平成24年5月17日日本経済新聞から
(記事の要約)
ホームページ作成のため、専用ソフトのリース契約を締結した大阪府の自営業者が、ホームページ作成が完了しないことを理由にリース会社に料金支払い義務がないことを確認する訴訟について、大阪地裁は、16日、支払義務がないとする判決を下した。
(所内の雑感)
事務員:最近よくリース被害のケースを耳にしますね。
弁護士:詳しい事情は分からないですが、訴えを起こした自営業者の方の認識としては、「リース契約」ではなく「ホームページの作成契約」だと思っていたのではないでしょうか。
事務員:どういうことですか?
弁護士:少し極端な例ですが、業者からホームページ作成を勧誘されたが、実際にサインする契約書の題目を「ソフトのリース契約」としておく。すると、後から契約書を見た第三者は、単にソフトのリース契約をしたように見えてしまい、ホームページの未完成は契約上全く問題ないとされるという可能性があります。
事務員:なぜ話と違う契約書にサインしてしまうのでしょうか。
弁護士:ひとつには、難しい話がなされると、都合のよい話の部分だけが印象に残ってしまうこと、契約書自体が難しい言葉ばかりで、契約書の意味がよくわからないまま契約してしまうことが考えられますね。
事務員:どうすればこのような被害を防ぐことができますか。
弁護士:一つには、勧誘されたその場でサインせず、一度周囲の人に相談して批判を受けること。もう一つは相見積もりでしょうね。多額の契約をするときは、必ず他の同業他社にも相談を持ちかけ、比べてみることです。サインしてからでは、取り戻しが付かなくなるので注意してほしいと思います。