大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★子のいない叔父の葬儀、墓をどうするか【Q&A №508】


【質問の要旨】
遺体の引き取り手がいない、葬式費用を立て替える人もいない、入る墓もない

記載内容  後見人  

【ご質問内容】
叔父(独身、精神病院長期入院)に法定後見人(弁護士)が付いていますが、叔父の死亡時に当然ですが後見人は職務終了になると思われますが、各問題が浮上しますので、対応策をご教示頂ければ助かります。
兄弟は4名(叔父含めて他は没)姪、甥が現在5名
叔父の資産は推定数千万円。姪、甥は叔父の事で仲が悪くなった。
1、叔父の死亡時には誰も対応せず、遺体引き取りが出来ない。
2、葬式をするにも、戒名等代等 誰も立替える意思が無い。
  (立替えた費用が他の相続人の事後合意が取れなさそう)
3、本家の墓には入れそうにも無いので、墓の問題が発生。

(福田)


【相続人に遺体の引き取り義務があると定めた法律はない】
相続人に遺体の引き取り義務があると定めた法律はありません。
そのため、法定相続人である甥姪全員が遺体の引き取りを拒否した場合、最終的には死亡した場所の自治体が火葬することになります。
参照条文:墓地、埋葬等に関する法律第9条:〔市町村長の埋葬又は火葬の義務〕 「死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。」
ただ、成年後見人(弁護士)としては、遺体の引取りや葬儀を主宰するように甥や姪の方々に働きかけることと思いますが、これも強制ではなく、断られてしまえば自治体に連絡して、火葬することになります。

【葬式費用の立て替えについて】
葬儀費用は相続債務ではありません。
そのため、喪主となった法定相続人が立て替え支払いをして、後日、遺産分割時に返済をしてもらうようなことが多いです。
しかし、厳密にいえば、葬儀費用は相続債務ではなく、支出したからといって、必ずしも遺産から優先弁済を受ける費用とは言えないため、相続人間で遺産争いがあると、後見人も安易に喪主に葬儀費用分を返還するわけにはいきません。
そのため、あなたがもし葬儀を執り行ってあげたいというお気持ちであれば、このようなリスクを覚悟の上で行うか、あまり費用をかけずに行うか、どちらかの方法で処理するしかないでしょう。

【墓地の費用について】
最後に、入るべき墓がないという問題ですが、法定相続人が墓を建立しなければならないという法律はありません。
最終的には、喪主となるべき人が決定することでありますが、その喪主も決まりそうもなく、又、費用負担するべき人はいないというのであれば、もはやどうしようもありません。
そのため、もしあなたが墓地を建立してあげたいというお気持ちがおありでしたら、ご自身の費用で立て替え支出した上、他の相続人(ほかの甥姪)に墓地を建立するための見積書等を提示した上、遺産分割協議を行う際に一定額を控除してもらうよう要求していくほかないように思います。

【遺産は遺産、葬儀や墓は別問題】
叔父さんの遺体を引き取りもしないような状況の中で、遺産分割について争いを続けるということが果たしていいのかどうか、法律問題ではありませんが、検討される必要があるように思います。
遺産問題全体の解決がすぐにはできなとしても、被相続人の遺体の引取りや葬儀の手配については法定相続人間で協議され、何らかの合意をすることはできないのでしょうか。
経費の最低限にしてでも必要な手配を行われることをお勧めします。

(弁護士 北野英彦)

甥を相続することはあるのか? 【Q&A №459】


【質問のまとめ】
 甥が亡くなった後に姉が亡くなりました。
 甥の借金を私が返さないといけないことがあるのでしょうか?

記載内容   相続順位 相続放棄

【ご質問内容】
 はじめまして、二次相続につき教えていただきたく投稿いたしました。
 姉の子(甥)が住民税や固定資産税を未払いのまま死亡したらしく市役所から自分に請求が来ています。
 法律上、被相続人の叔父叔母が相続人になることはなかったはずと思い、市役所に問い合わせました。
 まず甥が亡くなり姉が相続放棄をしなかった。その後に姉が亡くなり、姉には他に子もいないため、兄弟である私に甥→姉→私と納税する義務が相続されたとのことです。
 相続放棄を検討していますが、直接甥の相続人ではなくてもこの場合、私は相続人になってしまうのでしょうか。

(清左衛門)


【あなたが甥の債務を相続することもあります】
 お姉さんの子(甥)が死亡して相続が発生したケースです。
 まず、甥が、子供がなく死亡した場合、その方の母親(すなわち、あなたのお姉さん)が直系尊属として相続人になります。
 また、甥に子供がいても、その子供が相続放棄した場合にも、お姉さんが直系尊属として相続人になります。
 相続では財産だけでなく、負債も引き継ぎます。
 そのため、もし、甥の遺産が、財産よりも負債が多い場合には、お姉さんとしては相続放棄をするべきでした。
 もし、相続放棄をしていないというのであれば、甥の税金等の債務の支払義務は相続でお姉さんに引き継がれます。
 お姉さんが死亡した場合、お姉さんに子や親がいないか、あるいはこれらの方が相続放棄をした場合、兄弟であるあなたが相続人になります。
 以上に挙げたケースに該当するのであれば、市役所のいうように、甥の方⇒お姉さん⇒あなたの流れで税金の支払い義務が相続され、あなたが支払い義務を負います。

   甥 ⇒ お姉さん ⇒ あなた
      一次相続     二次相続

【相続放棄をするかどうかは調査をしてから】
 まず、あなたとしては、お姉さんの遺産(財産)や負債(債務)の内容を調査し、債務が多ければ家庭裁判所に相続放棄の申立をするといいでしょう。
 ただ、相続放棄は、相続開始を知ってから3ケ月以内にする必要があります。
 もし、調査には時間がかかるというのであれば、予め、家庭裁判所に相続放棄の期間を延ばしてもらう手続きをするといいでしょう。
 債務が多いことがはっきりしており、相続開始を知ってから3ケ月以内だというのであれば、すぐに相続放棄の手続きをするといいでしょう。
 手続きとしては弁護士に依頼しなければならないほど複雑なものではありません。
 もしわからない点があれば、家庭裁判所で教えてもらってもいいです。
 ただ、財産を調査する必要があれば、相続に詳しい弁護士に相談されるということも考えていいでしょう。

【遺産調査に時間がかかる場合の対処】
 遺産の調査に時間がかかるということを理由にすれば、家庭裁判所は放棄するまでの期間を(通常の場合)3ケ月程度延長してくれますので、相続開始から6ケ月程度、調査機関があることになります。
 その調査の結果、負債が多ければ家庭裁判所に対して相続放棄の手続きをするといいでしょう。
 なお、調査期間中に遺産の預貯金を使うなどということをすれば、相続放棄の効果が認められなくなりますので、この点は注意が必要です。

(弁護士 大澤龍司)

★相続放棄と葬儀費用【Q&A №440】


 母方の叔父が独身で、甥、姪に当たる人物が私だけです。
 母も叔父もまだ元気ですが、今のうちに知っておきたいので質問させていただきます。
 叔父の遺産は放棄するつもりです。
 母が亡くなり、その後叔父が亡くなったら葬儀代の負担はどのようになりますか?
 相続人が私しかいない場合、葬儀代は立て替えておけば、遺産を放棄しても葬儀代など請求できますか?
 その場合どんな手続きをしておいたらいいですか?
 領収書をもっておけばいいのでしょうか?

記載内容  葬儀費用 立替 相続放棄 相続財産管理人 代襲相続  

(はるか)


【葬儀費用は相続債務ので、遺産に立替分の返還請求をできない】
 叔父さんが死亡したとき、資産や債務は法定相続人に引き継がれます。
 この相続人に引き継がれる債務とは、叔父さんが生前に負っていた債務です。
 質問の葬儀費用ですが、これは叔父さんが死亡した後に発生する債務ですので、相続債務にはなりません。
 なお、相続税の申告では、葬儀費用は必要経費として遺産から控除されます。
 しかし、それは税務上の扱いにすぎず、法律では相続債務としては扱われません。
 そのため、葬儀費用を立替えたからといって、その立替分を遺産から支払ってもらえることはないというのが法律的な回答になります。
 なお葬儀費用の扱いについては相続Q&A №140Q&A №424を参照ください。

【相続放棄の後の請求には手続的に費用もかかる】
 お母さんが先に亡くなり、その後に母方の叔父さんがなくなった場合には、あなたはお母さんの代襲相続人として叔父さんの遺産の法定相続人になります。
 あなたが相続放棄をした場合、他に相続人がおらなければ、叔父さんの遺産を管理する人はいなくなり、相続財産は宙に浮くことになります。
 もし、あなたが叔父さんの葬儀費用を立替えたということで請求がしたいのであれば、あなたが家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立をし、これを受けて裁判所が弁護士を相続財産管理人として選任します。
 但し、この選任をしてもらうためには約100万円の予納金を裁判所に納める必要があります(この予納金は相続財産管理人の報酬等に充てられます)。
 このように手続き的にもややこしく費用もかかります。
 しかも、相続財産管理人としては、あなたから葬儀費用立替分の返還請求があったとしても、前項で記載した理由により、支払いを拒否する可能性が極めて高いことを理解しておく必要があるでしょう。

【葬儀をしなければならないなら、生前にその分をもらっておく】
 以上のとおりであり、相続放棄をした場合、立替えた葬儀費用は返還される可能性は極めて少ないと覚悟しておくべきでしょう。
 解決策としては、現在、叔父さんが生きておられるようですので、将来の葬儀費用を予めもらっておくことを考えられるといいでしょう。
 葬儀費用に使用するとの前提で叔父さんからお金を預かり、それを保管しておいて、叔父さんが死亡されたときにそのお金と使って葬儀をされるといいでしょう。

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