大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

譲渡制限株式の相続と譲渡【Q&A №525】


【質問の要旨】
相続譲渡の承認申請をしたが、承認される前に相続が発生

記載内容 株式 譲渡制限 承認

【ご質問内容】
譲渡制限株式を親が持っていて、それを私に譲渡するということで、2月にその会社に承認をもとめたら、承認は取締役会の承認が必要で、次の取締役会は半年後だといわれました
説明をきいただけで、合意はしていない。
そのとき、名義書換書類は会社に提出したのですが、3月に親が死亡してしまいました
そのあと、4月に姉が勝手に、その会社に電話をして、相続人の兄弟間(3人)で話し合ってから、後で連絡するから、名義書換を保留にしてくれ、という電話があったそうです。
すると、その会社は、姉のそのとおりにしてしまい、名義書換、取締役会の承認をしませんでした。
そこで、請求の日から2週間以内に承認又は不承認の通知をしていないときは、譲渡について承諾したものとみなす(会社法145条1号)。の規定を主張したのですが、その会社は、兄弟間ではなしあってくれ、というだけで、全然わたしの主張におうじてくれません。
先に、親から譲渡を受けてから、名義書換請求、譲渡承認申請したにもかかわらず、後で、生じた相続を理由として、名義書換請求、譲渡承認を拒否するというのは、おかしい、とおもうのですが、どう、対応したらいいでしょうか
調停を申請する場合、費用はいくらかかるのでしょうか?(弁護士費用除く)
期間はどれぐらいかかるのでしょうか
何回ぐらい調停はひらかれるのでしょうか

(akaba)


【遺産である株式の扱い】
株式が遺産の場合には、金銭債権ではないため、法定相続人全員が共有する(正確には《準共有》)ということになり、株式譲渡のためには、共有者全員の同意が必要です。
参考までに言えば、被相続人の預貯金については、金銭債権ですので、相続発生と同時に、各法定相続人に相続分で分割されます。
そのため、遺産の中に5000万円の預貯金があり、法定相続人は子が5人というケースでは、被相続人の死亡と同時に、各人が1000万円ずつを相続し、単独で銀行に1000万円を請求することが可能です。

【本件の質問の場合は譲渡があった】
今回の質問のケースでは、被相続人であるお父さんの生前に、株式が質問者の方に譲渡されており、それを前提として会社に譲渡承認請求をしたケースでスので、株式は生前にあなたに譲渡されており、遺産に含まれないと考えられます。

【本件の場合、株式譲渡承認があったと見なされる】
今回のケースでは譲渡承認請求をしていますので、会社としては、承認か不承認かを2週間以内に判断しなければなりません
定例の取締役会がいつであろうと、会社としては譲渡承認請求があれば、早期に取締役会を開催し、譲渡を承認するか否かを決定しなければなりません。
もし、2週間以内に取締役会を開催しなかったというのであれば、ご指摘の通り、承認と見なされます
そのため、あなたは会社に株主であることを主張することができます。
又、遺産ではありませんので、他の相続人の反対があっても、あなたとし ては単独で名義書換を請求することができ、議決権などの株主の権利を行使することができます。

【調停の申立費用及び期間】
調停の申立を考えられているようですが、その場合は遺産分割の調停ではなく、会社相手に株主としての権利行使を認めよ、あるいは名義書換をせよという内容になると思われます。
調停申立の費用は対象となるものの価額によって異なります。
今回の質問のようなケースでは、株式の価額を前提に、調停費用が決定される可能性が高いです。
仮に問題となる株式の価額が1000万円だとすると、調停申立費用には印紙は2万5000円分を貼り、これとは別に郵券(切手)代が約5~600円程度、必要になります。

【調停4~5回程度の期日で結論が出る】
調停の回数は事件ごとにケースバイケースとしか言いようがないのです。
ただ、私の長年にわたる調停委員の経験から言えば、4回から5回で解決するケースが多いです。
ただ、不調になる場合にはそれより少ない回数で打ち切られる場合が多いでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

株式の名義を勝手に変更された【Q&A №421】


 私は被相続人の養子です、被相続人には子供はいません相続人は私と被相続人の妻だけです、(被相続人は平成26年9月に死亡)被相続人の妻が被相続人死亡後株は私の名義に変更したと言ってるのですが私の同意なしに株券の名義変更ができるのでしょうか、預貯金や有価証券は生前から妻が管理していました、名義変更したものは元に戻せないのでしょうか、戻せるとしたらどのようにすればよいのでしょうか?
 お尋ねいたします、よろしくお願いします。

記載内容  株式 遺言執行者 名義変更

(maakunn)


【公正証書遺言で遺言執行者が指定なら、同意なしで移転する・・上場株式の場合】
 「株式の名義が《私》に移転した」と質問に記載されています。
 この場合の《私》は妻のことを言っているのか、それとも《質問者のあなた》のことを言っているのかわかりにくので、場合を分けて回答します。
 なお、最初に上場株式について述べ、非上場株式については後に項を変えて述べます。

1)まず、妻の名義になっている場合  あなたの知らないうちに遺産である株式が、《妻》の名義に移るということですが、結論から言えば、
①公正証書で遺言されていること
②遺言執行者が指定されていること。
という前提であれば、あなたの知らないところで妻の名義に株式譲渡がなされている可能性があります。
 参考までに言えば、自筆証書遺言であれば、家庭裁判所での検認手続(相続Q&A №121を参照)が必要であり、その際、全法定相続人等に裁判所に出頭するようにとの通知がきます。
 今回、そのような通知が来ていないということであれば、検認手続きが不要な公正証書遺言に基づく手続きがなされたのだと思います。
 なお、遺言執行者は遺産目録を作成し、法定相続人等に交付する義務(民法1011条。末記に記載している条文を参照ください)がありますが、弁護士などの法律専門家が遺言執行者の場合は別として、目録を実行している人はあまり多くありません。

2)次に《質問者であるあなた》の名義にしたというのは可能性が低いでしょう。
 株式の名義を移転するにはあなたが証券会社に口座を持っている必要があります。
 あなたが持っている口座を妻が知っているのも考えにくく、また、口座がない場合にあなたの同意なしにあなたの口座が作ることは不可能です。
 いずれにせよ、あなたの関与なしに、あなたに株式が譲渡されている可能性はないでしょう。

【株式を取り戻すためには・・・上場株式の場合】
 実際に妻に株式の名義が変更がなされてしまった場合には法的手続きが必要になります。
 ただ、その前に、被相続人がどこの証券会社のどこの支店に株式を持っていたのかを知っておく必要があります。
 もし、被相続人の自宅にその証券会社からの手紙等が来ているのであれば、法定相続人としてその会社に照会をかけ、譲渡に関する事実を調査する必要があります。
 次に、株式の譲渡が判明した場合には、その株式の譲渡を無効や取り戻すことを考える必要があります。

 通常は、無効や取戻しになる理由としては次のものが考えられます。
①遺言書で遺産の大半が妻のものになっているのなら、遺留分減殺請求(「相続コラム:遺留分とは」参照)
)をし、本来の法定相続分の半額(遺留分)の限度で株式を取り戻す。
②被相続人が遺言書を作成した当時、判断能力(意志能力)がなかった。
 また、今後、妻が株式を譲渡したり、他の財産を処分したりすることもあり得ますので、必要に応じて株式譲渡をしないようにする仮処分申し立ても必要になる場合もあります。
 ただ、遺留分にせよ、意志能力にせよ、また、仮処分にしても、素人では対応が難しいので、相続に詳しい弁護士に早期に相談されるといいでしょう。

【上場株式ではない場合】
 前項では、上場株式を前提に記載しました。
 上場株式でない場合には、妻とあなたとの間で、遺言書や遺留分を反映させた遺産分割協議書を作成し、株式の帰属をはっきりさせるといいでしょう。
 もし、妻が遺産分割協議書の作成に応じず、《あなたの株式》にしたことが間違いないというのであれば、その旨の確認書を作成してもらうといいでしょうし、今後、その会社の株主としての権利を行使して、株主としての実績を作り、株主総会で役員に選任されて活動されるといいでしょう。
 また、《妻》の名義にしたというのであれば、遺留分減殺の手配や意思能力を見極めるため、必要に応じて弁護士と相談されるといいでしょう。

《参考条文》
民法 第1011条 (相続財産の目録の作成)
 第1項 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。

相続した株式の扱い【Q&A №418】


①非上場の株を親から相続しようとしたら3人相続人がいて、話し合いがまとまりません。
 この場合、その株はどうなるのでしょうか?
②その後、遺言書がでてきて、私に株を相続させる、文面で、遺言執行人もわたしでした。
 この場合、他の相続人の同意なしで、名義変更できますか?

記載内容  株式 共有 総会に出席

(sasa)


【相続した遺産の扱いは、遺産の内容により異なる】
 被相続人が死亡した場合、遺産が各相続人にどのような形で移動するのかは、遺産の内容により異なります。
 預貯金であれば、その法定相続分に応じて直ちに分割され、各相続人が、金融機関に単独で請求することができます(但し、金融機関がすぐに支払いをするわけではありません。⇒相続Q&A №148を参照)。
 これに対して、土地の場合には、相続した土地を、法定相続人がその相続分で共有することになります。

【株式の場合には不動産のような扱い‐準共有になる】
 株式については、預貯金のような当然に分割されるのではなく、土地と同じように、全部の株式を相続人が相続分に応じて共有するという形になります。
 なお、このような共有状態を、不動産であれば共有といいますが、株式の場合には権利ですので、「準」共有(⇒民法第264条参照)と言います。

【株式の権利行使は民法の共有の規定に基づき行う】
 準共有状態にある権利である株式について、どのようにして権利行使するかという点が問題になりますが、これについては、共有の場合の権利行使の条文(民法第251条、第252条、第264条、会社法106条を末尾に記載しておりますので、ご参照ください)に基づき決定されます。
 株主総会に出席はするには多数決で出席者を決定することが必要です。
 株式を売却することは処分に該当しますので、全相続人の同意が必要です。

【遺言書が出てきた場合の扱い】
 今回の質問では、遺言書が出てきており、あなたが遺言執行者ということですので、あなたが遺言に基づき単独で権利行使ができることになります。
 なお、公正証書遺言であれば、直ちに執行可能ですが、自筆証書遺言であれば家庭裁判所に遺言検認(⇒相続Q&A №121を参照)の手続きをする必要がありますので、この点はご注意ください。

民法
第251条(共有物の変更)
 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ共有物に変更を加えることができない。
第252条(共有物の管理)
 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
第264条(準共有)
 この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する。ただし、法令に特別の定めがあるときは、この限りではない。

会社法
第106条(共有者による権利の行使)
 株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りではない。

遺産か否かはどうやって決めるのか。【Q&A №343】


 相続の調停を考えています。
 相続人のうちの一人(次回からAとします)がほかの相続人の同意なしに自分名義にしてしまった株式があり、現在弁護士会照会で株式の元の名義が被相続人であったことを確認中です。

 しかし、これが確認できても現在はAの名義なのでAが遺産分割を拒否すると遺産としてはみなされないのでしょうか?
 おそらく調停ではまとまらず審判による分割になると予想されます。
 審判の場合はこれを遺産として分割させる強制力があるのでしょうか? (本来被相続人の株式であることの証明は自分たちでするつもりです。)
 差し押さえにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?

記載内容  株式 名義変更 遺産確認の訴え

(すぎもと)


【遺産にはいるかどうかで争いがある場合には遺産確認請求訴訟を提起する】
 ご相談のように、ある財産が遺産かどうか争われるケースがあります。
 本件のように、本来、遺産であるはずのものが他人名義になっている場合、その財産が遺産に含まれるかどうかは、最終的には、遺産確認請求という訴訟を提起し、判決で遺産であるかどうかを確定してもらうことになります。
 なお、遺産については、家庭裁判所で分割の審判をすることができますが、その場合の対象は、遺産であることがはっきりしているものだけです。
 そのため、まず、遺産確認請求で遺産になる物件や権利を確定し、その結果、問題となる物件や権利が遺産に含まれるということになれば、それを含めて、遺産分割審判をすることになります。

【差し押さえの費用】
 判決が確定した場合、その判決に基づいて差し押さえができます。
 差し押さえには様々な種類があり、その費用は様々です。
 例えば、預金の差し押さえであれば、裁判所に納める手数料は数千円~数万円程度でしょう(弁護士費用は別)。
 これが、不動産を差し押さえて競売するということであれば、一般には100万円近い費用を裁判所に納めて手続きを進める必要があるでしょう。

【差押ではなく、仮処分手続が必要です】
 ただ、質問の趣旨からいえば、今するべきことは、その名義移転された株式が処分されないようにすることでしょう。
 その場合には、その株式の売却や質入れ等の処分をさせない手続―処分禁止の仮処分ができます。
 この手続きを取ると、株主の名義人としては株式の処分ができなくなります。
 株式が処分されないということで、訴訟で時間がかかっても安心ということになります。
 なお、この仮処分をする場合には、対象となる株式の4分の1程度の保証金を用意する必要があります(保証金なので将来、返還されますが)。
 又、そのような手続きは、弁護士でないと難しいので、その費用も考えておく必要があるでしょう。
 仮処分手続の詳細はお近くの弁護士に相談されるといいでしょう。

無断で名義変更された株式【Q&A №329】


 相続財産に土地や建物、株があります。
 このうちの株はタンス株でしたが相続人の一人【以後Aとします】が勝手に持ち出し、ほかの相続人の同意なしにAの名義としてしまいました。
 本来同意なしにできないはずですが、預けてある証券会社によると株の電子化の前はできていて、現在Aの同意なしに内容の開示はできないとのことでした。

 このままではAに使われてしまうか他人に譲渡する可能性があります。
 まず弁護士会照会で相続財産を把握しようと思ったのですが、名義を元の被相続人に戻すか、差し押さえるかどちらかができないと照会する意味もないかと思い、その可否をおたづねしております。

 おそらく死んだ人の名義にはできないと思われるので、差し押さえになるかとおもいますが、被相続人のものであり他の相続人が同意していないことを証明できれば差し押さえは可能ですか? またこの場合弁護士を通さず自分ですることはできますか?
 弁護士会照会や調停になると費用が高いため、相続財産の照会をするかなど迷っています。

記載内容  株式 取引履歴照会 無断名義変更

(すぎもと)


【名義の返還より損害賠償を考える】
 遺産である株式については、法定相続分に応じて、各相続人が共有(正確には準共有)しています。
 その株式をAさんが無断で単独名義にしたということですので、他の相続人としては、自分の相続分に対応する株式を、自分に返還せよと請求することができます。
 ただ、株券の電子化により手続きが複雑になります。
 そのため、株券の返還を求めるより、株券の名義の無断変更で損害を受けたとして、損害賠償請求をするのがいいでしょう。

【仮処分や仮差押も考える】
 「このままではAに使われてしまうか他人に譲渡する可能性があります」ということですが、そのような移転の可能性があるなら、仮処分又は仮差押えという手続きをするといいでしょう。
 株券の返還を求める権利があるという前提で株券の移転を禁止する仮処分も考えてもいいでしょうし、損害賠償請求権があるという前提でAさんの財産を仮差押えしてもいいでしょう。
 仮処分や仮差押えは、保証金を積んで、裁判所に株券や財産の移動を暫定的に禁止してもらう手続きですが、このような手続を希望されるのであれば、専門家である弁護士に依頼するといいでしょう。
 なお、仮処分・仮差押えをしながら、訴訟をすることも可能ですが、詳しくは依頼した弁護士にご相談ください。

【株式の履歴は、被相続人の方からの調査を考える】
 前記損害賠償請求や仮処分、仮差押えの手続きをする場合には、株式がAさんに無断移転されたという点だけではなく、いつ、どこのどのような株式が誰に移転されたのかを明らかにする必要があります。
 質問によると、名義移転された株式に対する照会について、「現在の名義人の同意なしに内容の開示はできない」という回答があったようです。
 相続人Aはあなたにとっては他人になりますので、Aさんの履歴であれば、その同意なしには開示されないのはやむをえないところでしょう。
 しかし、被相続人名義の株式の照会なら開示される可能性があると思われます。
 次の事項を照会されるといいでしょう。

① 被相続人保有の株式が現在あるか、あるいは過去10年間の間に存在したかどうか。
② あるとしたらその種類、数量等の明細 ③ 現在ないが、過去にあったとしたら、いつ、どの種類の株式及びその数量が誰に移転したのか

 なお、被相続人の照会では、現在、株式がどうなっているのか(たとえば現時点でAが保有しているのか)は明らかにはなりませんが、それでも最小限度の事実は確認できるでしょう。

★相続株式の分割方法【Q&A №245】


 去年の8月に実母が亡くなりました。家族構成は、父、姉と婿養子(両親が養父と養母になっています)と他家に嫁いでいる私です。去年の6月に父は脳梗塞から寝たっきりとなり、先日、司法書士の先生に成年後見人をお願いしました。
 亡母の遺産目録を依頼した所、預貯金が1,100万円程と2證券会社に株が400万円程と生命保険の権利が2件で200万円程ありました。うち、生命保険の150万円弱の権利のある保険は姉夫婦が勝手に名義変更をしてしまいました。先日、司法書士の先生から、後見人は株を運用できないので、預貯金の殆どを父が相続し、残りの株を子供のうちの誰か一人に名義変更し相続するか、3人それぞれに株を名義変更するかとのお話がありましたが、株券は、銘柄ごとに資産価値が違うので均等に3等分とはいかないと思います。すでに姉に名義変更してしまった生命保険の権利はすでに姉が相続したみなされるのでしょうか。又、株をどのように処理をするのが最善の方法なのでしょうか。子供の1人が株をすべて相続した場合の残りの2人の相続分はどのような割合(遺留分割合)になるのでしょうか。宜しくお願いします。

記載内容  株式 生命保険 成年後見人

(たまちゃん)


【株式の分割方法は様々】
 現金とは異なり、株式の分割には困難が伴います。
 考えられる方法としては、次のようなものがあります。

① 一人の相続人に取得してもらって、他の相続人には代償金を支払う。
② 株式自体を現物で分割する。
③ 株式を売却して、その代金を相続人で分割する。

 可能であれば、上記①の誰か一人が取得する方向で検討し、分割合意時点の株価を調べて代償金を他の相続人に支払うといった方法を考えるべきでしょう。
 ただ、株式の価額が変動することや、株式が複数の会社分ある場合もあり、また、株式数の関係で現物分割できないような場合もあります。
 そのため、結局は上記③のように、売却してその代金を分割するのが一番現実的な解決方法でしょう。
売却時期については、遺産分割協議決定前に現金化するのか、それとも遺産分割協議後に売却するのか、相続人間で協議・決定していくといいでしょう。

【保険契約名義のお姉さんへの変更について】
 お母さんの名義の生命保険をお姉さん名義に変更したということですが、
① そもそも、保険契約は死亡保険かどうか、また、被保険者は誰なのか?
② 名義変更はお母さんの生前にしたのか、死後にしたのか?
③ 生前にしたのなら、お母さんの同意があったのかどうか?
④ 名義の変更ということであるが、保険金の受取人の変更という意味ではないのか?

 以上の点が明らかではないので、回答がしづらいのですが、もし、それが生命保険であり、生前に契約者であるお母さんの同意を得て、受取人をお姉さんに変更したのであれば、なんら問題はなく、その保険金は変更された受取人であるお姉さんが取得します。
 死亡後に、契約名義が変更されたのであれば、相続人全員の同意がないわけですから、その名義変更は無効ですので、元の内容で契約が存続していることを前提で処理をするといいでしょう。

【子の一人が株式を取得する場合の処理】
 このうちの一人が株式を全部取得するという場合に次の処理が必要となります。
 全遺産は預貯金1100万円と株式400万円の合計1500万円です(保険金は遺産には入りません)。
 法定相続分はお父さんが2分の1ですので、本来ならば、金額でいえば合計750万円を相続し、子は6分の1ずつですので、合計250万円ずつを取得します。
 子のうち、一人が全株式を取得すると400万円を取得することになりますので、この子については預貯金の相続はなく、しかも株式のもらいすぎ分である150万円を代償金として支払う必要があります。
 その結果、お父さんは預貯金を660万円取得し、株式代償金として90万円を取得することになります。
 株式を取得した子以外の子について言えば、預貯金を220万円取得し、株式代償金として30万円をそれぞれ取得することになります。

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