大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

遺産調査の弁護士費用【Q&A №385】


 祖母がなくなりました。

 私は相続人のうちの一人なのですが、別の相続人が財産を管理していたため、遺産の額が把握できないでいます。
 かなりの額の財産があったはずなのですが、管理していた者は遺産はほとんどないと言っています。
 祖母の現時点の遺産額の把握と、口座の過去の入出金記録を調べて資産の推移を確認したいです。
 ただし、どこの金融機関と取引があったのか、私の方では分からないです。
 弁護士さんに調査していただく場合の費用を知りたいです。
 現時点では裁判は考えておらず、調査だけお願いしたいとおもっています。
 それから、調査していただいた結果は、今後裁判になった場合、証拠として採用してもらえるのでしょうか?

記載内容  弁護士費用 預金 取引履歴

(孫)


【調査に関する弁護士費用について】
 弁護士で相続調査だけを受任するケースは多くはありません。
 当事務所では、以前は遺産調査だけを受任することもありましたが、現在は、遺産調査及びその後の事件の受任をワンセットにして50万円(税別)で事件を受任しています。
 他の事務所でも調査だけを受任しているケースは少ないと思います。いずれにせよ費用は事務所により異なりますので、もし、具体的な料金を知りたいというのであれば、各事務所のホームページを調べたり、直接電話で確認されたりするといいでしょう。
 なお、参考までに申し上げれば、現在の弁護士費用の基準としてよく用いられる(旧)大阪弁護士会の報酬規程では《調査案件》については着手金や報酬を記載していませんでした。
 弁護士は調査をするのではなく、事件を解決する役割だという理解からでしょう。

【弁護士の調査はどこが違うのか】
 弁護士でなくとも、法定相続人であれば、遺産の調査は可能です。
 ただ、どのような調査をしたらいいのか、そのためにどのような手続きをするのかについては弁護士の方が詳しいでしょう。
 又、出てきたデータからどのような結論がでるのか、それを法律的にどのように請求していくのかという場面では弁護士でしかわからない点が多数あります。
 現在は裁判までお考えではないということですが、もし、相手方の法定相続人等が遺産の内容を明らかにしてくれないのであれば、そのような案件は話し合いで解決することは困難な場合が大半です。
 早期の段階で、相続に詳しいお近くの弁護士に依頼し、調査と事件の受任もしてもらうのが望ましいでしょう。

【調査結果は当然、証拠となる】
 裁判や遺産分割調停になった場合、調査した資料は証拠として提出することが可能ですし、場合によれば決定的な証拠になることもあります。
 今回の質問の場合、取引のあった金融機関(正確に言うと支店)を発見できるかどうかが重要なポイントですので、その点に重点を注がれるといいでしょう。

★使い込まれた預金は取り戻せるか【Q&A №336】


 母親は、高齢で、認知症で入院していて、退院の見込みはありません。
 万が一の事があった場合の事を考えています。
 数年前から、母親の年金と貯金を長男が使い込んでいます。
 これは、通帳等を確認すれば、わかると思いますが、何年前までさかのぼって調査する事が可能でしょうか?
 時効はあるのでしょうか?
 また、もし、裁判を起こしたとして、どのくらいの期間を要するのですか?
 費用は、どのくらいかかるのでしょうか?

記載内容  期間 調停費用 裁判費用 弁護士費用 金融機関の取引履歴 特別受益 時効

(KOKO)


【履歴の調査は通常は5年ですが・・】
 まず、《通帳等は何年前までさかのぼって調査する事が可能でしょうか?》という質問にお答えします。
 金融機関は原則として10年間は帳簿を保存しています。
 ただ、取引履歴(入出金の動き)の照会については、通常は照会をした時点から5年間分を回答することが多いです。
 5年分でたりず、それ以前も調査したいというのであれば、頑張れば10年までさかのぼって照会ができるはずです。
 なお、一部の農協や信用金庫などでは、更に遡って履歴が取れる場合もありますが、これはあくまで例外的な場合だとご理解ください。

【時効はあるのか】
① 調査についての時効はありませんが、前項に記載したように、保存期間が経過することにより金融機関に保存されている取引履歴が無くなる可能性がありますのでご注意ください。(お母さんの使いこまれている金銭の返還請求の時効は、場合により異なります。)
② お母さんの同意を得ない使い込みについては不当利得返還請求が可能ですが、これは取り込み行為から原則10年間で消滅時効にかかります。
③ お母さんの同意を得て、贈与を受けているという場合には、特別受益になる可能性がありますが、その場合には時効はありませんので、全ての特別受益が遺産に繰り戻されます。

【裁判や調停を起こした場合の期間について】
 遺産分割については裁判前に調停を起す場合が多いですが、通常は5回前後(期間でいえば6~8ケ月程度)で解決することが多いように思います。
 ただ、案件により異なりますので、あくまで目安とお考えください。
 次に裁判をする場合には、これも案件により異なりますが、通常は判決まで2年間程度かかることが多いように思います。

【費用はどの程度かかるか】
 費用としては、調停を申し立てした場合には、申立費用として印紙が1200円(被相続人が1人の場合)、郵便切手を数千円程度、裁判所に納付する必要があります。
 裁判になると、仮に1000万円を請求すると、訴状に貼る印紙は5万円で、2000万円を請求する場合には8万円の印紙を貼る必要があります。これに郵便切手が数千円程度かかります(但し、相手方が多い場合には増額されます)。
 なお、弁護士に依頼すると、弁護士に依頼したときの着手金と事件が終了した場合の報酬を支払う必要があります。
 この費用は、紛争の対象となる金額及び事件の難かしさ、弁護士の経験等により異なりますので、弁護士に法律相談する際、確認されるといいでしょう。

★母が姉に援助した生活費は特別受益か【Q&A №327】


 今年の8月に被相続人である母が亡くなりました。相続人は3人おり、それは私と私の姉(母の死亡前に死亡)の子供2人です。私の姉は生前に母から1000万以上の生活援助を受けていました(約20年前から)。
 母曰く、服飾品の購入や家屋の購入における一部負担(100万)、子供の結婚資金(300万)、配偶者の自己破産のための弁護士費用等々に充てたのだと。こうした姉の行為を見かねた母は、金銭に関する一連の事実を姉の子供、つまり今回の相続人にも伝え、彼らもその事実を了解していました。
 その時のやりとりはテープに録音してあります。しかしながら、母は昔気質の人間なので、こうしたことを身内の恥といい、金銭に関する契約書は残していません。
 そんな中で、この度の母の相続が発生しました。こうしたものは特別受益となりますか?なるのであれば、他の2人の代襲相続人に持ち戻しをしてもらおうと考えておりますが、それは可能でしょうか?(因みに、代襲相続人は自分の母親が母に対して借金をしていることは認めています。)

記載内容  結婚資金 貸金債権 相続人以外への贈与 弁護士費用 生活費援助 代襲相続人の特別受益

(BASTILLE)


【貸金は遺産であり、特別受益にならない】
 質問の中で、「代襲相続人は自分の母親が母に対して借金をしていることは認めています」との記載があります。
 これを前提にすると、被相続人であるお母さんがお姉さんに対して貸金債権を持っていることになります。
 貸金債権は遺産の一部であり、あなたと2人の代襲相続人が相続します。
 ただ、お姉さんが死亡しているので、その貸金債務はお姉さんの債務の相続人である2人の子供が2分の1の割合で債務負担することになります。
 そのため、あなたは、お母さんから貸金債権の2分の1を相続したとして、その2人の子供に貸金請求をすればよく、特別受益の問題は発生しません。

【相続人以外の者への贈与と特別受益】
 貸金債権ではないとした場合には、次の点が問題となります。
 今回の質問では、子供の結婚資金300万円、お姉さんの夫に対する弁護士費用の負担が問題とされています。
 これらの負担が子供やお姉さんの夫に対する贈与と仮定すると、相続人はお姉さんですので、相続人以外の他人への贈与になり、お姉さんの特別受益にあたらないのではないかという点が問題になります。
 結論から言えば、相続人以外の人への贈与は原則として特別受益にはなりません(この点については過去のブログ(Q&A 324 )および判例散策(「【判例散策】昭和55年5月24日 福島家庭裁判所白河支部」参照)を参照ください)。
 なお、代襲相続の原因発生(お姉さんの死亡)以後に代襲相続人が結婚資金の贈与を得ている場合には特別受益になる可能性がありますが、質問では代襲相続以前に結婚資金を与えているようですので特別受益にならないと思われます。
 又、披露宴の費用などは、社会通念上相当な範囲を超えない限り特別受益にあたらないという考え方もあることをお知らせしておきます。

【生活費援助は特別受益にはなりにくい】
 生活費の援助として毎月、お金をもらっていたような場合にはどのように考えればいいかという問題点もあります。
 総計で1000万円以上ということですが、そのうち家屋購入に100万円、子供結婚資金に300万円、お姉さんの夫の弁護士費用の負担(通常、自己破産申立なら30万円程度)を控除すると、残額は500万円から600万円程度になるでしょう。
 仮に上記控除後の残額を600万円とし、生活費を20年間、毎月均等にもらっていたとすると、600万円÷240ケ月=2万5000円になり、月額では2~3万円程度をもらっていたことになってしまいます。
この程度の金額の生活費の援助なら、親族間の扶養義務の履行として判断される可能性が高く、特別受益とされる可能性は低いでしょう。

【結局、貸金として請求するのが一番、有利な方法】
 以上に述べたところを整理すると、結局、お母さんからのお姉さんらへの金銭交付については、全てをお母さんからのお姉さんへの貸金として考え、これが遺産の一部として承継するという前提で遺産分割協議をするのがあなたにとって一番有利な方策になります。

★兄が依頼した弁護士の報酬【Q&A №229】


 遺産分割と弁護士法

 私の母は、一人っ子ですでに他界しています。その後すぐに、祖母(母の母)が亡くなり、その祖母の遺産相続権が私たち兄弟三人に発生しました。私は三人兄弟です。祖母は2年前に亡くなり、私が祖母の死の知らせを聞いたのは、亡くなって3カ月後でした。(祖母と母はあまり行き来がなかったので)
 預貯金や現金などは兄がもっています。税金も兄が支払っているようです。兄は弁護士を雇い、私に連絡してきましたが、預貯金のコピーを見せてほしいと申し出てもみせてくれません。また、祖母の土地と建物を売却しようとしたが、買い手が見つからなかったと記されており、さらには、弁護士費用は40万かかるので、3人で折半して支払うよう弁護士から請求がきました。
 弁護士からは最初に兄の代理人であるので、兄とは接触なくようという手紙をもらいました。また私は祖母の土地建物の売却には賛成していません(それも手紙に記して送っていました)勝手にそのようなことを行う兄と弁護士に不信感を募らせています。この弁護士は弁護士法に違反しているのではないでしょうか。私は弁護士費用は支払っていません。

記載内容  弁護士費用 弁護士法

(コーン)


【事件を依頼していない人は、弁護士報酬を支払う必要はない】
 弁護士に対する報酬は、弁護士に事件を依頼した人が支払うものです。
 お兄さんが頼んだのであればお兄さんが支払うべきものです。
 事件を依頼していないあなたが、お兄さんの弁護士に報酬を支払う必要はありません。

【利害対立する双方から弁護士費用をもらうと問題になる・・】
 今回の質問では、お兄さんが依頼した弁護士が、事件の相手方であり利害の対立するあなたに報酬等の弁護士費用を請求するのは、弁護士として次の問題点が発生します。
 ① 依頼を受けていない人に弁護士費用を請求することは法律的な根拠がなく、違法である。
 ② 相続人として利害が互いに対立するお兄さんとあなたの双方の代理人となるのは、違法である。
(なお、お兄さんとあなたの双方から、《利害対立しているのはわかっているが、それでも代理人になって欲しい》と頼まれたというのなら、問題はありません)

【弁護士はあくまで一方当事者の味方】
 弁護士が今回のような遺産分割事件でお兄さんの代理人として登場してきたとすれば、それはあくまでお兄さんの利益を図る、お兄さんの側の弁護士として行動する必要があります。
 相手方であるあなたの代理人を兼ねた場合には、弁護士としては、利害対立する双方の利益を図ることは不可能です。
 そのため、弁護士に適用される法律(弁護士法)では、《双方代理》の禁止という原則を定めており、これに違反すると弁護士会から処罰(懲戒処分)されることもあります。
 お兄さんの弁護士が報酬の支払いを請求してきても、あなたとしては支払う必要はありませんし、あまりしつこく請求してくるのであれば、一度、地元の弁護士会に相談されるといいでしょう。

【預金通帳を見せない場合の対応策】
 預金通帳のコピーを請求しても、相手方の弁護士が見せてくれないということですが、お兄さん側としては預金通帳を見せる義務はありません。
 遺産である預金の通帳も見せる義務もなければ、ましてやお兄さん独自の預金通帳を見せる義務も全くありません。
 通帳の開示に応じない場合には、遺産である預金をお兄さんが使い込んでいるようなケースが極めて多いので、是非、あなた側で独自に調査することをお勧めします(調査方法については当ブログの、Q&A №98 をはじめとするカテゴリ( 参考カテゴリ:「遺産調査」 )をご参照ください)。

【お祖母さん名義の土地の売却はできない】
 なお、被相続人であるお祖母さん名義の土地については、相続人であるあなたの同意なしに勝手に売却することはできません。
 あなたとしては、お兄さん側の用意した書面に実印を押したり、印鑑証明書を手渡すようなことでもしない限り、登記の移転もできませんので、この点は安心されて結構です。

遺産調査・限定承認の費用は?【Q&A №77】

 
平成23年5月23日に死亡した姉の遺産相続についてお訊ねします。

 姉には配偶者も子供も直系尊属もいませんので、法定相続人は姉妹3人と、先に死亡している姉妹3人の子供で代襲相続人となる5人の合計8人です。
 遺言の有無は分かりませんし、今分かっている遺産としては1700万円の預貯金だけです。他には先に死亡した姉妹が受取人となっている100万円の死亡保険金があります。負債の有無も不明です。
 葬儀費用、死亡までの入院費用、故人のアパートの整理等にかかる交通費一切の諸経費は私が立て替えています。
 姉は一度結婚後離婚し、後は死亡まで独身でしたが、本籍地が遠いため出生から死亡までの戸籍謄本を集めるのも大変です。

質問
1、遺言の有無(法定相続人以外の受遺者がいないか等)の調査はしなければならないか。
2、負債の調査にかかる弁護士費用はどれくらいか。
3、マイナス遺産の有無が不明なので、限定承認したい。
 限定承認手続きの依頼をする際の、弁護士費用(実費を除く)の目安はどれくらいか。
4、同居もせず、同一生計でもなかった姉の場合でも、葬儀費用は先取特権に基づいて、遺贈や負債に優先して遺産から回収できるか。
5、限定承認に必要な戸籍全部の収集を依頼したら手数料はどれくらいか。

記載内容  葬儀費用 限定承認 弁護士費用

(紫陽花)


【遺言の調査はした方がよいでしょう】
 遺言を調査しなければならないという法的な義務はありません。
 しかし、遺言があれば、それはお姉さんが残した財産をどのようにして欲しいのかという意志ですので、その意思を尊重するべきでしょう。
 後に遺言が発見された場合、一旦行った遺産分割をやり直すことにもなり、相続人や受遺者との間で無用な紛争を生じる可能性が高いです。
 そのため、お姉さんの住んでおられた自宅を探し、友人に確認し、公証役場にも問い合わせするなど、可能な限り遺言書を探すことが必要です。

【弁護士費用の一般的な基準はありません】
 弁護士費用については、かつては弁護士会で報酬規定が定められていましたが、現在では、この報酬規定は廃止されました。
 ただ、多くの事務所で、現在も過去の報酬規定に準拠した形で弁護士費用を決定していることが多いですが、報酬規定にとらわれずに弁護士費用を決定する事務所もあり、一概に弁護士費用がいくらかとはいえないのが実情です。

【遺産の調査費用について】
 当事務所の法律関係の調査については、過去の報酬規定では実費とは別に5万円から20万円という範囲でしたが、複雑な調査案件は弁護士との協議により決定されることとなっていました。
 一般に相続に関する調査は相続関係や遺産全体の調査、取引履歴の調査等、極めて複雑なことが多く、これも一概には言えないです。
 負債だけの調査ということですが、借入先がわかっているケース、わかっていないために主だった金融機関や保険会社等に連絡をして確認するケース等、いろんな場合があり、弁護士費用も一概に申し上げられないというのが実情です。

【限定承認の弁護士費用】
 限定承認自体はあまり使われない制度ということもあり、過去の報酬規定でも、限定承認の報酬についての定めはありませんでした。
 本件では、遺産全体の規模や負債の想定額や債権者数、相続人の数等を判断して、どれだけ手間がかかるのか、あなたがどれくらいの利益を受けるのかを総合考慮して具体的な弁護士費用を決めることになると思いますが、総遺産額の10%程度の費用というのが目安になるかもしれません。

【戸籍の取寄費用について】
 戸籍については、弁護士が戸籍を収集するだけの依頼を受けることは少なく、遺産の調査やその後の手続も含めた作業の一環で戸籍を取寄せする場合が多いです。
 なお、相続のために必要ということであれば、弁護士でなくとも、相続人であれば相続に必要な戸籍謄本、除籍謄本はもらえます。
 現地にいかなくとも、郵送で取り寄せできるはずですので、どのようにすればいいのかを戸籍のある市町村等に電話等で確認されるといいでしょう。

【葬儀費用について】
 葬儀費用は、死後に生じた費用であって、遺産ではないという理解が一般的ですので、遺産そのものから控除することは困難です。
 ただ、葬儀に相続人全員が出席していたような場合であれば、共同の経費として相続人で分担すべきだとされることが多く、結局、遺産の分配時に清算される場合が多いです。
 なお、先取特権は、葬儀会社の有する債権についての優先権を付与したものであって、葬儀費用を出した者が他の相続人に対して請求する立替金(あるいは分配金)請求の場合には適用されません。

亡父の借金についての相続手続き【Q&A №74】


 今年の2月に父親が他界いたしました。
 20年ほど前に父母は離婚しており、その際、子供たち(3人)は母親側についた形としました。
 その後、子供たちも父親とはそれほど深いつきあいを続けてきたわけではありませんが、亡くなった際は身よりが他にいないということもあり、私(長男)が葬儀を出しました。
 特に整理するべき資産もないだろうと思い、手続き等はしていなかったのですが、先日6月に入って役所より生前の税金について滞納している分の支払を行うよう通知がありました。
①すでに死亡してから3か月以上たっているため、相続放棄(限定承認?)の手続きはできないのでしょうか?
②子供3人が放棄できたとして、そのあとは、父親の兄弟(3人いることは知っているが生死不明)が相続対象となるという理解ですが、もし、父親の兄弟が亡くなっている場合には、それが、私の子供などにも引き継がれることになるのでしょうか。
(いったいどこまで引き継がれるのか・・・)
③一般的に弁護士もしくは司法書士の方に手続きを依頼する場合には、費用はどの程度かかるものなのでしょうか。

記載内容  相続放棄 熟慮期間 弁護士費用

(キートン)


【相続放棄期間経過後の相続放棄について】
 相続放棄は、相続が開始されたことを知って3ヶ月以内に手続をする必要があります(法律上は、この期間のことを熟慮期間と言います)。
 ご質問の件では、お父様の葬儀を執り行われた2月には、相続開始を知っていたことになりますので、現在(6月)では既に3ヶ月以上が経過しており、相続放棄は難しいでしょう。
 ただ、相続開始時点では債務があることを知らなかった場合に、例外的に、熟慮期間を過ぎた後の相続放棄を認めるケースもあります(当事務所では、死亡後約10年近く経過し、債権自体の時効が完成し消滅する直前の時点で保証債務の請求を受けた事例で、相続放棄を認めさせた案件がありました。但し、このケースは相続人に相続債務を負担させるのが極めて気の毒な案件でした)。
 したがって、できるだけ早く家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出されることをお勧めします。
 なお、申述書には、3ケ月内に相続放棄の手続をできなかった事情を丁寧に記載されるとよいでしょう。

【相続放棄により、孫が債務を引き継ぐことはない】
 被相続人(お父様)の子3人が相続放棄した場合、次順位の相続人である①お父様のご両親、(ご両親も亡くなっておられれば)②ご兄弟姉妹、という順序で次々と相続人が変わっていきます。
 しかし、被相続人の子供(孫)らが相続人になることはなく、相続債務を子供(孫)が引き継ぐことはありません。

【弁護士等に依頼する場合の費用について】
 各弁護士により、相続放棄の費用は異なります。
参考までに言えば、当事務所では、10~20万円程度ですが、依頼する人数(放棄する相続人が多ければ高くなります)や案件の難しさにより、費用が異なります。
 なお、弁護士に依頼する場合、相続放棄の書類の提出だけではなく、相続に関する相談や債権者との対応等もしてくれる場合が多く、それが弁護士に依頼する良さでしょう。
 ただ、あなた一人であれば、多くても15万円程度だと思います。

弁護士報酬が高いと思ったら・・・【Q&A №21】


 伯母の遺産相続の事でおたずねします。
 伯母は結婚もしておらず子供もいない為、亡くなった時は、長男であるうちの父に、そして長年お世話をした母にすべてを託すと遺言をのこしてなくなりました。
 ただ伯母がなくなる前に父のほうが数ヶ月早くなくなってしまったことで、遺言の効果が亡くなってしまったたのです。
 母の遺留分の請求したく弁護士を紹介していただきました。この弁護士(と名乗る」は、遺産相続人の特定を間違え、そのため相続人ではないと特定された、父の姉妹が怒り出し、話し合いが立ち行かなくなってしまいました。さらに相手に有利にすすんでしまいました。なのに手付金30万。報酬は16%を請求されています。このまま支払わなければならないんでしょうか。
 いくらくらいが弁護士の報酬金の平均なんでしょうか。遺産分割の段階で、この弁護士が勝手に報酬金を、引き落としてから私たちに分配なんて事にはなってしまわないでしょうか?
ご回答よろしくお願いいたします。

記載内容  弁護士費用 報酬基準 紛議調停

(さつき)


今回は実関係がわからない点がありますので、法律的なコメントは差し控えます。
さて、問題は弁護士費用が高いかどうかですが、回答は次のとおりです。

【弁護士費用の基準はあるか?】
 昔は日本弁護士会や各地の弁護士会が、弁護士費用の基準を出していましたが、現在では、このような基準はありません。
 しかし、多くの弁護士が、従来定められていた弁護士会の値段を参考にして、弁護士費用を請求しているのが実情です。

【あなたの場合の弁護士費用について】
 今回のご質問では、財産総額や事件の難しさなどはわかりませんので、着手金の30万円が相当であるかどうかは判断できません。報酬について言えば、昔の弁護士会の基準では、裁判や訴訟上の和解で終了したような場合には、獲得した利益が300万円以下であれば報酬はその16%と規定されていました。
 しかし、遺産であることがはっきりしており、かつ争いなく支払がされるような場合には16%というのは高すぎるでしょうし、裁判まで行かずに調停などで解決した場合にも減額をしてもらえることがあります。
 また、事件の難しい中で弁護士がよく頑張ったケースであるとすれば、16%でも安いということになるかもしれません。

【どうしても報酬に納得できない場合は・・】
 どうしても報酬額に納得できない場合は弁護士会に相談するという手もあります。
この場合は、紛議調停 http://www.nichibenren.or.jp/ja/trouble/で報酬が相当かを話し合うことになります。

【弁護士が一方的に報酬をとることについて】
 法的に言えば、弁護士が事件の相手方から得てあなたに渡すべき金銭と、報酬を相殺(差し引き)することは可能でしょう。ただ、報酬額について合意がない場合に一方的に相殺することについては問題があります。
 もしそのようなおそれがある場合には、弁護士に一方的な相殺をしないように書面で申入れをしておくことをお勧めします。

☆ワンポイントアドバイス☆
報酬については書面で合意する
 弁護士費用は、紛争の対象となる財産総額や獲得した財産的利益、事件がむずかしいかどうか等で変わってきます。そのため、弁護士は事件の内容を聞いた後、報酬の見積もりを出し、支払う内容を明らかにした書面を作成します。
 そのあたりをはっきりさせない弁護士には、事件を依頼しないほうがいいでしょう。

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