大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

遺言書の検認を受けてからするべきこと【Q&A №430】


 昨年母親が亡くなりました。
 父親は十数年前にすでに他界しております。
 私には姉が一人おります。
 姉は現在社会人、大学生2人の娘と夫の5人家族で私のほうは小学6年生の息子と主人の3人家族です。
 母の病院の付き添いなどの面倒は主に姉が行ってきました。
 私の方は育児期が重なり主に週末など行ける時に息子の顔を見せに行くという形で関わってきました。
 母が亡くなってから姉より、実は数年前に母から遺言状をもらっていたと聞かされました。
 もらう際、「財産は全部あなたに」といった内容の遺言状であると聞かされながらもらったそうです。
 そうはいっても、ということで一度は財産は等分にしようということになったのですが、実家の片付けをする過程で意見の不一致などが重なってきたところで「やっぱり検認するから」といわれ手続きにかかっているそうです。
 姉はそれまでにも母より子供の学費や生活費の援助を相当額うけていましたし、もっと遡れば子供の幼少期には母は定期を買って足しげく姉のところに通い面倒をみておりました。
 つまり、過去からずっと持ちつ持たれつの関係でした。
 私の方は子供の頃から冷遇、姉は母の愛情を一身に受けておりました。
 悔しくてなりません。
 遺言状の存在を知りながら教えてもらえなかったこと、姉が生前に受けてきた恩恵。
 最後にとどめの一発、どう考えたらよいのでしょうか。
 自分の尊厳を守りぬく方法を教えてください。

記載内容  秘密 自筆遺言書 検認 遺留分 特別受益

(みなしごはっち)


【まずするべきことは遺言書の確認です】
 質問では、お姉さんは遺言書があると言っておられ、検認の手続きをされる方向のようです。
 公証役場で作った公正証書遺言の場合には検認が不要ですので、遺言書は自筆でかかれた自筆証書遺言だと思われます。
 あなたとしては次の点を確認する必要があります。
①まず、本当に遺言書が存在するのかを確認する。
遺言書の内容がどのようなものかを確認する。
遺言書が有効かどうかを確認する。

 自筆証書遺言の場合、法律に定められた書式に合致しない場合には、遺言書は無効になります。
 たとえば、ワープロで作成したものは効力を持ちませんし、日付が抜けている場合も効力がありません。

【遺言書を入手して、有効性を確認する】
 自筆証書遺言の場合、お姉さんが家庭裁判所に検認の申立をします。
 裁判所は遺言書を開封し、その内容を他の法定相続人等に見せます。
 この裁判所の検認は遺言書が出てきたことを他の法定相続人に見せるというだけの手続きであり、裁判所がその遺言書が有効であるかどうかの判断はしません。
 あなたとしては遺言書の検認に際して裁判所が作成する検認調書(遺言書のコピーが付けられています)をもらい、有効な遺言書かどうかを判断されるといいでしょう。
 なお、その判断ができないというのであれば、相続に詳しい弁護士に法律相談され、遺言書が有効かどうかについての見解を聞かれるといいでしょう。

【遺言書が有効な場合の対処法】
 仮に遺言書が有効なものであり、その内容がお姉さんに遺産全部を相続させるというものであっても、あなたには、本来の法定相続分の半分(相続人があなたとお姉さんだけだとすると4分の1)の限度で遺産をもらえる遺留分減殺請求という制度があります。
 遺言書の内容を見て、あなたが全く遺産をもらえないような内容である、あるいはもらえるけれども遺産の4分の1に届かないというのであれば、遺言書を見たときから1年以内に、遺留分減殺請求通知を出されるといいでしょう。
 なお、お姉さんが、お母さんの生前にかなりの財産をもらっているような場合には、その生前にもらった分を特別受益として遺産に持ち戻すという制度があります(このような持ち戻しが認められると、あなたが遺産からもらう遺留分が増加します)。
 この遺留分や特別受益については、この相続ブログの他のQ&Aに詳しく書いておりますので参照されるといいでしょう。(相続Q&A №243Q&A №393ご参照)
 ただ、遺留分や特別受益については、法律的に難しい分野ですし、最終的には訴訟等の法的手続きが必要になる可能性も高いことから、早期に弁護士に相談、依頼することも視野に入れるといいでしょう。

 

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