大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

相続権に時効は無いのですか。【Q&A №558】


【質問の要旨】
面倒をみなかった相続人が今になって権利を主張してきたが、相続権に時効はないのか?

記載内容 介護 相続権 時効

【ご質問内容】
私の祖父(昭和42年4月に死亡)の件で叔母(9人キョウダイの末っ子、唯一、生存している祖父の子供)が調停を申し立て、現在、審判
父は長男ではありませんが、親と同居し、祖母(昭和62年2月死亡)の介護を母と二人で全面的に担って来ました
祖母が生きている間、叔母たち父のキョウダイは、常に「親を、ちゃんと見い。よう任さん(父に相続させようとしない)」と言い続け、父にすると、隣近所や姉妹の嫁。

ところが、父のキョウダイたちは、叔母が死んでから、「田圃を売って分けろ」と主張し出して、父は「話が違う」と、田圃の1筆でも売って分けるという案を受け入れようとせず、平成8年4月に死亡してしまいました。
私も、調停が始まって以来の相続人の態度を見ていると、権利ばかり主張してと色んな意味で怒りが出ます。
もし、祖母が生きている間に「田圃を売ってまで分けろ」と叔母たちが主張していたら、祖母の介護を当然に引き受ける事になったでしょう。そういう負担を一切したくなかったから、「分けろ」とは、一言も主張しなかったのです。
 「よう任さん」と言いながら、母親の介護を一人のキョウダイに任せ切りにした揚げ句、延々50年も粘り続けて。

私が、先生にお尋ねしたい事は、「相続権に時効は無いのですか?」という事です。

(コバヤシ)


【相続分を主張する権利に時効はなく、介護をしていなかったとしても相続権はある】
祖母の介護が必要な間は相続分の主張をせずに、介護をすべてあなたのお父さんらに任せておきながら、祖母が亡くなり、介護の必要がなくなった後になって、祖父の相続分を主張されたという事案であり、あなたとしてはとても腹立たしいことでしょう。
しかし、祖父の子である叔母さんは祖父の相続人ですので、相続の発生(祖父の死亡)とともに、叔母さんは相続分に応じた権利を取得します
遺産分割協議をしなかったからと言って、この取得した権利が時効で消滅することはありません
また、介護を一切しなかったからといって、それで叔母さんの相続権がなくなるというものでもありません
そのため、たとえ相続開始から50年もの長期間が経過していても、祖父の相続人である叔母さんには自らの法定相続分に従った相続権を主張できるということになります。

【今後「寄与分を定める処分の申立て」をする】
祖父が亡くなった当時に遺産分割協議書を作成していなければ、あなたが「父が祖母の介護をする代わりに他の兄弟は相続分を主張しないという暗黙の合意があったはずだ」と主張したとしても、叔母さんには「そんな約束はしていない」と言われてしまうでしょう。
あなたのお話では調停から審判に移行しているようなので、これまでに遺産分割協議はしておらず、今、遺産分割の審判をしているのだと思われます。
その場合には、遺産分割とは別に、遺産分割の審判をしている裁判所に対して「寄与分を定める処分の申立て」をするという方法が考えられます。
そうすると、寄与分についても遺産分割の審判の中で一緒に判断することになりますので、その中で、お父さんが祖母の介護を全面的に引き受けていたことをお父さんの《特別の寄与》として主張し、お父さんの相続分を増やすことにより、叔母さんに支払う額を減らすということです。
ただ、寄与分とは、単に被相続人のために貢献したというだけではなく、財産の維持または増加のために《特別の寄与》をしたことが必要であるとされています。
介護したことにより、入院費やヘルパー代が助かったというような点を証明する必要があり、証明できた分だけが特別寄与として認められますので中々ハードルが高く、主張すれば簡単に認めてもらえるというものではありません。
お父さんが祖母の介護を全面的に引き受け、その結果、遺産が減少するのを防止できたということがわかる資料を用意され、寄与分の審判に出されるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)

愛人に貢ぐ父も母の財産を相続するのか【Q&A №302】


 母は認知症で父と二人暮らしをしていましたが、母が認知症になる数年前から父は愛人を作り、母が認知症になってから勝手に母の通帳から年金や貯金を引き出し、愛人に貢いでいたことがわかり、母親を施設に移し、まだ残っていた母親の財産を父の手に届かないところに移しました。
 父は家族に発覚してからも愛人との関係は続けており、このような父に母親の財産を相続させたくないのですが、いい方法はございませんでしょうか。

記載内容  愛人 相続権 認知症

(TAT)


【認知症でも意思能力がある場合には遺言書を作成する】
 今回はお母さんが認知症ということですが、認知症の程度が軽く、意思能力がある(成年後見人をつける必要がない)というのであれば、遺言書を作成し、配偶者である夫以外の人に遺産を相続させると記載するといいでしょう。
 ただ、この場合でも、お父さんは配偶者ですので、遺留分減殺請求をすると、遺産の4分の1はお父さんが取得することになります。

【意思能力がない場合には父が遺産の2分の1を相続する】
 認知症の程度が重く、意思能力がないという場合には、遺言書を作成できません。
 お父さんが認知症のお母さんのことを顧みず愛人に貢いでいるという話ですが、それでも離婚せず、戸籍上で夫となっている限り、お父さんはお母さんの相続人になります。
 そのため、お母さんが死亡すれば、お父さんがお母さんの遺産の2分の1を相続します。

【欠格事由も見当たらない】
 離婚以外にお父さんが相続権を失う方法としては、欠格という制度があります。
 しかし、これはお母さんを殺したり詐欺や脅迫により遺言をさせたりしたなど、かなり重大な事由がない限り簡単には認められません。
 お母さんの介護を全くしなかったとしても、欠格事由には該当しません。

【廃除の可能性があるかもしれない】
 そのほか、お母さんに対して虐待を繰り返し、あるいは重大な侮辱を加えた、または著しい非行があった場合、お母さんとしては、お父さんの相続人の地位を喪失させる廃除の申し立てを家庭裁判所にすることができます。
 愛人に貢いでいるというのが著しい非行になるかどうかですが、推定相続人廃除の申立てを認容した次のような裁判例があります(本件の場合、引用した判例ほどひどいケースかどうかは明らかではありませんが、参考にはなるでしょう)。
《参考判例:賭博行為を繰り返して作出した多額の借財をすべて申立人(被相続人)に支払わせ,かつ,妻子を顧みず,愛人と同棲して同女との間に男児をもうけ,愛人との生活を清算する意思もない推定相続人の行為は、「著しい非行」に該当する》

 なお、この廃除の申立は被相続人の専属権(被相続人本人だけができ、それ以外の人は申立できない)である可能性も高く、もし、この前提が正しいとすると、お母さんが認知症で意思表示ができないとなれば、この申立も難しいでしょう。

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