大澤龍司法律事務所 相続問題無料相談ブログ

遺産分割がまとまらないときの対処【Q&A №17】 0017


相場価格800万円位の土地の分割で相続者は4人です。

 

売却後の利益を相続した土地に比例して払うのが条件ですが1人が話し合いにすら応じてくれません。

 


この場合はどんな方法がありますか?もし裁判をする時は弁護士や諸々の費用はどの位になるものでしょうか?

 


古屋の取り壊し費用や税金で赤字になる可能性はありませんか?

(しりたい)
 

【共同相続人の遺産分割】

 



相続人が共同で相続した土地をどう処分し、配分するかは相続人全員で「遺産分割協議」をして決定します。

 



このとき、相続人の一人でも反対すると、遺産分割協議は成立しません。

 



その場合には、裁判所の手続を利用する必要があります。

 

【調停による遺産分割】

 



まず、家庭裁判所に遺産分割の「調停」申し立て行います。

 



調停とは、調停委員が双方の言い分を聞き、合意が出来るよう助力してくれる手続です。

 



ただ、話合いによる解決ですから、遺産を売却してその代金を割り振りしたり、1人が不動産を全部取得して、自分の財産から他の相続人の相続分相当額(代償金)を支払う方法など、いろいろな解決方法が採れます。

 

当事者間では話合いに応じなかった相続人でも、調停委員の話を聞き、解決をすることが多いです。

 



しかし、あくまで話合いですので、最終的に相手が応じない場合には調停は成立しません。

 

【審判による遺産分割】

 



調停が不成立になった場合、家庭裁判所は遺産分割の「審判」をします。

 



審判では、相続人が同意するか否かとは関係なしに、裁判官によって相続財産の分配が決定されます。

 

【弁護士費用】

 



土地の相場が800万円とし、相続分が均等とすると、あなたは4分の1の200万円をもらうことができることになります。

 



この金額を参考にして、弁護士費用が委任する弁護士と相談のうえで決定されることになりますが、「相場」としては、着手金が15~20万円、報酬金は、事件の難易によりますが、着手金の倍額程度と考えていいでしょう。

 

なお、家庭裁判所に出廷するため、別途、日当が加算される場合が多いです。

 

【赤字になる可能性について】

 



仮にこの土地を800万円で売却した場合、税金(不動産譲渡税:約160万円。

 

遺産が800万円の土地しかない場合には相続税は不要)、家屋を取壊費用が約100万円程度、不動産業者に支払う仲介手数料が約30万円)等が必要経費になります。

 



そのため、必要経費を除外すれば、残るのは500万円程度となります。

 



これを4人の相続人で分けることになりますが、いずれにしても、弁護士費用を支払っても赤字になることはないでしょう。

 


【コラム】生前贈与を受けていたら

生前に、相続人が被相続人から、贈与を受けていた場合や、遺言による贈与(遺贈)を受けた場合、これらの生前贈与や遺贈は、「特別受益」として相続分の算定の際に考慮する制度があります。

例えば、母親を早くに亡くした兄弟の父親が亡くなり、その遺産分割を行う場合で説明します。
兄の方が結婚して家を建てる際、父親に500万円援助してもらったとします。
これは、特別受益として算定されます。
もし、父親の遺産が1500万円であるとすれば、兄が援助してもらった500万円を加算した額である2000万円が相続財産となります。その際、それぞれの相続分は下記のようになります。

兄の相続財産:(1500+500)÷2-500(特別受益分)=500万円 弟の相続財産:(1500+500)÷2=1000万円
 この特別受益は、相続人の中で、遺産分割前に遺産の前渡しを受けたといえる場合、相続人間での公平を保つために、その分も考慮するという制度です。もっとも、全ての生前贈与が特別受益に該当するわけではなく、特別受益となるのは、「婚姻、養子縁組のため若しくは生計の資本としての贈与」です。
 「婚姻、養子縁組のための贈与」とは、持参金、嫁入り道具、結納金、支度金など婚姻又は養子縁組のために、支出してもらった費用です。
 「生計の資本としての贈与」とは生計の基礎となる贈与は一切含まれ、かなり広い意味に解されています。
 具体例としては、子が別の世帯をもつために住宅やその他の財産の贈与を受けた場合や、田畑の贈与を受けた場合などです。
 多額の贈与は、特別な事情がない限り、特別受益にあたると考えられます。


★嫁いだ先の家族に相続権はあるか【Q&A №16】 0016


嫁に行った姉が死亡した場合の遺産の相続はどうなりますか?


姉の嫁に行った先には義理の父・兄・姉がいます。

 

父が亡くなり土地の半分を姉の名義にした場合に、もし姉が亡くなった場合は嫁ぎ先の親や兄に相続権が発生してしまうのでしょうか?

(kuma)
 


【嫁ぎ先の親や義兄らに相続が発生するか】

 


結論から言えば発生しません。

 


相続権が発生するのは実親あるいは養子縁組をした養親と、実の兄弟です。

 


従って、お姉さんの遺産は嫁ぎ先の親や義兄らにはいきません。

 

【嫁にいったお姉さんの相続関係】

 


参考として、お姉さんの相続関係を説明します。

 


(この場合の親、兄弟というのは実の親であり、兄弟のことを指します)

 

①夫と子がいる場合

 


 夫(相続分は2分の1)と子供(全員で合計2分の1)が相続人になります。

 

②夫がいるが、子及び孫はおらず、親が生存している場合

 


 夫(相続分は3分の2)と親(全員で合計3分の1)が相続人になります。

 

③夫がいるが、被相続人に子や孫がおらず、親や祖父母も亡くなっている場合

 


 夫(相続分は4分の3)と兄弟(全員で合計4分の1)が相続人になります。

 

④夫がいない場合

 


.子がいる場合には、子が遺産全部を相続します。

 


.子や孫がおらず、親がいる場合、親が全部を相続します。

 


.子や孫がおらず、親や祖父母がいない場合、兄弟が全部を相続します。

 


※詳細は【コラム】法定相続の概略と具体例その1:配偶者と子供」をご参照下さい。

 

☆ワンポイントアドバイス☆

 


但し、嫁ぎ先の親と養子縁組をしている場合には、前記①~④のとおり順序及び相続分で、養親及び義兄らにも相続が発生する可能性があります。

 


★【コラム】遺言の無効

遺言が無効となるのは、次のような場合です。

①法定の書式が守られていないとき
まず、遺言は自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言など法律に定められた方式によらなければなりません。
したがって、この方式に従っていない遺言は無効です。

②遺言を作成した時に意思能力がなかったとき
遺言の意味を理解できない人が作った遺言も効力がありません。
高齢者の場合には、認知症が問題になる場合があります。
高齢者が死亡したばあいに遺言書が出てきた場合には、まず、本当に遺言をするだけの意思能力があったのかどうかを考える必要があるでしょう。

③後に遺言がなされていたとき
遺言は自由に変更できます。
例えば、平成20年1月に公正証書遺言をしたと言っても、その後、平成21年9月に自筆証書遺言をしたら、後の方の遺言が有効であり、前の遺言は無効になります。

④その他の無効事由
遺言は、15歳以上でなければできませんので、15歳未満の作成した遺言は無効です。
また、遺贈など財産に関する行為については、不法なものや公序良俗に反するものは無効です。
例えば、愛人との間で生まれた子供に財産を遺贈するに際して、認知請求を放棄することを条件とするような遺言は無効です。

なお、遺言の無効を争うような場合には、訴訟になる可能性が非常に高いので、最初から弁護士に相談された方をお勧めします。


息子の配偶者(孫の母)にも相続権はあるか【Q&A №15】 0015


父の相続について質問です、父の相続の権利は、母、私、姉、私の息子(父と養子縁組済み)がいます、もし父が私の相続分を私の息子に渡すと遺言した場合、私の奥さん(息子の母)には、私と奥さんの共有の財産の1/2以外にも新たに財産権利が発生するのでしょうか?

記載内容  遺言 相続人 養子縁組

(子羊)

奥さんに新たな権利は発生しません

結論から申し上げますと、相談に記載されたお父さんの遺言があっても、あなたの奥さんには新しい権利は発生しません。
この点を説明するために、お父さんが死亡したときの相続について、遺言のある場合とない場合に分けて、遺産の配分を検討します。

【遺言がない場合】
お母さん      :2分の1
あなた、姉、息子:各6分の1
奥さん       :なし

【遺言がある場合】
お母さん     :2分の1
息子        :6分の2
姉         :6分の1
あなた       :なし
(但し、この場合、あなたには遺留分請求権があります)
奥さん       :なし このようにご相談の件は、遺言の有無にかかわらず、奥さんがお父さんの財産から直接、相続に関して権利を取得することはありません。


★【相続判例散策】履歴照会に全員の同意不要(最高裁 平成21年1月22日)

相続人の全員の同意がなくとも、遺産である預金の取引履歴調査が可能に!
平成21年1月22日の最高裁判例について

【最高裁判例の内容】
 1月22日、最高裁は、相続人の一人が遺産の内容を調査するために預金の取引履歴を調査する際には、「他の相続人を合わせた全員の同意」は必要ないという内容の判決を出しました。
 これまでは、平成17年5月20日に最高裁は遺産である預金の調査をするには「全員の同意が必要」であるとの判断をしていたので、判断を変更したことになります。

預金の出し入れの内容が教えられませんという金融機関
 銀行などの金融機関は被相続人(遺産を残した人)の死亡した時点の預金残高は教えてくれました。しかし、金融機関の中には、預金の入出金の状況(取引履歴)については、相続人全員の同意がない限り、教えないところがありました。

今でも拒否する金融機関がある
 このような最高裁判例にもかかわらず、現在でも、全員の同意が必要だとする金融機関がありました。履歴の開示はしなくともよいという判例があるからというのですが、その判例とは(既に変更された)平成17年5月20日に最高裁判例のことでした。
 このケースは、新しい判例が出たことを説明して、履歴の開示を取り付けました。

支店が違えば、対応が異なることがある
 同じ銀行でも、ある支店では同意が不要としているのに、違う支店では全員の同意が必要だと言われることもあります。
 担当者の勉強不足が理由ですが、銀行としては全支店に扱いの変更を知らせるべきものでしょう。

中には高い料金を請求するところもある
 最近の傾向としては、銀行が高い料金を請求してくるということです。
 ある銀行では1口座1ケ月あたり金200円という、極めて高い料金を請求した例があります。多くの口座を調査する場合には、費用が多額になるという場合があるということを考慮しておく必要があるでしょう。


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