大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

子供がない夫婦、夫の死後ゆうちょ銀行の手続き【Q&A №591】


【質問の要旨】
亡き夫の姉妹の居場所が分からない場合、相続手続はどうすればいいか?

記載内容  連絡先 戸籍の付票 行方不明

【ご質問内容】
 相続の手続きが必要とのこと。

 亡き夫の生家とは、50年近く勘当同然の状態。
 両親は、亡くなっていますが姉3人、妹1人おりますが連絡先もわかりません。
 原戸籍は、取り寄せましたが現在の住所等を知る術がありません。
 会ったとしても普通に会話できそうにありません。

 正直、弁護士さんや司法書士さんへお願いする金銭的余裕もありませんので約5年そのままの状態です。
 この先、どうしたら良いのか不安で仕方ありません。
 具体的に手続きの術を教えてください。よろしくお願い致します。

(ゆた)


(敬称略で記載しております。ご了解ください)

【父が亡くなり、その後に夫がなくなったと理解】
 夫の父が先に死亡し、その後に夫が死亡したケースの場合に限り、あなたが夫の父の遺産を相続できます。
 今回の回答はその前提で記載しています。
 なお、あなたの夫が先に亡くなり、夫の父がその後に亡くなったケースでは、夫との間に子がいないため、あなたは夫の父の遺産を相続できません。

【戸籍の付票を取り寄せする】
 今回のご相談は、遺産分割をしようにも、他の相続人の居所も連絡先もわからないため、話し合いすらできないということのようです。
 ただ、相続関係を明らかにするために必要な戸籍は取り寄せておられるのであれば、「戸籍の付票」を取り寄せするといいでしょう。
 戸籍の付票とは、簡単に言えば戸籍に添付された住所の移り変わりの記録のことであり、出生時から現在までの住所の移り変わりが記載されており、他の相続人などの現在の住所地を把握することができます。
 戸籍の付票は戸籍に添付されているため、取り寄せ先は他の相続人のそれぞれの本籍地がある市区町村の役所ということになります。
 たとえば戸籍謄本を見て大阪市北区に本籍地があるなら、大阪市の北区役所に戸籍の付票を交付申請することになります。

【取り寄せ手続もそれほど難しくありません】
 戸籍付票は住所というプライバシー性の強い情報が記載されているため、本来は直系親族(たとえば申請者の祖父母、父母、子、孫など)を除けば、正当な理由がない限り役所は交付申請に応じません。
 ただ、今回の場合、あなたが相続人になることを裏付けとなる戸籍を提出し、その手続きのために必要であると申し出れば、付票を交付してもらえます。
 この申請手続は、専門家を要するような難しい手続ではありません。
 ただ、戸籍付票でわかるのは住民票がどこにあるのかということであり、そこに住んでいるかどうかまではわかりません。

 そのため、まず、手紙等の郵便物を付票上の住所に送付して、連絡をとることになります。
 なお、郵便物が返送されてくるような場合には、付票上の住所には住んでいない可能性も高いので、その現地に行かれ、付近の人から居住状況や転居先を聞かれるといいでしょう。

【法テラスなどの利用も検討する】
 連絡先が分かればあとはお手紙などで話し合いで遺産分割の話を始めることになります。
 普段からおつきあいのない親族との話合いに苦労されるケースも珍しくありませんが、専門家にご依頼されないのであれば自力で行うほかありません。
 なお、専門家に依頼する費用がないという場合であれば、弁護士費用を一時的に立て替えてもらい、後日分割で返済する制度(日本司法支援センター 通称「法テラス」)などもあります。
 預貯金や収入が一定額以下であることなど申込には条件がありますが、一度ご検討されてはいかがでしょうか。

(弁護士 北野英彦)

葬儀に出なかった弟と葬儀代【Q&A №538】


【質問の要旨】
父の死亡時に行方不明だった弟の消息がわかったのだが、
弟に負担してもらいたい葬儀費用を請求することができるのか?

記載内容 葬儀代 負担 行方不明

【ご質問内容】
父親が死亡時(平成24年)、相続人は私と弟の2人でした。
その相続時に弟は行方不明状態でしたので、連絡ができなくて相続もできませんでした。
地元の法律相談などで相談して、裁判所が指定した司法書士が弟の遺留分を管理保管していました。
約1か月前、千葉市にいることが分かり、過日、司法書士より遺留分が送金されています。
そういう訳なので、葬儀費用諸費を折半したいと伝えても、応じてくれません。
弟は弁護士に相談したようで遺留分には関係ないと掛け合ってくれません。
どうしたら良いでしょうか?返還請求?

(yamatokarateman)


【葬儀費用に関するルールは不明確】
葬儀費用を誰が負担するのかについて定めた法律はありません。
そのため、葬儀費用については裁判所や学者の考えが分かれています。
主流な考え方は、葬儀は喪主が主宰するものであり、その考えで規模やかける費用も異なるため、他の相続人に負担させるのは望ましくないというものであり、裁判所の考え方もほぼこれに近いです。
ただ、他の相続人が葬儀に出席しているのであれば、その費用を分担させ、遺産から葬儀費用を差し引くというのが裁判所の考え方と言っていいでしょう。
(この問題については以前のQ&Aでも数回、触れたことがあります。過去ブログQ&A №424Q&A №401Q&A №308Q&A №140などもご参照下さい)。

【出席していないのであれば、負担を求めるのは困難】
前項のような考え方から言えば、質問のように弟さんが葬儀に出席していないのであれば、弟さんに負担を求めることは難しいでしょう。

【参考までに・・香典、法事費用の扱い】
質問の回答は前項までに記載したとおりですが、参考までに次の点も付け加えておきます。
① 香典の扱い
葬儀費用を分担するとなると、香典分を差し引きする必要があります。
香典は喪主が受け取りますが、もし、葬儀費用を分担するとなる、香典収入は葬儀費用から差引することになります(本ブログQ&A №474参照)

② 法事費用
法事は喪主が主宰して行うものです。
そのため法事費用は全て喪主が負担します。
法事費用を遺産から出すことを認めた裁判例はありません。
念のために言えば、法定相続人全員が遺産から法事費用を負担することに同意をした場合にはその合意が有効であることはいうまでもありません。

(弁護士 大澤龍司)

行方不明の相続人への対処【Q&A №262】


 夫が他界しました。息子は、さんざん親のお金を使ったあげく、行方知らずです。私と娘だけで夫の財産を相続したいのですが、息子を排除する方法はあるでしょうか。
 家庭裁判所に訴えれば、息子の財産権を無くすことができると、聞いたことがあります。本当でしょうか。

記載内容  行方不明 失踪宣告 廃除

(miko)


【行方不明者も相続人です】
 息子さんが音信不通ということですが、行方不明者であっても財産権はあります。
また、行方不明者であったとしても、相続人であることに変わりはありません。
 そのため、ご主人の相続手続を行う(例えば、預金を解約あるいは引きだしたり、自宅の登記を移転するような場合)には、息子さんの同意が必要不可欠です。

【失踪宣告の申立も可能だが・・】
 息子さんと、音信不通が7年間以上にもなり、死亡している可能性があるような場合には、《失踪宣告の申立》を家庭裁判所に対して申し立てるという手段があります。
 まずは戸籍で生存確認をされ、住民票を取り寄せて居場所をつかめないか確認する必要があります。
 それでもやはり連絡が取れず、集めた情報から死亡している可能性がある場合には、失踪宣告の申立をすることも考えていいでしょう。
 ただ、今回の質問のケースでは、単に居所がしれないというだけのようですので、失踪宣告ができるか疑問です。
 仮に失踪宣告がなされたとしても、息子さんはその住所地において死亡したものとして扱われ、息子さんの相続が開始します。戸籍を調べて息子さんに子供さん(ご主人からすれば孫にあたる人物など)がいれば、結局その相続人から同意をもらう必要があるので、本件ではあまり問題解決の役には立たないでしょう。

【本件で廃除は難しい】
 また、息子さんから相続人の立場を奪う方法として、《廃除》を裁判所に申し立てるという手段があります(廃除の制度説明については、当ブログ Q&A №102 などをご参照ください)。
 しかし、この制度は被相続人に対する虐待とか、重大な侮辱、その相続人の重大な非行行為などがある場合であり、そう簡単には認められるものではありません。
 そのため、結論としては、息子さんを可能な限り探しだし、息子さんが見つからなければ預金などはあなたと娘さんの持分だけの支払いを銀行に請求し、自宅の不動産などについてはあなた方の持分があることだけを相続登記するといった方法をとらざるを得ないでしょう。

行方不明の相続人がいる場合【Q&A №248】


 昨年 6人兄弟の弟〔妻子なし〕がなくなりました。
 ただ弟は祖父母とも養子縁組しており戸籍上さらに兄弟〔私からみれば叔父〕が5人ふえ その5人はすでに死亡しており その子ら〔私からみればいとこ〕に代襲相続権が発生すると思います。ところが今年その代襲相続人の一人〔妻と子供2名〕が死亡しました。そしてその子供一人がいくえ不明で連絡のつけようがありません相続財産は私の自宅の敷地であるため他の相続関係者は全員内容につき熟知 了解しております。
協議書の署名者に その不明の者まで必要か 後教授願います。

記載内容  行方不明 公示送達 住民票

(かめさん)


【行方不明であっても署名が必要】
 遺産分割協議においては、行方不明の相続人がいたとしても、その相続人の署名がなければ遺産分割協議を成立させることはできません。また、例として不動産の相続登記について言えば、登記を担当する法務局も全相続人の同意が欠けているとして登記申請を受け付けてくれないでしょう。

【訴訟提起など一定の手段を講じる必要がある】
 このような行方不明の相続人がいる場合、戸籍や住民票などを取り寄せてまずは所在をつかむことが第一です。
 そして、住民票の所在地に本人が居住していない場合であれば、その相続人に対して遺産分割審判や訴訟を申し立てるなどして、遺産分割協議書に代わる裁判をする必要があります。
 この場合、何度か裁判所から申立書や訴状を送達してもらい、それでも送達ができないようであれば、裁判所の掲示板に掲示する公示送達という方法で送達したものと扱ってもらう必要があります。
 どちらにせよ、これは専門家に相談した方がよいケースであると思われますので、一度お近くの弁護士会やお知り合いの弁護士に相談された方がよいでしょう。

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