大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

遺留分減殺調停における財産開示【Q&A №169】


 遺留分請求調停について

 昨年の10月に父が他界しました。母はすでに一昨年に亡くなっているので、相続人は兄(同居していた)と私の二人で、兄にすべての財産を与えるという遺言が残されていました。遺言の検認後、兄は一向に財産を開示しないので、私は遺留分請求の調停を起こしました。兄は弁護士をつけており、その弁護士に問い合わせても一向に財産を開示してくれません。
最初の調停の時は、財産の開示は税務署への申告書を見るのが最も適しているがまだ作成中で完成してないと逃げられてしまいました。
財産の開示は申告書が最も適しているのでしょうか?
財産の開示をずっと遅らせている相手方の言うなりになるしかないのでしょうか?
こんな調子で、もし相手が欠席したりしたらどうなってしまうのでしょうか?
調停をスムーズに進めるためのアドバイスをお願いします。

記載内容  調停 相続税申告 遺産調査

(paphio)


【相続税申告書も有効な手段の一つ】
 相続税申告は相続開始後10ヶ月以内に行う必要がありますので、お父様が亡くなられたのが昨年10月であれば、今年の8月頃には申告期限になり、その段階で申告書が手に入るとは思います。
 相続税申告書には不動産や預貯金などの遺産(無価値な動産や形見程度のものは除きますが)は基本的に全て記載されているはずです。
 そのため、遺産内容を把握する方法として相続税申告書が一つの有効な手段であることは間違いありません。

【遺言執行者には遺産目録作成交付義務があるが・・】
 遺言で全財産をお兄さんに相続させるという内容になっていたようですが、おそらく遺言執行者の定めもあり、お兄さんかその関係者が指定されている可能性が高いと思われます。
 法律的にいうと遺言執行者は遺産目録を作成し、相続人に交付する義務がありますが、守らない人も多いです。

【調停の手続内で開示を求めることが必要だが・・】
 相続税申告は遺留分減殺の調停とは全く別個の手続きです。相手方あるいは調停委員に対し、早期解決に必要だと強調して、調停内で情報開示するよう要求する必要があります。
 調停における財産開示は相続税申告後にしなければならない理由は全くありませんので、遺産となる預金通帳や保険の内容開示を要求しましょう。
 ただ、相手方が拒否すれば打つ手はなしというのが実情でしょう。

【いずれにせよ、別途調査が必要不可欠です】
 相続税申告書が開示されても、相手方自身の自己申告によるものですので、それを鵜呑みにすることはできない場合が多いものです。
 そのため、相手方に開示を求めることと並行して、あなた自身でもわかる限度で独自に遺産調査を進めることが必要です。
 遺産調査は、一般の方では難しいところがありますので、段取りや手続はお近くの弁護士などに相談されるのがよいでしょう。

 なお、遺産調査のポイントについては、
当ブログ NO.98 ないし NO.158 など(カテゴリ「遺産調査」に収録)をご参照ください。

帰化前の姓で書かれた遺言の効力【Q&A №56】


 亡父の公正証書遺言があります。
 私は在日で10年以上前に帰化しています。帰化手続き後、父にそのことは報告済みですが、どうしたことか遺言書には私の結婚後の姓と帰化前の名前が私の姓名として書かれて帰化後の戸籍上の名前とは異なっています。
 この公正証書遺言は有効でしょうか。
 遺言作成時の判断能力にも疑義を持っています。
 相続税の申告書には遺言書に記載の名前を書くのでしょうか。その場合遺言書を認めたことになるでしょうか。

記載内容  人物の特定 遺言能力 相続税申告

(雪うさぎ)


【正式な戸籍上の氏名と遺言書の記載が異なる場合】
 受遺者(遺産をもらう人)の氏名が正式な戸籍上の氏名と違っていても、遺言書全体から見て受遺者が誰かを特定できるような場合、遺言書の受遺者についての記載部分は有効です。
 例えば、氏名の記載が違っていても、生年月日や続柄(「長女」など遺言者との関係)も考慮した場合、その遺言書に記載された氏名の人を特定できる場合には、遺言書のその記載部分は有効です。
 相談のケースでは《私の結婚後の姓と帰化前の名前が私の姓名として書かれ、帰化後の戸籍上の名前とは異なっています》ということですが、この程度ならその人物があなたであると特定できることになるでしょう。
(もっとも、公正証書遺言では専門家である公証人が関与し、住民票などを確認しますので、誤記だとは考えにくいのですが)。

【遺言作成時の判断能力に疑問がある場合は・・】
 遺言作成時に遺言者に判断能力がなければ、遺言書は無効です。
 遺言者の判断能力に疑問を感じておられるのであれば、お父さんがかかっておられた病院のカルテや看護記録を取り寄せることをお勧めします。
 相続人であれば取り寄せができますが、カルテの判読や判断能力があるか否かの判断、その後の交渉等を考えれば、早い段階で弁護士に頼むことも考えていいでしょう。

【相続税申告書の記名押印と遺産分割の同意】
 相続税の申告書には現在の氏名を記載します。
 相続税の申告書には相続人の記名及び押印欄がありますが、これは税務署に対する相続税の申告をしたということであるにすぎず、それだけでは、直ちに申告書の分割内容の遺産分割を承認したことにはなりません。
 ただ、誤解を招くことを避けるため、相続税申告の前(それができないやむを得ない理由がある場合には申告後、ただち)に、他の相続人等に対して、税務申告内容で分割を了承したものではないという意思表示をしておくことをお勧めします。

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