大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

口頭による遺産分割協議の効力【Q&A №520】

【質問の要旨】
口頭で不動産の相続に合意したが、登記に応じてくれない

記載内容  口頭 約束 登記

【ご質問内容】
5年前親が死んで、貯金は500万円 姉が相続し、親と同居していたわたしは、家と土地、畑を相続するということで合意しました
それは口頭で合意したもので、遺産分割協議書はつくってませんでした
ところが、登記名義を私に変更しようと思い、姉にいったら、それに協力してくれません。
1.姉にたいして、相続登記に協力せよ、という裁判はおこせるのでしょうか
その場合、私のほうで、立証しなければいけないことはありますか?
2.また、家裁に遺産分割協議をわたしが、申請した場合、どうなるのでしょうか
家裁はすでに、遺産分割協議は終了している、と判断して受け付けてもらえないのでしょうか?
それとも、私の主張とおり、私への名義変更がみとめられるのでしょうか?
それとも、遺産分割協議をやりなおして、民法の法定相続分とおりの判断がなされるのでしょうか?
この場合、不動産価格が3000、万円ぐらいなので、私に不利となります。

(dfhfgj)


【相続登記を求めて訴訟はできるが・・】
お姉さんを被告にして、遺産である不動産を私の単独名義に移転登記せよとの訴訟を起こすことは可能です。
問題は、勝訴するかどうかです。

【あなたが不動産を相続することの合意の証明責任がある】
遺産分割協議については、通常の場合、分割内容を記載した書面を作成し、かつ実印を押捺して、印鑑証明書を添付します。
口頭で合意ができないわけではありませんが、《言った、言わない》という議論になること及び遺産という多額の財産の分配のことですので、実印を押捺した書面を作成するのです。
今回の場合、お姉さんが合意書作成に応じなかったこと、又、相続登記に協力しないようであることを見ると、裁判でそんな合意はなかったと争うことは間違いないでしょう。
その場合、あなたとしては《不動産をあなたに相続させるとの合意》が間違いなくあったという点を証明する必要があります
質問から受ける感じから言えば、なかなか証明は難しそうです。
合意の証明ができない限り、裁判はあなたが負けることになります。

【調停の場合も、合意をお姉さんが認めないと法定相続分で・・】
裁判と異なり、家裁での遺産分割調停は話し合いです。
しかし、お姉さんが不動産をあなたに相続させるという合意があったことを認めてくれない限り、調停でもあなたの主張する遺産分割協議を前提としての話し合いはむずかしいでしょう。
結局、法定相続分を基準としての調停が進む可能性が高いという結論になります。

(弁護士 大澤龍司)

共有持分と相続放棄の関係【Q&A №402】


 持分1/2の共有土地所有者がその土地を抵当に入れたまま死亡し、遺族が相続放棄しています。
 債権回収会社に私が代わりに支払い、抵当権抹消手続きをしたいのですが、可能でしょうか?
 抹消手続きに必要な書類一式はお金と引き換えにくれるとの事ですが、登記手続きの権利者は本人死亡なので、誰か代わりに手続きすることが可能でしょうか?   抵当が外れたら、相続財産管理人の選任を申し立てて、相続人不存在確定したら、共有者の自分に帰属するのを待つつもりです。
 他には債務も、遺産もないようです。よろしくお願いいたします。

記載内容  相続財産管理人 登記 共有 利害関係人 予納金

(みなみ500)


【共有持分と相続放棄】
 質問者の方は他の方(Aさんとしておきましょう)と土地を共有されていたが、そのAさんが死亡し、相続人が全部相続放棄したというケースです。
 このような場合、民法に《共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がいないときは、その持分は他の共有者に帰属する(255条)》という条文があります。
 質問の場合は相続放棄の結果、相続人がいなくなったケースですが、この場合にも同条文が適用されると考えていいでしょう。
 その結果、質問者の方はAさんの共有持分を取得し、単独所有権者になっています。

【登記は相続財産管理人に対して請求する】
 質問者の方はAさんの借金を債権回収会社に支払い、抵当権の抹消書類をもらうようです。
 ところが、この抹消書類で抵当権抹消登記を申請できるのは持分権者であるAさんです。
 しかし、Aさんには相続人がいないのだから、一体、誰に抵当権抹消登記を請求するのか(登記義務者は誰か)という問題が発生します。
 次に、Aさんの持分が無くなり、質問者の方が単独所有になったのですが、この登記(所有権移転)もAさんに協力してもらう必要があります。
 しかし、Aさんの相続人がいない場合には、Aさんの持分移転登記を誰に請求するのだろうか(この場合の登記義務者は誰か)という問題も発生します。
 結論をいえば、遺産の管理をしてもらう相続財産管理人を選任してもらうことを家庭裁判所に申立する必要があります。
 選任された相続財産管理人がAさんの遺産の管理人として登記をすることになります。

【利害関係人なら相続財産管理人の選任申立を急ぐ】
 「利害関係人」であれば相続財産管理人の選任を申し立てることができる(民法952条)と記載されています。
 質問者の方はAさんの借金を支払ったのですから、借金支払分の返還請求権を有する債権者ですし、又、登記を請求できる立場にもありますので、利害関係人であることは間違いなく、あなた自身が申立することは可能です。
 Aさんの抵当権抹消も共有持ち分移転も財産管理人の関与が必要ですので、相続財産管理人の選任を急がれるといいでしょう。

【財産管理人制度についての補足】
 なお、相続財産管理人について簡単に説明しておきます。
 相続財産管理人の選任申立をするには裁判所にお金(予納金)を納付する必要があり、その金額は大阪家庭裁判所では約100万円で、かなりの多額です。
 次に質問者が財産管理人の選任の申立をした場合でも、財産管理人は相続人の関係の手続きのみをするのではなく、遺産の総整理をします。
 そのため、相続財産管理人の手続きが終了するまでにはかなりの期間がかかり、質問者の方の手続きだけが優先されるわけではないことも理解しておく必要があります。

遺留分減殺は単独で登記できるか【Q&A №399】


 実父の公正証書遺言により、第三者に遺贈されてしまった遺産のうち不動産に対し、法定相続人が遺留分減殺請求権の行使をし、その帰属範囲内の割合で共有(同?)登記し、それを継続させる事は可能ですか。

 遺言執行者には、遺言作成を依頼された弁護士が指定されており、受遺者は早急に遺産を売却し金員を手に入れようと遺言執行者の助言のもと、その土地建物に出入りし、動産の処分も行っています。

 法定相続人としては、それらの行為や目的にでき得る限り対抗しようと考えています。
 現在のところその土地建物の名義は実父のままで、建物の評価は略無いと思いますが、部屋に私の所有物を長年保管しております(使用借権としても専有面積は帰属範囲内の割合です)。

 審判までは一人で戦うつもりですので、法的知識や権利のある遺言執行者らの対抗にも有効な手立てをご教授ください。

記載内容  遺留分 登記 単独申請 仮差押 原則1年以内 執行者への通知

(金にならない相談者)


【遺留分権利者単独で遺留分の登記はできない】
 日本の登記制度は原則として登記を受ける権利者(今回はあなた)と登記手続きを行う義務者(今回は遺贈を受けた第三者)との共同申請が原則です。
 ただし、例外として、共同相続人のうちの一人が単独で法定相続内容通りの相続登記ができます(末記の条文をご参照ください)が、ご質問の《遺留分減殺を原因とする登記》は《相続登記》ではないため、遺留分権利者が単独ですることはできません。
 そのため、登記をするためには登記を受ける権利者(今回はあなた)と登記手続きを行う義務者(今回は遺贈を受けた第三者)との共同申請が必要であるという結論になります。

【遺留分の登記を実現するための方法】
 あなたが遺留分の登記をするためには、受遺者に対して裁判を起こして判決を得て、その判決に基づいて遺留分だけあなたが移転登記するということになります。
 ただ、判決が出るまでには(事案によって異なりますが)通常、1~2年程度かかります。
 今回のケースでは、受遺者が遺贈の対象となった不動産の売却を急いでいるようですので、判決を待っていられないでしょう。
 そのような場合には、不動産について遺留分があるので売却をしないようにという手続きとして仮差押申し立てをすることも可能です。
 手続きとしては、裁判所に書面を提出し、裁判所と面談して仮差押決定を出してもらう必要がありますので、ぜひ、相続に詳しい弁護士に相談し、仮差押えの手続きを委任されるといいでしょう。

【家への立ち入りはやむを得ない】
 次に、受遺者のお父さんの自宅への立ち入りですが、受遺者は登記を受ける前であっても当該不動産の所有権を有していますので、家への立ち入りを禁じることは難しいでしょう。
 なお、あなたの所有物が無断で処分された場合には、その分は所有権を侵害されたとして損害賠償の対象になることはあり得ます。

【現在、早急にとるべき行動について】
 ご存知だとは思いますが、遺留分減殺請求は、原則として、相続開始から1年以内にする必要があります。
 もし減殺請求をしていないのなら、早急に内容証明郵便で受遺者に対して減殺請求通知を出されるといいでしょう。
 次に、遺言執行者に対しても、遺留分減殺をした遺留分権者の立場で、受遺者に当該対象物件全部の移転をしないように申し入れておくことも考えられます。
 ただ、遺言執行者としては《とりあえずは受遺者に単独登記をするので、あとは受遺者と遺留分権利者とで争ってくれ》という対応をする場合が多く、あまり効果はないかもしれませんが、遺留分権利者としては、そのような申し入れもすることも一方法でしょう。
 いずれにせよ、遺留分にかかわる問題は難しい点が多々ありますので、早期に弁護士に相談されるといいでしょう。

《参照条文》
 不動産登記法63条(判決等による登記等)
   1項 ・・・・(省略)・・・これらの規定により申請を共同してしなければならない者の一方に登記手続きをすべきことを命じる確定判決による登記は、当該申請を共同でしなければならない者の他方が単独で申請することができる。
   2項 相続又は法人の合併による権利移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。

偽造された遺産分割協議書は有効か?【Q&A №131】


 父が亡くなり、兄弟3人が相続しました。現在誰も住んでいない実家ですが、先日登記簿を確認すると、父から兄への相続登記がされ、兄の単独名義になっていました。
 しかも、法務局で閲覧したところ、遺産分割協議書に私たち兄弟の署名と捺印がありました。以前白紙の紙に何も説明されずに署名、捺印した覚えはありますが、説明はされませんでした。
 遺産分割協議などしていませんし、控えもありません。しかも、遺産の実体も不明で、兄が独り占めしています。弟は兄を全面的に信じてしまい実印と印鑑証明書を渡してしまった為に、署名まで他人により偽造されていました。
 このような場合、全てを元に戻すにはどうしたらよいでしょうか? 

記載内容  偽造 遺産分割協議書 登記

(nimoのパパ)


【偽造された遺産分割協議書に基づく登記は無効である】
 合意ができていない遺産分割協議書で登記されたということですので、この登記は無効です。
 あなたは、相続分(3分の1)の限度であなたの登記名義にすることをお兄さんに請求することができます。

【訴訟をする前に仮処分が必要かもしれません】
 合意ができていない遺産分割協議書で登記するようなお兄さんですので、あなたが登記を戻せと言っても簡単には応じないでしょうから、登記を戻すには訴訟が必要になる可能性が高いです。
 又、あなたから登記を戻せとの請求があれば、急いで他人に売却してしまう可能性もありそうですので、他人に売らないように、不動産を処分できないような手続き(不動産処分禁止の仮処分)が必要になるかもしれません。
 いずれにせよ、できるだけ早期に弁護士に相談し、依頼することが必要な事件だと思います。
 なお、相談の際、仮処分の手続きをした方がいいかどうかも是非、確認されるといいでしょう。

借地上にある実家の売却【Q&A №117】


 実家(借地)60年位経つ。
 両親が亡くなってから16年間、固定資産税、地代等もろもろの金銭管理を長男がしてきました。
 名義は父のまま変更してないように思います。
 この度、地主さんから売却の話が出て、きょうだい(長女・次女・長男・三女・4女)で手放す結論をしました。
 借地権から生まれたお金等の説明を他の姉妹に全くしないで、お金を振り込むから口座番号を教えてほしいと言ってわずかな金額が振り込まれて終結した態度でいます。私(3女)は説明無しでは納得いかないので口座番号は教えてないです。正当な分割と言えるのでしょうか?
 兄に話を持っていけますか?もっていく場合はどのように交渉が出来ますか?

記載内容  借地権 登記

(ゆきんこ)


【はじめに】
 本件については、遺産である借地上の建物の売却の問題として回答します。

【建物は誰の名義かを確認する必要があります】
 借地上の建物の名義がお父さんのものか、念のために確かめましょう。
 法務局に行って登記簿を閲覧すればわかります。
 閲覧のための費用(500円)が掛かりますが、閲覧すること自体は誰でも(全くの他人でも)簡単にできます。

【お父さんの名義なら全員の同意がないと、原則として売却できない】
 お父さんの名義の建物なら、売却には相続人全員の同意が必要です。
 建物の売買では、その登記を買主に移転する必要がありますが、お父さん名義の遺産であれば相続人の全員の協力(実印をついた委任状の作成や印鑑証明の取り寄せ等)がないと、建物全部の移転登記ができません。
 移転登記ができないと、普通の人はまず買わないでしょう。
 だから、お兄さんが納得できるだけのお金をくれない限り、売却に協力しないとがんばってみるのもいいでしょうし、売買の経過の説明がない限り協力しないということも言っていいでしょう。

【どれくらいが妥当な金額?】
 建物は築60年ということですので、値打ちはありませんが、建物の借地権には値打ちがあります。
 そのため、お兄さんに売却額を確認し、裏付資料も見せてもらいましょう。
 売却額の5分の1(あなたの相続分)があなたのもらえる金額です。
 ただ、そこから減額してあげるかどうかは、お兄さんとお話の上、決定されるといいでしょう。

遺産分割で約束したお金がもらえないことはあるのか【Q&A №91】


 亡くなった母方の祖父の遺産の件で相談したいことがあります。
 アパート経営していた不動産を登記を変更し解体し売却するのだそうです。

 母方は兄弟が5人いてわたしは1/10の権利があり、他の兄弟の方もおおむね認めていると代理人の方から連絡がありました。

 それでみんなで集まり遺産分割協議書にハンコを押してほしいと言われたのですが、市の法律相談でハンコを押す際には全て終わってる状態まで待ってお金と交換で押した方がいいと言われました。

 遺産分割協議書に1/10と記載があっても不動産が売却したらお金が振り込まれないなどトラブルはあるのでしょうか?
 一応、代理人の方に皆さんで集まった日にお金はもらえるのでしょうか?と聞いたところ、その日は登記の書き換えだけで不動産物件の代金は後日、不動産屋から振込と言われました。

 できればその日に欲しいといったところ物件を業者で安く売るということでよろしいですか?とすごく怒り口調で言われてしまい困ってます。
よろしくお願いします。

記載内容  遺産分割 登記 弁護士

(まめすけ)


【何の必要があって、登記名義を変更をしなければならないのか?】
 登記名義を変更するという流れで話が進んでいるようです。
 しかし、どうして登記名義を移転する必要があるのでしょうか。
 アパートの解体をするのであれば、相続人の全員の同意を得て、解体業者に依頼するだけの話であり、登記名義を移転する必要はありません。
 登記名義を移転しないと、物件を業者に安く売ることになるというのも理解しにくい話です。アパートには居住者がいて、出てもらう必要があるという場合もありますが、それは登記名義とは関係のない話です。
 結局、登記名義を変更する理由が明らかではなく、質問の限度では、登記変更に応じる必要はないと思います。

【なぜ、売却費用が安くなるのか?】
 解体して更地にしない場合、業者しか買わないから、値段が下がるということかもしれません。それなら、解体をすればいいだけの話です。
 相続人全員がお金を出し合うか、特定の相続人にお金を立て替えてもらうかという、解体専門業者に支払う解体費用の工面の問題がありますが、登記移転の問題ではありません。
 又、共有だから売却額が下がる、あるいは業者にしか売れないということもありません。
 なお、相続人全員の意思を尊重していては、時間がかかり、その間、価額が下がるということも考えられなくもありませんが、しかし、相続人が多数いる場合には、その各相続人の意向を尊重するべきであって、ある特定の相続人が独断で売却先や値段を決定すること自体が問題でしょう。

【分割協議書の記載について】
 「遺産分割協議書に1/10と記載があっても不動産が売却したらお金が振り込まれないなどトラブルはあるのでしょうか?」という質問ですが、弁護士的な発想からいえば、質問のケースでは、そのようなリスクもあると言わざるをえません。
 分割協議書に売却代金を間違いなく支払うと記載してもらっても、それで売却代金の10分の1が間違いなくもらえるわけではありませんし、そもそも売却値段が適正であるかどうかも確認できないでしょう。
 相続人の一部に名義を移転するのであれば、その登記移転の段階で、金銭をもらう(登記移転書類と引き換えに金銭をもらう)べきだということです。
 質問の中で登場する《代理人》というのが一体、どういう地位や立場にある人かわかりませんが、もしあなたがその《代理人》《対等に》交渉できないというのであれば、弁護士に依頼することも視野に入れるべきでしょう(弁護士に相談あるいは依頼するなら・・法テラス滋賀弁護士会に連絡されるといいでしょう)。
 間違いなくもらいたいのであれば、登記移転と引き換えにするしかない、遺産分割協議書の書き方の問題ではないということをご理解ください。

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