大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

死因贈与予定の土地を今から勝手に使って良いか【Q&A №514】


【質問の要旨】
死因贈与の土地を使用している

記載内容  認知症 成年後見 死因贈与

【ご質問内容】
平成25年8月母は認知症で意思能力がないということで、家裁の調停により、畑は妹に贈与する契約をしました
ところが、妹は、その土地を仮登記をして、農業振興地域の畑30ヘクタールの真ん中をコンクリート4メートルと倉庫を改修して我が物顔で、使用しております
財産管理は、成年後見人が行っていますが、事前に私に相談があった時には、保全管理をお互いにしようということだったのですが、こうしたことは、許されるのですか。

(タック)


【贈与がないことが証明できれば、調停も贈与も無効】
お母さんに意思能力がないのであれば調停ができませんし、調停が成立したとしても有効な調停ではなく、効力がありません。
そのため、調停調書に贈与(あるいは死因贈与)するような内容が記載されていても、意思能力がなかったのだとして、贈与(死因贈与)の無効を主張すればいいでしょう
ただ、意思能力がなかったということは証明する必要があります。
お母さんのカルテや介護記録を取り寄せして、証明手段とするといいでしょう。

【死因贈与と生前の使用】
 《死因贈与契約した土地を相続人は自分のものとして使用できるか》という質問ですが、前項と関係なくお答えします。
仮に死因贈与があったとしても、その効力は死亡したときから発生するものです
そのため、死因贈与があるからといって、生前に使用することはできません。
ただ、生前に使用している場合には、お母さんとの間に賃貸借や使用貸借契約が締結されている場合が多く、相手方がこれらを使用する法的根拠として主張してくる場合が多いです。

【成年後見人と財産管理】
お母さんに成年後見人がついた場合、成年後見人はお母さんの財産を誠実に管理する義務を負います。
ただ、それはあくまでお母さんに対してであり、あなたに対してではありません。
あなたと成年後見人との間に《財産保全》についての話があり、現在、後見人が財産管理を十分にしていないということであれば、裁判所にこのような事情を説明する書面を提出し、成年後見人がきっちりと財産管理をしてもらうことを求めていくといいでしょう
(法的にはあなたにはそのような申し出をする権利や権限はありませんが、財産管理が不十分だという報告書が出てくれば、裁判所としては後見人から事情を聴取する程度のことはすると思います。)

(弁護士 大澤龍司)

死因贈与と生前の相続放棄【Q&A №257】


 母が亡くなり、遺産分割協議となりました。
 10年前に父が亡くなった際に、母は預金の半分と不動産として土地を相続しました。
 その時に確約書という題目で、母が子供全員と各々話をし自分が死んだ後の財産を長男へ相続させ、他の子供は母の遺産を放棄するといった内容の文章を作成し承諾捺印してもらっていたのですが、これは遺産分割協議において有効性はあるのでしょうか?

記載内容  死因贈与 生前の相続放棄 遺産分割協議

(こまり)


【生前の相続放棄は無効です】
 まず、長男以外の相続人に相続放棄を約束させた点は法律上無効です。
 そのため、お母さんが亡くなった後に相続放棄の書面が出されたとしても、他の相続人の相続権がなくなるわけではありません。
 もっとも、法律上の効力はないとしても、遺産分割協議の話の際に、その生前放棄の話を持ち出して、その放棄した人に遺産をもらわないように話をするのは、あくまで話し合いですので、なんら差し支えはないですし、放棄した相続人の方が納得する可能性もあります。
 しかし、遺産分割協議がまとまらず、調停や裁判になった場合には、生前の相続放棄は認められないことは覚悟されておくといいでしょう。

【死因贈与と解釈する余地はあります】
 お母さんが、自分の死後には財産を長男に譲るということを内容として、他の人の相続放棄を求めていたというのであれば、それはお母さんから長男本人に対して財産を贈与すると約束していたと理解する余地があります。
 すなわち、お母さんはあなたに、それは贈与者の死亡を理由とする贈与、いわゆる《死因贈与》をしたのであり、念のために他の相続人にその点の了解を取るという意味で相続放棄の意思を明示させたと解釈する余地があります。
 この場合、お母さんの死亡とともに財産は長男が譲り受けることになりますので、その意味ではお母さんが作成した書面も《死因贈与》効力を持つことになります。

【遺留分減殺の余地はあります】
 ただし、全財産を死因贈与した場合、他の相続人から遺留分減殺請求を受ける可能性があります。遺留分とは、遺贈や死因贈与がなされた場合にも、他の相続人に確保される(遺留される)持分であり、被相続人の子であれば本来の相続分の2分の1が遺留分として確保されます。
 その結果、お母さんの死因贈与も有効ではありますが、遺留分減殺請求を受ける限度で効力が減殺されることになります。

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