大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

認知症の義母から金庫の中身を渡すと言われてるが【Q&A №588】


【質問の要旨】
認知症の義母からの贈与は受け取っても問題ない?

記載内容  認知症 義母 贈与

【ご質問内容】
 金庫の中には散々娘や孫にあげた後のおもちゃのようなのが数点、寺の権利書(?)と80万くらいあると言い、私にあげると言ってききません。何時忘れるかわからない状況ですので、私は貰いたくありません。
 後で無い!盗られた!と言い出す可能性もありますし、絶対揉めないと義母は言いますが、娘さんが義母没後何も言わないとはかぎりませんし。
 言ってることが毎日変るし、以前1点だけ親戚中居る中で貰いましたが、私は預かってるつもりです。その事は言いません(忘れてるか?)なので預かるつもりで一旦受け入れておいた方がいいのかなとも思いますが正直面倒くさいです 法律的にどうなりますか?

(介護妻)


(敬称略で記載しております。ご了解ください)

【義母に意思能力がなかったとして、贈与が無効になる可能性がある】
 まず、義母の亡くなる前に発生が予想される問題について述べます。
 他人にものを預ける、あるいは贈与する場合、贈与する人に判断(意思)能力がない場合、その行為は効力がありません。
 義母は認知症だということですが、その程度によっては意思能力がなかったということで、金庫の中身を預ける行為も、あるいは贈与する行為も、無効になりかねません。
 この場合、義母からあなたが金庫の中身を受け取ったとしても、後に義母の後見人やその相続人から贈与行為等は無効だとして返還を求められる可能性があります。

 その際、金庫にはもっと多くの財産があり、それをもらったのだろうと主張される可能性も考えておく必要があります。
 そのため、可能な限り、そのようなものを受け取ることは避けられるのが賢明でしょう。
 もし、どうしても受け取らざるを得ないのなら、第三者に立ち会ってもらって、何をもらったのか(可能であれば他にはもらっていないことも)また、贈与なのか預かるだけなのかを書面化しておくといいでしょう。
 もし、預かるというのであれば、何の目的でいつまで預かり、いつ返還するのかという点を書面で明確にし、返還期限に返還を実行することが必要です。

【後に特別受益を主張される可能性もあるが、原則特別受益にはならない】
 次に、義母の死亡後の相続の観点から考えてみます。

1)判断能力欠如による返還請求の可能性あり
 まず、義母の死亡後には、その相続人となった子が、義母には意思能力がなかったから、贈与等は無効だ、返還せよと主張してくる可能性があります。

2)配偶者の特別受益を主張されるかもしれない
 次に、あなたの配偶者もまた相続人になります。
 相続人が生前に贈与を受けた分は、特別受益として遺産分割の際に遺産に持ち戻しする必要があります。
 ただ、今回の場合、贈与を受けたのは相続人であるあなたの配偶者ではなく、相続人ではないあなたですので、原則として特別受益にはならないでしょう。
 ただ、他の相続人としては、(それが法律的に認められにくいとしても)あなたが贈与を受けたということは、《あなたと一体の立場》にあるあなたの配偶者がもらったものだとして、配偶者の特別受益を主張してくる可能性がなくはありません。
 この点については、すでに述べたように、本来、特別受益は相続人本人に対してされた贈与のことを言いますので、相続人の配偶者であるあなたが贈与を受けたものは、原則として特別受益にはならないと反論するといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)

認知症の伯母の多額の預金が引出されたことが相続時に判明した【Q&A №582】


【質問の要旨】
窓口出金時の付添人を調べる方法はあるのか?

記載内容  認知症 引き出し 騙された

【ご質問内容】
 遠方の伯母が認知症になり、嫁ぎ先の地で数年の療養を経て、半年前に亡くなりました。
 相続にあたり銀行に確認したところ、療養中、自分で歩けないにも関わらず誰かが付き添って窓口へ行き預金を引き出していた(8年前)ことがわかりました。

 私は時々伯母の様子をみに行っていたのでわかるのですが伯母は多額の現金を使うことなく死亡しており、誰かに騙されて預金を引き出したこと、引き出した現金をその誰かに取られてしまったことを疑っております。
 相続人として問い合わせましたが銀行からは預金引出しの状況を教えてもらえず、事件性を考え警察に相談に行きましたが、
回答がありません。誰が現金引出しに付き添ったか知りたいのですが、銀行から書類等見せてもらう方法はないでしょうか?

 伯母の亡き夫の親族が伯母の近くに住んでいて入院や施設入所時保証人になっていたのでもしかして伯母は騙されたのではと思うと悔しくてなりません。以上宜しくお願い致します。

(太郎)


【あなたが伯母さんの相続人であれば、調査できます】
 あなたが伯母さんの相続人である場合には、他の相続人の同意などはなくても、あなた一人で、被相続人である伯母さんの預金の取引内容を調査することができます。
 かなり昔には、ほとんどの金融機関が相続人全員の同意がない限り、履歴の開示請求には応じませんでした。
 しかし、平成21年に最高裁判所で、相続人全員の同意がなくても、被相続人の預金の取引内容を開示しなければならないとの判断をしました。
 この裁判例以降、現在は、ほぼ全ての金融機関が単独請求の場合でも、履歴の開示をしています。

【取引内容調査の方法】
 まず、取引履歴(その金融機関での入出金、振替等の取引内容がすべて記載された履歴)の開示には、あなたが相続人であることを裏付ける資料(被相続人の除籍謄本、あなた自身の戸籍謄本)とあなたの本人確認資料(運転免許証など)が必要となります。
 ただ、金融機関によっては、そのほかに実印や印鑑証明書等がいる場合もありますので、取り寄せる前に必要書類を問合せておくとよいでしょう。
(なお、被相続人の預貯金履歴手続については(Q&A №98Q&A №205ほか参考カテゴリ:「遺産調査」に詳しく記載しているのでご参照ください)

【取引履歴を取得出来たら、使途不明金を絞りこむ】
 伯母さんの金融機関の取引履歴の取り寄せができたら、次に怪しい出金がないかどうかを検討します。
 履歴の摘要欄や支払時期などを見ても使途がわからず、他の金融機関に移された形跡もないような出金があれば、それは不正出金の可能性があります
 ただ、生活費の出金もあるかもしれませんから、ある程度、多額の出金に絞るといいでしょう。

【次に出金手続きの確認をする】
 取引履歴には、出金方法も記載されている場合が多いと思いますので、それを確認します。
 出金が窓口でなされていれば、払戻伝票を取り寄せて筆跡を確認するといいでしょう。
 また、ATM出金であればどこのATMが使われたか、伯母さんは当時ATMを使用できるような状態だったか等を検討していくことになります。
 これらの作業をしていく中で、使徒不明金を把握していきます。

【付き添いで来ている本件のような場合は・・】
 ただ、今回のケースでは、被相続人が金融機関に行ったが、その際、付添人がいたということです。
 そうすると、払戻手続きをしたのは、被相続人の伯母さん自身であり、払戻伝票の筆跡は伯母さんの可能性が高いということを考慮しておく必要があるでしょう。
 伝票だけでは付添の人が誰であったのか、又、その人が引き出したお金を使ったのかどうかは判明しないことが多いです
金融機関としては本人が来て、手続きをしている以上、そのお金が誰に渡ったのかなどは、手続き外のことであり、《関知しないこと》という態度をとります。
 これらの点を考えると、単なる履歴照会では問題は解決しないと思われます。

【弁護士の知恵を借りるのがいいでしょう】
 付添の人が誰であったのか、払戻された金銭は誰に渡ったのか、そのような点まで調査するのはかなりむずかしい作業です。
 できれば、早い段階で、相続に詳しい弁護士に相談されるといいと思います。
 弁護士は、法律に基づき金融機関等に対して調査することができます。
 本件ケースでは、詳細な事情を説明して、弁護士の知恵と能力を使うことを考えられるといいでしょう。

(弁護士 岡井理紗)

【非相続案件】後見人の弁護士による被後見人の普通預金の取引履歴調査について

当ブログは、相続問題に関する質問のみを受け付けております。
今回、《お母さんの成年後見に関するご質問》であり、特に相続に関する法律問題を含んでいないご質問をいただきましたが、相続以外のご質問に関しては回答は控えさせていただいております。
何卒、ご了解ください。
 ただ、せっかくのご質問ですので、以下に簡単に弁護士のコメントを付し、回答に代えさせていただきます。
 また、ご質問いただきましたフアクト様宛にメールを送信いたしましたが、エラーで返ってきてしまったため、こちらに掲載させていただきます。


 認知症の母に、今年から法定後見人に裁判所が選任した弁護士が担当することになりました。
 最近になって、この弁護士が、後見人開始前の被後見人の普通預金の履歴調査をしていますが、これは、裁判所から行うように言われているのですか、教えてください。
 2年前までは、母も多少の物忘れは、あったものの認知症はなくて自分で預金管理をしていました。
 介護を実際にしている家族としては、疑われているようで、あまり良い気持ちは、しません。先方の後見人の弁護士から問い合わせがあれば、以前の管理は、母本人が行っていたと回答します。

(フアクト)


【弁護士コメント】
成年後見人の業務は、原則、就任した以降の財産の管理をします。
過去の履歴を取り寄せるというのは、就任前の使い込みの事実を疑っているからである可能性があります。
当事務所が扱った案件で、成年後見人が過去の分まで調査したケースがありましたが、その場合は1000万円近くの多額の引き出しが問題とされ、家庭裁判所と協議をした上での後見人の動きでした。
もし、口座からの多額の金銭の出金があるのなら、後見人に使途を説明して、わかってもらうようにするといいでしょう。

認知症の母と公正証書遺言【Q&A №562】


【質問の要旨】
複雑な内容の遺言書と、長谷川式認知スケールの点数

記載内容 認知症 公正証書遺言 無効

【ご質問内容】
去年4月に認知症と診断された母がおります。不動産と預貯金があり、診断される以前から、家をついだ長女にたくさんのこすと、次女にも口頭では伝えておりました。
が、次女の配偶者がいろいろと言ってきたため、12月に公正証書遺言を専門家と相談して作成しました
内容は、不動産はそれぞれこれは長女に、あれは次女にと記載されており、預貯金は、割合で書かれてあるとのことです。
不動産は、かなりの数があり、1つずつ指定しているので、細かい内容になっていると思われます。
認知症の場合、細かい遺言書は無効になりやすいともきき、不安です
なお妹の遺留分はちゃんとみたしております。
長谷川式での数値は11月で17でした
この遺言書の無効の裁判を妹におこされると仮定して、いま現在対処方法はあるのでしょうか?
また裁判をおこされた場合、勝てる可能性は、どのぐらいなのでしょうか?

(プリン)


【公正証書遺言は有効とされる可能性が高い】
お母さんは、公正証書遺言を作成されているようですが、公正証書遺言を作成する際には、裁判官や検察官を何十年もした経験のある公証人が関与します。
遺言書作成時には、公証人が遺言者であるお母さんに直接会い、遺言書が遺言者の意思どおりであるかを確認するとともに、遺言者に判断能力があるかどうかも確認します。
もし遺言者に判断(意思)能力がないというのであれば、公証人は遺言書を作成しません。
そのため、公正証書遺言が作成されているというのであれば、その公証人が意思能力ありと判断したということであり、それが無効とされる可能性は少ないと考えていいでしょう。

【長谷川認知スケールの点数が17点なら有効の可能性が高い】
お母さんは、遺言を作成する1か月前にした長谷川式認知スケール(満点30点)で17点だったとのことです。
これまでの裁判例から見れば、意思能力があったと判断される可能性が高いといえます(【長谷川式認知スケールと意思能力についての裁判例一覧表】参照)。
ただ、意思能力は長谷川式の点数だけで判断されるわけではありません。
たとえば、遺言書の内容が、例えば《全遺産は長男に相続させる》という簡単なものであれば点数が低くとも有効になる可能性が高くなり、逆に複雑な相続を定めていれば、それがわかる意思能力が必要とされるために、点数が高いことが要求されるということになります。
また、次項に記載して事項をも含めての総合判断ということになります。

【意思能力についての他の判断資料について】
なお、意思能力の判断資料としては、上記の長谷川式認知スケールだけではなく、病院に入院し、あるいは施設に入所などされていた場合には、その病院でのカルテ、施設の介護日誌などでお母さんの言動が記録されていることも多く、それも意思能力の有無の判断資料になることを憶えておかれるといいでしょう。
また、現在、お母さんに判断能力があるのなら、その元気な姿をビデオで撮影する等して将来の訴訟等に備えるといいでしょう。

【勝訴の可能性について】
意思能力の有無は長谷川式のテストやカルテ等の内容も含めての総合判断ですし、又、相手方の妹さんの主張や提出する証拠を見て、裁判所が最終的に判断するべきことですので、現段階で勝訴の可能性を聞かれたとしても、回答できません。
一般的に言えば、意思能力に関する裁判はなかなか難しいことが多く、当事務所で意思能力を争った訴訟でも、裁判官が迷いに迷ったことが判決内容から窺えるものすら存在するほどのものだ、ということも付言しておきます。

(弁護士 岡井理紗)

★姉妹の預かり金【Q&A №523】


【質問の要旨】
認知症の人にお金を支払う場合

記載内容 認知症 預かり金 不正出金

【ご質問内容】
母の姉が、元気な時、家族がなく1人身ですので 入院されたとき もしもの時を考え母に相談し お金を預けていました。
が、退院されてそのお金を返したいと思っているのですが 今少し痴呆症でありまして
お金を返す時に返しました、受け取りましたと言う文章で残したいのですが、どういう書き方でかわせばよろしいでしょうか
亡くなられた旦那さんの家族があり そちらが 管理する事になるみたいなので、後々 金銭でもめないように したいので どうか、良い方法教えてもらたく相談いたしました。

(樋口)


【金銭の支払いの証明は領収書でする】
金銭を支払った時に、その金銭の支払いの証明をする一番の証拠は領収書です。
領収書の書き方は、ご存知のように、領収書(もちろん、受取書でも結構です)と記載し、受け取った日付、金額も記載した上で、但書で何の返還分かを明らかにし、受け取った人の署名・捺印をすることで完成します。

【認知症が疑われる場合の配慮】
ただ、今回の場合、お母さんのお姉さん(以下、伯母さんと言います)は認知症の可能性があるようです。
認知症があり、しかもその程度がひどい場合には、伯母さんに判断(意思)能力がなく、金銭を受け取る能力なしとされることがあります
又、領収書を作っても、そのような文書を作る能力がないとして、領収書が無効になることもあり得ますし、そもそも、本当に金銭を支払ったのかという点でさえ、疑われる場合もあることを考慮しておく必要があります。

【認知症がひどい場合は成年後見人が選任された後に支払うのが無難】
ただ、認知症といっても様々の程度がありますので、どの程度の症状かを確認をされるといいでしょう。
一般には、伯母さんと話をして会話が成立するかどうかを基準とされるといいでしょう。ただ、日常会話が成立しても、それが直ちに意思能力があるとはいえません。
今回のような、認知症であることははっきりしているようなケースであれば、例えば長谷川式認知スケール等のテストを受けておれば、その点数を聞いて、認知症の程度の判断材料にするといいでしょう
【コラム】意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介)。
認知症の症状が重い場合には、成年後見人が選任されるまで、支払いをお待ちになるのが無難でしょう

【認知症が軽い場合の対応】
認知症の程度が軽い場合には、まず、支払ったということが客観的にわかるような支払い方にするといいでしょう。
具体的に言えば、支払いのときに伯母さんから領収書を受け取るとき、第三者を立ち会わせ、その人のサインをさせるという方法が考えられます。
又、伯母さんの金融機関口座がわかるのであれば、返還金をその口座に送金することも一方法でしょう。
但し、この場合には、お金を送金したという事実がわかるのみで、どのような原因による支払いかがわかりません。
この点をカバーするためには、送金前に、伯母さんに《○年○月○日に貸した金銭は私の××口座に送金してほしい》というような文書を差し入れてもらい、その実行として送金したという形を取るといいでしょう。
伯母さんがそのような文書を書かないということなら、伯母さんの言葉としてそのようなことを言ってもらい、ICレコーダーに残して、万が一の時の証拠として残しておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

★土地の売買と認知症について【Q&A №522】


【質問の要旨】
認知症の父の土地売買契約書を偽造

記載内容  認知症 告訴 偽造

【ご質問内容】
私は、父の相続人です。
父が生前土地を売る契約をしていました。
父は当時認知症で、土地の売買契約書は父の妹が偽造して作成していました。
この契約を解除できないかのご相談です。
その土地は、現状地目とも田で、買い主がマンションを建てる目的で購入しました。
契約当時認知機能検査MMSEは10でした。
又、父の妹を有印私文書偽造罪で告発は出来ないでしょうか。
よろしくお願い致します。

(choco)


【無効を主張できる可能性があります】
ご指摘の通り、妹さんがお父さんの署名押印(さらには印鑑証明書も無断取得している)を偽造したのであれば、その契約は無効です。
実際の立証は簡単ではありませんが、もし偽造やお父さんが意思能力を欠いていたことを立証することができれば契約が無効であることを主張できるでしょう。

【立証のポイント】
今回の契約無効を立証するに当たっては、お父さんの意思能力の程度が重要となってきます。
具体的には、お父さんの認知症の進行程度や判断能力の状況を病院や介護施設から取り寄せた記録(カルテや看護記録)で分析し、売買契約当時、お父さんが契約の意味を理解したり、印鑑証明書を自身の判断で取り寄せたり(あるいは妹さんに依頼したり)することができたかどうかを確認していくことになります。
そのほか、おそらく司法書士の先生が登記手続に関与しておられるでしょうから、本人確認や契約立ち会い時のお父さんの状況、さらには当時お父さんが署名押印した(とされる)書類の筆跡なども確認し、お父さんがこの契約にどのような関与をしたのかを確認していくことが必要と思われます。

【告訴と代金の返還について】
本件では有印私文書偽造罪のほか、買主の方に対する詐欺罪が成立する可能性もあります。
ただ、警察はこういった親族間での問題になかなか立ち入らず、実際に立件する可能性は極めて低いのが現状であることはご理解ください(買主の方が詐欺だとして告訴すれば話は違ってきますが。)。
他方で、契約無効を主張した場合、土地は相続財産として戻ってきますので、その後に遺産分割を行うことは可能です。
ただ、契約が無効であれば(当然ですが)お父さん(あるいは妹さん)が受け取った売買代金を買主の方に返還しなければなりません。
この点にはご注意ください。

(弁護士 北野英彦)

死因贈与予定の土地を今から勝手に使って良いか【Q&A №514】


【質問の要旨】
死因贈与の土地を使用している

記載内容  認知症 成年後見 死因贈与

【ご質問内容】
平成25年8月母は認知症で意思能力がないということで、家裁の調停により、畑は妹に贈与する契約をしました
ところが、妹は、その土地を仮登記をして、農業振興地域の畑30ヘクタールの真ん中をコンクリート4メートルと倉庫を改修して我が物顔で、使用しております
財産管理は、成年後見人が行っていますが、事前に私に相談があった時には、保全管理をお互いにしようということだったのですが、こうしたことは、許されるのですか。

(タック)


【贈与がないことが証明できれば、調停も贈与も無効】
お母さんに意思能力がないのであれば調停ができませんし、調停が成立したとしても有効な調停ではなく、効力がありません。
そのため、調停調書に贈与(あるいは死因贈与)するような内容が記載されていても、意思能力がなかったのだとして、贈与(死因贈与)の無効を主張すればいいでしょう
ただ、意思能力がなかったということは証明する必要があります。
お母さんのカルテや介護記録を取り寄せして、証明手段とするといいでしょう。

【死因贈与と生前の使用】
 《死因贈与契約した土地を相続人は自分のものとして使用できるか》という質問ですが、前項と関係なくお答えします。
仮に死因贈与があったとしても、その効力は死亡したときから発生するものです
そのため、死因贈与があるからといって、生前に使用することはできません。
ただ、生前に使用している場合には、お母さんとの間に賃貸借や使用貸借契約が締結されている場合が多く、相手方がこれらを使用する法的根拠として主張してくる場合が多いです。

【成年後見人と財産管理】
お母さんに成年後見人がついた場合、成年後見人はお母さんの財産を誠実に管理する義務を負います。
ただ、それはあくまでお母さんに対してであり、あなたに対してではありません。
あなたと成年後見人との間に《財産保全》についての話があり、現在、後見人が財産管理を十分にしていないということであれば、裁判所にこのような事情を説明する書面を提出し、成年後見人がきっちりと財産管理をしてもらうことを求めていくといいでしょう
(法的にはあなたにはそのような申し出をする権利や権限はありませんが、財産管理が不十分だという報告書が出てくれば、裁判所としては後見人から事情を聴取する程度のことはすると思います。)

(弁護士 大澤龍司)

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