大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

農地を宅地に転用した場合の扱い【Q&A №331】


 今年、9月に父がなくなりました。相続人は母、兄弟3人です。
 私は次男で、10年前にとなりの畑を農地転用し家を立てました。名義はまだ父のままです。
 農地転用などにかかる費用はすべて私が払いました。土地の固定資産税も父に払っておりました。
 遺産分割の際は農地としての評価ですか、宅地としての評価になるのでしょうか?
 父は他に農地とアパート3棟所有しております。

 遺産分割の際の知識とさせて下さい。
 ご教示お願いたします。

記載内容  農地 転用 貢献度 固定資産税の支払い 寄与

(ゲンキ)


【基本は相続時の状態で評価】
 相続は、被相続人が死亡した時点でその財産が相続人に引き継がれる制度です。
 そのため、相続開始時(=お父さんの死亡時)に宅地であった場合には、その土地は宅地として扱われ、それを前提にした遺産分割がなされます。
 これを貫くと宅地にして価格をかなり向上させたあなたとしては、「自分が価値を上げた功労も考慮して欲しい」という考えを持たれることと思います。

【寄与分という制度により評価】
 ただ、あなたとしては、農地から宅地にする際に、盛り土をする等の作業を業者に依頼して、その費用を支払ったという場合には、その寄与を認めて、遺産分割に反映させようという制度《特別寄与》があります。
 本件の場合、あなたがその土地の上に(あなた名義の)家を建築されたようですので、他の相続人からは《自分のためにしたのではないか》という苦情も出そうですが、土地が  お父さんの名義であり、その価値が農地より高額になったというのであれば、特別寄与として認められる可能性もあるでしょう。
 特別寄与になる場合には、遺産の分割前にその寄与分相当額が遺産から差し引かれ、寄与分を差し引いた残りの遺産を法定相続人でその相続分に応じて分割することになります。

【固定資産税の支払いについて】
 あなたは土地の固定資産税をお父さんに支払っていたということですが、この分の返還は可能かが問題になります。
 あなたがお父さんに土地の固定資産税分を貸し付けたというような証拠(借用書)でもない限り、あなたが、その土地上にあなた名義の家を建築されているようですので、その固定資産税相当額のお礼としての支払いと考えることになる可能性が高いでしょう。
 そのため、その固定資産税の返還を求めることは難しいでしょう。

【特別受益の主張が他の相続人から出る可能性がある】
 あなたがお父さんの土地上に建物を建築しているのであれば、あなたにはお父さんの土地を使用する権利が発生します。
 賃料を支払っていないのであれば、それは使用借権という権利です。
 お父さんからこの権利をもらったことが、生前贈与的なものとして、他の相続人が特別受益を主張してくる可能性があります。
 使用借権の価額は土地価額の10~30%程度といわれていますが、ともかく法定相続人からそのような主張がでてくることも予め考慮しておく必要があるでしょう。

★農地の評価【Q&A №246】


 父の了承のもと使用貸借という形で父の畑を宅地化し、アパートを建てて経営をはじめました。ほどなくして父が死亡したためその土地を相続をしようと思いましたが、なんと宅地化で評価が200倍以上に跳ね上がり、私は現金の相続が一切できないとのこと。土地の評価は相続発生時だということは十分承知しております。しかし、宅地化にあたり、整地その他で1000万円近くかけました。隣の土地を相続する妹は、畑のままなので評価が低いため、土地プラス現金です。これはあまりにも不公平だと思います。最寄りの弁護士にも相談しましたが、土地の評価増の寄与分の主張可能、ほぼ無理など意見が分かれ、ネット上で検索しても意見が分かれています。もっとも評価増の原因は、私の貢献ということではなく、実際は現況を宅地にした手続きによるものだと思います。
 私のようなケースでも、調停、審判となった場合、固定資産評価をもとに機械的に判定されてしまうのでしょうか。
※他の相続人にとっては、私の不利益は自分たちの利益になるので話し合いには一切応じません。税金上の問題はありません。私が相続する土地と妹が相続する土地は、隣り合っており極めて似通った土地です。唯一の違いは現況が畑か宅地かです。

記載内容  農地 宅地 整地 転用

(HO)


【農地の評価の問題】
 土地の評価で、相続対象が農地の場合、難しい問題があります。
 特に宅地に隣接しており、将来宅地になる可能性がある土地については、どのように評価するべきかという問題があります。
 結論から言えば、そのような土地は評価証明や路線価ではなく、宅地に相当する土地として、宅地並みの金額を主張することは可能でしょう。
 ただ、その際に主張する不動産価額をいくらにするかは不動産鑑定士さんに依頼して評価してもらうしかないでしょう。
 今回のように近隣地が宅地化されており、法律上宅地への変更が可能ということであれば、宅地並みの財産として評価すべきという判断をした裁判例もあります。

【特別寄与の問題】
 お父さんの農地を宅地化した際に、1000万円かかったということのようですが、その金銭はだれが出したのでしょうか。
 お父さんが出したのであれば、特別寄与の問題は出てきませんが、あなたが出したというのであれば、特別寄与を主張されるといいでしょう。
 なお、相続対象の農地について言えば、仮に宅地並みに評価するとしても、その造成費が土地価額評価の減価要素となることを念のために申し添えます。

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