大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

夏季休業のお知らせ

拝啓 時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、誠に勝手ながら、来る8月13日(木)から8月16日(日)までの4日間、夏季休業とさせていただきます。
上記休業期間中にお電話・FAX又はメールにてご連絡頂いた場合は、8月17日(月)以降に順次返信させていただきますので、よろしくご協力下さいますようお願い致します。
草々


【コラム】公正証書遺言作成の費用と準備

以前、公正証書遺言とはどういうものか説明しました。
では、実際に、公正証書遺言を作るとした場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか?
また、どのような準備しなければならないのでしょうか?

【交渉人役場に支払う費用】
 作成費用とは、公証人役場に支払う手数料です。
この手数料は、遺言の目的である財産(遺産)の価格によって決まります。
例えば、次のように、財産が多い場合には、手数料もかかるということです。
財産の価格が500万円までの場合・・・1万1000円、
1億円までの場合・・・4万3000円、
1億円を超える場合、5000万円毎に1万3000円が加算されます。

また、公正証書遺言は3部作成するので、これらに必要な用紙について、1枚250円の費用が必要です。
もし、公証人に、病院や自宅に来てもらって遺言をつくるのであれば、上記の手数料が加算されるほか、公証人の日当や現地までの交通費も必要になります。

※公正証書遺言に関してのQ&Aを掲載しておりますので、こちらもご参照ください。
http://www.osawalaw.com/souzoku_blog/blog-entry-22.html</p

【遺言書作成に必要な書類等】
下記のような資料が必要であり、遺言書作成の前に公証人に交付して確認をしてもらう必要があります。

①遺言者の印鑑証明書
②遺言者及び相続人らの戸籍謄本
③相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票
④不動産がある場合、登記事項証明書(登記簿謄本)、固定資産評価証明書
⑤ 証人予定者の氏名、住所、生年月日、職業をメモしたもの

【遺言書作成のための事前作業】
①原案の提出
遺言書の作成を公証人にお願いする前に、予め、遺言書の原案を公証人に渡しておく必要があります。公証人はこの原案を点検します。
但し、公証人がするのは法律的に問題がないかどうかのチェックのみです。
将来の紛争がなくすために、遺言書をどのような内容にすればよいのかという、一番大切な点のアドバイスは弁護士の役割です。

②証人の用意
公正証書の作成のためには2名の証人が必要です。
この証人は遺言書を作成したことを確認するための証人ですので、あまり心配することはありません。
弁護士を通じて公正証書遺言を作成する場合は、弁護士事務所の事務員が証人になることが多いのですが、もし、証人を用意できないというのであれば、公証人に依頼して証人を探してもらうことも可能です。


★【コラム】遺言で出来ること・出来ないこと

 これまで、自筆証書遺言や公正証書遺言など、遺言の方式について説明してきましたが、今回は、遺言の内容に関するものです。
 遺言に書いてはダメな事項はありませんので、何を書いても構いません。
ただし、書いたこと全てが法律的に意味があるか(効力があるのか)といえば、そうではありませんので、この点について説明したいと思います。

【遺言で出来ること】
 遺言で出来ることといえば、まず、相続に関することを定めることが出来ます。
 例えば、長男は4分の3、次男は4分の1というように、法定相続分と異なる相続分を定めたり、長男は不動産、次男は預金というように、具体的な遺産分割の方法を定めることが出来ます。
 次に、財産の処分に関することです。
 例えば、不動産を相続人ではないAさんに与える(遺贈といいます)ことが出来ます。
 また、身分に関することも出来ます。
 例えば、婚姻関係にない人との間にできた子供を自分の子であることを認めたり(認知といいます)、未成年の子供の後見人を定めることが出来ます。
 さらに、自分が残した遺言どおりに、相続を進めてもらうために、信頼できる人を遺言執行者に指定しておくことが出来ます。

大澤photo6

 

【遺言で出来ないこと】
 遺言で出来ないこととは、遺言に書いてはダメだという意味ではなく、書いても効力がないということです。
 まずは、当事者双方の合意が必要な契約は、遺言では出来ません。
 例えば、不動産をBさんに500万円で売ると書いても、効力はありません。
もちろん、Bさんはこれに従う必要もありません。
また、身分に関することでも、離婚や養子縁組など当事者双方の合意が必要なことは、遺言で定めることは出来ません。

以上のとおり、遺言で実現できることには限界があります。
しかし、遺言は亡くなった人の最後の望みですから、家族の方々はその意思を尊重してくれると思いますので、法的な効力はともかく、希望は全て書いたほうがいいのではないでしょうか。


★【コラム】法定相続の概略と具体例その1:配偶者と子供

【法定相続の概略】
ある人が亡くなると、その亡くなった人(被相続人)の財産は、相続人に引き継がれます。被相続人が遺言書を作成しておれば、基本的には、遺言書に書かれた人に財産が相続されます。
しかし、ほとんどの人が遺言書を作成していませんので、民法で決められた順序で、財産が相続されます。これを法定相続といい、民法で相続する権利が認められる人を法定相続人と言います。

では、だれが法定相続人になる定められてのでしょうか?

①第1順位の法定相続人
まず、配偶者と子供が第1順位の相続人になります。
この場合、相続分は配偶者が2分の1となり、残りが子供の相続分となります。
※注:夫にとっての妻、妻にとっての夫を法律上、配偶者(はいぐうしゃ)といいます。
配偶者がいない場合には、子供が遺産全部を相続します。

②第2順位の法定相続人
配偶者がいるが、子供がいない場合には、第2順位の配偶者と被相続人の両親が相続します。この場合、配偶者の相続分は3分の2であり、残りを両親が相続します。
但し、通常の場合は、両親も死亡されている場合が多いでしょう。

③第3順位の法定相続人
配偶者がいるが、子供と被相続人の両親がともにいないあるいは死亡している場合には、第3順位の配偶者と被相続人の兄弟姉妹が相続します。この場合、配偶者の相続分は4分の3であり、残りを兄弟姉妹で分けることになります。

【具体例】
実例を見て、具体的な相続分を考えてみましょう。

質問:私の父が1000万円の預金を残して亡くなりました。残った家族は、母と私と兄です。遺言書がないとすると、私はいくら相続できますか。

回答:この場合、お母さん【配偶者】と私と兄【子】はともに第1順位の相続人です。同列の順位の相続人が複数いる場合、同列の相続人同士で相続財産を分け合います。
既に述べたように【配偶者】と【子】がいる場合、配偶者は遺産の2分の1を取得し、残りを子供で分けます。

したがって、質問の場合、【配偶者】であるお母さんが1/2の500万円、私と兄【子供ら】が合わせて1/2の500万円を相続します。
具体的な相続割合と具体的な相続分は以下のようになります。

母:財産の1/2(500万円)
私:財産の1/4(250万円)
兄:財産の1/4(250万円)


自宅で作る公正証書遺言と作成費用【Q&A №4】


私は足が不自由で、出歩くことができません。
公正証書遺言を作りたいと考えておりますが、病院などではなく、自宅でも公正証書遺言を作ることはできますか?  もし、作れるのであれば、費用はどれくらいかかるものでしょうか?
また、遺言の作成について弁護士さんに依頼すると、どのくらい費用がかかるものでしょうか?

記載内容  公正証書遺言 遺言作成費用 弁護士費用

(はる)


【公証人の出張は可能です】
公証人は、普段は公証役場で仕事をしています。
しかし、公正証書遺言を作る人が高齢である、あるいは脚に障害がかる等の理由で公証人役場に行けない場合には、予め申し出れば公証人に出張してもらうことも可能です。
遺言をする人の自宅でも、遺言者が入院している病院でも出張に応じてくれます。
 ただ、出張の場合には、後に述べるように通常より高額の費用を支払う必要があります。遺言書の内容と本人の意思に違いがないか、又、公正証書遺言作成に必要な2名の証人が来れるのかを確認し、何度も公証人に来ていただくことのないように注意が必要です。

【公正証書遺言の作成費用】
公証人役場で作成する遺言の作成手数料は、遺言によって相続させる遺産の総額や遺言を受ける人の数で変わってきます。
おおよその額を知っていただくために、手数料の具体例をあげます。
 ※遺産を均等に分割した場合の金額例です。
 (遺産額)  (相続人の数及び遺言内容)   (手数料)
5000万円  妻、長男、長女に相続      約80,000円 1億円     妻、長男、長女、次女に相続  約110,000円 2億円     妻、長男、長女、次女に相続  約140,000円 (作成手数料は遺言の内容により異なります。詳しい説明については、公証役場のホームページ http://www.koshonin.gr.jp/hi.html#04 をご覧下さい。)

【出張の場合に追加料金】
① 公証人の出張費用として、前記手数料の約5割弱の金額が加算されます。
② 出張実費(交通費)
③ 日当(1日20,000円、4時間まで10,000円)が加算されます。

【遺言書作成のための弁護士費用】
 遺言の内容作成の弁護士費用は、目的物の価額や内容の複雑さによって変動しますが、概ね150,000円~200,000円程度をお考え下さい。

☆ワンポイントアドバイス☆
 遺言書があっても、遺産が相続人の一部にしか相続させないような場合には、遺産をもらえなかった相続人から不満が出ることが多く、結局、相続人間で訴訟が行われることがよくあります。できれば、弁護士などの専門家に相談して、もめない内容の遺言書の書き方をお聞きになることをお勧めします。
 また、遺言書の内容を執行することを弁護士に依頼して、スムーズに遺言書内容を実現することを考えられてもいいでしょう。


【コラム】実例で見る相続問題:遺言書の偽造

前回は遺言書偽造の事件が兄弟間の深刻なトラブルを引き起こした事件のことを記載しました。
では、どこに問題があったのかを検討しましょう。

まず、第一の問題点は、自筆の遺言証書であったという点です。 本人いない だれが署名してくれるのか・・・ ① 遺言書は公証人役場で作るのが望ましい。
 公証人役場で作成した場合、公証人は遺言する人の本人確認をしますので。偽造という問題は発生しません。

② 相続人間の紛争が生じないように、内容を工夫する必要がある。
 例えば長男だけに相続させるというような内容であると、財産をもらえなかった長女や次男等から不満が出ることが多く、紛争に発展していくことが多いものです。

遺言というのは、自分の死を想定して作成するものであり、「縁起でもない」として作成に踏み切る気持ちになれないという気持ちはよくわかります。
しかし、残された子供たちが遺産をめぐって、争いをするのはとても不幸なことです。
財産をお持ちの方については、是非、遺言書の作成をお勧めします。

又、作成については相続問題に詳しい弁護士に相談し、その内容をどのようにするかという踏み込んだ相談をされることをお勧めします。

大澤photo6 さて、最後に、私ですが、現段階では遺言書は作ってはおりません。なにせそれほど財産を持っていないですから。

しかし、こんな声も聞こえそうです。

知人:「財産があるかどうかは別として、早く作っておいた方がいいよ。もう、そんなに若くないんだから・・」
私「・・・・・・・・・」
                                     (龍)


★【コラム】特別方式の遺言

これまで、遺言の方式について、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言を説明してきました。
一般には、この3つの方式から選択することになりますが、緊急時にはこの3つ以外に特別の方式での遺言が認められています。
ほとんど使われる機会はありませんが、万が一のときに思い出していただければと思います。

【死亡の危急に迫った遺言】
これは、疾病その他の事由によって死亡の危急に迫っている者が行う遺言です。
この遺言は、証人3人の立会いが必要で、遺言者はこの証人の1人に口頭で遺言をします。
これを聞いた証人がその内容を書面に記載して、遺言者とその他の証人に読み聞かせます。
そして、各証人が記載が正確であることを確認後、遺言者が署名捺印します。
その後、遺言から20日以内に、証人又は利害関係のある者から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、遺言の効力は発生しません。

【船舶遭難者の遺言】
船舶が遭難した場合で、その船舶に乗っていて死亡の危急に迫っている者が行う遺言です。
この遺言も証人が必要ですが、証人は2人で足ります。
その後に、遺言者が言う遺言を書面に記載して、署名捺印する必要があるのは上記遺言と同じです。
また、家庭裁判所に請求して確認を得なければ効力がないことも同じですが、20日という制限が課せられていません。
なお、家庭裁判所への請求は、証人又は利害関係のある者が行いますが、この遺言の場合、証人も遺言者と同様に、船舶で死亡の危急に迫っている者ですので、実際上、証人からの請求は難しいだろうと思います。

【その他の遺言】
さらにレアな方式として、伝染病隔離者の遺言、在船者の遺言があります。
これらは、伝染病のための行政処分によって、交通を絶たれた場所に在る者と船舶中で一般の人と連絡が取れない場合に認められる方式です。
これらは、警察官や船長の立会いが必要になります。

以上が緊急時のための特別方式の遺言ですが、これらはいずれも、遺言者が危難で亡くならずに生存した場合には、6か月間でその効力はなくなります。


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