大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

認知症の伯母の多額の預金が引出されたことが相続時に判明した【Q&A №582】


【質問の要旨】
窓口出金時の付添人を調べる方法はあるのか?

記載内容  認知症 引き出し 騙された

【ご質問内容】
 遠方の伯母が認知症になり、嫁ぎ先の地で数年の療養を経て、半年前に亡くなりました。
 相続にあたり銀行に確認したところ、療養中、自分で歩けないにも関わらず誰かが付き添って窓口へ行き預金を引き出していた(8年前)ことがわかりました。

 私は時々伯母の様子をみに行っていたのでわかるのですが伯母は多額の現金を使うことなく死亡しており、誰かに騙されて預金を引き出したこと、引き出した現金をその誰かに取られてしまったことを疑っております。
 相続人として問い合わせましたが銀行からは預金引出しの状況を教えてもらえず、事件性を考え警察に相談に行きましたが、
回答がありません。誰が現金引出しに付き添ったか知りたいのですが、銀行から書類等見せてもらう方法はないでしょうか?

 伯母の亡き夫の親族が伯母の近くに住んでいて入院や施設入所時保証人になっていたのでもしかして伯母は騙されたのではと思うと悔しくてなりません。以上宜しくお願い致します。

(太郎)


【あなたが伯母さんの相続人であれば、調査できます】
 あなたが伯母さんの相続人である場合には、他の相続人の同意などはなくても、あなた一人で、被相続人である伯母さんの預金の取引内容を調査することができます。
 かなり昔には、ほとんどの金融機関が相続人全員の同意がない限り、履歴の開示請求には応じませんでした。
 しかし、平成21年に最高裁判所で、相続人全員の同意がなくても、被相続人の預金の取引内容を開示しなければならないとの判断をしました。
 この裁判例以降、現在は、ほぼ全ての金融機関が単独請求の場合でも、履歴の開示をしています。

【取引内容調査の方法】
 まず、取引履歴(その金融機関での入出金、振替等の取引内容がすべて記載された履歴)の開示には、あなたが相続人であることを裏付ける資料(被相続人の除籍謄本、あなた自身の戸籍謄本)とあなたの本人確認資料(運転免許証など)が必要となります。
 ただ、金融機関によっては、そのほかに実印や印鑑証明書等がいる場合もありますので、取り寄せる前に必要書類を問合せておくとよいでしょう。
(なお、被相続人の預貯金履歴手続については(Q&A №98Q&A №205ほか参考カテゴリ:「遺産調査」に詳しく記載しているのでご参照ください)

【取引履歴を取得出来たら、使途不明金を絞りこむ】
 伯母さんの金融機関の取引履歴の取り寄せができたら、次に怪しい出金がないかどうかを検討します。
 履歴の摘要欄や支払時期などを見ても使途がわからず、他の金融機関に移された形跡もないような出金があれば、それは不正出金の可能性があります
 ただ、生活費の出金もあるかもしれませんから、ある程度、多額の出金に絞るといいでしょう。

【次に出金手続きの確認をする】
 取引履歴には、出金方法も記載されている場合が多いと思いますので、それを確認します。
 出金が窓口でなされていれば、払戻伝票を取り寄せて筆跡を確認するといいでしょう。
 また、ATM出金であればどこのATMが使われたか、伯母さんは当時ATMを使用できるような状態だったか等を検討していくことになります。
 これらの作業をしていく中で、使徒不明金を把握していきます。

【付き添いで来ている本件のような場合は・・】
 ただ、今回のケースでは、被相続人が金融機関に行ったが、その際、付添人がいたということです。
 そうすると、払戻手続きをしたのは、被相続人の伯母さん自身であり、払戻伝票の筆跡は伯母さんの可能性が高いということを考慮しておく必要があるでしょう。
 伝票だけでは付添の人が誰であったのか、又、その人が引き出したお金を使ったのかどうかは判明しないことが多いです
金融機関としては本人が来て、手続きをしている以上、そのお金が誰に渡ったのかなどは、手続き外のことであり、《関知しないこと》という態度をとります。
 これらの点を考えると、単なる履歴照会では問題は解決しないと思われます。

【弁護士の知恵を借りるのがいいでしょう】
 付添の人が誰であったのか、払戻された金銭は誰に渡ったのか、そのような点まで調査するのはかなりむずかしい作業です。
 できれば、早い段階で、相続に詳しい弁護士に相談されるといいと思います。
 弁護士は、法律に基づき金融機関等に対して調査することができます。
 本件ケースでは、詳細な事情を説明して、弁護士の知恵と能力を使うことを考えられるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)

亡父の預金引き出しと相続放棄【Q&A №553】

【質問の要旨】
相続放棄したら仕送りしていた金銭はどうなるのか

記載内容 預金 引き出し 承認

【ご質問内容】
父の死亡後、多額の負債の連帯保証人をしていたことがわかり、子である私たちきょうだい三人全員が相続放棄をすることになりました。
遺産は預貯金40万円ほどと軽自動車1台。ほかにはありません。
父は年金と私たちきょうだいからの仕送りで生活していました。
相続を放棄してしまうと預貯金から仕送り分を返してもらうことはできない、という解釈であっていますか

(おがわ)


【仕送りは貸金ではない】
親子間では困っていたら助け合う義務(扶養義務といいます)があると定められています(民法第877条第1項。末記条文を参照ください)。
子が親に仕送りするような場合にはこの扶養義務の履行に該当すると考えられます。
そのため、子から親に対する仕送りは貸金ではなく、返還を要しない贈与となり、親は返還義務を負いません
そのため、お父さんの遺産から返還を受けることができないという結論になります。

【参考説明:子の親に対する貸金と子の相続放棄との関係】
前項で述べたように、親に対する仕送りは貸金ではないと考えられます。
ただ、本件の質問を離れて、仮に子が親に貸金があった場合、相続放棄との関係がどうなるかも説明しておきます。
相続放棄とは遺産の相続をしないということです。
子であるあなた方が相続放棄をした場合、お父さんの遺産である車や預貯金40万円を相続することはできません。
しかし、子が親に対して貸金のような債権を持っていた場合、子が相続放棄しても、その貸金債権はなくなりません。
相続放棄は親からの遺産をもらわないということであって、あなた方が従来から持っている親に対する貸金債権までなくなることはなく、あなた方は親の遺産に対して貸金の請求ができます

【参考説明:相続財産管理人の選任が必要】
問題は、この請求をした場合に、誰が支払いをしてくれるかです。
相続放棄をしない場合、法定相続人が遺産の権利者になりますので、その権利者の権限として遺産を自由に処分でき、債務の支払いもできます。
これに対して、相続放棄をした場合、その放棄した相続人は遺産を自由に処分する権限はなく、債務の支払いをすることができません
相続放棄をしない法定相続人がいれば、その人が遺産と債務を承継しますので、その人に支払い請求をすることになります。
もし、すべての相続人が放棄をした場合で、貸金を有している債権者が債権の支払いを求めたいのなら、その債権者が家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立をする必要があります。
選任された相続財産管理人が遺産を管理・調査し、債権者に支払いをしてくれます。
ただ、財産管理人選任の申立をする場合、原則として、予納金として裁判所に90万円から100万円を納付する必要があります。
今回の質問の場合、遺産が少ないのでそのような手続きはするメリットはないでしょう。
なお、財産管理人が選ばれた場合、この申立をした債権者の債権の弁済が優先されるわけではなく、債権額に応じた平等弁済になることも理解しておかれるといいでしょう。

【勝手に遺産から弁済をうけた場合の扱い】
相続放棄したにもかかわらず、その放棄した方が遺産から勝手に貸金の返済を受けた場合、その相続人は遺産を取り込んだとして、相続放棄の効力がなくなることがあります
相続放棄が無効になった場合、その相続人は、お父さんの債権者から請求があれば債務の支払いをしなければならないこともありうることにご注意ください。

民法 第877条
(扶養義務者)
1.直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
(以下略)

(弁護士 大澤龍司)

★遺産を相手方に確保された状況での対応策【Q&A №368】

U
 昨年10月に父が亡くなりました。相続人は父の再婚相手である後妻と特別養子である私の二人です。
後妻はすぐに弁護士と税理士に依頼したそうです。その弁護士から、「遺言書はなく法定相続分50%ずつです。」と連絡がありましたが、こちらで調べたところ、後妻が死亡後も毎日お金を引出ておりましたので、口座凍結をいたしましたところ、後妻よりクレームの電話(脅し文句もありました)その後、後妻の弁護士に今後どの様にしたいのか?確認しましたが、「もうちょっと待ってくれ!」の一点張り。
 また、現在共有財産である不動産収入も独り占めされてます。
 今後どの様にすれば、対抗できるのでしょうか?ご指南宜しくお願い申し上げます。

記載内容  引き出し 口座凍結 遺産の賃貸賃料 死後の預貯金引出

(孤高の旅人)


【被相続人の死亡と金融機関口座の凍結】
 被相続人(お父さん)が死亡した場合、金融機関の口座は凍結されるはずです。
 ただ、金融機関が被相続人の死亡を知らない場合には、従来どおり、預貯金の引き出しができることがあります。
 本件の場合は、後妻さんが、お父さんの死亡したことを金融機関に知らせずに、代理人ということで金銭を引き出したものと思われます。

【まずは金融機関の口座の凍結をする】
 被相続人であるお父さんの死後に、後妻さんが預貯金から出金していたのであれば、金融機関にお父さんの死亡を通知して、口座の凍結を求めるのはやむをえない処置です。
 その点でなんら非難されることではないでしょう。
 むしろ非難されるべきは、お父さんの死亡を隠して預貯金を引き出した後妻さんでしょう。

【不動産の賃貸収入について】
 被相続人が不動産を賃貸している場合、死後の賃料は法定相続分に応じて、相続人に分割されます。
 そのため、後妻さん(弁護士がついているのならその弁護士)に死後の賃料の半額を請求するとよいでしょう。
 それでも後妻さん側が賃料を支払わない場合には、賃借人に対して、《賃料の半分を当方に払いこんでください》と通知を出して、賃借人に賃料を供託させるという方法もあります。
 しかしこの方法は、賃借人に迷惑をかけることになります。
 ただ、賃借人が賃料の支払い先である後妻さんに連絡し、問題を解決するように申し入れ、そのことにより相続問題が解決に動き出す可能性がありますので、とるべき方策の一つとして考えてよいでしょう。
 それでも後妻さん側が動かない場合には、調停等の手段を考えるしかないでしょう。
 なお、相手方に弁護士がついているケースでは、当方も弁護士に依頼し、問題を解決することが迅速な解決につながることもあります。
 とりあえずは相続に詳しいお近くの弁護士に法律相談をされ、必要に応じて事件を依頼されることをお考えになるといいでしょう。

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