしては、不動産の共有持分の4分の1を取得しても、実際上、売却もできず、後に述べるようにあなたやお母さんを追いだすこともできません。
 そのため、本件のような質問の場合、お姉さんとしては、不動産より現金を希望することが多いです。
 もし、話合いがつかないようなら早期に遺産分割調停の申立をするといいでしょう。調停委員がお姉さんを説得してくれる可能性が高いです。

【審判で長女が4分の1を取得する可能性はきわめて少ない】
 調停は合意がないと成立しません。合意ができない場合、裁判所が判断する審判になります。
 その場合、長女の方が不動産の4分の1の相続取得を希望されたとしても、お母さんとあなたとで4分の3の持分をもっていること、これまでにその不動産をあなたとお母さんが使用されていたこと、その土地で家業を継いできたことなどを考えると、あなたやお母さんに不動産を全部取得させ、長女の方には預貯金を相続させるとの内容の審判が出されるものと思われます。

【長女が4分の1を相続しても、不動産からの退去を命じられる可能性はない】
 明確に該当する判例となると難しいのですが、争いがあるケースでは、法定相続分の割合で不動産を取得させようという方針で判断する裁判所もあるとの話もあります(当事務所では例がありませんが)。
 仮に長女が不動産の4分の1を相続で取得しても、既に記載した共有持分割合や使用実績等から、裁判所があなた方に退去を命じる可能性はないと言っていいでしょう。

【第三者や専門家の意見を聞く機会を設ける】
 長女の方が不動産にこだわる理由は明らかではありません。
 思い込みや感情的な対立があったというのなら、あなたやお母さんの意見にも耳を貸さないでしょう。
 お姉さんを説得する役割を、中立の立場の調停委員(調停の場合)や、裁判官(審判の場合)にお願いするという方法もありますし、又、長女の方が弁護士に相談して、その弁護士が現金を取得することを勧めるということもあります。
 いずれにせよ、法律の専門家にお姉さんの説得役を任せるということを考えてはどうでしょうか。

★形見は遺産になるのか【Q&A №132】


 叔父が亡くなった祖母の相続で法定額以上の受取りを主張し、母と審判で争っています。母が精神障害があるので息子の私が代理人になっています。叔父は生前祖父母と絶縁状態にありましたが、祖父母の死後、勝手に遺産全ての管理を始めました。母は祖母の形見を欲しがっていますが、叔父は希望通りの遺産分割に同意しなかったことを理由に形見分けを拒否して来ました。こちらは家の鍵がないため祖父母宅に入ることさえもできない状態が続いています。
 仕方なく、審判で形見を評価して相続に含めたいこと、形見を評価するために祖父母宅に入りたい旨主張しましたが、叔父が審判後に前向きに検討すると発言し、審判ではそれ以上とりあってもらえませんでした。祖父母の家と土地は叔父が相続する見込みで、家の中の物は慣例的に家を相続した人の物になると聞きました。このままでは審判後、形見と引き換えに法外な金額の取引を要求されるるのが目に見えています。遺産分割には含まれなかった形見等の動産は、法律では誰の物になるのでしょうか。そもそも祖父母の品物であるはずなのに、叔父が管理しているのが納得できません。こちらが祖父母宅に出入りできないのも納得ができません。法的には、叔父が一方的に管理するのは問題ないのでしょうか?形見を受取る方法もアドバイスを頂けるとうれしいです。できれば審判の中で、形見を受取れる目処をつけたいです。
よろしくお願い致します。

記載内容  不服申立 形見分け 審判 

(にのうで)

 【形見は誰のものか】
 時計や万年筆など、被相続人が愛用した品物を形見としてもらうことがあります。
これらの形見は動産であり、遺産の一部として相続の対象になり、遺産分割が終了していない段階では、形見を含む全動産は相続人全員の共有になります。
動産が遺産分割の対象とされない場合はどうでしょうか。
このような場合には、動産は《価値がないため分割対象にしなかった》と考えられ、その結果《その動産の存在する家を相続した人が処分することができる》と判断される場合が多いでしょう。

【形見を受取る方法】
〔その1〕裁判所が審判では遺産分割の対象としない理由は何でしょうか。
形見として欲しい具体的な品物を指定していないのか、あるいは裁判所が形見には値打ちがないということで取り上げなかったのでしょうか。
もしそうなら、たとえば《オメガの腕時計》などと、価値ある品物を特定して請求するというのも一方法です。

〔その2〕次に、どうしても裁判所が形見をはずして審判するなら、不服申し立てをするということで頑張る方法もあります。
裁判所は不服申し立てされるのは好みませんので、叔父さんを説得する方向で動く可能性もあります。

〔その3〕その1、その2の方法をとったにも関わらず、肩身を遺産分けの対象としない審判が出た後に、形見を分割対象としない審判はおかしいという理由で不服申立をすることも考えられます。
このような不服申立は弁護士に依頼せざるをえませんが、その場合には相手方にも弁護士がつくことが多く、弁護士間で形見を渡すという方向で解決できるかもしれません。

また、不服審判を担当する裁判所で、叔父さんに《形見は渡したらどうですか》という説得をしてくれることもあり、和解をさせるような方向で動く可能性もあります。
なお、この方向を目指すなら、審判の段階で《形見を遺産分割の対象にしないのは不当である》という主張を書面で詳しく展開し、審判の重要な争点としておくとよいでしょう。

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