大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

母、兄家族と同居の独身女性【Q&A №574】


【質問の要旨】
実家を出ていけといわれたが、どうすればいいか

記載内容  同居 相続対策

【ご質問内容】

 60年住み慣れた家を出て一人で暮らしてと兄より言われて困惑
 実家は母屋と離れの部屋もある。
 相続対策として何か出来ることは
 父の死後、家屋・土地が兄の名義になっているかも?
 家を出て生活する予定にしていなかったため蓄えもなく長年勤めた仕事も定年退職し現在パート勤務。
 10年後を考えると・・・

(十年後不安)


【不動産登記簿で家がだれの名義かを確認する】
1)登記名義がお父さんの名義のままの場合 まず、家の全部事項証明書(登記簿謄本ともいいます)を取り寄せして、所有者が誰かを確認する必要があります。
もし、家の所有権登記がお父さんの名義のままであった場合、遺産分割が終了していないと思われますので、あなたは家の所有権の4分の1を相続で取得していることになります。
そのため、「相続して、家の共有者であるはずの私がなぜ、家を出ていかないとだめなのか」という理由で弟さんに反論されるといいでしょう。
なお、下記3)項に記載した「お父さんから住むことを認められた」ということも、併せて主張することが可能です。

2)登記名義が3人の共有名義の場合 登記が法定相続人3人の名義になっている場合は前項と同じく、「共有者である私がなぜ、家を出ていく必要があるのか」という反論をされるといいでしょう。

3)登記名義が弟の単独の場合 弟さんの単独所有に登記されている場合には、共有であることを前提とする反論はできません。
しかし、その場合には《お父さんとあなたとの間で、「無償(ただ)で実家に住んでよい」という暗黙の合意ができていた》(これを法律的には「黙示の使用貸借契約が締結されていた」といいます)ということで反論されるといいでしょう。
実家の所有権がお兄さんに移っていたとしても、使用貸借契約は存続しており、お父さんの家に住まわせるという約束はお兄さんに引き継がれます。
参考までに言えば、あなたの無償で使用する権利がなくなるのは、
① 借主であるあなたが死亡する ② 使用貸借の目的が定められていたのなら、その達成されるまで のいずれかです。

・・・例えば、《結婚するまで住んでいいよ》とお父さんが言ったのであれば、結婚で使用貸借契約は終了するということです。
以上の①又は②の事情がない限り、あなたは法律的には家を出ていく必要はありません。
そのため、あなたはお兄さんに対して、実家に住む権利を主張することができるということになります。

【相続対策としてできること】
実家不動産がお母さん単独の名義になっていた場合には、お母さんの元気なうちに実家不動産の生前贈与を受けておくか、あなたに相続させるという遺言書をお母さんに書いてもらうという方策を考えてもいいでしょう。
又、仮にお母さんの単独名義ではなくとも、お父さんの遺産分割が未了なら、お母さんに《私の遺産はすべて相談者の方に渡す》という趣旨の遺言書を作ってもらってもいいでしょう。

【お母さんを味方につける】
お父さんの遺産分割が未了であるかどうか、又、お母さんがどの程度の力をもっているのか、判断能力に問題はないか等、考慮するべき要素は多いのですが、可能ならお兄さんに対抗すると言う意味でも、又、あなたに有利な遺言書を書いていただくと言う意味でも、お母さんを味方につけるといいでしょう
なお、現実的な解決としては、母屋と離れがあるということですので、お兄さん家族とルールを決めて、母屋と離れとに住み分けるということも考えていいでしょう。
ただ、お兄さんの圧力が強い場合には、相続に強い弁護士に相談し、場合によれば依頼することも考える必要があります。
その際、弁護士に今回の居住問題だけではなく、お父さんの遺産分割がどのようになっているのかの説明をし、分割未了であれば必要に応じて、遺産分割の依頼も考えておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

★持ち戻し免除を受けたい【Q&A №503】


【質問の要旨】
特別受益の持ち戻し免除について

記載内容  特別受益 免除 相続対策

【ご質問内容】
司法書士のもとで生前贈与の手続き、および遺言書作成をしましたが、現在、他の相続人から遺産分割申立書が来ました。
生前贈与手続き、遺言書作成を、司法書士に確認し、これなら生前贈与を受けたものは守られると聞いていたのですが、今になって、みなし相続財産として組み込まれることが分かりました
また、特別受益の免除を証明をしておけば、生前贈与を受けたものは持ち戻ししなくてよいという説明は一切ありませんでした
この場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか?
宜しくお願い致します。

(あずき)


【税金の問題と相続の問題は別個である】
相続税対策として、被相続人の生前に金銭を贈与することがありますが、このような対策は節税にはなるものの、遺産分割については特別受益になります。
税務と相続(民法)の違いの例としては、死亡保険金は税務上は遺産として扱われるのに、民法上は遺産としては扱われない等、多々あります。

【相続分割(民法)では生前贈与は遺産の先渡しと考える】
生前に法定相続人の一部の人が財産の贈与を受けている場合には、相続に関する法律である民法では、《特別受益》として遺産に持ち戻します
これは相続人間での公平を図る目的で定められたものであり、生前贈与は遺産の先渡しと考えるということです。
具体的なケースで言うと、死亡時の遺産額が4000万円だが、あなたが生前に暦年贈与で合計1000万円を被相続人からもらっていたというケースであれば、その生前贈与金額を遺産に加算した遺産総額(5000万円)を前提に、これを法定相続分で分割することになります。
相続人が2人であるとすると、あなたの相続分は2500万円ですが、既に生前に特別受益があります。
そのため、あなたとしては2500万円から生前受益分を差し引いた1500万円しか相続できないということになります。

【持ち戻し免除について】
ただ、被相続人が、明示でも黙示でもよいので、遺産に持ち戻ししなくてもよいという意思表示をしていたことが証明できれば、特別受益であっても遺産に持ち戻す必要はありません
そして、黙示の持戻し免除の意思表示があったか否かについては、贈与の内容及び価額、贈与の動機、被相続人との生活関係、相続人及び被相続人の職業、経済状態及び健康状態、他の相続人が受けた贈与の内容・価額及びこれについての持戻し免除の意思表示の有無など諸般の事情を考慮して判断することになります

具体的には、
①家業承継のため、特定の相続人に対して相続分以外に農地などの財産を相続させた。
②被相続人が生前贈与の見返りに利益を受けている(被相続人との同居のための居宅建設における土地使用の権限付与など)
③相続人に相続分以上の財産を必要とする特別な事情がある場合(病気などにより独立した生計を営むことが困難な相続人に対して生活保障を目的としてなされた贈与、妻の老後の生活を支えるための贈与など)
などの場合には持ち戻し免除を主張するといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

★認知症の父の家を処分するには【Q&A №186】


 父がアルツハイマーになってしまいました。

 父名義の遺産はどのようにして、母、私を含む子供3人でわけることが出来るのでしょうか?
 父と母、兄が今一緒に暮らしてます。
 母も高齢ですし、兄も独身で障害年金をもらってます。
 今暮らしている父名義の家と土地が広すぎて管理も難しく、出来れば早いうちに次女の私の所に土地と家を売却し、一緒にこれから暮らしたいと思ってます。
 (父以外は皆望んでます。)妹にはもちろん財産分与をして。
 いわゆる生前贈与でしょうか?

 生前贈与等まったく知識がなくすみませんが、宜しくお願いします。

記載内容  アルツハイマー 後見人 相続対策

(むちこちゃん)


【重度の認知症では売却はできない】
 質問では、お父さんのアルツハイマーの程度がはっきりとはわかりませんが、もし、重度で、自分で意思決定できないような場合には、お父さんは自宅の土地建物の売却や贈与はできませんし、遺言を作成してあなたに相続させることもできません。

【売買契約をするためには成年後見人の選任が必要】
 重度の認知症のお父さんが自宅を売却するには、家庭裁判所に成年後見人選任を申し立て、就任した後見人に売却してもらうしかありません。
 たとえば、特に使用せず、固定資産税など経費が多額になる不動産であれば、お父さんの財産減少防止のため売却するケースもあるでしょう。
 ただし、裁判所が親族以外の第三者を後見人に選任する可能性もあり、後見人が必ずしも売却に応じるかどうかはわかりません。また、成年後見人はお父さんの財産を守る立場ですので、生前贈与をすることはまず考えられません。

【生前贈与をしなくとも・・】
 又、生前贈与については高額の贈与税が課税されます。
 例えば、1000万円を超す生前贈与には、贈与された財産額の50%に相当する税金が課される可能性があります。
 又、自宅などの不動産を売却したことは税務署に通知されますので、税務署が売買代金の行き先を調査する可能性が高いです。
 このようなことを考えると、生前贈与は得策でもありません。

【結局は相続で財産分けをするしかない】
 どうしても自宅を売却する必要があるときには、成年後見人に自宅を売却してもらえることもあるでしょうが、その代金は後見人の管理に任せることになり、子どもたちで分けることはできません。
 その結果、お父さんが死亡した後に、売買代金を含む遺産を相続人で分けることしかできなくなります。
 結局、相続までは財産を分ける方策はないことになります。
 なお、相続の場合には、(現在の税制では)お母さんと子ども3人の場合、遺産総額9000万円までは、全く課税されませんので、節税のためにも相続を待つことが得策と言えるでしょう。

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