元禄の頃というから、今から約300年ほど前のことだ。
商家の手代(従業員)の徳兵衛が、曽根崎新地の遊女お初と心中したという事件があった。
これに題材にしたのが近松門左衛門の人形浄瑠璃「曽根崎心中」だ。
心中の場所は曽根崎新地、現在の「北の新地」から歩いてほんの3、4分ほどのところだ。
「露天神」という神社だが、みんなが「お初天神」と呼んでいる。
ビルに囲まれたこの神社には、木に体をしばりつけて、脇差等で心中を遂げた男と女がいたという、そんな昔をしのぶものはほとんどない。
ただ、手を合わせて拝んでいる女性をたまに見かければ、どんな願いをかけているのであろうかと思うことはあるが。
この人生、この人情