大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

養子縁組前に生まれていた子の代襲相続【Q&A №414】


 7年前に祖父が他界したとき(父:長男は既に他界)、遺言があり、遺産は、父の弟に全て渡す(ただし祖父の後妻に毎月50万支払条件)ことになり、その他の相続人(母、父の弟の妻(養子になっていた為)、父の妹、父の子供私と姉)は遺留分をもらっています。
 今回祖父の後妻が亡くなり、相続分割について話し合いがおこなわれています。
 後妻の養子には父、母、父の弟、弟の妻が入っていたのですが、父が既に他界していることから相続は、母、弟、弟の妻の3人で父の子供の私と姉には相続出来ないと言われています。弟夫婦は既に祖父の遺産を全て受けているのでせめて母に少しで多く残す方法は無いのでしょうか。
 祖父、後妻の財産の管理は弟夫婦が全ておこなっており、遺産分割の話し合いも弟夫婦に縁のある税理士が間に入りアドバイスをしているようです。

記載内容  養子縁組 特別寄与 生前贈与

(ヒューマン)


【養子縁組の前に生まれていた孫は代襲相続できない】
 質問のケースでは、あなたのお父さんは、被相続人であるお祖父さんの後妻さんと養子縁組されています。
 ところで、養子縁組をされた後にあなたとお姉さん(以下、あなた達といいます)が生まれたのであれば、あなた達は被相続人であるお祖父さんの直系卑属になりますので、代襲相続ができます。
 しかし、養子縁組前に生まれていたのであれば、あなた達は被相続人であるお祖父さんの直系卑属ではなく、代襲相続はできません(※後記参照条文:民法887条2項但書参照)。

【法定相続分を動かす手段は特別受益か特別寄与ぐらいしかない】
 もし、あなた達がお父さんとお祖父さんの後妻さんとの養子縁組の前に生まれていた場合には、相続人はあなたのお母さんと(お父さんの)弟さん夫婦の3人となり、その法定相続分は各3分の1です。
 ただ、後妻さんが弟さん夫婦に対して生前贈与をしているというような《特別受益》に該当する事実があれば、お母さんの相続分を増加させることが可能になります。
 又、あなたのお母さんが、後妻さんの財産を増加させ、あるいは減少を食い止めたというような事情があれば、《特別寄与》として寄与分を主張できることがあります。
 それらに該当するような事情があるかどうか、相続に詳しい弁護士に相談されるといいでしょう。

【相続分の範囲内での解決しかない】
 後妻の相続では遺言も書かれていないようですので、法定相続分通り、①あなたのお母さん、②お父さんの弟、③弟さんの妻の3名がそれぞれ子の立場で3分の1ずつ後妻の遺産を相続します。
 そして、「祖父の相続の際に多く遺産を相続しているから」という事情はお母さんの相続分を増やす理由にはなりません。道理としてはよくわかるのですが、そのような事情を法律上反映する制度が我々の知る限りありません。
 その意味で、大変申し訳ない回答ではありますが、相続分の範囲内で可能な限りのご意向を実現するほかないように思われます。

《参照条文》  民法第887条:(子及びその代襲者等の相続権)
 1.被相続人の子は、相続人となる。
 2.被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
 3.前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

★親の生活費を負担しないことが特別受益になるか【Q&A №394】


 20年親に生活費をいれてない弟夫婦、遺産相続の時この期間を特別受益と証明できますか?

記載内容  親の生活費 扶養義務 特別寄与

(ココ)


【親が生活に困っている場合には、子は扶養料を支払う義務がある】
 親子は直系血族ですので、互いに扶養義務を負います。
 そのため、親が生活に困っているようであれば、子供は扶養料を支払うべき義務があります(参照条文:民法877条。末記参照)。
 しかし、親が生活に困っていない場合には扶養義務はなく、子供が親の生活費を負担する必要はありません。

【親の生活費を負担しないということだけでは相続問題にならない】
 親が生活に困っているのに、弟さんが生活費を負担せず、あなたが生活費を負担したということであれば、それはあなたが扶養義務を尽くしたということであり、相続の問題ではありません。
 ただ、あなたの立場から言えば、自分が出した過去の養育料を弟さんに請求できるかという問題です。
 結論から言えば、弟さんの収入や生活状況とあなたの分とを比較して、同程度であればあなたが請求(求償)できる場合もあるということになりますが、むずかしい問題ですので、詳しくは家族問題に詳しい弁護士と相談されるといいでしょう。

【特別寄与になる場合がある】
 親が困っていないのに、親に仕送りをし、その分、親の財産の減少が食い止められたあるいは増加したというのであれば、相続の特別寄与の問題となる可能性があります。
 特に扶養義務を明らかに超えるというほど送金しておれば、特別寄与の対象となり、遺産から先に寄与分相当額を支払ってもらえるかもしれません。
 なお、この寄与分については、まず、法定相続人間で協議し、協議がまとまらない場合には家庭裁判所で決定することになります。

《参照条文》
民法第877条
1.直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
 (以下略)

介護をした相続人と寄与分【Q&A №371】


 母と二人で在宅介護をしてきた父が家で亡くなりました。
 父には遺言書などなく相続人は母と兄姉と自分の4人です。
 兄の方は父の介護を二人に押し付けていたのに遺産を貰うなんて出来ないと、放棄すると言われましたが姉の方は介護なんて自分には関係ないと遺産を要求してきました。

 そこで寄与分についてですが、父は10年前に介護度3が認定され5年前からは5に上がり認知症まで加わった寝たきり生活になりました。そして4年前からは重度のパーキンソン病を患い、2年前からは肺炎を患って胃ろうになりました。介護の間、訪問看護やヘルパーなど頼まず二人だけでしてきました。(胃ろうになってからは訪問看護の人に週一で30分だけ来てもらっていました。)  介護度5になった辺りから痰が多く吸引機で取っていました、肺炎後からは肺炎防止の為に吸引回数も24時間体制で取っていました。床ずれも大きなポケットが3か所もあり床ずれの場所に圧を掛けない為に体の向きを2.3時間程度に一度は右に向けたり左に向けていました。
 訪問看護の方からはこんなに見てる家族は初めてとまで言われました、父には家族さんにこれだけ見てもらっこんな幸せな人はいないと皆さんから言われました。
 寄与分ですけど姉に対して主張が可能でしょうか、もし調停にまで行ったら寄与分は認められる可能性はあるでしょうか。
 駄文で申し訳ありませんけど、お願いします。

記載内容  介護 ヘルパー 相続分譲渡 相続放棄 特別寄与

(S-Ran)


【療養看護の寄与にあたる可能性があります】
 法定相続人が被相続人の療養介護に努めた場合、遺産の分割に際して特別寄与が認められることがあります。
 ただ、あなたについて言えば、父子関係にあったことから、療養介護は《親族間の扶養義務》の履行であり、《当然なすべき義務を履行しただけである》として、それほど多額の寄与分は認められないのが普通です。
 ただ、あなた方が介護したことにより、ヘルパー等の介護料金等を支払わなくてもよくなったと認められる場合には、その支払いが不要となった金額が特別寄与として認められる可能性があります。

【具体的には・・】
 質問を見ると、
《父は10年前に介護度3が認定され5年前からは5に上がり認知症まで加わった寝たきり生活になりました。》
《そして4年前からは重度のパーキンソン病を患い、2年前からは肺炎を患って遺漏になりました。》
《介護の間、訪問看護やヘルパーなど頼まず二人だけでしてきました。(胃ろうになってからは訪問看護の人に週一で30分だけ来てもらっていました。)》
《介護度5になった辺りから痰が多く吸引機で取っていました、肺炎後からは肺炎防止の為に吸引回数も24時間体制で取っていました。床ずれも大きなポケットが3か所もあり床ずれの場所に圧を掛けない為に体の向きを2.3時間程度に一度は右に向けたり左に向けていました。》
と記載されています。

① どの時期からヘルパーが必要になったのか?
② 週単位でどの程度ヘルパーが必要であったのか?
③ その時点でのヘルパーの料金はどの程度であったのか?

等を調査・確認した上で、その総額を特別寄与として請求されるといいでしょう。

【お兄さんには放棄ではなく、相続分の譲渡をしてもらう】
 お兄さんはあなたの努力を認めて、遺産を放棄すると言われているようです。
 この相続放棄が家庭裁判所に対する相続放棄の申述をするのか、あるいは遺産を請求しないのかがわかりませんが、いずれにせよ《相続放棄》だけでは不十分です。
 お兄さんには相続放棄ではなく、相続分をあなたに譲渡するようにお願いをしましょう。
 相続放棄をすると、お兄さんを除いて他の相続人で遺産分けをすることになり、妹さんの取り分が増えます。
 相続分の譲渡であると、お兄さんの取り分もあなたの取り分に加算されます。
 なお、お母さんも協力していただけるのであれば、その相続分をあなたに譲渡するといいでしょう。
 相続分譲渡については、相続分譲渡書に実印を押してもらい、印鑑証明書をもらっておくといいでしょう。

★不正出金を疑われた場合の対処【Q&A №360】


 拙い文章ですが、お知恵をお貸しください。
 遺産整理をしていた兄から連絡があり以下の様な事象が発生しました。
「お前が面倒を見たときから母の預金が2年で500万円減っている。横領などで弁護士を立て訴えるぞと。」
 母親が死ぬ2年程前から私が母の面倒を見ていました。(私の家で私の家族と一緒に生活していました。)
 面倒を見ている間は母の預金通帳を預かり、正確な金額は覚えていませんが預金を利用したのは間違いありません。
(了承を得て私の家族および母の生活費や母の治療費、私の車の頭金。私の子供にお小遣いなど。)

 ここで質問です。
①私が問われる罪は何に該当するのでしょうか。
②了承を得ていたとはいえ、大きい買い物などの領収書などしか保管しておらず、生活費や一部の母親の治療費の領収書はすでにありません。使途不明金として生活費などを不当利得請求された場合、請求されたとおりに支払わなければいけないのでしょうか。
③500万円という金は特別受益に該当するのでしょうか。不当出金に該当するのでしょうか。
④支払いの意志がまったくないわけではなく、私の家族は「面倒をみて了承を得て使っていた金を面倒を見てない人から請求されるのはおかしい。」と怒っています。
⑤来るべき日のためにできることをお教えください。

記載内容  不正出金 横領 両親の面倒 介護費用 特別受益 特別寄与 不当利得

(する)


【刑法上の犯罪としては窃盗あるいは横領罪、私文書偽造等ですが・・】
 他人の預金を無断で引き出した場合には、横領罪又は窃盗罪が成立する可能性があります。
 又、引出に際してお母さんの署名・捺印をしなければならないので、有印私文書偽造・同行使罪も成立する可能性があります。
 ただ、これらの罪はあくまでお母さんに無断でした場合ですので、質問のように《お母さんの承諾があった》ということが証明できれば犯罪は成立しません。
 又、お母さんとあなたは直系血族関係ですので、万一、お母さんに無断でした場合であっても、刑法では親族間の犯罪の特例という規定があり、窃盗罪や横領罪については刑が免除されます(末記条文をご参照ください)。
 従って、警察沙汰にはならない可能性が高いと思われます。

【領収書がない点について】
 多額の金銭は別として、通常の場合、月額で10数万円程度の生活費などは領収書がなくとも認められる場合が多く、不当利得にはならないでしょう。
 なお、病院等の医療機関や介護施設の領収書などが多額になる場合の領収書がない場合には、再発行してもらうか、あるいは支払い額がわかるもの(たとえば医療機関なら診療報酬明細書)等をもらっておかれるといいでしょう。
 ただ、何百万円単位の多額の金銭が引き出されている場合に、その使途がお母さんのために使ったのでない場合には、次項に記載する区別にしたがって処理されることになるでしょう。

【不当利得か特別受益か】
 2年間で500万円が減っているということですが、この金銭のうち、生活費やお母さんのために使ったのではない金銭については
① お母さんから贈与を受けたものである場合には特別受益の問題になります。
② お母さんに無断で引き出した場合には不当利得又は不法行為で返還する必要があります。

【家族の言い分について・・・親の面倒を見たことと遺産分割の関係】
 「親の面倒をみていたのに・・・面倒を見てない人から請求されるのはおかしい。」という主張は、感情としてはよくわかります。
 しかし、法律的にいえば、子は親の扶養義務を負っており、法的には親の面倒を見ることはむしろ当然とされています。
 法律では、相続というのは決して親の面倒を見た報酬やご褒美ではありません、というふうに考えます。
 ただ、相続人である子が親の面倒を見たことで親の財産の支出を食い止め(ヘルパー代や施設代を出さなくてもよかった)、親の財産形成に特別の寄与があった(家業に無償で従事した)といえる場合には、寄与分を主張をし、遺産を余分にもらうことができます。

【参考条文:刑法第244条(親族間の犯罪に関する特例)】
  配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条(窃盗)の罪(・・中略・・)又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。 ※横領についても同様の刑の免除の条文があります。

★同居の両親からの相続を有利にもっていくには【Q&A №178】


 現在 住宅ローンを支払いながら義理の両親と同居しています。支払いは、生活費を義母に渡しています。ローン・土地・建物の名義は義父になっています。主人には姉がいます。
 姉が相続の権利放棄をしない場合、同居していた・ローンを支払っていたという事は相続する際に有利になるのでしょうか?もし有利になるとしたらどのような事ですか?

記載内容  同居 遺産分割 住宅ローン 特別寄与 遺言書

(ゆう)


【父名義の住宅ローンを支払いは特別寄与になる可能性があります】
 お義父さん名義の住宅ローンを支払っているということですが、もし、あなたのご主人のお金で支払っているのなら、特別寄与で相続財産を余分にもらえる可能性があります。
 もし、あなた自身がお金を出している場合でも、あなたとご主人は一体であるとして、ご主人の特別寄与としてもらえる可能性もなくもありません。

【支払っているということの証明をする必要があります】
 生活費を手渡しという現在のやり方では、住宅ローンをあなたのご主人が支払っているという証明ができていません。
 この点の対策としては、今後、お義父さんの住宅ローンが引き落としされる銀行口座にご主人の名義で送金をするのがいいでしょう。
 なお、過去の交付分については、住宅ローンとして支払ったということをお義父さんに書いてもらうことも考えていくことも考えましょう。
 どのような口実で、そのような書面を書いてもらうかは、あなた方夫婦の知恵の絞りどころでしょう。

【同居を相続に活かす方策は・・】
 親の面倒を見ていたという事実があっても、それだけでは遺産分割で有利になることは少ないです。
 ただ、お義父さんらと同居しているというのであれば、是非、お義父さんにお願いして遺言書を書いてもらいましょう。
 お義父さんがあなた方夫婦の同居に感謝しているのなら、あなた方夫婦に有利な内容を記載してくれる可能性が高いでしょう。
 同居を相続に活かすには、遺言書という形が定石です。

質問する

当ブログでは、相続に関するご質問に弁護士がお答えします。ベテラン弁護士の長年にわたる経験に基づく回答です。無料・匿名でご質問いただけますのでお気軽にご利用下さい。

事務所での有料相談はこちら

直接、お聞きして、的確に回答します。今、何が問題で、どう解決すべきかをわかりやすく説明します。

最近の相続ブログ

アーカイブ

カテゴリー

大澤龍司法律事務所

〒530-0047
大阪市北区西天満4-3-25
梅田プラザビル別館7階A703号

お気軽にご相談ください!(電話要予約)
お気軽にご相談ください!(電話要予約)
FAX:06-6361-6043 メールでのお問い合わせはこちら 月〜金曜日(祝日を除く)
    • 大阪メトロ堺筋線・谷町線「南森町」駅
      ...徒歩約7分
    • 大阪メトロ堺筋線・京阪電車「北浜」駅
      ...徒歩約10分
    • 大阪メトロ御堂筋線・京阪電車「淀屋橋」駅
      ...徒歩約15分
事務所ブログ 大原訴訟ホームページ

ページの先頭へ