大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

行方不明の相続人がいる場合の遺産分割【Q&A №2】


先日、父が亡くなりました。
私は5人兄弟の長男で、母は既に亡くなっています。
ところが、兄弟のうち、次男は25年も前に家を飛び出してから、音信不通です。
次男の戸籍を取寄せると、戸籍では死亡は記載されていません。
そのため、親戚を始め、次男の昔の友人たちに聞いて回った結果、家を出た直後に住んでいたところが判明し、その場所を尋ねたのですが、次男はそこには住んでいませんでした。その近所の人も全く連絡がなかったようです。
結局、いろいろ手を尽くしたのですが、転居先がわからずじまいでした。
次男以外の兄弟とは、長男である私が父の住んでいた自宅を相続することで話がまとまっているのですが、次男を除いて相続手続をすすめることは可能でしょうか。

記載内容  相続人 失踪宣告 遺産分割協議

(長男)


あなたのおとうさんが残した財産を、法定の相続人間で話し合いしてどのように分配するのかを決める手続きを「遺産分割協議」と言います。
この協議によって、あなたのお父さんの自宅をあなたが相続することになれば、協議の結果を記載した遺産分割協議書とその他必要書類を用意して登記すれば、あなたの単独名義の相続登記ができます。

しかし、遺産分割協議には、法定の相続人が全員参加する必要があります。
質問の事案では、生存している兄弟5人に相続権があるため、行方不明の次男を参加させずに行った遺産分割協議書には効力がありません。

ただ、これでは、次男が見つからない限り永遠に遺産分割協議ができないことになります。
そこで、民法では、長期間にわたって生死が不明の人を「死亡した」とみなして、そこから生じる法律問題を解決しようとする制度があります。これを「失踪宣告」と言います。

本件では、失踪した次男の兄弟などの関係者が家庭裁判所に失踪宣告の申立てをし、「7年以上の生死不明」であることが認められれば、次男は法律上、死亡したことになり、残りの相続人だけで遺産分割協議をすることができます。

失踪宣告手続には、生死不明であることを裁判所に証明する必要があり、申立のときに裏付資料を揃え、裁判所と協議して足りない資料を追加で提出するなど、複雑な手続きになります。
そのため、このような手続は弁護士に依頼するのが望ましいですが、もし、ご自分でされたい場合にも、予め、相続問題に詳しい弁護士と相談された方がよいでしょう。

父の後妻からの相続はできるか【Q&A №1】


 私の母親は私が中学生のときに亡くなり、その後、私は母の実家で育てられました。
父は再婚し、その後2人の子供が生まれました。
父は6年前に亡くなり、父の遺産は父の再婚相手である義母と義兄弟とで分けました。
そして、昨年6月に義母が亡くなりましたが、遺産相続の話がなかったため、義兄弟に連絡したところ、「母と血がつながっていない人には財産は相続させられない」と言われました。
義母の財産を相続する権利が、私には全くないのでしょうか。

記載内容  養子 相続人 相続分

(孫)

【養子であれば相続できます】
 〔養子であるかどうかで回答が異なります〕
 質問からははっきりしないのですが、
① もし、あなたが後妻の養子になっているのであれば、後妻の相続人となります。
② しかし、養子になっていないのであれば、相続人にはなりません。

 〔養子になるには養子縁組の届出が必要です〕 養子に大昔の法律(旧民法)では、父が後妻と結婚した場合には、父の子は当然に後妻の子供になったのですが、新しい(と言っても昭和20年代に改正された)民法では、後妻とあなたとの間に養子縁組するという届出をしない限り、あなたは義母の子にはなりません。

 〔養子であるかどうかを調べる方法〕 あなたが義母の養子になっているかどうかは、あなたの戸籍に記載されていますので、戸籍の取り寄せされたらいいでしょう。

 〔養子と実子は同じ割合で相続する〕 なお、養子であった場合、義母の遺産からのあなたの取り分(相続分)は義母の産んだ兄弟と同じ割合ですので、それぞれ3分の1づつ、遺産を取得します。養子であろうと実子であろうと、相続では同じように扱われます。

 〔養子縁組が解消されていた場合〕 なお、養子であったのに、いつの間にか養子縁組が解消されていたというような場合もあります。この場合には早急に弁護士相談されることをお勧めします。

【コラム】実例で見る相続問題 :深い傷を残さないように

ここまで憎しみ合うものか・・

亡くなったお父さんの遺言書が偽造かどうかが争われた事件を担当したことがありました。
35年も前のはなしです。
結局、この事件では遺言書は偽造ではないという判決がでました。
ただ、その訴訟の最中に、遺言の偽造者と言われていた相続人(次男)が急死しました。
相手方の長男が述べた一言は次のようなものでした。
「ざまぁみろ、バチがあたったんだ!」
兄弟間の相続争いで、実弟が死亡しても、悲しみを感じるどころか、むしろそれを喜ぶという、そこまで憎しみを持つものかと深く印象に残りました。
この事件は、遺言書を作っても、トラブルは発生し、兄弟間に深い傷を残す場合があるのだということを教えてくれます。
せっかく遺言書をつくるのであれば、後にトラブルが出ないようにする必要があります。
次回に、この事件を例にどのようにすればよかったのか、問題点を検討していきます。

【コラム】遺産とは?

 遺産とは、亡くなった人(被相続人)が持っていた財産のことをいいます。
 通常、遺産といえば、銀行預金や土地建物などプラスの財産を思い浮かべますが、遺産は、必ずしもプラスの財産だけではなく、借金などマイナスの財産も含まれます。
 では、具体的に遺産にはどのようなものがあるのでしょうか。

(1)プラスの財産
 このプラスの財産には、現金、銀行預金、株式、土地建物、自動車、美術品などが含まれます。
 また、土地や建物の賃借権などの権利も含まれます。
 例えば、Aさんがお父さんの名義で借りていた借家に住んでいたとき、Aさんのお父さんが亡くなった場合でも、お父さんの財産を相続したAさんは借家を出て行く必要はなく、引き続き住むことができます。

(2)マイナスの財産
 相続人は、被相続人が亡くなった時から、被相続人の財産や権利を引き継ぎますが、それとともに義務も引き継ぎます。
 そのため、Aさんのお父さんが生前借金をしていた場合、その借金もマイナスの財産として引き継ぐことになります。
 もし、お父さんが誰かの保証人になっていた場合には、相続人であるAさんはその保証人の立場も引き継ぐことになります。

(3)遺産に含まれないもの
 生命保険は、被相続人が死亡することによって支払われるという点で相続と似ていますが、遺産には含まれません。
 そのため、例えば、Aさんのお父さんが死亡し、その相続人がAさんとBさんの2人のケースで、
  ・ お父さん名義の銀行預金 と、
  ・ Bさんを受取人とする生命保険
がある場合、銀行預金は相続によりAさんとBさんとで分けることになりますが、生命保険金は遺産ではないためAさんは受け取ることができず、保険の受取人であるBさんが全額を受け取ることになります。

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