大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★【コラム】法定相続の概略と具体例その1:配偶者と子供

【法定相続の概略】
ある人が亡くなると、その亡くなった人(被相続人)の財産は、相続人に引き継がれます。被相続人が遺言書を作成しておれば、基本的には、遺言書に書かれた人に財産が相続されます。
しかし、ほとんどの人が遺言書を作成していませんので、民法で決められた順序で、財産が相続されます。これを法定相続といい、民法で相続する権利が認められる人を法定相続人と言います。

では、だれが法定相続人になる定められてのでしょうか?

①第1順位の法定相続人
まず、配偶者と子供が第1順位の相続人になります。
この場合、相続分は配偶者が2分の1となり、残りが子供の相続分となります。
※注:夫にとっての妻、妻にとっての夫を法律上、配偶者(はいぐうしゃ)といいます。
配偶者がいない場合には、子供が遺産全部を相続します。

②第2順位の法定相続人
配偶者がいるが、子供がいない場合には、第2順位の配偶者と被相続人の両親が相続します。この場合、配偶者の相続分は3分の2であり、残りを両親が相続します。
但し、通常の場合は、両親も死亡されている場合が多いでしょう。

③第3順位の法定相続人
配偶者がいるが、子供と被相続人の両親がともにいないあるいは死亡している場合には、第3順位の配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続します。この場合、配偶者の相続分は4分の3であり、残りを兄弟姉妹で分けることになります。

【具体例】
実例を見て、具体的な相続分を考えてみましょう。

質問:私の父が1000万円の預金を残して亡くなりました。残った家族は、母と私と兄です。遺言書がないとすると、私はいくら相続できますか。

回答:この場合、お母さん【配偶者】と私と兄【子】はともに第1順位の相続人です。同列の順位の相続人が複数いる場合、同列の相続人同士で相続財産を分け合います。
既に述べたように【配偶者】と【子】がいる場合、配偶者は遺産の2分の1を取得し、残りを子供で分けます。

したがって、質問の場合、【配偶者】であるお母さんが1/2の500万円、私と兄【子供ら】が合わせて1/2の500万円を相続します。
具体的な相続割合と具体的な相続分は以下のようになります。

母:財産の1/2(500万円)
私:財産の1/4(250万円)
兄:財産の1/4(250万円)

自宅で作る公正証書遺言と作成費用【Q&A №4】


私は足が不自由で、出歩くことができません。
公正証書遺言を作りたいと考えておりますが、病院などではなく、自宅でも公正証書遺言を作ることはできますか?  もし、作れるのであれば、費用はどれくらいかかるものでしょうか?
また、遺言の作成について弁護士さんに依頼すると、どのくらい費用がかかるものでしょうか?

記載内容  公正証書遺言 遺言作成費用 弁護士費用

(はる)


【公証人の出張は可能です】
公証人は、普段は公証役場で仕事をしています。
しかし、公正証書遺言を作る人が高齢である、あるいは脚に障害がかる等の理由で公証人役場に行けない場合には、予め申し出れば公証人に出張してもらうことも可能です。
遺言をする人の自宅でも、遺言者が入院している病院でも出張に応じてくれます。
 ただ、出張の場合には、後に述べるように通常より高額の費用を支払う必要があります。遺言書の内容と本人の意思に違いがないか、又、公正証書遺言作成に必要な2名の証人が来れるのかを確認し、何度も公証人に来ていただくことのないように注意が必要です。

【公正証書遺言の作成費用】
公証人役場で作成する遺言の作成手数料は、遺言によって相続させる遺産の総額や遺言を受ける人の数で変わってきます。
おおよその額を知っていただくために、手数料の具体例をあげます。
 ※遺産を均等に分割した場合の金額例です。
 (遺産額)  (相続人の数及び遺言内容)   (手数料)
5000万円  妻、長男、長女に相続      約80,000円 1億円     妻、長男、長女、次女に相続  約110,000円 2億円     妻、長男、長女、次女に相続  約140,000円 (作成手数料は遺言の内容により異なります。詳しい説明については、公証役場のホームページ http://www.koshonin.gr.jp/hi.html#04 をご覧下さい。)

【出張の場合に追加料金】
① 公証人の出張費用として、前記手数料の約5割弱の金額が加算されます。
② 出張実費(交通費)
③ 日当(1日20,000円、4時間まで10,000円)が加算されます。

【遺言書作成のための弁護士費用】
 遺言の内容作成の弁護士費用は、目的物の価額や内容の複雑さによって変動しますが、概ね150,000円~200,000円程度をお考え下さい。

☆ワンポイントアドバイス☆
 遺言書があっても、遺産が相続人の一部にしか相続させないような場合には、遺産をもらえなかった相続人から不満が出ることが多く、結局、相続人間で訴訟が行われることがよくあります。できれば、弁護士などの専門家に相談して、もめない内容の遺言書の書き方をお聞きになることをお勧めします。
 また、遺言書の内容を執行することを弁護士に依頼して、スムーズに遺言書内容を実現することを考えられてもいいでしょう。

【コラム】実例で見る相続問題:遺言書の偽造

前回は遺言書偽造の事件が兄弟間の深刻なトラブルを引き起こした事件のことを記載しました。
では、どこに問題があったのかを検討しましょう。

まず、第一の問題点は、自筆の遺言証書であったという点です。 本人いない だれが署名してくれるのか・・・ ① 遺言書は公証人役場で作るのが望ましい。
 公証人役場で作成した場合、公証人は遺言する人の本人確認をしますので。偽造という問題は発生しません。

② 相続人間の紛争が生じないように、内容を工夫する必要がある。
 例えば長男だけに相続させるというような内容であると、財産をもらえなかった長女や次男等から不満が出ることが多く、紛争に発展していくことが多いものです。

遺言というのは、自分の死を想定して作成するものであり、「縁起でもない」として作成に踏み切る気持ちになれないという気持ちはよくわかります。
しかし、残された子供たちが遺産をめぐって、争いをするのはとても不幸なことです。
財産をお持ちの方については、是非、遺言書の作成をお勧めします。

又、作成については相続問題に詳しい弁護士に相談し、その内容をどのようにするかという踏み込んだ相談をされることをお勧めします。

大澤photo6 さて、最後に、私ですが、現段階では遺言書は作ってはおりません。なにせそれほど財産を持っていないですから。

しかし、こんな声も聞こえそうです。

知人:「財産があるかどうかは別として、早く作っておいた方がいいよ。もう、そんなに若くないんだから・・」
私「・・・・・・・・・」
                                     (龍)

★【コラム】特別方式の遺言

これまで、遺言の方式について、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言を説明してきました。
一般には、この3つの方式から選択することになりますが、緊急時にはこの3つ以外に特別の方式での遺言が認められています。
ほとんど使われる機会はありませんが、万が一のときに思い出していただければと思います。

【死亡の危急に迫った遺言】
これは、疾病その他の事由によって死亡の危急に迫っている者が行う遺言です。
この遺言は、証人3人の立会いが必要で、遺言者はこの証人の1人に口頭で遺言をします。
これを聞いた証人がその内容を書面に記載して、遺言者とその他の証人に読み聞かせます。
そして、各証人が記載が正確であることを確認後、遺言者が署名捺印します。
その後、遺言から20日以内に、証人又は利害関係のある者から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、遺言の効力は発生しません。

【船舶遭難者の遺言】
船舶が遭難した場合で、その船舶に乗っていて死亡の危急に迫っている者が行う遺言です。
この遺言も証人が必要ですが、証人は2人で足ります。
その後に、遺言者が言う遺言を書面に記載して、署名捺印する必要があるのは上記遺言と同じです。
また、家庭裁判所に請求して確認を得なければ効力がないことも同じですが、20日という制限が課せられていません。
なお、家庭裁判所への請求は、証人又は利害関係のある者が行いますが、この遺言の場合、証人も遺言者と同様に、船舶で死亡の危急に迫っている者ですので、実際上、証人からの請求は難しいだろうと思います。

【その他の遺言】
さらにレアな方式として、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言があります。
これらは、伝染病のための行政処分によって、交通を絶たれた場所に在る者と船舶中で一般の人と連絡が取れない場合に認められる方式です。
これらは、警察官や船長の立会いが必要になります。

以上が緊急時のための特別方式の遺言ですが、これらはいずれも、遺言者が危難で亡くならずに生存した場合には、6か月間でその効力はなくなります。

★長年放置した遺産の分割【Q&A №3】


母の父が数十年前に亡くなっているのですが何箇所かの土地が未だに相続されないまま祖父名義のままになっています。
母の兄弟も何名かすでに亡くなっており残り母を含め2人となってしまいました。母も高齢になってきているので何とか今のうちにきちんと相続をしておきたいと思います。
ですが祖父名義の借家には母の兄嫁が勝手に数十年にわたり家賃をとっていたり、また、別の家には相続がなされないまま数十年兄嫁親子が住んでいたりしています。
その中でもうちの母は自宅近くにある祖父名義の土地を長年管理してきましたのでそこだけでも分割相続をしたいと思っております。祖父名義の土地の一部だけを母が相続する事は可能でしょうか?
又もし全体を分割相続しなければならないとしたら自分が相続しない所までも最初に言い出した母が弁護士費用、その他の相続費用を支払わなくてはいけないのでしょうか?
高齢で貯蓄もないのできちんとしたいものの費用面もとても不安でなかなか次に進めない状態ですのでアドバイスお願い致します。

記載内容  遺産分割協議 相続費用 弁護士費用

(ひまわり)


【まず遺産分割協議を】
お祖父さんの遺産のうち、お母さんが希望する土地を相続することは可能です。
ただ、そのためにはお祖父さんの相続人全員で遺産の分け方を話し合う(「遺産分割協議」)必要があります。
 なお、この協議には亡くなられた兄弟(=祖父の子)の相続人が参加する必要があります。
お母さんの希望する土地の相続について全員の同意が得られれば、そのことを記載した遺産分割協議書を作ります。そうすると登記名義をお母さんに移転することができます。
 しかし、もしお母さんの相続する土地の値打ちが外の相続人が受け取る遺産と比べて高すぎるというのであれば、他の相続人にお金(代償金)を支払って土地をもらうということもあります。

【協議がまとまらないときは】
 相続人の間で分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをし、これでもまとまらないときは家庭裁判所の審判(判決のようなもので、裁判所が判断します)で遺産の分割をすることになります。
 この場合にも、裁判所は長年あなたのお母さんが管理してきた土地という点を考慮するでしょうから、その土地をお母さんが相続する可能性が高いと思われます。
 ただ、審判では相続人間の公平を考え、法律で定められた相続分を基準に判断しますので、お母さんが代償金等の支払いを命じられる場合もあるかもしれません。

【費用等の負担者は】
 遺産分割に必要な費用は最初に言い出した方が全ての費用を負担するわけではありません。相続費用(例えば相続登記の費用)については、相続された方がそれぞれ負担することになります。
弁護士に依頼した場合、その費用は依頼した方が負担し、他の相続人に負担を求めることはできません。弁護士は依頼者である方の立場を守るために行動するからです。

☆ワンポイントアドバイス☆
 質問の中に、お母さんの兄嫁が勝手に、祖父名義の借家の家賃をとっていたということが記載されています。
 遺産分割が完了していない間の家賃は、相続分に応じて、相続人全員がもらう権利がありますので、過去に遡って家賃を兄嫁に請求することが可能です。
(ただし、時効ということもあるので、一部しか請求できない場合もあります。)
 もし、家賃を貰うことができれば、相続費用の負担が軽減されるでしょうし、弁護士を頼む際の費用に充てることも可能です。

【コラム】秘密証書遺言とはどういうものか?

【一体、何が「秘密」なのか?】
今回は、秘密証書遺言について説明します。
秘密証書遺言とは、その名のとおり、遺言の内容を秘密にしておける方式の遺言です。

【自筆証書遺言との違い】
具体的に述べてみましょう。
まず、遺言者が遺言書を作成しますが、これは、自らが書くことはもちろん、パソコンで印刷したものでも構いませんし、また、友人に依頼して作ってもらったものでも構いません。
この点では、内容を自ら手書きしなければならないので自筆証書遺言と大きく異なります。
なお、遺言者は、作成した遺言書に署名し、捺印しなければなりません。
署名捺印は、必ず遺言者自身がしなければならないので、署名できない人は秘密証書遺言を作ることはできないことになります。

大澤photo6

【公正証書遺言との違い】
次に、遺言者自身が遺言書を封筒に入れて、遺言書に捺印したものと同じ印鑑で封印し、それを公証人及び証人2人が確認した上で、封筒に公証人らが署名捺印することによって、秘密証書遺言が完成します。
公証人が遺言の内容を確認する公正証書遺言とは異なり、公証人は封筒に署名捺印するだけで、内容を確認するわけではありません。
そのため、公正証書遺言では家庭裁判所において検認手続を行う必要がありませんが、秘密証書遺言ではこの検認手続を行う必要があります。

【秘密証書遺言の最大の欠点】
ただ、秘密証書遺言を誰が保管するかという点は法律ではなんら定められていません。
公正証書遺言であれば公証役場で保管しますが、秘密証書遺言の場合、公証役場は遺言をしたことを記録するだけで、遺言書自体は保管してくれません。
また、公証役場では、遺言の内容は記録されないので、きちんと保管していなければ、自筆証書遺言と同じように、偽造されたり、破り捨てられたりする危険があるので、注意しなければなりません。
そのため、遺言者の方で、死後に確実に発見され、かつ破棄されないような安全な保管方法を考える必要があります。
このように、秘密証書遺言は、公正証書遺言のように手間がかかるのに、自筆証書遺言と同様なデメリットもあるので、遺言としてはあまり使われておりませんし、お勧めできるものでもありません。

【コラム】相続放棄・・借金(負債)の方が多い場合にとるべき手段

【どんなときに相続放棄をする必要があるのか?】
相続では、財産だけはなく、借金(負債)も引継ぎます。
そのため、相続した後に、引継いだ債務の支払に追われるということもあります。
このような場合、相続人が、「相続しない」という手続きをすることで、相続を拒否できます。
これを相続放棄といいます。

相続放棄によって、借金をたくさん残して亡くなった被相続人の義務を受け継がなくて済みますが、反面、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続しませんから、家はもらうけど借金は払わないというような事は出来ません。

【相続放棄の玉突き現象】
相続放棄すると、放棄をした人は、はじめから相続人ではなかったことになります。
例えば、父親が死亡して、息子達全員が相続を放棄した場合、父親の両親がいる場合には、その人達が相続することになります。
この両親全員が相続放棄すると、今度は父親の兄弟が相続することになりますので、借金(負債)が多い遺産相続では、法定相続人全員で相続放棄をする必要があります。

【相続放棄の手続きは?】
法律相談の際に、「相続放棄をした」と説明する相談者の話をよく聞いてみると、相続人の間で遺産をいらないと言っただけだというケースがよくあります。
これは「事実上の相続放棄」といって、法律に規定のある相続放棄とは違いますので、このような場合には、被相続人の借金が残っていれば、債権者に支払いをしなければならなくなります。
債権者に対して借金(負債)を支払いしなくてすませるためには必ず、法律上の「相続放棄」をする必要があります。
法律上の「相続放棄」のためには、相続があったことを知ってから3か月以内に、家庭裁判所にきちんとした申し立てする必要がありますので、この点はくれぐれもご注意下さい。

【借金が多いかどうかがわからない場合には・・】
相続人であることが判明したが、プラスとマイナスの財産のどちらが多いのかわからないという場合、財産調査が必要です。
しかし、財産調査に3か月以上かかる場合、相続放棄期間が経過してしまいます。
このような場合には、放棄をする期間を延長(これを熟慮期間の伸長といいます)することができます。
この場合も、相続放棄と同じく、家庭裁判所に、具体的な必要性を説明して申立てする必要があります。

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