自宅の近くに大きな病院がある。
その広大な敷地に、松、カエデも、
ドングリがなるクヌギも生えている。
暑さが少しましになった9月の初め頃から
病人とともに、それらの樹の陰で
のんびりと時間潰しをする日が続いた。
取り立ててするような話もないので
枯枝で地面をかき回して、小石を掘り出した。
チャートという、大昔の深い海の底に降り注いだ
プランクトンの遺骸が硬い岩の層となり、
川に流されて削られて、
今はこの小高い丘の上に散らばっている。
この小指の先ほどのすべすべとした小石が
何億年という時間を超えてここにあると思えば
なんとなく、ふんという気持ちがする。
(病院の敷地にあったせいか、左の石はなんだか肝臓のように見えるし、
2つならべると肺のようにも見える)(龍)