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遺産分割後の情報開示はできないのか【Q&A №344】


 父が亡くなり遺産分割は終了したのですが、ここに来て被相続人が2つの銀行に預金を持っており1つの銀行の預金を隠して遺産分割を終了した事がほぼ明るみになりました。

平成21年1月22日の最高裁判例では、遺産分割協議前の被相続人の預金開示は相続人1人でも開示可能との判例が出されたようですが、遺産分割後では被相続人から権利が移行しているのを理由に銀行は被相続人の預金開示を拒んでいます。

これからどのような戦いをしていけばよいのでしょうか?
遺産分割の無効を訴えて行けばおいのでしょうか?
御教授願います。

記載内容  名義変更 預金 情報開示 照会

(キューブ)


【取引履歴の開示は相続人一人でも請求できるのが判例だが・・】
 質問に引用されている判例(最高裁判決平成21年1月22日)により、相続人であれば、他の相続人の同意なしに預貯金口座の内容(履歴等)の開示を請求することができ、金融機関はこれを拒むことはできません。

【遺産分割後は事情が違う?・・・他の相続人が預貯金を取得する場合】
 ところが質問では、遺産分割が終了しているようであり、そのことを理由に金融機関があなたに対する履歴の開示を拒否しているようです。
 金融機関の立場に立ってどのような拒否理由があるかを考えてみましょう。
 まず、遺産分割協議により、開示を請求している預貯金口座があなた以外(たとえばAさん)が取得すると合意される場合があります。
 この場合にはその預金は既に被相続人のものではなく、Aさんという人の口座ともいうべきもの(要するに他人の口座)ですから、金融機関としては、その口座の履歴の開示を拒否することもできるという判断も可能かもしれません。

【遺産分割の対象となっていない預貯金は被相続人のもので開示が必要である】
 しかし、質問では遺産分割の対象となっていない預貯金の開示を拒否しているようです。
 被相続人の預貯金で遺産分割の対象となっていないのであれば、現在も被相続人のものですので、金融機関としては開示を拒否する理由はないと考えられます。
 あなたとしては、この点を根拠に金融機関に開示を請求するといいでしょう。

【それでも金融機関が開示に応じない場合には】
 あなたが頑張っても金融機関が開示に応じない場合には、一度、弁護士に相談されるといいでしょう。
 弁護士は弁護士会を通じて金融機関に照会をかけることができます。
 この照会は弁護士法という法律に基づく照会ですし、弁護士会から照会の書面が行きますので、金融機関が回答をする可能性もあると思います。
 なお、それでも、開示を渋るようであれば、弁護士が直接金融機関と交渉して、開示させるように働きかけることもできます(前記判例が出る前には当事務所でも、直接金融機関に開示するように説得し、これに応じて開示された場合もあります)。

 それでも開示しない場合には、弁護士から《開示しないと損害賠償請求をする》との内容証明を金融機関に出すという手も考えられます。
 遺産分割無効訴訟をするというのは最後の手段になりますが、無効を主張できるだけの根拠があるかどうか、弁護士と協議が必要でしょう。
 いずれにせよ、あなたとしてはできるだけの努力をし、その後は弁護士と相談して、対策を考えられるといいでしょう。

 なお、同種の問題を当ブログ、Q&A №342【遺産相続後のトラブル】でも取り上げていますので、ご参照ください。

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