大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

父の家を単独で相続するには?【Q&A №19】


祖父が亡くなって遺産分割協議がされないまま、父がなくなりました。
祖父には5人の子供がいます。そのうち父と父の兄 計2名が死亡し、現在兄弟は3名となり、父の葬儀後相続人間で遺産分割協議が行われました。
父は生前、自宅で自営業をしながら祖父と同居し介護をしていました。父が祖父と同居していた建物の名義は祖父の所有、土地は借地です。
祖父の生前に、一筆だった祖父名義の借地権を、父と父の弟で分けて、建物も2つに分けて生活しており、祖父の面倒は父が見ていました。現在も建物の登記は祖父名義のまま。父が死亡した後に父の弟が、父の居住していた建物は父の所有ではないから5分割すると主張してきました。
法的な根拠があれば父の建物を娘の私が単独で相続することを主張したいと考えています。ご教示下さい。

記載内容  相続人の範囲 遺産分割協議 代償分割

(ひよこ)


【相続人の確定が必要です】
 遺言書が作られていない限り、法律上はお祖父さんの死亡の際、お父さんのご兄弟5名がいたということであれば、これらの5名が相続します。
 なお、お祖父さんの死亡時点で、既に兄弟が死亡しており、かつその方に子供がない場合には、その人には相続がなくなり、他の兄弟の取り分がそれだけ増加します。
 また、お父さんの死亡時に、あなた以外に他の相続人(あなたの兄弟やお母さん)がいる場合、お父さんの財産(お祖父さんの相続分も含む)はこれらの方との間で共同相続することになります。

【単独取得のための方策としては】

1.まず、お祖父さんの相続の前に、あなた以外にお父さんの相続人がおれば、その人たちから、あなたがお父さんの 相続分を全部取得することの同意を取り付ける必要があります。
お父さんの相続人から同意がもらえるのであれば、遺産分割協議書を作成しておきましょう。

2.次に、お祖父さんの相続人と遺産分割協議を行いましょう。
 他にお祖父さんの遺産があるのであれば、他の遺産は他の相続人に渡し、あなたはお父さんの住んでいた不動産をもらうということも可能です。また、他の相続人の方に代償金を支払って、単独取得するということも考えられます。
 但し、この代償金額については、話合いで決めることになりますが、不動産価額について争いになる場合がよくあります。

☆ワンポイントアドバイス☆
 代償金の支払が必要な場合は、お父さんが祖父の面倒を見ていたことを「寄与分」であると主張することにより、他の相続人の相続分を減少させ、支払額を減らすことが可能です。
但し、実際の話合いでは、「寄与分」をいくらと算定するかについては紛争になりやすく、認められない場合もあります。

【コラム】遺留分とは

遺産をもらえない人の対抗策・・遺留分

【遺留分とは遺産の一部を受け取ることを保障する制度です】
 遺留分とは、遺言書で財産を全くもらえない場合や、遺言書でもらえる遺産が少ない場合に、一定の相続人に遺産の一部を受け取ることを保障する制度です。

 例えば、お父さんの遺言書があり、その遺言書に、「全ての財産を妻に相続させる」と記載されていた場合、長男と長女は、遺産を全く受け取ることができないように思われます。
 しかし、長男も長女も、同じお父さんの法定相続人ですので、長男や長女にもある程度の財産を受け取ることができます。これが遺留分という制度です。

【遺留分を認められる相続人の範囲と割合】
 遺産の一部を受け取ることが保障されているのは、被相続人の配偶者や子供、被相続人の父母等の直系尊属のみです。したがって、被相続人の兄弟は法定相続人ではありますが、慰留分は認められていません。
 また、遺留分の割合は、相続人が誰かによっても異なります。

 冒頭の例をあげると、長女の遺留分については、
遺産÷2(相続分は2分の1)÷2(子供が2人)÷2(遺留分割合2分の1)となり、
結局8分の1が遺留分となります。
長男も同様に8分の1が遺留分となります。

 別の例として、被相続人に父母はいるが、配偶者も子供もいないケースでの父、又は母の遺留分は、
遺産÷3(相続分は3分の1)÷2(父母が2人)÷3(遺留分割合3分の1)となり、
18分の1が遺留分となります。

【遺留分の請求時期・方法】
 慰留分は、当然にもらえるものではなく、遺留分を害されたこと(要するに遺言書により財産が全く、或いは、少ししかもらえない)を知った時点から1年以内に、慰留分を害する者に対して(冒頭の例であれば、お母さんに対して)、請求しなければなりません。これを遺留分減殺請求といいます。
遺留分を害されたことを知ってから、1年以上何もしなかった場合には、遺留分減殺請求は認められません。
遺留分減殺請求は、裁判によらないですることができますが、請求したことを証明できるようにしておく必要があるので、内容証明郵便のような書類で送付されることをお勧めします。

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