大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★親の生活費を負担しないことが特別受益になるか【Q&A №394】


 20年親に生活費をいれてない弟夫婦、遺産相続の時この期間を特別受益と証明できますか?

記載内容  親の生活費 扶養義務 特別寄与

(ココ)


【親が生活に困っている場合には、子は扶養料を支払う義務がある】
 親子は直系血族ですので、互いに扶養義務を負います。
 そのため、親が生活に困っているようであれば、子供は扶養料を支払うべき義務があります(参照条文:民法877条。末記参照)。
 しかし、親が生活に困っていない場合には扶養義務はなく、子供が親の生活費を負担する必要はありません。

【親の生活費を負担しないということだけでは相続問題にならない】
 親が生活に困っているのに、弟さんが生活費を負担せず、あなたが生活費を負担したということであれば、それはあなたが扶養義務を尽くしたということであり、相続の問題ではありません。
 ただ、あなたの立場から言えば、自分が出した過去の養育料を弟さんに請求できるかという問題です。
 結論から言えば、弟さんの収入や生活状況とあなたの分とを比較して、同程度であればあなたが請求(求償)できる場合もあるということになりますが、むずかしい問題ですので、詳しくは家族問題に詳しい弁護士と相談されるといいでしょう。

【特別寄与になる場合がある】
 親が困っていないのに、親に仕送りをし、その分、親の財産の減少が食い止められたあるいは増加したというのであれば、相続の特別寄与の問題となる可能性があります。
 特に扶養義務を明らかに超えるというほど送金しておれば、特別寄与の対象となり、遺産から先に寄与分相当額を支払ってもらえるかもしれません。
 なお、この寄与分については、まず、法定相続人間で協議し、協議がまとまらない場合には家庭裁判所で決定することになります。

《参照条文》
民法第877条
1.直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
 (以下略)

姉の入院費用の支払い義務【Q&A №359】


 別居の姉が先日亡くなりました。
 入院にあたって、姉は、保証人の欄に自分で私の名前と住所、電話番号を書いていましたので病院から、生前の入院費と今回の入院費の請求をされています。(保証人の欄に押印はありませんでした)払わなければならないのでしょうか?
 姉の入院は亡くなってから知りました。両親も他界し、親族は私だけです。
 相続する預貯金、財産、生命保険等は一切ありません。

記載内容  保証 入院費用 扶養義務 相続放棄 他人の署名・捺印

(ごんちゃん)


【問題点は相続としての債務とあなた自身の債務の2点です】
 今回は、書面上であなたの署名がされた形になっているので、あなた自身が(保証人としての)債務を負うのかどうかという点、次にお姉さんの負っている債務(主債務)についてあなたがお姉さんの相続人として債務を負うかという点の、2点です。

【あなた自身の債務はない】
 まず、あなた自身の保証債務について回答します。
 あなたのお姉さんが、あなたの署名をすることについて、あなたが同意あるいは黙認していたような場合には、保証人としての責任を問われることがあります。
 しかし、そうでないなら、あなたが署名も捺印していないのだから、原則としてあなたが(保証人としての)債務者になることはありません。
 なお、あなたはお姉さんの兄弟姉妹になりますので、扶養義務があります(末記条文を参照ください)が、それは親族内部の関係であり、第三者である病院があなたの署名・捺印もなく、又、同意もしていないのにあなたに保証債務を請求することはできないでしょう。

【相続債務の対策・・相続放棄を考える】
 ただ、お姉さんは、病院に対して支払債務を負います。
 そのお姉さんが死亡したので、その債務は相続人に承継されます。
 その債務を負いたくないというのであれば、死亡を知って3ケ月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続きをするといいでしょう。
 ただし、相続放棄をした場合、あなたは債務を引き継ぐことはなくなりますが、同時にお姉さんから遺産をもらえなくなります。
 従って、相続放棄をする場合には、お姉さんの財産と負債とを比較して、負債が多いというような場合に放棄をすればよいでしょう。
 なお、財産の方が多いということであれば、お姉さんの債務は支払わざるを得ないでしょう、
 具体的な相続放棄の手続きにつきましては、お近くの家庭裁判所に確認されるといいでしょう。親切に教えてくれると思います。

【弁護士に相談することも考える】
 質問では病院からの請求があるようですが、相続放棄をするのなら、その後に相続放棄をしたことを主張すればいいでしょう。
 なお、病院が保証人としての債務を主張してくるのであれば、署名捺印をしていないということを主張すればいいでしょう。
 それでも病院が納得しないのであれば、弁護士に相談して、対策を協議されることをお勧めします。

【参照条文】
《民法第877条(扶養義務者)
1 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。》

義理の母も相続するのか【Q&A №337】


 旦那(三男)他界して一年過ぎ、
私67歳・長男息子夫婦・孫中学生2人 で息子夫婦と暮らしております。孫もこれからお金が掛かる年齢ですので質問してみました。宜しく御願い致します。

 義理の母の入院にあたりお世話などに病院に行ってはいるのですが入院費用を折半してと義理の長男夫婦から言われ入院代を兄弟(長男次男(三男私の旦那で他界)) 娘での折半に含まれるべきか??病院でのお世話は継続しますが。私自身、息子夫婦に面倒みてもらってるのもありますし金銭的にギリギリです。

 又、義理の父が亡くなった時は私の旦那は相続してませんし義理の母が亡くなった時、私は相続権はありますか?無いと記憶してますがあるのでしたら放棄しようと思っています。

記載内容  義理の母 養子縁組 扶養義務 相続放棄 代襲相続

(モコモコ)


【義母の相続人にはならない】
 ご主人が先に亡くなり、その後にお義母さんが亡くなった場合、あなたはお義母さんの相続人にはなりません。
 あなたの息子さんが、ご主人の代襲相続人として、お義母さんの相続人になります。

【義母の入院費用の支払い義務はない】
 扶養義務を負うのは、直系血族と兄弟姉妹です。
 あなたのご主人はお義母さんの子供であり、お義母さんを扶養する義務がありましたが、あなたはお義母さんの子供ではありませんので、扶養義務はありません。
 従って、あなたが入院費の支払いを拒否してもなんら違法ではなく、義務違反でもありません。
 参考までにいえば、義理の長男夫婦は、お義母さんの直系血族になり、又、あなたの子供さんも同様に直系血族になりますので、お義母さんを扶養する義務があります。

【あなたの子供さんの相続放棄について】
 あなたの子供さんはお義母さんの遺産についての法定相続人(代償相続人)です。
 従って、子供さんらが相続放棄をしたいのなら、家庭裁判所へ相続放棄の申述手続きをする必要があります。
 相続放棄は相続を知って3ケ月以内にする必要がありますので、期間が過ぎないようにご注意ください。

扶養義務と特別受益【Q&A №249】


 相続人Aが、17歳11ヶ月の時にひき逃げ死亡事故を起こし、被相続人から出しもらった約450万円で、弁護士費用・示談金を賄うことができた為、特別受益に該当すると思うのですが、相続人Aは、未成年であったので、親の扶養義務であり特別受益にはあたらないと主張しています。未成年とは言っても、15歳の春で専門学校を辞めており、フリーターのような感じで仕事はしておりました。
 未成年時に受けた贈与が特別受益として認められた判例を探しているのですがなかなか見つかりません。
 相続人Aが言うように、未成年時の贈与は特別受益にあたらないのでしょうか?
 また、そのような判例を探すにはどうしたら良いのでしょうか?
 宜しくお願い致します。

記載内容  扶養義務 損害賠償 交通事故 未成年

(ムーニー)


【損害賠償は本人である子の責任】
 交通事故を起こした本人は約18歳ですので、この年齢なら十分な判断能力(意思能力)があり、したがって事故の損害賠償は両親ではなく、その事故を起こした本人が責任を持って賠償するべき義務があります。

【扶養と特別受益との関係】
 未成年の子に対する贈与が特別受益にあたりうるのは、当該家庭の経済事情などに照らして一般的な扶養を超える部分のみであると考えられています。
 交通事故による賠償責任は、事故を起こした本人独自の責任であり、又、金額も高額で、通常の扶養義務をはみ出るものとして、特別受益に該当する可能性があると思われます。

【損害賠償の肩代わりと「生計の資本」】
 もっとも、特別受益にあたるには、「生計の資本」としての贈与であることが必要です。
 損害賠償金は事業資金や不動産購入資金などとは違い、「生計の資本」と言えないのではないかという疑問があります。
 しかし、相続人間の公平という観点から見れば、損害賠償金であっても持ち戻しを認めるべきという見解も主張可能です。
 参考までに言えば、住宅ローンや事業資金の借入金を親が連帯保証し、後に返済できなくなった子の債務を肩代わりして返済したケースでは特別受益にあたるとされた例もありますので、損害賠償金の肩代わりでも特別受益にあたる可能性があると考えていいでしょう。

【判例検索は裁判所のホームページで】
 最後に、判例の探し方ということですが、一般の方でも裁判所のホームページ(URL:http://www.courts.go.jp/)にアクセスしていただければ、裁判所がキーワード等から裁判例を無料検索できるシステムを設置しています。
 その中で、ご自身の事例とよく似た事例を探し出し、今回の事例でもこれと同様の判断を下すべきだと主張されるとよいでしょう。
 又、大きな図書館なら判例検索システムを備えているかもしれませんので、電話等で確認され、利用されるといいでしょう。

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