大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

父が死亡したら賃借物件も退去するのか。【Q&A №325】 0325


 父が4月に亡くなったのですが、居酒屋を経営しており店が残っていた為と遺産問題で内縁の妻と調停で話し合いをしていた時に店を私に返すという話で進んでいました。
 そして家主に話ししに行ったのですが、内縁の妻と仲が良くて家主は内縁の妻に店をさせるたいと言い出して私には店を貸しませんと言われました。父の財産だから私に店をさせて欲しいと言うと、どちらに店を貸すにせよ再契約だと言われ、だったら父の保証金を返してくださいとお願いしたのですが店の権利書は私が持っていますと訳のわからないことを言われてその日は帰ったのですが、数日経った頃に内縁の妻に再契約ではなく名義変更を勝手にしていました。その数日後に家主は老衰で亡くなっていまいました。内縁は7月から店を勝手に開けて商売をしていました。このような場合訴えて店を取り返せるでしょうか?あと店を営業してした分の慰謝料など請求したいです。

記載内容  賃貸借 再契約 退去

(TA)


【賃借権は相続されます】
 お父さんが家主の方から店舗建物を賃借して居酒屋を経営しておられたのであれば、お父さんには賃借権という権利があります。
 賃借人であるお父さんが亡くなった場合、賃借権は遺産になり、相続人であるあなたに相続され、あなたが賃借人になります。
 但し、もし兄弟など他の共同相続人がいらっしゃる場合には、共同でお店の権利を相続することになりますので、兄弟間で遺産分割協議をまとめる必要があることにご注意下さい。

【内縁の妻には相続する権利がない】
 内縁の妻には相続は認められていませんので、賃借権の引継ぎを主張することはできません。
 従って、あなたが賃借権を相続で取得したと主張すれば、家主の側はそれを拒否できず、あなたを賃借人として扱うことになります。

【2つの賃貸借契約の存在】
 ただ、内縁の妻としては、あなたのお父さんが持っていた賃借権を主張することはできませんが、新たに賃貸人との間で賃貸借契約を締結することは可能です。
この場合、あなたの有する賃借権と、内縁の妻が新たに締結した賃貸借契約に基づく賃借権の2つが存在することになります。
 あなたとしては賃借人ですので、賃貸人(の相続人)に店の引渡しを要求することができます。
 賃貸人がこれに応じなければ、賃貸人に債務不履行に基づき損害賠償請求をすることになります。
 次に賃貸契約に際して差し入れられた保証金(正確にいうとその返還請求権)については、当然、あなたが相続により取得していますので、賃貸借契約が終了した段階であなたが返還を受ける権利があります。

【内縁の妻に対する請求はできないか】
 次に、内縁の妻に対しては何ができるかが問題となります。
 内縁の妻は、新たな契約により賃借権を取得しました。
 しかし、それは店舗を借りる権利を取得しただけです。
 内縁の妻としては、あなたのお父さんが築いてきたその店の評判や什器備品、顧客などを引き継いでいます。
 このような点からいえば、あなたとしては単なる賃借権だけではなく、営業権を失ったということになりますので、その損害賠償を内縁の妻に対して請求できる可能性があります。
 そのため、法律の専門家である弁護士に、事案を詳しく説明され、誰に対していかなる請求が可能かを確認されるといいでしょう。


親がビルのオーナーだった場合の相続問題【Q&A №37】 0037

被相続人所有のビルがありますが、テナント入居時の敷金等が使用され相続時一切残っておりません。

 

1-3Fでの敷金等合計2000万円程になりますが、この預かり金は相続債務として兄弟間で分割承継されるべきでしょうか?

 


それとも、当該テナントビル相続者のみに支払い義務が生じるものなのでしょうか?

 


兄弟は三人で、それぞれ、別の土地、当該建物、当該建物の敷地を相続しておりますが、現状建物相続者のみが敷金の返金をおこなっております。

(JIRO)
 
 

【敷金債務は賃貸人の地位に伴って移転します】

 

建物賃貸人から賃貸不動産の所有権を譲り受けた人は、賃貸人から賃貸人の地位を承継します。

 

そして敷金返還債務は賃貸人の地位に伴って移転するので、建物の譲受人が敷金返還債務を負担することになります。

 

質問の事案では、兄弟が別の土地建物を相続しているとのことなので、各相続人が、それぞれ所有し賃貸する土地建物についての敷金返還債務を負担することになります。

 

当該テナントビルの相続人のみに支払義務が生じることになるでしょう。

 

【遺産分割協議が無効となる可能性は低いでしょう】

 

遺産分割協議の段階で、どの土地建物にいくらの敷金が差し出されたかわからない場合があると思います。

 

どの建物についていくらの敷金が差し出されたのかがはっきりしない状態で遺産分割協議がされた場合には、当該遺産分割協議が錯誤により無効(債権法改正後は取消事由)となる可能性はなくはありません。

 

しかし錯誤無効(又は取消事由)が認められる可能性は低いと思われます。

 

遺産分割で賃貸不動産を相続するときは敷金の有無についてしっかりと調査しなければなりません。

 

【使われた敷金の返還請求ができます】

 

また、不動産を譲り受けた人が一旦全額の敷金を返還した後で、差し出された敷金を使い込んだ人に対して不当利得返還請求をすることも可能です。

 

例えば、被相続人以外の人が勝手に敷金を使い込んだ場合、被相続人はこの人に対して使い込んだ敷金を返還するよう請求することができます。

 

この請求権は相続の対象なので相続人は自己の持分に応じて敷金を使い込んだ人に対して不当利得返還請求をすることができます。

 

他方、被相続人が敷金を使い込んでいた場合にこの請求をすることはできないでしょう。

 

【敷金債務を個別に遺産分割の対象とすることもできます】

 

なお、遺産分割協議に敷金返還債務について個別に分割協議をすることもできます。

 

この場合には、相続人は一旦敷金の全額を支払った後で、他の相続人に対して、その分割割合に従って支払った額を請求することができます。

 

いずれにせよ、債務引受けという特別な手続きをしない限り、賃借人からの敷金返還請求を拒むことはできないと思われます。

 


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