大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

株式の名義を勝手に変更された【Q&A №421】


 私は被相続人の養子です、被相続人には子供はいません相続人は私と被相続人の妻だけです、(被相続人は平成26年9月に死亡)被相続人の妻が被相続人死亡後株は私の名義に変更したと言ってるのですが私の同意なしに株券の名義変更ができるのでしょうか、預貯金や有価証券は生前から妻が管理していました、名義変更したものは元に戻せないのでしょうか、戻せるとしたらどのようにすればよいのでしょうか?
 お尋ねいたします、よろしくお願いします。

記載内容  株式 遺言執行者 名義変更

(maakunn)


【公正証書遺言で遺言執行者が指定なら、同意なしで移転する・・上場株式の場合】
 「株式の名義が《私》に移転した」と質問に記載されています。
 この場合の《私》は妻のことを言っているのか、それとも《質問者のあなた》のことを言っているのかわかりにくので、場合を分けて回答します。
 なお、最初に上場株式について述べ、非上場株式については後に項を変えて述べます。

1)まず、妻の名義になっている場合  あなたの知らないうちに遺産である株式が、《妻》の名義に移るということですが、結論から言えば、
①公正証書で遺言されていること
②遺言執行者が指定されていること。
という前提であれば、あなたの知らないところで妻の名義に株式譲渡がなされている可能性があります。
 参考までに言えば、自筆証書遺言であれば、家庭裁判所での検認手続(相続Q&A №121を参照)が必要であり、その際、全法定相続人等に裁判所に出頭するようにとの通知がきます。
 今回、そのような通知が来ていないということであれば、検認手続きが不要な公正証書遺言に基づく手続きがなされたのだと思います。
 なお、遺言執行者は遺産目録を作成し、法定相続人等に交付する義務(民法1011条。末記に記載している条文を参照ください)がありますが、弁護士などの法律専門家が遺言執行者の場合は別として、目録を実行している人はあまり多くありません。

2)次に《質問者であるあなた》の名義にしたというのは可能性が低いでしょう。
 株式の名義を移転するにはあなたが証券会社に口座を持っている必要があります。
 あなたが持っている口座を妻が知っているのも考えにくく、また、口座がない場合にあなたの同意なしにあなたの口座が作ることは不可能です。
 いずれにせよ、あなたの関与なしに、あなたに株式が譲渡されている可能性はないでしょう。

【株式を取り戻すためには・・・上場株式の場合】
 実際に妻に株式の名義が変更がなされてしまった場合には法的手続きが必要になります。
 ただ、その前に、被相続人がどこの証券会社のどこの支店に株式を持っていたのかを知っておく必要があります。
 もし、被相続人の自宅にその証券会社からの手紙等が来ているのであれば、法定相続人としてその会社に照会をかけ、譲渡に関する事実を調査する必要があります。
 次に、株式の譲渡が判明した場合には、その株式の譲渡を無効や取り戻すことを考える必要があります。

 通常は、無効や取戻しになる理由としては次のものが考えられます。
①遺言書で遺産の大半が妻のものになっているのなら、遺留分減殺請求(「相続コラム:遺留分とは」参照)
)をし、本来の法定相続分の半額(遺留分)の限度で株式を取り戻す。
②被相続人が遺言書を作成した当時、判断能力(意志能力)がなかった。
 また、今後、妻が株式を譲渡したり、他の財産を処分したりすることもあり得ますので、必要に応じて株式譲渡をしないようにする仮処分申し立ても必要になる場合もあります。
 ただ、遺留分にせよ、意志能力にせよ、また、仮処分にしても、素人では対応が難しいので、相続に詳しい弁護士に早期に相談されるといいでしょう。

【上場株式ではない場合】
 前項では、上場株式を前提に記載しました。
 上場株式でない場合には、妻とあなたとの間で、遺言書や遺留分を反映させた遺産分割協議書を作成し、株式の帰属をはっきりさせるといいでしょう。
 もし、妻が遺産分割協議書の作成に応じず、《あなたの株式》にしたことが間違いないというのであれば、その旨の確認書を作成してもらうといいでしょうし、今後、その会社の株主としての権利を行使して、株主としての実績を作り、株主総会で役員に選任されて活動されるといいでしょう。
 また、《妻》の名義にしたというのであれば、遺留分減殺の手配や意思能力を見極めるため、必要に応じて弁護士と相談されるといいでしょう。

《参考条文》
民法 第1011条 (相続財産の目録の作成)
 第1項 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。

遺産の内容を調べたい【Q&A №417】


 父の死後、遺言状(正式なもの)には『全財産を長男に相続する』とあり、遺産内容の記載は無く、もう決まった事と兄から一方的に言われました。私は相続人のひとりとして遺産内容を知った上で遺留分減殺請求をするかどうかを決めたいのですが、兄は強引な性格なので内容を聞いたり、請求すると兄弟関係がますます険悪な状態になるのではないかと不安です。請求をしなかったとしても親が築いてきた財産がどれだけ残っているか、また負債が何れだけあるか相続人の一人として知っておきたいのですがそれは難しいのでしょうか。

記載内容  遺言執行者 遺産目録

(ヨシ)


【相続人なら、他の相続人の同意がなくとも、独自に遺産調査ができます】
 平成21年以前は、相続人が遺産調査をする場合、金融機関が他の相続人の同意を得てくださいという対応をしておりました。
 今回の質問のケースであれば、長男さんの同意がないと遺産調査ができませんでした。
 しかし、平成21年1月22日に最高裁が、他の相続人の同意がなくとも遺産調査が可能になるとの裁判(「【相続判例散策】履歴照会に全員の同意不要」参照)をし、それ以降、ほとんどの金融機関がこの判例に従って、死亡時残高や取引履歴を開示しています。

【開示を求める手続きは金融機関により異なる】
 遺産で最も重要なのは金融機関の預貯金です。
 金融機関により、預貯金開示に必要な手続きは異なります。
 そのため、予め、電話等で金融機関に問い合わせをし、手続の流れや必要な書類を確認されるといいでしょう。

【金融機関で最低限必要な書類は次のとおりです】
 通常の場合、次の①ないし③は最低限必要ですので、予め、取り寄せをしておくといいでしょう。
①被相続人であるお父さんが死んだことの証明(除籍謄本)
②あなたが相続人であることの証明(あなたの戸籍謄本)
③あなたの本人証明(運転免許証、健康保険証等)
 金融機関によっては、以上の他に、更に書類を要求される場合があります。

【被相続人がどこの金融機関の支店で取引したかを確認する】
 注意しなければならないのは、被相続人であるお父さんがどこの金融機関のどの支店を利用していたかを確認する必要があることです。
 利用していた金融機関がわからないと照会もできません。
 又、金融機関がわかっても、照会は支店単位でしかできませんので、どこの支店を利用していたのかまで調査する必要があるということです(但し、ゆうちょ銀行は支店を特定する必要はなく、又、弁護士に依頼するのなら三井住友銀行も支店を特定せずに照会をすることが可能です)。
 他のご兄弟や親せきなどに協力いただき、どこの支店を利用していたかを確認しましょう。
 なお、通常はゆうちょ銀行や地元の農協などに、まず、最初に照会をかけることになるでしょう。

【金融機関の履歴から数珠つなぎに調査をしていく】
 金融機関の取引履歴を見れば、他の金融機関や証券会社との取引がわかる場合があります。
 その場合には、新しく発見された金融機関にも照会をかけ、根気よく、調査を続けるといいでしょう。

【不正出金がないかどうかを確認する】
 履歴が取れた場合、その内容を確認しましょう。
 死亡前後に不自然な動きがないかどうかが一番重要なところです。
 開示されたデータ(取引履歴)から何を読み取るのか、そこが一番肝心なところです。
 がんばりましょう。

【不動産は法務局にいって登記簿を確認する】
 不動産を調査するには、お父さんのご自宅の土地建物の登記簿謄本を法務局に出向いて閲覧、謄写されるといいでしょう。
 抵当権などが設定されている(いた)のであれば、共同抵当がないかどうかを確認し、他にお父さん所有の不動産がないかどうかも確認する必要もあります。
 市町村にお父さん名義の不動産があるかどうかの確認も必要です。

【借金の調査もできる】
 お父さんが生前に作った借金などについても、金融機関や信用情報機関に問い合わせることで、ある程度の内容は調査することができます。

【調査には限界があることも理解しておくとよい】
 ただ、調査には限界があります。
 たとえば取引支店名がわからないと照会さえできません。
 そのため、あなたのように遺留分減殺請求や負債の状況を知るための調査をする場合には、調査に限度があります。
 十分な資料が得られればいいのですが、そのような場合はめったになく、少ない資料で遺留減殺をするのか、相続放棄をするのか等の決断が必要になります。
 遺留分減殺なら、遺留分が侵害されていることを知って1年以内で、相続放棄は相続開始から原則3ケ月以内で手続きをする必要があります。
 綿密な調査は必要ですが、一方でこれらの期間を超さないよう、ご注意ください。

遺産分割成立後に出てきた遺言は有効か?【Q&A №290】


 分割協議・遺産分割・相続税申告完了の半年後に、家裁から遺言書検認の通知が来ました。遺言書の有効性をチェックしたいので、その方法と留意点を教えてください。

①遺言書有効性チェックの手順
  ・筆跡等から無効確認の可能性の見当をつけるための費用
  ・無効確認の法的手続きとその費用・所要期間
  ・その他留意事項

②遺留分確保の協議は、遺言書有効チェックに先立って進めるべきですか?遺言執行人への対抗はできますか?
 遺産は土地・建物(固定資産税評価額約90百万円)と預金数百万円で、相続人は質問者の妻・被成年後見人Aとその妹B(被相続人・亡母と同居、医師)です。
 協議に際して被相続人末弟は、Bに土地建物を継がせる遺言書を書いた筈と述べましたが、Bは見つからなかったと否定。Bは被相続人との長年の同居と孝養を理由に土地建物に取得を主張しましたが、Aは法定相続分確保は後見人責務と反論し、最終的に代償金を払って土地建物をBが取得することで決着しました。

記載内容  遺産分割協議 遺言 筆跡鑑定 錯誤 遺言執行者

(testament)


【遺言と遺産分割協議の関係】
 遺言があっても、相続人全員の合意で遺言と異なる内容の遺産分割協議をすることができます。
 ただ、遺産分割協議の時点に遺言の存在を知らなかった場合には、
① 当然に遺産分割協議が無効になる
② 遺産分割協議は有効であるが、遺言が存在していることを知っていたのなら、そのような内容にしなかったということで、錯誤により無効になる可能性がある

という2つの回答が考えられます(当事務所の弁護士の協議では、②の扱いでいいのではないかという意見です)。

 遺産分割協議が有効という前提に立てば、積極的に遺言無効確認訴訟をする必要性はありません。相手方または遺言執行者が、遺産分割協議が錯誤により無効であったとして、遺産分割した財産の返還請求訴訟をしてきた段階で、それに対抗する手段として遺言無効確認訴訟を反訴として提起すればいいと思われます。

【遺言無効訴訟について】
《筆跡鑑定費用》
 遺言の無効を認定してもらう訴訟ですが、無効の原因によって訴訟の手間も期間も異なります。
 被相続人の筆跡ではないということを無効原因とするのなら、筆跡鑑定が必要となります。
 筆跡鑑定費用はケースや鑑定人などによって異なるのですが、これまでの経験では50万円~100万円の間である場合が多かったです。

《法的手続き》
 既に遺産分割協議に基づく遺産の分配が終了しているのであれば、まず、執行者から返還請求訴訟が提起され、それに対応する形で遺言無効確認を反訴で提起するということになるものと思われます。

《弁護士費用》
 裁判をする場合、裁判所等に支払う印紙や郵便切手などとは別に、弁護士費用が必要です。
 弁護士費用は各事務所により算定方法が異なるのですが、当事務所では遺言書を無効にした場合に各相続人が受ける利益(=具体的相続分-遺言が有効であった場合のあなたの相続分)を前提に弁護士費用を算定します。
 具体的には、依頼される弁護士とご相談願います。

《期間》
 期間としては、ケースにより異なりますが、筆跡が主たる争点だとすると1年半程度を見込めばいいでしょう。

《その他の留意点》
 筆跡鑑定ということになると、被相続人(遺言者)の手紙や日記等の比較対象物が必要不可欠ですので、できるだけ多く収集する必要があります。
 なお、今回の質問のケースでは、訴訟も考えられますので、法律の専門家である弁護士に早期に相談し、そのアドバイスで進めるのがいいでしょう。

【遺留分の確保】
 遺言が有効であった場合には遺留分の行使が考えられます。
 そのためには、遺留分減殺の意思表示が必要です。
 これは遺言書の内容を確認し、遺留分を侵害した相手方に対して送付する必要があります。
 遺言執行者に対抗するため、その執行者にも送付しておくといいでしょう。
 なお、「遺留分確保の協議は、遺言書有効チェックに先立って進めるべきですか」という質問がありますが、遺言書が有効であることが確認できない段階では遺留分は侵害されていませんので、遺留分についての協議はするべきではないでしょう。

遺言執行人にかかる費用について【Q&A №176】


 母が残した公成証書の遺言書により実子である私に銀行預金、母の姉に郵便貯金、姪に不動産が遺贈されました。遺言執行人は姪です。遺言執行にあたり、かかったとされる費用目録が約500万円と通知され、その全てを私の相続分の銀行預金から差し引かれました。母の姉が遺贈された郵便貯金や姪からも平等にかかった費用は分割すべきだと思うのですが、仕方ないのでしょうか?遺言書にその旨の記載はありません。また遺言執行人の報酬を請求すると言われましたが、不動産を遺贈されていても執行人報酬はそれとは別に支払わなければならないのでしょうか?よろしくお願いいたします。

記載内容  遺言執行者 遺言執行費用の負担 遺言執行者の報酬

(千恵)


【執行費用500万円の確認が必要】
 執行費用が約500万円ということですが、かなりの高額です。
 不動産の相続登記に費用が必要ですが、それにしても金額が高いです。
 どうしてそのような高額な費用が必要だったのか、確認する必要があります。

【執行費用の負担は取得した相続財産の割合】
 遺言執行費用は相続財産から支出することになりますが、その費用負担は、相続人が取得する相続財産の割合に比例した額とするという裁判例があります。
 したがって、あなたの相続分である銀行預金のみから差し引くという姪の主張はおかしいということになります。

【執行者の報酬】
 遺言執行者の報酬は、遺言に記載されているときはそれによりますが、定めがない場合は家庭裁判所に申し立てて決めることになっています。
 姪が一方的に金額を決めるものではありません。
 この報酬は、相続で取得した遺産とは別に受け取ることはできますが、これも執行に必要な費用として相続人が取得する相続財産の割合に比例した額とするという結論になるでしょう。

遺言執行者の事務【Q&A №99】


 本人の相続人は兄弟4人のみ。
 遺産を全て従兄に遺贈する内容の公正証書遺言があります。遺言執行者として兄弟の住所を戸籍附票から調べて、遺産目録を書留で送付したところ、うち1人分が「あて所に尋ねあたりません」で戻ってきてしまいました。
 この場合、通知したことになるのでしょうか。ならなければどうすればよいのでしょうか。

記載内容  遺言執行者 相続財産目録

(ジェシー)


【遺言執行者のするべき作業】
 遺言執行者になった者は、相続財産の目録を遅滞なく作成して、相続人に交付しなければならないと法律で定められています。
 そのため、遺言執行者の立場にあるあなたとしては、遺言者が死亡したこと、遺言があったことを相続人に通知するとともに、財産目録を作成して交付する必要があります。
 質問のケースでは、従弟が遺言で全財産を取得するので、兄弟は法定相続人であっても、相続財産をもらえず、又、兄弟だから遺留分請求もできませんので、通知や財産目録の交付が不要ではないかという方がいるかもしれません。
 しかし、公正証書遺言があってもそれが必ずしも有効とは限りません。
 法定相続人である兄弟は遺言が無効を主張して、相続を求める場合もありますし、又、遺産が自分は自分のものだという方もいるかもしれません。
 そのため、質問のようなケースでも遺言者の死亡、遺言の存在、財産目録の交付は必要であり、それをしなかったということで執行者が損害賠償を命じられた裁判例もあります。

【質問のケースでは通知したことにはならない】
 参考までに言えば、受取を拒否したということであれば、受け取れる状況だったことから通知したとされる可能性がありますが、「あて所に尋ねあたりません」で戻ってきたのであれば、通知したことにはなりません(戸籍附票で調べた住所に、しかも書留で送付した場合でも結論は同じです)。

【執行者はどこまで相続人の所在調査をするべきか?】
 執行者がどこまでするべきかについては、法律にはなにも定められていません。
 これまでの裁判例もそれぞれのケースに応じた判断をしており、はっきりとした基準がああるわけでもありません。
 遺言執行者にどの程度の報酬が支払いされるのか、又、執行者の職業が法律関係であるのかにより、調査の程度も異なってくる可能性があります。
 質問のケースに即して言うなら、最低限、届かなかった人の居所を知っているかどうかを他の兄弟に確認し、最後の住所地が近くの都道府県であれば、その地の近所の人たちに聞き込みにいく等の調査作業をしておくのが無難でしょう。

★遺言執行者は必ず相続人に連絡しなければならない【Q&A №35】


第3順位法定相続人(兄弟姉妹)3名と受遺者1名で、被相続人は独身なので遺留分の考慮は不要です。
 全財産を受遺者に遺贈する旨の「全部的包括遺贈」の公正証書遺言があります。

【遺産目録の法定相続人への通知義務】
 受遺者はよいとして、法定相続人への遺産目録の通知は必ず行わなければならない義務ですか?
 登記や名義変更等について処理した日付と行為を示した遺贈の完了通知で代用できないでしょうか?
 法定相続人の方々の感情を刺激したくありません。

記載内容  遺言執行者 遺産目録 遺留分減殺請求

(たか)


【目録の交付は必ず行わなければならない法律上の義務です】
 遺言執行者は、就任後、財産目録を作成し、作成した目録を各相続人に交付する義務があり、この義務は法律で定められています。
 この遺産目録交付義務に違反しても直ちに刑事罰があるわけではなく、又、執行が無効になるというようなことはありませんが、遺言執行者の解任事由になることがあります。

【法定相続人がなんらの権利を有しない場合にも・・】
 質問のケースでは、法定相続人は兄弟姉妹ですので、遺留分減殺請求ができません。
 遺言で全遺産が特定の者に遺贈されても、兄弟はこれに対してなんら対抗措置を講じることができませんし、遺産目録をもらっても、なんら法的な手続きも取ることもできません。
 そのため、遺産目録を交付する意味や実益がないというという意見もあるとは思いますが、法律の規定から見る限り、兄弟が法定相続人であった場合には遺産目録の交付が不要との記載はありませんので、やはり交付が必要だということになります。

【交付しないと、相続人の感情を刺激する場合も】
 質問では、「法定相続人の方々の感情を刺激したくありません」と記載されています。
 しかし、本来なすべき遺産目録交付をしなかった場合、執行後に通知をしたとしても、「法律も守らずに執行した」とかえって相続人の感情を刺激する可能性があります。
 又、目録を交付しなかったことが、執行の正当性に疑問を抱かせて、いらぬ疑惑や不信感を募らせる原因ともなることも考えられます。
 波風を立てたくないという気持ちはわからなくはないですが、やはり、法律に従い、遺産目録は交付するべきでしょう。

☆ワンポイントアドバイス☆
 なお、遺産の目録も交付する際に、法定相続人全員に遺言書の内容を明らかにすることも必要でしょう。

【コラム】遺言執行者について

あなたがお書きになった遺言書は、あなたが死んだときに効力を生じます。
よく気がつく人なら、こんな疑問を持つかもしれません。
私の遺言は果たして実行されるのか?・・・・ このような心配に対する対策が遺言執行者の制度です。

大澤photo6【遺言執行者とは?】
 遺言執行者とは、遺言の内容を実現(執行)するために行動する人です。

【誰が遺言執行者を決めるのか?】
 遺言執行者は遺言者が遺言で指定します。
この指定をするには、遺言執行者になって欲しい人の承諾をとる必要はありません。
しかし、指定された人が、遺言執行者になることを拒否することもできますので、事前に了解を得ておくほうがいいでしょう。

【誰を遺言執行者に指定するのが望ましいか?】
 相続人の一人を執行者に指定すると、他の相続人から反発がでる場合もあります。
 遺言の内容を実行することが内容ですから、法的な知識があり、登記等の手続きに精通している弁護士を遺言執行者に指定するのが望ましいです。

【遺言執行者が動いてもらうために・・】
 遺言執行者は、あなたが死亡したことを知って、遺言の執行をします。
そのためには、遺言執行者はあなたが死亡したことを知る必要があります。
あなたの死亡をどのように知らせるのかを、遺言執行者と協議しておく必要があります。
又、遺言書を遺言執行者に預けておかないと、いざ、遺言執行という場面で肝心に遺言書がどこにあるかわからないという悲惨なことにもなりかねません。この点も要注意です。

【遺言執行者が先に死亡する場合もある?】
遺言執行者が遺言者よりも長生きするとは限らないので、1番目としてAさん、もしAさんが遺言執行者になれないようであればBさんというように指定しておくこともできます。

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