大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★姉妹の預かり金【Q&A №523】


【質問の要旨】
認知症の人にお金を支払う場合

記載内容 認知症 預かり金 不正出金

【ご質問内容】
母の姉が、元気な時、家族がなく1人身ですので 入院されたとき もしもの時を考え母に相談し お金を預けていました。
が、退院されてそのお金を返したいと思っているのですが 今少し痴呆症でありまして
お金を返す時に返しました、受け取りましたと言う文章で残したいのですが、どういう書き方でかわせばよろしいでしょうか
亡くなられた旦那さんの家族があり そちらが 管理する事になるみたいなので、後々 金銭でもめないように したいので どうか、良い方法教えてもらたく相談いたしました。

(樋口)


【金銭の支払いの証明は領収書でする】
金銭を支払った時に、その金銭の支払いの証明をする一番の証拠は領収書です。
領収書の書き方は、ご存知のように、領収書(もちろん、受取書でも結構です)と記載し、受け取った日付、金額も記載した上で、但書で何の返還分かを明らかにし、受け取った人の署名・捺印をすることで完成します。

【認知症が疑われる場合の配慮】
ただ、今回の場合、お母さんのお姉さん(以下、伯母さんと言います)は認知症の可能性があるようです。
認知症があり、しかもその程度がひどい場合には、伯母さんに判断(意思)能力がなく、金銭を受け取る能力なしとされることがあります
又、領収書を作っても、そのような文書を作る能力がないとして、領収書が無効になることもあり得ますし、そもそも、本当に金銭を支払ったのかという点でさえ、疑われる場合もあることを考慮しておく必要があります。

【認知症がひどい場合は成年後見人が選任された後に支払うのが無難】
ただ、認知症といっても様々の程度がありますので、どの程度の症状かを確認をされるといいでしょう。
一般には、伯母さんと話をして会話が成立するかどうかを基準とされるといいでしょう。ただ、日常会話が成立しても、それが直ちに意思能力があるとはいえません。
今回のような、認知症であることははっきりしているようなケースであれば、例えば長谷川式認知スケール等のテストを受けておれば、その点数を聞いて、認知症の程度の判断材料にするといいでしょう
【コラム】意思能力と長谷川式認知スケールに関する判例の紹介)。
認知症の症状が重い場合には、成年後見人が選任されるまで、支払いをお待ちになるのが無難でしょう

【認知症が軽い場合の対応】
認知症の程度が軽い場合には、まず、支払ったということが客観的にわかるような支払い方にするといいでしょう。
具体的に言えば、支払いのときに伯母さんから領収書を受け取るとき、第三者を立ち会わせ、その人のサインをさせるという方法が考えられます。
又、伯母さんの金融機関口座がわかるのであれば、返還金をその口座に送金することも一方法でしょう。
但し、この場合には、お金を送金したという事実がわかるのみで、どのような原因による支払いかがわかりません。
この点をカバーするためには、送金前に、伯母さんに《○年○月○日に貸した金銭は私の××口座に送金してほしい》というような文書を差し入れてもらい、その実行として送金したという形を取るといいでしょう。
伯母さんがそのような文書を書かないということなら、伯母さんの言葉としてそのようなことを言ってもらい、ICレコーダーに残して、万が一の時の証拠として残しておくといいでしょう。

(弁護士 大澤龍司)

★兄弟の口座に移した両親のお金【Q&A №382】


 両親が高齢のため施設に入るにあたり、これまで遠方にいた弟がそちらの施設に入れるという話になり、この度両親を転居させたのですが。その際今後両親がボケてお金を引き出せなくなるからと、弟は自分の口座に両親の貯蓄したお金と、母親を銀行の窓口に連れて行き定期を解約し1000万円を移しました。
 また実家も、今後の病気に備えるということで弟が売却の手続きをし、この度1400万円ほどで売れたのですが、こちらも自分の口座に入れる予定で、こちらには一切渡さないと明言しております。この場合、両親の名義ではなくなってしまったお金・財産の相続はどうなるのでしょうか? 相続そのものが発生しないのでしょうか?
 こちらの言い分は一切を認めないため、本人とまともな対話もできず困っています、彼は両親に出す生活費を切り詰めており、親族のことながらあまりよくない予想を抱かざるおえません。今後いずれくる時に介護で使いきったと言い切られれば追求も難しく、この場合はどうなるのか教えていただけたらと思います。

記載内容  介護 贈与 預かり金

(立川)


【介護費用の預託になる】
 弟さんとご両親との権利関係としては、ご両親が弟さんに《将来の介護費用》として《金銭を預けた》ということであり、少し難しく言えば《介護費用を預託》ということになります。
 そのため、弟さんとしては、両親の介護のためにのみ、預かった金銭を支出することができるはずです。
 しかし、現実の問題としては、介護のためだけではなく、弟さんの私的な目的に使用されるのではないか、あるいは介護のためと言っても本当に介護のためであることをどのように証明してくれるのか・・・等、いろんな疑問が浮かんできます。
 ただ、ご両親が生きている限り、あなたにはご両親の金銭問題について、なんらの意見をさしはさむ権利はありません。

【弟さんの管理している預託金の返還を求めることは・・】
 現時点では、ご両親は認知症等で物事の判断がつかないという状態ではなさそうですが、将来、認知症になり、その程度がひどくなった場合には、あなたとしては、ご両親につき成年後見人選任の申立を家庭裁判所に提出するという手段があります(その方法はQ&A №280Q&A №349Q&A №376をご参照ください。)。
 成年後見人がつけば、その時点でのご両親の財産は全て後見人が管理します。
 その段階で、ご両親が弟さんに預けていた金銭を、後見人が返還してもらい、その管理下に入れます。
 しかし、弟さんが既に私的に流用していた場合、その分の返還請求を成年後見人がしてくれるかというと、その可能性は必ずしも高くはないでしょう。
 成年後見人としては、とりあえず現在の財産の管理という点に重点があり、過去に散逸した財産の回復というところまでしない場合が多いようです。

【相続が開始したときにはどうなるか】
 お父さんあるいはお母さんが死亡したとき、相続が開始します。
 その時点で、預託していた金銭が残っているのであれば、その金銭の返還を求める権利(預託金返還請求権)は遺産になりますので、あなたは法定相続分に応じて返還請求ができます。
 又、預けた金銭のうち、弟さんが自分の必要に応じて使った金銭があれば、ご両親としては目的外使用として、損害賠償請求ができますので、この権利も遺産になり、法定相続分に応じてあなたが弟さんに賠償請求をすることができます。

【問題は証明できるかどうか】
 ただ、損害賠償を請求する側(あなた)としては、弟さんが私的に流用したという点を証明する必要があります。
 本来は生前からそのような証拠を集めるのが望ましいです。
 しかし、ご両親の死亡前には、法律的な意味では、あなたが弟さんに直接、預託金の使用状況を確認したり、裏付けとしての領収書等を請求することはできません。
 もちろん、あなたが請求して、弟さんがそれに応じてくれればいいのですが、そのような申入れは弟さんの反発を招くだけの結果に終わる可能性が高いと思われます。
 又、ご両親としては、法律上、使途や金額の報告を求め、あるいはその裏付けを請求できるので、あなたがご両親を説得して、そのような申入れをして頂くということも考えられますが、実現する可能性は低いでしょう。
 そうすると、ご両親が死亡した後に、早期に、弟さんにどれだけの金額を何に使ったのか、その裏付けはあるのかを確認されるといいでしょう。
 又、その一方で、ご両親のおられる介護施設等に支払った金額を確認されるといいでしょ。
 ただ、残存している金額が、介護した期間や介護内容を比較してあまりにも少額というのであれば、調停や訴訟で返還を請求することになります。
 そのような場合は、早期に相続に詳しいお近くの弁護士に相談され、その後の対処方法のアドバイスをもらうといいでしょう。

父名義で残る母の預金【Q&A №267】


 海外にあった母の預金を、母が病気のため、サインができなくなって出せなくなると困るということで、父が預かることにして、母の口座を解約して、父の名義の口座をつくりました。3ヶ月後に母が亡くなってしまいました。
 金額としては、相続税は発生しない金額です。現在も、父の名義のままです。私は、それが元々母のお金であったことを最近まで知りませんでした。そのため、母の亡くなったとき、母の預金はほとんどなかったため、特に、相続手続きなどをしていません。
 父の同意が得られれば、今からでも、相続の手続きはできるのでしょうか?また、できたとして、それは贈与となるのでしょうか。ちなみに両親の子どもは私だけです。

記載内容  預かり金 相続か贈与か

(gungun)


【お母さんの遺産として、半額の返還請求が可能です】
 お母さんの預金口座を解約して、その分をお父さんがその名義の預金口座で預かるということですので、お母さんはお父さんに対して預けたお金を返還してもらう権利があります。この返還請求権は、お母さんの死亡した後は、遺産となりますので、あなたがその2分の1の権利を相続します。
 そのため、あなたがお父さんに対して、預かったお金の半額の返還を求めることができます。
 相続の手続としては、お父さんに請求し、お父さんがあなたに半額を返還するということになります。
 なお、相続の手続きには期限がありませんので、現時点でも返還請求は可能です(但し、返還請求権は10年間で時効消滅しますので、あまり長く放置せず、早期に請求されるといいでしょう。)

【贈与ではなく、相続である】
 少しわかりにくいかもしれませんが、あなたがお父さんからもらうのは、お母さんの遺産の相続としてもらうのであり、お父さんからの贈与ではありません。
 お父さんとしては、お母さんに対して返還請求債務を負っていたのですが、お母さんが死亡したため、その請求権のうちの半分があなたに移った(相続された)ということであって、贈与ではありません。
 従って、お父さんから返還してもらっても、それに対して贈与税が課税されることはありません。

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