大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★遺産総額を知る権利【Q&A №251】


 いよいよ遺産分割協議が始まりました。被相続人は父、法定相続人は母、私、私の夫(養子)、妹2人です。夫は相続に無関心で、基本的に私対母、妹2人の対立です。
 私、夫以外は一蓮托生です。妹が勝手に父の預金口座から現金をおろし、母の口座に全てを入れてしまい、母は開示の義務はないと主張し、遺産総額が把握できません。
 また、相続が完了していないにもかかわらず、父の遺産を母のためにという名目で、妹たちは勝手に使っています。彼女たちの主張は、姉さんは土地だけで十分取り分を満たしているし、母の口座に一旦入ったら母のもの、知る権利などないと言い出しました。妙な話ですが、母の口座に父の遺産があることは妹たちも認めています。たとえ現金の取り分がないにしても、遺産総額を知る権利くらいはあると思うのですが。

記載内容  遺産総額 開示 調停

(HO)


【遺産が多額な場合には、税務署から資料を入手する】
 遺産総額が多額で、相続税の申告をする必要がある場合(本件では課税上の遺産総額が1億円以上の場合)であれば、相続税の申告書を税務署で開示してもらい、それで遺産総額を推定することが可能です。

【開示しないのであれば、自ら調査をする】
 相続人は他の相続人に遺産を開示する義務はありません。
 そのため、遺産の内容(不動産や自動車、預貯金、あるいは保険)などは、他の相続人に頼ることなく、自ら調査する必要がありますし、又、他の相続人の同意なく、調査することが可能です。
 具体的には、当ブログの遺産調査関連の記事(例えば預貯金についてはQ&A №98Q&A №158 )をご参照ください。

【調停で開示を求めても・・】
 相手方が情報開示に応じない場合、家庭裁判所で行う遺産分割調停で開示するように要求することも考えられますが、相手方は調停における開示義務がなく、あなたとしては相手方に対する開示請求権をもたないというのが実情です。
 調停委員が、事件解決のために情報開示をすべきであることを相手方に説明してはくれますが、開示義務があるわけではないので、相手方が素直に開示に応じる可能性は少ないでしょう。
 結局、自らの力で遺産を調査するしかないというのが実情です。
 敵である相手方に頼るのではなく、自らの手で遺産内容を把握するしかない、これが遺産分割の一番重要なところです。

【遺産調査を専門家に依頼することも考える】 
 前記の遺産調査は、相続関係の書類の入手や銀行への照会等、手続きが難しいです。
 もし、自分はそのような手続きができないということであれば、相続調査に詳しい弁護士に依頼する等の方法を考えられるといいでしょう。

生前贈与を明らかにする義務【Q&A №238】


 もしもの時のためにと、母が公正証書遺言を残していました。
 十数年同居をして介護をした私に、私が死んだら中古のマンションでも買いなさいと、生前お金をくれました。
 税務署には申告済みです。その後の母の財産を母が行政書士の方と相談しながら遺言書を書いたのですが、母名義の家(土地も含む)と300万の預貯金は長男へ、これは喪主としてと書かれていました。
 そして、駐車場として月に55000円で貸している土地を次男と私で半分づつ分けるようにと書かれていました。
 計算上は長男が多いのですが、これからの事を思おうと先祖の供養など母らしいと感じています。
 ところが、次男夫婦が母の預貯金がこれくらいのはずないと、同居していた私に詰め寄り、生前の贈与をはっきりさせろと言ってきます。
 長兄は私の介護を労い気にするなと言いますが、このようなことを懸念し、遺言書を残してくれたのに、、、
 そこで、私は生前に贈与を受けたお金の時期や金額を次兄に言わなければいけないのでしょうか?また、半分渡さなければいけないのでしょうか?不安でなりません。
 どうぞよろしくお願いします。

記載内容  開示 生前贈与

(ぼたん)


【情報開示の義務はありません】
 法律上、受けた生前贈与を開示する義務が決められているわけではありません。
 生前贈与の内容を言いたくなければ次兄さんに言う義務はありません。
 裁判であなたが金銭の交付を受けているとの証拠が出てくれば、不正な取得ではなく贈与であることを立証する必要が出てくるでしょうが、示談の段階では特に開示しなくとも法律上の制裁その他の不利益はありません。

【開示するかどうかは人間関係次第】
 問題は、法律上の話ではなく、次兄さんとの人間関係です。
 全てを明らかにして次兄さんに納得してほしいのであれば、法律の話を抜きにして生前贈与の内容や当時の税務申告資料などを明らかにするのも一つのやり方でしょう。
 他方で、全てを明らかにしても、それが全てであることを立証する方法はありません。あなたの説明を次兄さんが納得せず、結局は紛争が収まらない可能性もあります。
 ここは次兄さんの性格や従前の人間関係からどうするべきかを判断するしかないでしょう。

【半分渡す必要もない】
 あなたが受けたマンション購入費用はいわゆる特別受益にあたりうるものであり、相続分の前渡しを受けたかのような扱いがされることがあります。また、あなたが次兄さんの遺留分(相続分の半分)に損害を与えることを知って贈与を受けたのであれば、従前の贈与に対し、次兄さんの遺留分(遺言があるので相続分の2分の1)を回復する限度で贈与を返還する義務が生じることがあります。
 質問からは、あなたがもらった贈与金額もわからず、また、他の遺産の価額もわからないので、次兄さんに返還する必要があるかどうか、また、仮にあるとしていくらを返還する金額がどの程度になるかを確認することができません。
 もし、次兄さんから本格的な返還請求があった場合には、相続に詳しい弁護士に相談し、返還義務の有無等を検討してもらうといいでしょう。

 

弟の不正出金【Q&A №234】


 弟相手に裁判 相続人は、私(女)、兄、弟、の3人です。
 一昨年母(アルツハイマーで4年ほど入院)が亡くなり(父は他界)相続財産を調べると、弟夫婦が母の普通預金から2,000万引き出しておりました。1度に10万~30万月に何度もです。
 それ以外にも、父の土地を母が勝手に売却した代金2,000万の行方もわからず、弟に聞いても「知らん」の一言です。
 これらのお金は、弟宅の新築費用(土地は母から相続済み)に充てたり、弟やその家族の口座に移したりしたものと思われます。
 ① 財産をすべて開示させる方法
 ② このお金を相続財産に入れた、遺産分割協議書を作り様子を見る。
 反応がなければ、調停~裁判、この順番でいいですか?

記載内容  不正出金 預金 開示 調停

(アイアイ)


【取り込んだ者の財産を開示させる方法】
 相続に関する財産調査について、被相続人であるお母さんの財産(預貯金情報等)については、相続人であれば調査が可能です( 参考カテゴリ:「遺産調査」 )。
 しかし、取り込んだと思われる相手方(弟夫婦)の財産を開示させる方法はありません。
 調停などで、相手方の預貯金の開示を求めることもよくありますが、まず、開示に応じない場合がほとんどです。
 開示に応じた場合にも、全部ではなく、相手方が出しても差し支えないと考えたものしか出てこないと考えておくべきでしょう。
 なお、裁判所が積極的に相手方の預貯金を調べてくれることはりません。
 調停の場合などは、調停委員が相手方に口座情報を提出する気はないか、という程度の話をしてくれますが、相手方が応じなければ、それ以上の手段はありません。

【相手方が取り込んだことさえ証明すればよい】
 注意するべきことは、相手方から返還を求めるには、あなたの立場から言えば、遺産である預貯金を《弟さんが出したということを証明すればよい》ということです。
 そこまで証明すると、今度は、弟さんの方で、その《払い戻しをした預貯金の使途》を明確にしなければならない立場になります。
 この点に重点を置いた調査をするべきでしょう。

【今後のとるべき手段】
 ご質問には、まず遺産分割協議書を作ると記載されています。
 この趣旨は、弟さんの取込分を遺産内容に含んだ遺産分割協議書(案)を作成して、弟さんに署名捺印を求めるということなら、その方向でいいでしょう。
 弟さんが、その遺産分割協議書に署名捺印しないのであれば、ご指摘のとおり、調停から訴訟ということにならざるを得ないでしょう。

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