大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

★【コラム】相続人になれない人

相続権を奪われることもあります

【相続権を失う場合】
遺言がない場合、民法に規定された順序にしたがって、配偶者(夫又は妻)、子供、親(尊属)、兄妹、孫などの親戚に遺産が相続されます(法定相続)。
しかし、被相続人(なくなられた方)にとって非道いことをした人には財産を与える理由はありません。
民法では、一定の行動を取った人に当然に相続権を認めない「欠格」、関係者からの申立を受けて相続権を失わせる「廃除」の2つの規定を設けています。

【相続人の「欠格」について】
以下の行為を行った人については法律上当然に相続権がなくなります。
・被相続人や相続について先順位もしくは同順位にある人を故意に殺した人、あるいは殺そうとした人(殺人・殺人未遂罪)で、刑に処せられた人 ・詐欺又は強迫で遺言書を書かせようとしたり、遺言書を捨てる、隠す、書換え等した人 ・遺言書の作成を妨害した人

【相続人の「廃除」について】
相続人となるべき人に、被相続人に対する虐待、被相続人への重大な侮辱行為、著しい非行などがあった場合、家庭裁判所は、被相続人の請求を受けて当該事実を判断し、相続人となるべき人の相続権を「廃除」によって奪うことが出来ます。
また、遺言によっても奪うことが出来ますが、この場合には遺言執行者が家庭裁判所に排除の申し立てを行うことになります。
ただ、当然ながら、被相続人が亡くなった後に請求することは出来ません。

【欠格・廃除の子供たちは相続できる?】
被相続人の死亡時に、本来相続人となるべき人が既に死亡しており、その子供が生存している場合、その子供は、本来相続人となるべき人に代わって相続ができます。これを代襲相続と言います。
欠格・廃除によって、本来相続人となるべき人が相続権を失っても、その子らは代襲相続することが出来ます。


【コラム】実例で見る相続問題:遺産は不動産でもらいますか?現預金でもらいますか?

遺産は不動産でもらいますか?
現預金でもらいますか?

遺産の分割協議をしていると、ある相続人は現預金で欲しいといい、他の相続人は不動産が欲しいといいます。
さて、あなたならどちらでもらいますか?

【現預金が一番】
弁護士としては、原則として、その遺産の家屋に居住しているような場合は別として、現金か預金でもらいなさいというアドバイスをします。
その一番の理由は、不動産は簡単に売れないということです。

例えば広大な土地をもらった場合でも(遺産額が多い場合には)相続税の支払が必要です。
遺産分割で、現預金をもらった場合は、それですぐに相続税の支払ができます。
しかし、不動産でもらった場合には相続税の支払い原資として、別途、お金を用意する必要があります。

【不動産を売り急げば買い叩かれる】
もし、そのお金がないというのであれば、不動産を売却するしかありません。
その場合、何事もそうですが、売り急げば不動産の価額は恐ろしく安くなります(足元を見て買い叩かれるということです)。

【税金もかかります】
その不動産があなたが居住している不動産なら別として、不動産を売却する時には通常はかなりの不動産譲渡税もかかります。
また、売るまでの期間、当然のことながら固定資産税等も支払う必要があります。

【過去にこんなケース】
 過去に、当方の依頼者で不動産の取得を選択した方がおりましたが、相続税として支払うお金がありませんでした。
 そのため、税務署と協議の上、長期で分割払い(延納)という手続をしましたが、もらった不動産は売れず、しかも不動産価額は下落を続け、依頼者の相続人は四苦八苦しておりました。

 次回の記事でも記載しますが、遺産分割の前提となる不動産価額は、相場よりかなり安くなります。相続税の支払や不動産の利用価値、売却の可能性等、しっかりと考えて対処する必要がありますのでご注意下さい。


★【コラム】寄与分とは?

 寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に、特別の貢献(寄与行為)をした相続人に、法定相続分以上の財産を取得させる制度です。
 これは、親元(被相続人)を離れて何もしなかった子(相続人)と親と共に事業を行って、財産の維持や増加に貢献した子(相続人)との間で、取得する遺産に差をつけることによって、相続人間の実質的な公平を図るものです。

 寄与分が認められるための寄与行為とは、特別なものでなければなりません。
 例えば、妻が専業主婦として長年、夫のために家事労働を頑張っていたというだけでは、特別な寄与行為とはいえず、寄与分は認められません。
 なぜなら、夫婦間では、双方とも協力して助け合う義務が法律で定められているため(協力扶助義務)、家事労働を頑張ったというだけでは、この協力扶助義務の範囲内のもので、特別の寄与行為とまではいえないからです。

特別な寄与行為の例としては、
①被相続人と共に事業を行って被相続人の財産の増加に貢献した
②被相続人に土地を贈与した
③被相続人の借金を返済してあげた
④被相続人の生活費を負担して財産を維持させた
⑤被相続人の介護を行い医療費や介護費用の支出を抑えて財産を維持させた

などがあります。

 寄与分の割合は、相続分のように法律で定められているわけではないので、個々のケースによって、その割合が異なります。

 では、寄与分の割合はどのように定めるかといえば、まずは、相続人全員での協議によります。
 つまり、遺産分割協議の中で、「親父と商売をやっていた兄貴には、店舗不動産を渡して、残りの財産を分割しよう。」など話し合って決めていくことになります。
 相続人間の協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に調停や審判という手続を申し立てます。

 なお、相続人同士で仲が悪くて協議できない場合などは、相続人間での協議をせずに家庭裁判所に申し立てることも可能です。


★家を買ってもらった妹の相続分【Q&A №8】 0008


現在、家庭裁判所で遺産相続について、争うところです。兄弟は3人です。
妹は6年前に、生前贈与で、親に約4,000万円のマンションを買ってもらっていますが、このマンションは遺産相続の金額に含まれるでしょうか?
通常、生前贈与は5年以内に買ってもらったマンションなら、遺産相続の金額の対象に入ってくるようですが、家庭裁判所で争うということで、特別な理由?として、金額の対象に入ってくるものか知りたいです。

記載内容  特別受益 価格評価

(ぽんた)


【特別受益として相続財産に入ります】
妹さんが受けた生前贈与は、結婚または独立するためのものだと思われますので「特別受益」にあたると考えられます。
 この「特別受益」にあたる生前贈与は、遺産分割の際、相続財産とみなされますので、妹さんが被相続人に買ってもらったマンションの価格も相続財産に含めて計算します。
この制度は、相続人間の公平を図るために認められたものであり、贈与の時期に関係なしに認められますので、贈与時期が5年前か6年前かということは問題とはなりません。

【遺産に算入されるマンションの価額】
 ただ、マンションの価格は、贈与当時の約4000万円ではなく、また、遺産分割したときでもなく、相続開始時(被相続人の死亡時)の価額で算定されるということです。この点はご注意下さい。

☆ワンポイントアドバイス☆
わかりにくいかもしれませんので、具体例で説明します。
相続人が兄弟3人の前提で相続開始時の相続財産を6,000万円、特別受益のマンションの相続開始時価額を3,000万円とすると、各相続人の相続分は次のとおりです。
特別受益を加算した相続財産:9,000万円 計算式=(相続開始時の相続財産:6,000万円+特別受益:3,000万円)

【各相続人の相続分】
妹の相続分はなし(0円)です。
計算式 9,000万円÷3=3,000万円(各人の取り分)
《次にこの各人取り分から特別受益分を控除します》
3,000万円-3,000万円(特別受益分)=0円 他の兄弟は各人の取り分の3,000万円全額をもらえます。

 なお、お兄さんがお父さんと同居されていたとのことですので、お兄さんが親の面倒を見たので遺産を多くもらいたいと主張(これを「特別寄与」の主張といいます)してくることも考えられます。
 お兄さんの関与で、お父さんの財産を増加させる或いは減少を食い止めるという具体的な事実がある場合には、お兄さんの寄与分が認められることもあります。
 この場合、寄与分として認められた金額は、お兄さんが取得し、その額を差し引いた残額を前提として遺産分けがなされますので、ご注意下さい。


【コラム】法定相続の概略と具体例その4:特別受益

生前に多額の財産を贈与されている者がいる場合の不公平除去・・・特別受益について

【特別受益とは?】
 生前に法定相続人が被相続人から贈与等の利益を受けていた(これを特別受益といいます)ような場合があります。
 遺産分割では、このような生前の財産贈与分を遺産額に上乗せ(繰り戻しといいます)した上で、相続人の相続分を計算して、相続人間の公平を図ります。
 この説明だけではわかりにくいでしょうから、具体例で説明しましょう。

【具体例】
質問
父の遺産は合計6,000万円でした。
母は父より早く亡くなっており、相続人は長男と長女の2人です。
なお、長女は生前に父から住宅建築費用として3,000万円を出してもらっていましたが、長男は高校を出てずっと働きづめであり、何ももらっていません。
長男、長女の相続額はどの程度になるのでしょうか?

回答
まず、生前の受益分を考えなければ、相続人は長男及び長女の2名ですので、それぞれが均等に金3,000万円をもらえるはずです。
 しかし、長女には生前の特別受益がありますので、相続分割対象の遺産額にこの受益分を加算します。
 そうすると、分割の対象となる遺産額は9,000万円(計算式:相続財産(6,000万円)+特別受益(姉受益3,000万円))となり、長男長女の各相続分は4,500万円になります。
 この額を前提に、特別受益がある者についてはその額を差し引きますので、結局、長女の貰う額は1,500万円(計算式:4,500万円-3,000万円(特別受益分))となり、長男の貰う額は4,500万円(特別受益がないので控除分なし)となり、長男は特別受益をもらった長女よりも多く財産をもらえることになります。


【コラム】遺言執行者について

あなたがお書きになった遺言書は、あなたが死んだときに効力を生じます。
よく気がつく人なら、こんな疑問を持つかもしれません。
私の遺言は果たして実行されるのか?・・・・ このような心配に対する対策が遺言執行者の制度です。

大澤photo6【遺言執行者とは?】
 遺言執行者とは、遺言の内容を実現(執行)するために行動する人です。

【誰が遺言執行者を決めるのか?】
 遺言執行者は遺言者が遺言で指定します。
この指定をするには、遺言執行者になって欲しい人の承諾をとる必要はありません。
しかし、指定された人が、遺言執行者になることを拒否することもできますので、事前に了解を得ておくほうがいいでしょう。

【誰を遺言執行者に指定するのが望ましいか?】
 相続人の一人を執行者に指定すると、他の相続人から反発がでる場合もあります。
 遺言の内容を実行することが内容ですから、法的な知識があり、登記等の手続きに精通している弁護士を遺言執行者に指定するのが望ましいです。

【遺言執行者が動いてもらうために・・】
 遺言執行者は、あなたが死亡したことを知って、遺言の執行をします。
そのためには、遺言執行者はあなたが死亡したことを知る必要があります。
あなたの死亡をどのように知らせるのかを、遺言執行者と協議しておく必要があります。
又、遺言書を遺言執行者に預けておかないと、いざ、遺言執行という場面で肝心に遺言書がどこにあるかわからないという悲惨なことにもなりかねません。この点も要注意です。

【遺言執行者が先に死亡する場合もある?】
遺言執行者が遺言者よりも長生きするとは限らないので、1番目としてAさん、もしAさんが遺言執行者になれないようであればBさんというように指定しておくこともできます。


親の面倒を見た兄・財産をもらった姉の相続分【Q&A №7】 0007


先日、父が亡くなりました。
父は自宅と複数の駐車場や土地を持っており、自宅以外は他の人に貸して不動産収入を得ておりました。
私は次男で、私以外には兄と姉がいますが、遺産は兄弟3人で3等分することになるのでしょうか?
なお、長男は父と同居しておりましたし、姉は結婚する際、父から土地を貰っていましたが、これらは遺産分けに影響することはないでしょうか。

記載内容  相続分 特別受益 寄与分

(匿名希望)


【原則としては・・】
ご相談の件では、特に遺言書にも、また、お母さんのことにも触れられていませんので、遺言書なし、お母さんは既に死亡したとして回答します。
まず、原則としては、相続財産を兄弟がそれぞれ3分の1の割合で相続します。

【特別受益】
ただ、相続人のうち、生前に被相続人から財産を譲り受けていた人がいる場合には、この財産受けを相続の前渡しとしてカウントします(これを「特別受益」といいます)。
具体的には、今回の相続財産総額に、過去、お姉さんに贈与された土地の価額を加算して、相続分をそれぞれ計算します。

【具体的にもらえる遺産内容】
今回の質問では、具体的な遺産内容や贈与の額が記載されていませんが、仮に死亡時の相続財産総額は金4500万円とし、生前贈与分の土地は譲渡当時で1500万円とした場合、各相続人のもらえる遺産は次のとおりとなります。

計算上の相続財産:6000万円 計算式=相続財産総額:4500万円+生前贈与分:金1500万円を加算した金6000万円を前提に遺産分けをします。
各人の相続分は3分の1ですから、各相続人はそれぞれ2000万円をもらえることになります。
ただ、生前に贈与を受けた分は差し引いて計算しますので、今回の遺産分けでもらえる具体的な遺産内容は次のとおりとなります。
兄及び次男:金2000万円、姉:500万円

☆ワンポイントアドバイス☆ なお、お兄さんがお父さんと同居されていたとのことですので、お兄さんが親の面倒を見たので遺産を多くもらいたいと主張(これを「特別寄与」の主張といいます)してくることも考えられます。
お兄さんの関与で、お父さんの財産を増加させる或いは減少を食い止めるという具体的な事実がある場合には、お兄さんの寄与分が認められることもあります。
この場合、寄与分として認められた金額は、お兄さんが取得し、その額を差し引いた残額を前提として遺産分けがなされますので、ご注意下さい。


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