大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★父と母が相次いでなくなった場合の対処【Q&A №239】


 8年ほど前に父を亡くしました、その際は気が動転していたことも有り、私と父で建てた家の所有分まで気が回らずに居ました、
 この程、母を亡くし、建てた家の名義などについてどのように行った方が良いのかを教えていただきたいのです。
 子供は私を含めて2名となります、8年ほど前に亡くなった時点の父の持ち分は2割となっています、
 母が亡くなった時点で、無償譲渡という形で父名義分の2割をすべて渡すからという話になりつつありますが法律的には可能なのでしょうか弟は自分も家を持っているし、お金も払っていなかった、病気の両親の面倒も見ていなかったので無償譲渡をしたいと言ってくれていますが、8年前に亡くなっている父の名義である分なので無償譲渡が可能なことなのかが不明です、可能なのでしょうか。又はどのような形になるのかを解説していただけませんか、よろしくお願いいたします。

記載内容  無償譲渡 期限 数次相続

(亡くした母は偉大だと思う)


【現在の法定相続分について】
 今回のように、お父さんとお母さんの相続が二つ重なっていることを数次相続と言いますが、このような場合でも通常の相続と同じように遺産分割が可能です。
 お父さんの遺産については、その相続開始時点では、お母さんが2分の1、子供達が4分の1ずつの法定相続分でしたが、お母さんが死んだので、結局現時点での相続分は次のとおりとなります。

 お父さんからの相続分・・子供たちに各4分の1
 お母さんが死亡したことにより発生するお父さんの遺産の法定相続分・・各4分の1
 結局、あなたとしては、お父さんから得た遺産の4分の1と、お母さん経由で得たお父さんの財産の4分の1の合算である2分の1の法定相続分を持つことになり、お兄さんも同様の持分を持ちます。

【遺産分割協議書の作成について】
 お兄さんが、現在、持っておられるお父さんの持分2分の1の無償譲渡に賛成してくれるのなら、その旨の遺産分割協議書を作成すればいいでしょう。
 この場合、署名するのはあなたとお兄さんになりますが、その場合の記載の仕方は次のようになるでしょう。

 ①お父さんの相続人であるお母さんの相続人であるあなた
   記載例・・被相続人○○○○(お父さん)相続人である被相続人××××(お母さん)相続人△△△△(あなた)
 ②お父さんの相続人であるお母さんの相続人であるお兄さん
 ③お母さんの相続人であるあなた
   記載例・・被相続人××××(お母さん)相続人△△△△(あなた)
 ④お母さんの相続人であるお兄さん

【登記手続きについて】
 問題の無償譲渡ですが、贈与ではなく、遺産分割の内容ですので、贈与税等は課税されませんし、登記も相続を原因とする登記になります。
 但し、高額の物件であれば、相続税の対象となりますのでご注意ください。
 お二人の意見が一致しているのであれば、お近くの司法書士の先生などに相談いただき、相続登記に必要な書類(遺産分割協議書や登記手続き書類)などを作ってほしいと依頼すればよいでしょう。

 

20年以上前の約束は有効か【Q&A №124】


 私の父が祖父から譲り受けた土地(名義が父)に約30年前に家を建て、祖父母、父、母、私と弟で住んでいましたが、私と弟は後結婚して家を離れ、祖父母が亡くなり、そして昨年父が亡くなり母一人となりました。
 父が家を建てて数年後、祖父母が自分達の生活費が無くなり、父と叔父二人(父の弟)が月々同じ額を祖父母に渡すということを決めた時点で、「祖父母の死後にこの土地と家を売り、そのお金を父と二人の弟と三等分する。」という書き物に三人が署名しました。その後父が電話で二人の弟に「先に自分達の住むマンションを買ってから、その残りを三等分する。」ということを伝え、添え書きしてあるようです。
 祖父母が亡くなって約20年たった現在も実行に移されていません。(父は当時しぶしぶ署名しました。)  しかし父が亡くなったのをきっかけに、他の皆が元気な間にそろそろこの土地と家の処分をという意見が親戚の間で出ていますが、当時父と叔父達が署名した書き物は有効なのでしょうか。(25年くらいたっています。) 父のお金で建てた家に祖父母も住んでいたのに、母は売却金の三分の一しかもらえないのでしょうか。
 母は死ぬまで家に残りたいのが本音です。不動産の安いこの頃、手に入る三分の一のお金では小さいマンションのも買えない状況です。
 親戚同士の話し合いでは解決しない状況です。どうぞよろしくお願い致します。

記載内容  時効 期限 中断

(まり)


【約束の内容が問題となります】
 お父さんとその弟さんらの間での当初の約束(合意)内容は、「お父さん名義の土地建物を売って、代金を兄弟3人で分割しよう。ただし、それは祖父母が死亡してからだ。」というものだと思われます。
 この約束で、弟さんはあなたのお父さんに対して売却代金の3分の1ずつを支払えという権利を持つことになります。

【添え書きの効力】
 お父さんが電話で伝えた添え書きがあるようですが、この添え書きの有効性(効力)が問題となります。
 添え書きの内容について、弟さんらは同意したのでしょうか。
 もし、同意をしたのであれば、売却代金から、新たに買うマンションの代金を引いて、残った額を分けるということになります。
 しかし、それでは、弟さんの取り分がなくなる可能性がありますので、お父さんの電話だけで弟さんらが簡単に納得したとは考えにくいです。
 添え書きの内容や記載の仕方をみないとわかりませんが、お父さんと弟さんらが合意したとははっきりと記載されていなければ、添え書きの効力が認められない可能性があります。

【時効の主張ができるかもしれませんが、時効が中断して完成していないこともあります】
 「祖父母が死亡したら売る」という、いつ到来するかわからない期限が付いた約束のことを、「不確定期限付の約束」と言います。
 不確定期限付の約束の場合、その期限が来た(=祖父母が死亡した)時点から10年で、弟さんらの請求する権利は時効消滅します。
 今回の場合、祖父母が亡くなった時から約20年が過ぎているのですから、時効が完成している可能性があります。
 この場合、もはやお母様(厳密にはお父様の相続人全員)は、土地建物を売却する義務がなくなり、今後もそのまま住み続けることができると思われます。
 ただ、お父様やお母様(相続人)が、過去の弟(叔父)さんらとの話し合いの中で土地建物を売却する義務を認めるような言動をしていたのであれば、それ時点で、それまで進行していた時効期間が吹き飛んでしまうことがあります(時効の中断といいます)。
 もしそのような行動を取っておられないのであれば、早急に弁護士に依頼し、お母様を弟(叔父)さんらの矢面に立たせないよう配慮することが必要でしょう。

【早期に弁護士に依頼されることをお勧めします】
 時効で消滅したといっても、弟さんらは決して納得しないでしょう。
 専門的な法律論争が必要なケースであり、専門家である弁護士が必要です。
 弁護士に相談し、その弁護士が信頼できるのであれば、早期に事件を委任し、交渉してもらうのが望ましいでしょう。

※弁護士を探すなら・・日弁連 弁護士会の法律相談法テラス

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