大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

相続による所有権取得前の不動産の管理責任【Q&A №405】


 調停で遺産相続が確定している土地、建物の管理責任は調停での確定範囲で負うと、考えて宜しいのでしょうか? (登記は死亡した祖父名のままです)

*遺産相続取得以外の建屋(未居住)から、強風で瓦が飛び隣地の家に損害を与えてしまいましたが、該当する 土地建屋を取得した、他の相続人の主張は遺産相続登記が完了していないので、私にも損害賠償を案分して支払え と言ってきています。

ご教示宜しくお願い致します。

記載内容  相続登記 管理責任 損害賠償 所有者責任 占有者責任

(Sunny)


【まず、占有者が責任を負う】
 建物の管理(補修等)に不備があったため、台風などの強風で隣宅に被害を与えた場合、まず、建物占有者が隣宅に対して損害賠償請求をする義務があります。

【次に所有者が責任を負う】
 ただ、占有者がいない場合や占有者が十分な管理をしていたような場合には、建物の所有者が責任を負って損害賠償をすることになります。
 本件では占有者がいないということですので、所有権者が責任を問われることになります。

【調停後の事故の場合】
 ご質問の場合、被害を与えた時期が調停の後であれば、たとえ相続登記が完了していなくとも、調停により所有権を取得した人が、確定的に所有者になりますので、損害賠償責任があります。
 他の相続人は、所有権を全くもっていないのですから、損害賠償をする必要はありません。

【調停前の事故の場合】
 調停成立前に隣家に被害をあたえたというのなら、その時点では遺産分割は完了しておらず、法定相続人間で共有状態になります。
 この場合には、共有者全員が損害賠償責任を負うことになります。
 ただ、その範囲がどこまでかは難しい問題です。
 仮に法定相続人が2名であり、損害賠償額が200万円であるとした場合、100万円ずつ損害賠償をするのか、それとも共有者各人が連帯して200万円(要するに全額)の支払い債務を負うのかという疑問があります。

 私個人としては、持ち分(法定相続分)の限度でしか責任を負わない(先程の例で言えば、100万円の限度での責任になる)ということで理解していますが、この点をはっきり明言した文献や判例を見つかりませんでしたので、あくまで個人的な見解としてご参照ください。

長年相続登記をしていなかった土地の名義変更【Q&A №356】


 約20年前に祖父が死亡し相続登記を行っていない不動産があります。
 相続人は祖父の配偶者と長女(実子)と養子です。
 長女と養子は昔の慣わしで結婚+祖父との婿養子として縁組をしていましたが、離婚後に離縁しています。
 長女(実子)に相続登記を行う場合、どのような書類が必要なのでしょうか?
 相続権放棄ではなく遺産分割で全て長女へ分割すればいいのでしょうか?

記載内容  養子 離縁 相続登記 土地

(Hide)


【相続人は誰か・・離縁した養子は相続人ではない】
 遺産分割については、まず相続人は誰かが問題となります。
 誰が相続人になるかは、相続開始時点(被相続人であるお父さんが亡くなった時点)で親族関係で判断します。
 婿養子の方は被相続人の生前に離縁していますので、相続人にはなりません。
 そのため、本件の場合、長女と配偶者のみが相続人になります。
 登記名義を変更するもっとも簡単な方法は、長女と配偶者で遺産分割協議書を作成(作成方法は、「相続コラム:遺産分割協議…話し合いによる遺産の分割」を参照)し、後は司法書士に依頼して、登記の手続きをするといいでしょう。なお、便法として、他の相続人であるお母さんが既に十分に遺産をもらっているので、あなたの単独登記をしてもよい、という同意書的な書面ですますことができる可能性もあり、昔はこの方法をよく使っていましたが、最近は使われていないようです(この点も司法書士に確認されるといいでしょう)。

【相続放棄は難しい】
 相続放棄は家庭裁判所への申立(申述)という手続きが必要です。
 この放棄の手続きは、お祖父さんの死亡を知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し立てをする必要があります。
 今回は祖父が亡くなってから20年以上も経っていますので、相続放棄の手続き(家庭裁判所への申述)はできません。

借地上の建物にも相続登記が必要か【Q&A №187】


借地上に建つ亡母名義の家屋と借地権について

 借地上に建つ亡母名義の家屋に居住しておりますが、建物が古すぎて資産価値がほとんどありません。現在、手元にまとまった貯金もないため、司法書士さんへ相談する経済的な余裕がないので権利書等もなにも変更できません。
 もし、地主さんが変更になった場合、立ち退きしなければならなくなりますか?ちなみに地主さんへ母がなくなったことはこれから書面にて郵送します。

記載内容  借地権の相続 相続登記 借地上建物の撤去

(とむとむ)


【借地権の移転で問題となることは2つある】
 現在の底地所有者がその土地を他人に売買しても、お母さんは借地権を主張することができ、立ち退きをする必要はありません(法律的には、《新所有者に対抗できる》ということになります)。
 ただ、お母さんから借地権が他人に移った段階では、2つの問題が発生します。
借地権の移転が、賃貸人(土地所有者)に無断で譲渡したということで、借地契約の解約理由となるのではないかということがまず第1番目の問題です。
 次に、借地権が移動したことを、所有者に主張できるかという第2番目の問題です。

【売買や贈与と借地権の関係】
 借地権者が借地上の建物を売却し、あるいは贈与して、借地権が移動した場合(これを《特定承継》といいます)には、第1の問題から言えば、底地所有者の承諾を得ていない場合には、借地権の解除理由となります。
 又、第2の問題として、借地権の移転について賃貸人(土地所有者)の承諾等が備わっていない場合には、土地所有者に借地権の移転を主張することはできません。

【相続による借地権の移転の場合】
 しかし、相続による移転の場合(これを《包括承継》といいます)には、相続人は賃借人であるお母さんの立場を引き継ぎ、さもお母さんと同一人物であるかのような扱いをうけます。そのため、第1番目の問題である解除はされませんし、第2番目の底地所有者から借地権を否認されることもありません(この2番目の点は。底地が他の人に売買や贈与された場合でも同じです)。
 今回の質問のケースでは、相続登記がなくとも、新しい土地所有者から借地上の建物の撤去・土地明渡を求められることはないという結論になります。

【できるだけ早い時期に相続登記をするのが望ましい】
 ただ、権利が移転したのなら、登記を変更するべきです。
 相続登記の費用は、通常の売買の費用より安いので、できるだけ早い段階で登記を移転することをお勧めします。

相続した土地の売却代金は誰のものか【Q&A №156】


 10年程前、売却した土地の代金を兄が要求

 10年程前、父が亡くなり土地を売りました。私には母と兄がいます。
 主人の借金の担保になっていたため、兄は自分名義にせず、母に名義を渡しました。そして売却した土地の代金860万程を借金に充てさせてくれました。最近になり、自営の仕事もうまくいかないようで、私達の住んでいる家を売ってまとまったお金を渡すようにと言ってきます。私達も余裕のある生活は、送ってませんし、家もまだ支払中です。この2、3日中に返事をしなくてなりません。どんなにお金を頼み込んで集めても、100万にもならないと、思います。いったい幾ら渡せばいいのか。家を売却して、お金を渡したほうがいいのでしょうか。 

記載内容  売却代金 相続登記

(悩みばかりの人生)


【ポイントは、お母さん名義にしたときの合意内容です】
 お父様の遺産である土地をお母さん名義にしたときに、相続人間でどんな合意があったのでしょうか。
 お母さんがその土地を単独で取得するということで相続人が合意していたのであれば、少なくとも不動産の遺産分割は終了しています。
 その後の不動産の売却はお母さんが単独で行ったものであり、その売却代金は全部がお母さんのものです。そのため、お母さんが売却代金でご主人の借金を返してくれたとしても、お兄さんとしては法律的には何も文句を言う権利がありません。
 したがって、あなたがお兄さんから請求を受けても支払う義務はありません。

【別段の合意がある場合は・・・】
 もし、お母さんの単独名義にするが、その売却代金については相続人間で相続分に応じて分割するというような合意があれば、その合意の効力として、お兄さんにも売却代金を相続分に応じて請求する権利が出てきます。
 しかし、仮にその合意があったとしても、お兄さんが請求できるのは、売買をし、その売買の受取人であるお母さんに対してです。借金を支払ってもらったあなたのご主人に対して、直接請求できることではないです。

 結局、あなた方が家を売る必要はないでしょう。

質問する

当ブログでは、相続に関するご質問に弁護士がお答えします。ベテラン弁護士の長年にわたる経験に基づく回答です。無料・匿名でご質問いただけますのでお気軽にご利用下さい。

事務所での有料相談はこちら

直接、お聞きして、的確に回答します。今、何が問題で、どう解決すべきかをわかりやすく説明します。

最近の相続ブログ

アーカイブ

カテゴリー

大澤龍司法律事務所

〒530-0047
大阪市北区西天満4-3-25
梅田プラザビル別館7階A703号

お気軽にご相談ください!(電話要予約)
お気軽にご相談ください!(電話要予約)
FAX:06-6361-6043 メールでのお問い合わせはこちら 月〜金曜日(祝日を除く)
    • 大阪メトロ堺筋線・谷町線「南森町」駅
      ...徒歩約7分
    • 大阪メトロ堺筋線・京阪電車「北浜」駅
      ...徒歩約10分
    • 大阪メトロ御堂筋線・京阪電車「淀屋橋」駅
      ...徒歩約15分
事務所ブログ 大原訴訟ホームページ

ページの先頭へ