大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

相続放棄後、故人の所有していた車について【Q&A №617】

【質問の要旨】

相続放棄後の遺産の処分

記載内容  相続放棄 車の処分 財産管理人

【ご質問内容】

名古屋で20数年行方不明の兄が病死したという連絡が入りました。

部屋はゴミ屋敷 状態で、負債の全容もわからず、相続放棄しかないと判断して、裁判所に申述書を提 出中です。

兄は民間のアパート(駐車場代込み)に住んでおり、アパートの管理会社 からは、部屋の回復や、車の処分を迫られています。我々は長野におり、出向くこと もできません。

どうしようもないとき車を処分し(80万ほどらしい)現金として保 存することは認められるのでしょうか。財産の管理人を選定するには予納金も高額と 聞いており、悩んでおります。

(ひろ)

 

 ※敬称略とさせていただきます

【相続放棄の効果】

現在、家裁に相続放棄の申し立てをしているということであり、それが受理されると、あなたは相続放棄したことになり、兄の相続人ではなくなります。

その結果、仮に、死んだ兄に借金などがあり、その債権者がいても、あなたは相続人ではなくなるので、請求を拒むことができます。 相続放棄とは、遺産はもらわないということですが、借金も支払わないということでもあります。

【車を売却すると相続放棄を主張できない】

しかし、相続放棄をしながら、兄の自動車を処分するというのは、矛盾した行為です。

兄の自動車を売却するとすれば、あなたは兄の相続人の立場で、その車を売却することになります。

(業者に対する書類にはあなたは《兄の相続人》と記載されますし、かつ、相続関係を明らかにする戸籍謄本等を提出する必要があり、これらがないと車を売却できません)

相続人でないのに遺産を処分すると、法律で、その処分者は遺産の相続をしたものとして扱われます。

《参照条文:民法921条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。 一  相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。》

【債権者が車の処分を知ったら、借金の支払いを拒めない】

兄の債権者から支払い請求があった場合、あなたとしては、家裁の相続放棄の受理証明書を提出すると、ほとんどの債権者は、《相続放棄されたんですか、それなら請求をあきらめましょう》という対応をします。

しかし、万一、その債権者が、あなたが兄の自動車を売ったことを知った場合、あなたは相続放棄の効果がなくなるのですから、支払いを請求することができ、あなたは債務の支払いをせざるをえないことになります。

【本当はどうすべきだったのか?】

家裁に放棄の書類を出す前に、兄の遺産について、どの程度遺産があるのか、また、借金はどの程度あるのかを調査するべきでした(リンク:遺産の調査・発見)。

その調査に時間がかかるというのであれば、家裁に放棄期間(相続開始を知って3ケ月)の伸長願いを出せば、3ケ月程度、延長してくれますので、その間、鋭意、調査したほうがよかったでしょう。

【あなたとしてはどう対処するべきか】

現在、相続放棄の手配をしているのであれば、あなたとしては、その前提で動くといいでしょう。

具体的には、アパートの管理会社に対し、相続放棄したことを、受理証明書を示して明らかにし、請求をはねのけるというのが、あなたの取るべき対応です。 アパートの管理会社なら、相続放棄していたら、被相続人である兄の債務の請求ができないということを知っているはずです。

【相続財産管理人を選任するのは管理会社である】

相続放棄などで、相続人がなくなった場合には、管理会社としては兄に対して債権を有していても、請求する相手がいません。

そのため、同社としては相続財産管理人の選任の申し立てをし、その管理人を被告として裁判をするしかありません。

兄の車を撤去するためには訴訟をせざるを得ませんが、被告となるのは債務を引き継いだ相続人ですが、それがいないのなら、家裁に遺産を管理する相続財産管理人選任の申し立てをするしかありません。

ご指摘のように相続財産管理人の選任は家裁に納める予納金が高いです。

しかし、この選任申し立ては債権者である管理会社(駐車場から出ていけ、駐車料金を支払えとの請求権を有している)がすることであり、相続人ではないあなたの関知することではないことです。

親族相盗例における相続放棄【Q&A №616】

【質問の要旨】

横領した父の相続放棄

記載内容  横領 法人 損害賠償

【ご質問内容】

先日、叔父が経営する企業(株式会社)で働く父が、会社のお金を横領した後、お金を使わずにそのまま病気で亡くなりました。

生前の父の行いを考慮し、私は相続放棄をする予定です。

父は過去に離婚しており、相続人候補は叔父のみですが、その叔父も相続放棄をしようと考えている所です。

このようなケースにおいて、叔父は横領分のお金を父の銀行口座から取り戻すことができるのでしょうか。

一見すると、叔父が相続放棄を選んだ時点で、父の横領分のお金も放棄しなければならないように思いますが、そのお金を本来受け取る権利を有するのは叔父の会社ですので、叔父にとってあまりにも酷ではないかと思い、実際どのように考えるべきなのかをご教示頂きたく質問させて頂きました。

(マサムネ)

 

 ※敬称略とさせていただきます

【損害賠償請求権は会社が有する権利】  

まず、お話を整理しますと、あなたの父は会社(法人)のお金を横領したまま死亡されたということですので、あなたの父に対して損害賠償請求を行い、横領されたお金を取り戻す権利を有しているのは会社(法人)です。

叔父(個人)ではありません。  

ここは区別が難しいのですが、被害者は会社(法人)であることをまずご認識下さい。

【横領の責任は現在、叔父が引き継いでいる】

他方で、本来なら横領の損害賠償責任は相続人であるあなたが相続します。  

ただ、今回はあなたが相続放棄をされるようですので、その場合、残された唯一の相続人である叔父があなたの父を相続します。  

その結果、叔父(個人)が会社(法人)に対する損害賠償責任も相続する、という状態になります。

元々叔父(個人)は被害者の立場ですので少し変な状況になりますが、法律上はこのような状態になります。

【叔父は相続人として預金の払い戻しができる】  

この状況下であれば、叔父(個人)はあなたの父の相続人として、銀行に対し預金の解約・払戻などの相続手続を取ることができます。

もちろん、あなたの父の横領の責任として、会社(法人)にお金を返すこともできます。  

元々は被害者の立場であった会社の代表者である叔父が責任を取る、というのは非常におかしな話ですが、実際上、横領されたお金を取り戻すにはこれがもっとも簡易な方法と思われます。

(厳密には、あなたの父がほかの借金をしていた可能性も考えられますので、ほかに負債がないことを確認ができるまで預金に手を付けない方がよいでしょう。)

【叔父も相続放棄した場合は相続財産管理人の選任】  

他方で、この状況から叔父も相続放棄した場合、相続人は不在の状況になります。  その場合、誰もあなたの父の相続預金を解約することができないため、叔父の会社(法人)は、横領されたお金の回収ができません。  

この状況であなたの父から横領のお金を返してもらうには、会社から家庭裁判所に相続財産管理人の選任申し立てをし、選任された相続財産管理人に対する交渉や裁判を行っていく必要が出てきます。

ところが、これには裁判を行う手間はもちろん、一般に90万円前後の予納金を裁判所に納めて選任申し立てをすることになるため、非常に負担が大きく、あまりお勧めできません。  

そのため、(ほかの負債の有無にもよりますが)叔父が相続放棄するべきかどうかは慎重な判断が必要でしょう。

(弁護士北野英彦)

相続財産開示について【Q&A №615】

【質問の要旨】

生前の解約と取引履歴開示

記載内容  一部解約 明細 開示

【ご質問内容】

父は3年前に逝去、今年、母が逝去し、子供(長女・次女・長男)の3人が相続人です。

父の遺産は銀行の遺産信託で管理されていましたが母の場合は 母名義の銀行預金のみで、これについては遺産分割についての遺言もエンディングノートもありません。 長男が母生前に母名義預金を一部解約して自分名義にしていたらしいことがわかりました。

この自分名義口座から母の老人施設費用、葬儀費用などを支払っていたようです。

Q1:相続税対策のつもりだったかもしれませんが、これは正しいことでしょうか?

Q2:母名義の口座の一部解約は2年近く前ですが、一部解約の明細は開示してもらうことはできるのでしょうか?

Q3:長男名義になってしまった 元母名義口座の分については今後、どのような手段が可能でしょうか? ご回答およびアドバイスを宜しくお願いいたします。

(パドミニ)

 

 ※敬称略とさせていただきます

【正しいかどうかという質問について】
今回の質問の1は《正しいかどうか》という極めてユニークなものです。
遺産相続という法律(民法)では、遺産に属するかどうか、また、請求できるかどうかという場面で考えますので、正しいかどうかという観点で考えることはほとんどありません。
もし、あえて回答するなら次のとおりとなります。
① 母が自分の解約し、長男名義にすることを認めていたかどうかが、まず、問題になります。
 認めていたのなら、解約および長男名義への変更については何ら問題はなく、不正はありません。
 もし、母に無断でしたのであれば、不正ということになります(刑法という法律で処罰されるかどうかについてはQ&A №584をご参照ください)。
② 母が認めていた場合でも、それが長男への贈与であるのか、それとも長男に預けただけなのかという問題があります。
 もし、贈与であれば、生前にいくら贈与するかは母の自由であり、不正の問題は生じません。
 ただ、金額が基礎控除の110万円 を超えるのであれば贈与税の申告が必要であり、それをしていないのなら、税務的には不正になります。
 また、仮に預けたのであれば、母のために使った分を控除して、残った残額を遺産に戻す必要があります。
 その返還分(返還請求権)は遺産ですので、相続税申告をする場合に記載しないと税務的には不正ということになるでしょう。

【解約預貯金の開示請求について】
母の生前に解約された口座の情報(取引履歴など)について、相続人が調査できるのかという点については裁判例があります。
平成23年8月3日に東京高裁で、被相続人の生前に解約された口座の取引履歴の開示を求めた事案で、「金融機関は、被相続人の生前に解約された預金口座の取引履歴を開示すべき義務は負わない」との内容の判決が出ています。
これは、金融機関としては、生前に、預金者による解約後に、従前の取引経過や解約の結果を報告しているので、それだけでよく、相続人に対しては開示義務はないというものです。
(最高裁の平成21年1月22日の判例で、法定相続人であれば被相続人の取引履歴の開示を求めることができると判断されていることとこの判例が矛盾しないのか、という問題がありますが、この点は判断が難しいところです)。
ただ、銀行によっては、相続人であることを示して開示を求めれば、開示をしてくれるところもありますので、開示請求はすべきでしょう。

【法律的に見た場合の問題点―不正出金か、または特別受益】
今回の質問を法律(民法)的にみると次のとおりの問題点を指摘することができます。
①一部解約が母の意思に反してなされた場合、無断出金として、母は長男に返還請求をすることができます。
ただ、母の用途に使われた分は、請求から控除し、残額を各法定相続人が相続分に応じて取得(相続)しますので、その分を長男に請求することになります。
②母の意思に基づくのなら、贈与なのか、それとも預けたのかが問題になります。
贈与なら、その分は特別受益として、遺産に持ち戻して計算することになります。
預けたのなら、母の用途に使った分以外を長男は返還する必要があります。
正確に言えば、母の用途に使った分を控除した残額につき、各法定相続人はその相続分に応じて返還請求ができます。

混同により損害賠償請求権や遺留分は消滅するのか?【Q&A №614】

【質問の要旨】

不正出金の責任も遺言で消滅するのか

記載内容  不正出金 混同損害賠償

【ご質問内容】

原告(長男)は母に遺言書を書かせ相続し、被告側(三男)が生前母の治療保険金 を不正費消したと損害賠償請求を起こしました。

被告側は全て治療費など母の費用に 使用した主張。被告は原告が母の生前多額の預金を不法に取得している事を反論し、原告の不法行為が認められ各相続人が損害賠償請求権があり、被告の遺留分を侵害していて、原告の訴えは全て棄却されましたが控訴してきました。

原告は控訴理由書にて不法行為でも損害賠償請求権は各相続人は取得するが、遺言書において母は全財産を長男に渡すと書いてあり、また混同で消滅するので、母が他の 相続人に贈与する事を希望していないので遺留分も無いと主張してきました。 お聞きしたい事は

1、不法行為で損害賠償請求権を各相続人は取得すると思いますが、遺言書において 母は全財産を原告に渡す(他の相続人を排除する事や目録含め具体的な事は書いてい ない)と書いてあり、原告分は混同で消滅すると思いますが、他の相続人に相続する事を希望していない事と同様なので、混同によって他の相続人の損害賠償請求権や遺 留分も消滅すると主張していますがそのような事は考えられるのでしょうか?

2、母が長男の事業の為に渡したと生前に言っている証拠がある場合、損害賠償請求権は無くなって、生前贈与となり特別受益と考えられますか?

(マッチ)


 

 ※敬称略とさせていただきます

 

【他の相続人が取得するはずの損害賠償請求権が消滅するのか】

まず、本件では相続人が長男・二男・三男の3人とし、3分の1ずつ相続する場合を想定して回答します。

まず、《混同》とは、権利を持っているものが、義務を負う場合、権利と義務が同一の人に帰属するため、権利と義務がなくなるというものです。

義務が負う者が、権利を取得する場合にも同様に《混同》により権利義務がなくなります。

さて、今回の質問は、遺言があるので少しややこしいケースです。

(1)遺言がない場合と(2)遺言がある場合に分けて、混同で権利義務が消滅するかどうか、説明していきます。

 

(1) 遺言がない場合の混同について

遺言がない場合に不正出金による損害賠償請求権がどう相続されるのかを述べておきます。

 

  1.  長男が母の預金の不正取得をしたのなら、母は長男に対し損害賠償請求権をもつ。
  2. 長男は母に対して損害賠償支払い義務を負う。
  3.  母の死亡により相続開始すると、母が長男に対して有していた損害賠償請求権は、全相続人がその相続割合に応じて、分割相続する。
  4.  上記②の分割相続の結果、・長男(相続分3分の1)は、母の損害賠償請求権の3分の1を取得する。
  5. 長男は、損害賠償請求権全額の支払義務者でもあるので、相続した請求権(3分の1)の限度で、長男の損害賠償請求権は消滅する。
  6. しかし、残りの3分の2の損害賠償義務は消滅せず、他の相続人が請求をしてきた場合、その支払いに応じなければならない。

 

(2) 遺言がある場合の混同

①相続財産を全て長男に相続させる」という遺言がある場合、

母の有する損害賠償請求権はすべて長男に相続されます。

②長男は損害賠償全部の支払義務がありますが、①の結果、その請求権の全部を取得しますので、権利と義務の全てを取得するので、損害賠償請求権の全部が混同で消滅します。

【遺留分減殺請求権行使した後の混同について】

ところで長男以外の人が遺留分減殺請求権を行使した場合、このケースなら二男と三男がその遺留分(各6分の1。2人合計で3分の1)の限度で、損害賠償請求権を取得します。

そのため、長男としては、遺留分減殺の対象とならない3分の2の請求権を相続し、その限度で損害賠償請求権は混同で消滅します。

しかし、二男と三男が遺留分減殺で取得した3分の1については混同はせず、二男と三男に支払いをする必要があります。

 

【長男に対する生前贈与の扱い

 母が生前にその意思で長男に贈与した財産があれば、原則として特別受益になります。

長男の事業のために贈与したということなら、生計の資本としての贈与であり、特別受益になります。

法定相続人に対する特別受益であれば、遺留分を計算する際の計算の基礎となる相続財産に持ち戻されます。

なお、特別受益の場合、相続開始の1年以上前であっても、遺産に持ち戻されます。

その結果、二男・三男の遺留分が増えます。

使用貸借について【Q&A №613】

【質問の要旨】

使用貸借されている土地の相続と生前贈与

記載内容   使用貸借 相続 生前贈与

【ご質問内容】

使用貸借(無償貸与)されている土地を相続の時、使用貸借は承継するのに、

生前贈与の時、使用貸借(無償貸与)は承継しないのは何故でしょうか?

(生前贈与 を受けるのは相続人です。)

(はな)


 

 ※敬称略とさせていただきます

【使用貸借は貸主に対して請求できる債権】

今回の質問は、具体的な案件の相談ではなく、法律の理解のしかたについての理論的な質問で、以下の回答内容は難しいかもしれません。

 

不動産(土地)を例にとって説明します。

まず、建物の持ち主A(以下、Aといいます)が借主Bに貸す(使用させる)という契約をします。

この場合、借主Bとしては、契約の相手方であるAに対してのみ、建物を使用させよという請求が可能です(このような契約の相手方に対してのみ請求できる権利は「債権」と言います)。

賃料を取る賃貸借にせよ、無償の使用貸借にせよ、Bの持つ権利はAに対する債権になります。

【Aが他の人に所有権移転すると、Bは建物を使用できないのが原則】

Bは家を使用させよという権利を持ちますが、これはあくまでAに対して請求する権利です。

そのため、Aが他人(例えばC)に土地の所有権を移した場合には、BはCに対して建物をつかわせよという請求はできません。

これは賃貸借であっても、使用貸借であっても同様であり、BはCに使用させよということはできません。

Bとしては、土地を使わせるという約束に違反したAに対して、損害賠償請求をするしかないということになります。

 

【登記した物権なら、Cに使わせよということができる】

ただ、この土地を使用する権利を登記してもらうと権利が強くなります。

土地の使用権を登記すると、《地上権》という強い権利(物権と言います)になり、新しい所有者であるCにも土地を使わせよという請求ができます。

 

【土地や建物の賃借は、法律で強い権利になっている】

ただ、土地の使用権を登記までするということは少ないです。

建物を建てる目的の土地などは、Bの住居や店舗に利用されている場合が多く、所有者が変わる度に退去するというのでは社会が混乱します。

そのため、賃貸借である場合に限定して、法律(借地借家法)で、所有者が変わっても継続使用を主張できる(借地権という強い権利になっている)ことにしています。

 

【贈与の場合は、使用貸借の継続使用は不可】

AがCに贈与した場合、贈与に伴い、Cが所有者になります。

賃貸借であれば、前項の法律のおかげで、Bは引き続きの使用を主張することが可能です。

しかし、使用貸借の場合は、借地借家法の保護はなく、Bは土地を使用できないということになります。

 

【相続の場合】

贈与の場合には、(生きている)AとCは、親子であっても他人として扱われます。

しかし、Aが死亡して、相続が発生した場合、相続人Dは《法律上》はAと同一の人として扱われ、DはなくなったAの権利義務を引き継ぎます。

そのため、Aの負っていたBに土地を貸す義務を、Dは引き継ぎ、Bは退去する必要がないということになります(このような違いがあることから、売買や贈与は《特定承継》と言われ、相続は《一般承継》と言われ、区別して扱われます)。

このような所有権の移転が発生する原因の違いが、Cの退去の可否に影響しているため、使用貸借の場合、生前贈与では退去、相続では退去不要という結論になるということです。

「来てよかった。」そう感じていただける法律事務所です。

1.納得のいく回答をします

法律相談では、依頼者から事実を正確に聞き、弁護士が解決案を考え、わかりやすく説明します。

そのため、当事務所では、法律相談には、原則として2名以上の弁護士が入ります。

又、わかりやすく説明するために、ホワイトボードや大きなディスプレイを設置しています。

何が問題点で何をしたらいいか納得して帰っていただけるよう、全力でご説明します。


 

 

2.相続が得意な事務所です。

当事務所は相続事件が得意です。

所長の大澤は裁判所から依頼されて破産した大規模会社の財産整理を担当してきました。

その中で隠された財産を見つけ出すノウハウを獲得してきました。

相続にそのノウハウを応用し、相続案件で生前に隠匿された財産の発見に成果を上げています。

もちろん、他の事件でも調査能力を活かして成果を上げています。

 

3.親しみやすい事務所です。

所長の大澤は大阪の住吉生まれ、庶民の出身で、大阪弁でしゃべります。

下町の良さに若干の上品さを加えた雰囲気の事務所です。

相談を終えられた依頼者の方に、《本当に来てよかった、この事務所、好きやわ!》と言っていただくのが、弁護士として本当にうれしい瞬間です。

 (弁護士 大澤龍司)

遺産の対象と遺留分について【Q&A №612】

【質問の要旨】

全遺産を遺贈する遺言があるが、遺留分はどうなるのか

記載内容  全遺産 遺贈 生命保険

【ご質問内容】

母が亡くなりました。父はすでに他界しているため、相続人は弟と私(姉)の二人です。

母は身体が不自由だったため、25年私が身の回りの世話をし、その後5年前に弟が母を引き取りました。(弟とは訳あって絶縁状態です)

母の死後、半年経っても相続についての連絡がないので、問い合わせると、公証役場で作成したすべての財産と権利を弟に相続させる、という内容の遺言書コピーが送られてきました。

また遺言執行者を弟に指名しているため、母の財産の一部を残し、すでに口座名義等を弟のものへ変更しておりました。

遺留分減殺請求を考えております。
下記は遺産の対象となるのでしょうか?

① 弟家族への生前贈与
  弟、妻、子、孫2(幼児)5人それぞれ×100万×5年間=2500万

② 一時払い生命保険の掛け金1000万
  契約者、被保険者、受取人すべて弟 
  弟から上記は遺産の範囲に含めないと主張されているのですが、納得できません。
  また、遺言書作成後の上記贈与の場合、遺留分侵害を分かっていた生前贈与と考えられないでしょうか。

 
(はな)

 

 ※敬称略とさせていただきます

【遺留分減殺請求ができます】

今回のように遺言で、遺産が他の相続人(弟)に全部いくような場合には、遺産をもらえない相続人(あなた)は遺留分減殺請求をすることができます。
法定相続人が子2人なら、減殺請求で遺産の4分の1をもらえます。

【すべての生前贈与が遺産になるわけではない】

問題は、遺留分計算の前提となる遺産の範囲です。
法律では、すべての生前贈与が遺産になるとはされていません。
遺留分の計算上、遺産に組み入れられるのは次の2つの場合です。
①相続開始前の1年間になされた贈与
②1年を超える前の贈与であっても遺留分権利者に損害を与えることを知ってなされたもの

【特別受益は1年以上前でも遺産に入る】

ただ、法律には記載されていませんが、裁判所は共同相続人の特別受益になるような生前贈与については、相続開始時から1年を超える生前贈与でも遺産に入るとしています(最高裁平成10年3月24日判決)。
その結果、母の遺産の共同相続人の立場にある弟への生前贈与は、1年を超える分でも遺産に組み入れられます。

【共同相続人以外の者に対する贈与は原則、遺産に入らないが・・

弟の妻、その子や孫は、共同相続人という立場ではありません。
そのため、このような立場の者に対する生前贈与は相続開始の前、1年間のみに限って、遺留分の基礎財産には組み入れることができます。
ただ、特別受益に関する判例には、《実質上、相続人(弟)にしたと同視できる生前贈与は特別受益になる》としたものがあります(【相続判例散策】相続人以外の者に対する特別受益)。

そのため、弟の妻らに対する生前贈与が実質上、弟に対してしたものと同視できるとすれば、生前贈与の時期を問わず、遺産に組み入れすることができるという結論になります。
実質上という判断は諸般の事情を考慮してなされるものであり、簡単には言えませんが、弟とその家族にのみ生前贈与をしており、各人への贈与額が贈与税の基礎控除以内の同額であるというのであれば、実質上、弟に対する500万円の生前贈与を、贈与税を免れるために分割したにすぎないと考えることも可能かもしれません。
ただ、遺留分の分野は相続でも最も難しいところであり、かつ、特別受益であるかどうかが大きな論点になるケースです。
相続に詳しい弁護士に詳しい事情を説明した上で、その見解をお聞きするのがいいと思います。

【一時払い生命保険の掛け金の扱い】


被相続人が契約した生命保険については、その受取人が共同相続人の一人であっても遺産にはなりません(Q&A №298)。
ただ、今回は、弟が契約者であり、被保険者でかつ受取人であるなら、弟は本来自分が支払うべき1000万円の掛け金を母に支払ってもらったのであり、その全額が生前贈与になり、かつ特別受益に該当すると考えられ、遺留分減殺の対象になります。

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